第140話 お茶会?パーティー?メンドくせ・・・

「は・・・?もう一回言って貰える?母さん。」


「えっとね・・・?この間、引っ越してきた雪村さんからホームパーティーの誘いを受けたのね?悠ちゃんも陽依里ちゃんを助けたりしたでしょ?」


「そりゃー目の前で轢かれそうになってたから助けたのとついでに迷子になってたみたいだから送り届けたけどさ・・・。」


「うんうん!それに関しては流石!悠ちゃん!なんだけど・・・その時のお礼と会社としての付き合いもあるからってので私と菜月ちゃんと悠ちゃんを誘ってくれていてね?」


「母さんと菜月は参加するのはまー分からなく無いよ?代表取締役とその娘だし、継ぐ継がないに関わらずある程度のお付き合いは必要になるのは分かるからさ。でも俺はいらないよね?」


「私もそう思う、私だってそんな面倒な事に参加したくないけど行かなきゃ行かないでママに迷惑かけるのは分かるから参加はするけどさぁ~・・・。」


「はぁ・・・金持ちめんどくせぇ・・。」


ついついぽろっと本音が零れてしまって母さんと菜月に苦笑いされる・・・。


「悠ちゃん・・・うん、悠ちゃんの分は断っておくわ。」


「いや、良いよ。どんな目的があるのかは知らないけど母さんの顔に泥塗る訳にも行かないし俺も参加するさ。いつなの?」


「そ、そう?無理してない?」


「無理はしてるよ、でもそれ以上に目的が気になるのと泥塗りたくない。」


「だからって・・・、一応、今週末にって事になってるけど本当に大丈夫なの・・・?」


「うん、愛央達には話しておくし、何とでもなるでしょ・・・多分。」


「はぁ・・・兄さんが参加するなら私は常に側に付いておくことにします。何か碌な事にならない気がするし・・・。」


「うん、菜月ちゃんはそれでお願いね。それじゃ一応返事しておくから・・・ほんとごめんねぇ。」


「これっきりにしてくれよ。」っと俺は一言、母さんに伝えて母さんはリビングから出て行った。


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「えぇぇぇぇ?!ホームパーティー?!」


「会社関係の付き合いって事ですか・・・。」


「仕方ないと言えば仕方無いのかも知れないけど何で今になって?有名になったから?」


「ん-それもあるんだろうけど、一応の理由としてはお礼って事らしいよ?」


俺はあの後、部屋に戻り直ぐに愛央達にグループ通話を開始して週末の事を話し始めた。


「お礼って何かしたの?悠馬。」


「轢かれそうになってるのを助けたのと迷子になってたのを連れて行った事かな・・・?」


「それが口実って事かぁ~・・・。なんて人でいくつ位なの?」


「えっと、雪村さんって家で、名前が分かるのは陽依里ちゃんって子なんだけどその子は小学生、それとお姉さんの名前は分かんないけど母さんの話では大学生らしい。」


ふむふむっと愛央も清華も電話越しで頷いて居るのを尻目に志保は何か思いついたらしく・・・。


「雪村・・・あ、もしかして雪村グループですか?」


「雪村グループって主にアパレルをメインに幅広くやってるあそこ?」


「多分そうではないかと、悠馬さんのと言いますか、葵さんの会社と取引があるなら間違いは無いと思いますよ。」


「大企業同士の付き合いって事かぁ~・・・。何かやだな・・・。」


俺もだよ、愛央。ほんとにメンドクサイ・・・。


「私も嫌ですけど、こればかりは仕方ないと思いますし・・・納得は出来ませんけどね、理解は出来ても。」


「うん、そうだね。そこに関しては私も一緒かな。」


「うん、俺も面倒くさいってはっきり言ったけど、それ以上に目的が気になるのと母さんの顔に泥塗るのはって事で今回は諦めた。これっきりにしてくれっとも言ったしね。」


「それなら、まぁ・・・葵さんも何度もって事はしないだろうしさ。」


「私達の立場も無いですもんねこれじゃ・・・。」


「ん-・・・いっそ3人共来るか?俺の恋人達ですって紹介しちゃってさ。」


俺の言葉に3人ともポカンっと一泊空いた後に噴き出して大笑いしてくれた。


「あははっ。それはそれで面白いかもだけど予定に無い人数が増えるのはどうかと思うよ?」


「そうですね、確かに面白いですけどそれはそれで葵さんの顔に泥を塗る事になるかと・・・。」


「うんうん、個人的には悠馬くんが紹介してくれるのは嬉しいけど葵さんの立場を悪くするのはね・・・。」


「それもそっかー、俺としては紹介してかき回しても良いんだけどね?取り敢えずそんな訳で今週末は悪いけど一緒には過ごせないや。」


「は~い・・・寂しいけど仕方ないか~。」


「悠馬さんのお嫁さんになり隊でお出掛けでもしてきましょうっ。」


「それいいね!志保!私、新しい服欲しいんだよねー!秋服とか見たいし!」


「まだ夏なのに秋物を買うのか?」


「「「当たり前ですっ!」」」


「あ、はいっ。」


お嫁さんになり隊3人からの揃ったツッコミを受けながら週末に会えない分、夜遅くまで沢山話すのだった。

別に週末になる前に何度も会うけど・・・。


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SIDE 雪村家


「本当ですか?ありがとうございます、葵さん。」


かかって来た電話にお母さんが対応してるけど、どうやら参加して貰えるみたいですね。


流石に悠馬さんは断られるかと思ったけどあの感じなら大丈夫かな?

また、会えるんだぁ〜・・・えへへっ///


「陽依里、顔が溶けてる。」


「うっ///また会えるって思ったら嬉しくてっ///そう言うお姉ちゃんだってにやけてるじゃない。」


「そ、それはっ///YouMa様に会えるならにやけるってものでしょ?」


「気持ちは分かるけど、先ずは謝る所からだよー。」


「うっ・・・そうだよね・・・。はぁ・・・。」


「悠馬さんはあの時は怒ってなかったし大丈夫じゃない?」


「だとしても流石に気になるっての。」


「はいはい、二人共、週末に向けて準備しておいてね?大事な取引先だしYouMaさんも来てくれるんだし、頑張るのよっ!」


「う、うんっ///」


「私は・・・子供だし・・・、流石に女の子としては見てくれないと思うけど・・・。」


「だとしても、仲良くなっておくのは間違い無いでしょ?将来的にもね。」


言ってる事は分かるけど何か嫌だな~・・・、悠馬さんは良い人だったし迷惑かけたく無いもん・・・。


そんな事を考えながらお母さんとお姉ちゃんのやり取りを私は眺め続けるのでした。


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「うん、馬子にも衣裳だな・・・。」


似合わねぇ~・・・俺にはタキシード姿は似合わないわ・・・何て言うか着られてる感が凄いわ・・・。


「これなら制服か、静かめの私服で良さそうな気がする。」


「悠ちゃん〜、準備出来た〜?」


「出来てるよ、今行くー!」


母さんの、呼びかけに答えて部屋を後にした俺は玄関に向かうとそこには愛央達が来ていた。


「あれ?どしたの?」


「やっほっ!来ちゃったっ。」


「私達もお出かけする前に会いに来ました。」


「タイミング悪かったみたいでごめんね。」


「大丈夫。俺も会いたかったし。」


「うんっ!それにしても・・・かっこよすぎない!?」


「それです!悠馬さんのタキシード姿は様になっていてかっこよすぎます!」


「これはヤバいねっ!ドキドキするぅ。」


愛央達が俺の姿を褒めてくれるけどやっぱり着られてる感・・・。


「3人共、ごめんね。何か変な事になっちゃって・・・。」


「いえ、納得は出来ないけど理解は出来ますから・・・。ただまぁ・・今回だけにして欲しいかなって思います。」


「そうですね、葵さんの立場も分かるので今回は仕方ないと割り切ります。悠馬さんじゃ無いですけど目的も気になりますしね。」


「葵さん、今回だけですよね?悠馬くんがこうやって参加するのは・・・。」


「勿論よ!次からは絶対に断るから!安心して。あのね・・・私は貴女達の事も娘だと思ってるの、貴女達が悠ちゃんの事で悲しむのは私も本意じゃないから信じてほしいっ。」


母さんの言葉に三人は「「「はいっ。」」」っと返事をして合流した菜月を連れて俺達は車に乗り込んだ。


「それじゃ、ちょっと行ってくるね。早めに終わったら話そうな。」


「気を付けてね、悠馬。行ってらっしゃいっ。」


「終わったら連絡くださいっ。お気をつけて・・・。」


「後でねっ、行ってらっしゃいっ。」


3人に見送られて俺達は会場に向かうのだった。


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