第132話 降りかかる因縁
その後、母さん達の作ってくれたお昼を食べてビーチバレーしたり気付いたら砂に埋められてたり・・・俺がっ!!!!!
余りの暑さと砂を落とす為に海に入って泳いでいたらビニールのマット、あの浮くやつに愛央が乗って俺の側まで来てたから俺もそれに乗り込んで二人でゆっくりとした時間を過ごしてた。
「ありがとね、悠馬。誘ってくれて、嬉しかった。」
「うん、まぁ・・・遣り過ぎだとは思うが母さんのお陰だな~・・・。」
「それはそうだけど、誘ってくれなきゃ来れなかったもん。それに・・・さ・・・。」
「それに?」
「えっと・・・ね?///」
「どうしたん?真っ赤になってるけど暑くなったか?」
「ちがくて!今までありがと。」
「今までって、それじゃ今日で終わりみたいに聞こえるぞ?」
「違うから!そう言う意味じゃ無いから!」
「分かってるから、そんなに焦るなって。俺も言い方悪かった、ごめんな。」
「う、うぅん。私も言い方悪かったから、ごめん。」
「んっ。それで何がありがとうなんだ?」
「うん、あのね。今までって言うか知り合ってからずっとか・・・。私さ、ずっと自分に自信なんて無かったから悠馬と知り合って仲良くなってどんどん好きになって、なのに一歩がどうしても怖くて踏み出せなくて・・・。」
愛央の言葉を静かに聞いてて口を挟むべきじゃないって思えた。
「デートに誘ってくれて、モールで絡まれてあんなに怒ってくれて私の事好きだって言ってくれて、志保さんを受け入れてくれて、清華さんを助けて受け入れてくれて・・・・。」
「うん、俺からすれば逆に愛央も志保も清華もこんなに素敵な女性が俺を好きになってくれてありがとう。何だけどな?」
「ならない訳無いよ・・・。あのね、清華さんと知り合った時に元々は私と志保さんで共闘関係を結んでたんだけど清華さんも誘ったの。
だから私だけとか私と志保さんだけとかになってたら困ってたんだ。
でも悠馬はちゃんと受け入れてくれて私達を愛してくれてる、それがとても嬉しくて幸せなの。
そしてそんな悠馬の恋人だから私は自分に自信を持てるようになった。だから・・・ありがとうっ。貴方の事が誰よりも大好きです。」
「愛央、俺も愛央が大好きだ。ずっと俺と共に居てくれ。」
「はいっ///」
えへへっと照れてる愛央をギュっと抱きしめてお互いの温もりを感じながらお互いの気持ちを確認し合ったのだった。
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辺りが暗くなって来て愛央達は先にロッジの中に戻って行ったのを尻目に俺は外でバーベキューの準備を着々と進めていた。
「それにしても、これも過去の経験からってのは皮肉なのかねぇ・・・。何か懐かしいって感じてしまうよな~・・・。」
ここ数年はやってなかったってよりやれてなかったってのが正しいけど毎年のお盆の辺りに中学からの友人達と集まって夜中までもしくは朝までバーベキューしながら飲んで食って騒いでって何歳になってもやってた。
あの時だけは皆して子供に戻ってリセットしてたようなもんだったよな、後は年末に集まって正月まで鍋や焼き肉しながら飲みまくって・・・か・・・・。
「あいつら、元気かな・・・。」
ついつい、昔を思い出してしまってポロっと零れた・・・。
「あいつらって?」
「っ?!・・・って清華か・・・。驚かせるなっての。」
「驚かせたのはごめん。それで・・・あいつらって?」
やばい・・・聞かれてた・・・。誤魔化すしか無いよな・・・。
「ん?俺、そんな事言った?」
「うん、言った。」
「言ってないよ、気のせい。」
ジトーっとした目で俺を見て来るのを敢えてしっかりと目を見て何の事?って事で煙に巻くことにした。
「はぁ~・・・。言いたくないなら良いけど・・でもさ。」
ぎゅっと俺を後ろから抱きしめてきて・・・。
「話したくないなら聞かない、聞かなかった事にする。でもね?私達だって悠馬くんの力になりたいし助けたいって思ってる事は忘れないで。
守られてるだけじゃ無いんだよ?私達だってね。」
「あぁ、分かってる。ありがとな、清華。」
「んっ。分かってるなら宜しい。具材持ってきたから焼いていっちゃおっか。」
気にしてない風で清華が空気を変えるかのような感じで野菜から焼き始めてくれた。
ごめんな、話せるようになったら話そうと思う。信じて貰えるかは別として・・・。心の中でそう言って俺も清華と一緒に色々と焼き始めるのだった。
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「ほらほら、悠ちゃんも食べないと駄目よ。」
「食べてるから大丈夫だよ。それにしても随分良い肉買ってきたな~・・・。」
「そりゃー奮発だってするわよ!ずっと夢だったからね、悠ちゃんとこうやって遠出する事。叶えてくれてありがとね。」
「ありがとうは、俺のセリフだよ。色々やらかしてるのに今回だって俺の我が儘を叶えてくれたじゃん。」
「それは違うわ。駄目な事は駄目ってしっかりと言うでしょ?それでも今回はこうやって実行した、それは私だって悠ちゃんとこういう風に遠出して泊まってって楽しみたかったの。だから私自身の為でもあるのよ。」
「そっか・・・、ありがとう。今回だけじゃなく何時も何時も本当にありがとう、母さん。」
「私からもありがとう、悠ちゃんのお陰で毎日が凄く楽しいわ。」
俺と母さんはそう言ってお互いに笑いあった、思えば最初の頃は兎も角、色々と忙しくなってからはこうやってちゃんと話す事も無くなっていたかもしれない。
あぁ・・・だからか・・・。だから今回・・・無理してくれたんだろうなっと・・・本当にありがとう、母さん。
俺は器は兎も角、中身は貴方の息子ではない・・・、多分、違和感も感じてる所もあるとは思う。それでもこうやって受け入れてくれて色々と叶えてくれて感謝しています。俺にとっても貴方は間違いなく「母」です。
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SIDE 愛央
んぅ〜!楽しすぎる!行けたら良いなって位で正直に言えば思ってた。
仮に行けたとしても悠馬は抜きの女子だけの海で限界かなって。
でも、来れちゃった!葵さんがプライベートビーチまで用意するのは予想外だったけどこんな予想外なら何時でも大歓迎!
「まぁ、買えればよかったんだけど流石に難しくてねぇ〜・・・って聞いた時はオイオイって言いそうになったけど・・・。」
まぁ〜でも、今までで最高の夏なのは間違い無いね!
思えば春からずっとずっと最高の日々、毎日、退屈しない楽しい日々が続いてる、悠馬のお陰だね!!
「ちょっとコンビニ行って来るけど皆、何か欲しいのある?」
私の問いに皆は特に無いっと答えたから行って来るね〜っと歩きだした。
「愛央!俺も一緒に行こうか?」
「大丈夫だよっ。悠馬は待っててねっ。」
そう答えて私は「分かった、気を付けてな。」っという悠馬の声を背中に聞きながら今度こそ歩きだした。
「こんなものかな?」
欲しいものを買った私は店員さんの声を聞きながら店の外に出て少し歩いたらそこには会いたくないやつらが居て・・・・。
「あ、星川。」「マジだ。」「海に来るとか陽キャぶってるのウケる。」
はぁ・・・、あの時あれだけ悠馬にやられた癖にまた絡んできたし。
「どーも、お久しぶり。それじゃさよなら〜。」
相手するのも面倒だし遅くなると悠馬達も来ちゃうだろうしそうしたら今度こそ冗談抜きで殺しちゃいそうなんだよね。
「待ちなよ、折角こんなところで会ったんだからアソボウヨ。」
「そーそー!アソボウアソボウ、取り敢えず買ったものは没収〜!」
「没収じゃダメだってー!譲り受けたって事にしないとねー!」
キャハハハっと相変わらずこっちを見下して絡んでくるのを無視して私は歩きだした。
「無視してんじゃねーよ!」
ガッと肩を掴んできたのを私はパシィっと払い除けた。
「チッ。いてーなおめー!見ねー顔だな?何処のもんよ?」
払い除けた腕が丁度、コンビニに向かっていたヤンキー♀?一人の顔に当たったみたい。
「ごめんごめんー、私ら悪くないし?悪いのはちょーしノッて人の手を払い除けたそいつだし?払わなきゃ当たんなかったから悪いのはそいつねー。」
っとこっちに押し付けてきて、これは不味いっと思ったらガッ、バキャっと何か固いものを殴った音がした。
「調子乗ってんのはお前だろがぁ?!お前がこいつに手を出そうとしなきゃこうはなってねぇんじゃねーのか?!あ゛ぁ゛ん?!」
わお・・・・綺麗に顔のど真ん中に入ってぶっ飛んでる・・・。この人達も一緒になってこっちに来るかと思ったけど・・・。
「姉御!そいつら、最初からその子に絡んでましたよ、買い物も奪おうとしてましたし。」
「随分根性腐ってるみたいだなぁ!これはお仕置きが必要だなぁ~?なぁ?お前ら!」
「「「うっす!姉御!」」」っと・・・何この流れ・・・。
って言うかもしかしなくても不味い感じ?あいつらも流石に人数が多いからか震えてるし鼻血出したままだし・・・どうしよう・・・。
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