第138話 近所に越してきた人達?
「そう言えばさ、母さん。」
「うん?どうしたの?」
「この間、誰か訪ねて来たよね?何だったの?」
「あぁ、それは・・・。」
母さんの話では家の裏から少しの所に出来た豪邸の人が挨拶に来たらしく、その人達はそれなりのお金もあるみたいで社会的立場も高いのと母さんの経営している会社とも取り引きがあるらしく、その辺を込みでの挨拶だったと言うことだ。
「成程、珍しく家の中にいれてだったから誰なんだろ?って気になってたんだけど、そゆことか。なんて人なの?」
「
「随分離れてるね〜ママ、9~10年位?」
「そうね〜、頑張りましたとは言っていたけど離れてるわね。」
「何してる人なんだ?母さんのところと取り引きがあるって言ってたけどさ。」
「アパレル関係の会社の社長さんなのよ。」
「アパレルと下着メーカーって同業って言えば同業・・・か?」
「ん〜それだけでは無いから一概に言えないけどそんな感じなのよ。」
なるほどな〜っとそんな人が越してきたのかと、この時はこの程度の認識だったんだ。
でもこの認識が面倒な事に・・・。
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「困りましたね、迷いました。」
私は今、新しく引っ越してきた街を散歩ついでに覚えてる、母がいきなり引っ越します!っと言った時は「何いってんのこの人?」っと思ったけど帰宅しての一言目がそれだったので白けた目を向けてしまった。
「まぁ、驚かせようとして秘密で新築していたのは良いと思うけど。」
それに学校とかも変わらなくて済んだのは良かったしね、登校は大変になったけど!
「はぁ・・・そんな事よりもここはどこなんでしょ?困りました・・・。」
私は考え事をしながら周りをきょろきょろとして歩いていて、信号が赤だった事に気付かなかったんです。
「危ない!逃げてぇぇぇ!」
「・・・え?・・・・ぁ・・・。」
叫び声に気付いてピーッ!っと言うクラクションの音を聞いて周りを見ると私に向かって突っ込んで来る車が視界に入り私は一切動く事も出来ずに立ち尽くしました。
「っ。・・・きゃっ!」
動けないで居た私の身体が浮遊感を感じ短い悲鳴を出してしまうのと同時にキィィィィっと私の直ぐ傍でブレーキの音が聞こえて来て放心状態の私に一人の男性の声が聞こえて来て私は自分がどう言う状態なのかをそこでやっと認識したのです。
「ふぅ・・・焦った。流石に目の前で轢かれるのを見るのはきついしギリギリだけど間に合って良かった。」
「ぇ?・・・男の・・人・・・?えっと・・・?お姫様だっこ・・・?」
「よっと・・・抱き上げちゃってごめんね。怪我はしてないかな?」
「は、はいっ!・・・その、ありがとうございます・・・。」
「うん、無事なら良かったっ!」
そう言ってその男の人は私を下ろしながらとても素敵な笑顔を私に向けてくれたのです。
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「こんにちわー!」
「あらっ!悠馬くん!いらっしゃいませ~っ!」
「あれ、残ってますか~?」
「来ると思ってちゃんと取り置きしてるわよっ!」
「そんな別に取り置きとかしなくて良いですってっ!来なかったらどうするんですか?」
「その時は普通に売るから気にしなくて大丈夫よっ。」
俺は今、家の近くにあるパン屋さんに来てるんだけどここの食パンが本当に美味しくてここの所はまり込んでちょくちょく買いに来てる。
家族経営のお店でカウンターにはママさんが立ってる事が多くて奥には3人の娘さんがそれぞれ作業してる事が多いのだ。
「それなら良いんですけど・・・。取り合えず買うのでお願いしますっ。」
「ちょっと待っててねぇ~!」っと語尾に♪でも付きそうな声で奥に取りに行くのを見ながら変わり種無いかな?っと商品を見てた。
「ん-色々と優先してくれたりしてるし、配信で紹介でもして売り上げに貢献でもしようかな・・・?あーでも、そうすると俺が買うの無くなっちゃうか・・・。」
何かお返し出来れば良いんだけどな・・っと思いながら待ってたらお客さんが話しかけて来た。
「あのぉ~・・・YouMaさんですか・・・?」
「んっ。そうですよー、見てくれてるんですねっ!ありがとうございますっ!」
「はい!大ファンです!もし良ければ何ですけど・・・サインとかってダメですか・・・?」
「サインか・・・書いた事無いけどそれでも良いなら書きますよ?」
「やったっ!全然良いのでお願いします!」
普段使いの物にYouMaを筆記体でそれっぽく書いて、証明写真って事で2ショットを撮ってっとやっている内におばさんが包んでくれた食パンを持ってきてくれた。
「悠馬くん、ごめんなさいね?普段ならそう言うの止めるんだけど目を離してた隙に・・・。」
「大丈夫ですよ、気にしなくて、こう言うのも色々やってる自分の責任だと思いますしね。」
そんな事を話しながら商品を受け取って支払いを済ませてサインをした子にも挨拶してお店を後にした。
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さって欲しいものは買ったし暑いしさっさと帰ろうかな・・・。
「にしても、マジであっつい・・・お盆も過ぎてるんだし涼しくなっても良いと思うんだけどなぁ~・・・。」
沢山の夏の思い出も作って愛央達とも一杯過ごして旅行にも行って楽しい夏休みだったって心底思う。
始まる時は長いなって思ってたけどこうやって過ごすと夏休みって短いものだな~・・・昔もそう感じてたっけな。
「あれ・・・?あの子・・・。やばいっ!」
信号待ちをして居たら反対側から歩いて来た小学生くらい女の子が信号が赤のままな事に気付かずに道路に出てる!それに車も!
「くそっ!間に合えっ!」
直ぐに俺も飛び出して女の子の所まで走りより気付いて動けなくなってる女の子を抱き上げて車線から飛び退いた所でキィィィィっと急ブレーキの音と共に車が直ぐ傍で止まった。
「ふぅ・・・焦った。流石に目の前で弾かれるのを見るのはきついしギリギリだけど間に合って良かった。」
「ぇ?・・・男の・・人・・・?えっと・・・?お姫様だっこ・・・?」
「よっと・・・抱き上げちゃってごめんね。怪我はしてないかな?」
「は、はいっ!・・・その、ありがとうございます・・・。」
「うん、無事なら良かったっ!」
俺はその子が安心するように笑顔を向けるのだった。
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