第133話 隣に立ち続ける為の勇気を

はて・・・遅くないか?

確かこっから1番近いコンビニって歩いても数分だったはずなんだけどな?

こんなにかかるのもおかしくないか?


「考えすぎか・・・?流石に・・・。」


「悠馬さん?」


「あ、あぁいや・・・愛央が遅いなって思ってさ。」


「そう言えば・・・。確かに遅いですね・・・。」


「何かあったのかな?確か数分の所にコンビニあったよね?」


「少し嫌な予感がする・・・。母さん!」


「悠ちゃんどうしたの?」


「ちょっとコンビニまで行ってくる、愛央が気になる。」


「私も行きます。」「勿論私も。」


「えぇ・・・。そうね。二人が居れば大丈夫かな・・・。気を付けて行って来てね?」


「あぁ、分かった。」「「はいっ!」」


そう言って俺達は場所を母さんに任せて移動を開始した。


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SIDE 愛央


「オラァ!こっちこいや!」


「痛いぃ!やぁだぁ。」「やめ、止めてください。」「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」


はぁ・・・流石に目覚め悪いよね、このまま無視して居なくなるの・・・。


「このゴミ共は任せて行って良いよーお嬢さん。」


「そうそうーしっかりシメておくからねー。ひん曲がった根性直る位にはね。」


「まーダメならつめて分からせるからねぇ~!」


ヤ〇ザさんみたいな事言ってる・・・。流石にこれはなぁ~・・・。嫌だけど仕方ないよね。


「あの感じだとさーずっとこいつらに嫌がらせでも受けてたんだろ?うちらさーそう言うの許せないんだよねー。」


「いやまぁ・・・はい・・・。」


「卑怯なゴミムシは処分しないとねー。」


「いっそ処分してバラシて埋めちゃう?」「埋めたらバレるし沖に出て撒いたほうが良くないー?」「それだねー!沈めちゃっての方が早いね、食べて貰って証拠も残らないしねー。」


とんでもない事を何でもない様に話してるのを聞いてるあいつらも真っ青になってブルブルと震えて全員泣き出してる。


正直ザマァって思わない訳じゃ無いけど・・・、これを見逃したら・・・ね?


「待ってもらえませんか?」


そう言って私は大嫌いなやつらの前に立って彼女達から守る事にした。


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愛央はどこだ・・・。さっきから嫌な予感が強くなってる・・・。


「くそっ・・・。」


「悠馬さん落ち着いてください。それじゃ見つかる物も見つからなくなります。」


「焦るのは分かるけど落ち着いて・・・。」


「くっ。分かってるっ。でもさっきから嫌な予感が強まってるんだ。」


どこだ・・・、何処にいる?!・・・愛央っ。


「悠馬さんあそこ!」


「ッ!なんだあの状態・・・何であぁなるんだよ。突っ込んで蹴散らして助け出すか・・・。」


「待って。愛央が対象じゃないみたい。むしろ守られてる・・・?」


「あの人達は・・・。」


「あいつらっ!またっ!ころすか・・・。」


スッと・・・意識を切り替えてあれだけ言ってもダメなら処分するしかないと判断した俺は向かおうとした俺を志保が腕を掴んで止めた・・・。


「待ってください。愛央さんが・・・。」


そう言われて目を向けると愛央はあいつらの前に立って「待ってもらえませんか?」っとレディース?連中から庇う様に立ちふさがった。


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SIDE 愛央


「何のつもり?そいつらを庇う何てさ。」


スッと目がほそまって睨まれてる、正直に言えば怖い。

前までの私ならこんな事絶対に出来なかったしこいつらが報いを受けるならほくそ笑んでたと思う・・・でも、今の私は見過ごせないって気持ちの方が強いって気付いたら自然と前に立って庇ってた。


「皆さんの気持ちは嬉しいですけど、私に免じて見逃して貰えませんか?」


カタカタと身体は震えてる・・・でもっ!声だけは震えない様にしながらはっきりと私は告げる。


「あんたさ~?こいつらにずっと嫌がらせ受けてたんじゃないの?しかも今回、こんなところで会ったからってだけで絡まれてさ、恨んで無いの?つーかどうなっても良くない?」


「はい、どうなっても良いです。勝手に死んでくれるならそれに越した事は無いし清々します。」


「だったらさー私らに甘えておいて見て見ぬふりすればいいだろ?何でうちらの前に立ってる?」


「私の知らないところでならどうなろうと関係ないですし、何時かはそうなるだろうなっとしか思いません。でも、それはあくまでも知らないところでそうなった場合です。」


「へぇ~・・・それで・・?」


「今、私の目の前でって話なら別です!」


「星川・・・。」「あんた・・・。」


「私が今一番近くに居る人は本当に凄い人なんです、その人は自分の目の前で困ってる人がいれば手を貸しますし自分の大切な人の為なら自分がどれだけ危険でも駆けつけて解決してしまいます。

私はその人の隣にずっと立って居たい!でも私は!!何も特別なものなんて持って無いし何かを解決する力もありません!だからこそっ!!隣に立ってる事を恥ずかしくなるような事はしたくない!自信を持って隣に立ちたい!

私はこいつらは大嫌いだしこいつらのせいで中学時代はいい思い出何てないけどその人の隣に自信を持って立って居られるためにも目の前で大変な事になってるのを見て見ぬふりなんてしたくない!そんな事をしたら私はもう自信を持って隣に立てなくなる!だからっ!」


そう、幾ら自信を持てるようになったと言っても私は特別なんて何も持って無い、清華さんも志保さんも私は特別を持ってるって言ってくれたけど、私の特別はそういう状況にならないと発揮はされないと思うし、二人みたいに目に見えた特別じゃない、そんな私が悠馬の隣に立って居る為にも目の前の人に手を差し伸べる事くらいは出来る!

それすらも止めたら私はもう自信を持って悠馬の隣に立てないから・・・。

絶対に・・・絶対に引いて何てやらない!


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本当に愛央に恋をして良かった・・・。


さって・・・ここからは俺の出番かな?


「なぁ・・・志保、清華。」


「はいっ。」「うんっ。」


「んじゃ行きますか・・・?」


二人共俺の言葉に頷いてくれて隣にスッと・・ついたのを確認して・・・。


「俺からも頼むわ。俺と愛央に免じてそいつら見逃してやってくれ。」


言いながら歩きだして俺の声に全員が振り向いた。


「え・・・?」「は・・・?」「お・・・・?」


「悠馬っ!何で・・・?」


「何でって戻ってくるの遅いから心配になって探しに来たんだよ。志保と清華もな。」


「も、もしかして・・さっきの聞いて・・・?」


「おうっ。良い啖呵たんかだったぞ。愛央に惚れて良かったって本気で思ったよ。」


「かっこ良かったですよ、愛央さん。」


「うんうんっ!流石って感じ!感動しちゃった。」


「ぅぅぅぅぅっ////」


もう真っ赤になってる愛央の前に立って守る様に俺も志保も清華も立ちふさがった。


「でだ・・・どうかな?絡まれてた当人も見逃してくれって言ってるしよ。」


「ぁぅ・・・///YouMaさん・・・?」


「おうっ。俺の顔に免じて頼めねぇ?ぶっちゃけよ、こいつらがどうなろうと俺も知った事じゃねーんだわ。愛央に絡んだのも今回だけじゃ無いしよ。」


「それなら尚更!」


「うん、そう言う気持ちも分かるけどよ、何と言っても当人の愛央がな?」


そう言って愛央を引き寄せて・・・「気合い見せたしな、それなら俺も答えねーとじゃん?じゃねーと男が廃るってもんだ。」だろ?っとウインクと笑顔でかっこつけて・・・。


「はぅぁっ?!わっかりまひたぁ!お前らも良いなぁぁ?!」「「「はひぃぃっ!!!」」」


いや、呂律まわって無いけど大丈夫なのか?


「「「あ、あはは・・・。」」」


俺の彼女3人達の苦笑いを添えて・・・。


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