第127話 星川家での一幕
ピンポーン
俺は今一つの家を訪ねている。
呼び鈴を鳴らして中の人が出て来るのを待ってるんだが付き合い始めてもう3か月は経つのに初めての訪問で緊張してる。
と言うのも今まで中々にタイミングが合わなかったり志保や、清華の事、学校説明会&模擬授業っと重なったり愛央の家族の都合が付かなかったりで来れなかったのだ。
「はーーーーーーーいっ!」
っと嬉しそうな声と共にガチャっと玄関が開いて愛しの彼女が迎え入れてくれた。
「いらっしゃい、悠馬。暑かったでしょ?」
「やっほ。確かに暑かったけどそれ以上に緊張がな・・・。」
「緊張ってなんの?」
「何のって愛央のお母さんとお姉さんに挨拶するんだから緊張するよ。」
「それもそっか・・・///何か改めて認識したら私もはずくなってきた・・・///」
「愛央が頼り何だから頼むってっ。」
「わ、分かってるよっ///兎に角入って!お母さんもお姉ちゃんも待ってるからっ!」
「うん、お邪魔しますー。」
そう言って俺は星川家にあがって家族が待つリビングまで愛央に手を引かれながら歩いていった。
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「いらっしゃい。初めましてね、愛央の母の
「改めて、姉の柚希です、お久しぶりだねっ。」
「愛央さんとお付き合いさせていただいています、逆月悠馬です。以後宜しくお願いします。そして柚希さんは以前お世話になりました。」
ぺこりと二人に向かって頭を下げて挨拶を簡単にだけど済ませて・・・。
「これ、作ってきたので後で皆さんでどうぞ。そしてご挨拶が遅くなりまして申し訳ありませんでした。」
「わざわざありがとねっ。色々な事があったのは聞いて居るし私達も中々タイミング合わなかったから気にしないで。愛央、冷蔵庫に入れて来て、ついでにお茶も全員分宜しくね。」
「私?!むぅ・・・わかったよぉー。」
そう言って愛央が台所の方に行くのを見ていたら茉優さんが早速話しかけて来る。
「それにしても柚希や愛央からは聞いていたけど本当にかっこいいのね。それに礼儀正しいし、愛央がこんな素敵な人を捕まえられたなんて信じられないわ。」
「あはは・・・大げさですよ。愛央に関しては確かに捕まりましたねっ。何と言っても一目ぼれだったので。」
あらあらまぁまぁ!っと嬉しそうにしながら俺の話を楽しそうに聞いてくれてる。
「ところで、あの後からは特に身体に異常は起きてない?」
柚希さんが心配気な顔で聞いてくれて生足の太ももや見えてる谷間に余り目をやらないようにしながら答えたけど・・・。
「おかげさまで。本当に入院してる時はお世話になって助かりました。あれだけ快適に過ごせたのは柚希さんのお陰ですよ本当に。」
マジで相変わらずえっろい身体してるわ・・・。
「それなら良かった。何かあったら直ぐに来てね?」
「はい、その時はお願いします。」
「あの時の柚希ったら毎日ニヤニヤしてたものねぇ~。今の担当の男の子がすっごいイケメンで毎日やばいーーーって。」
「ちょっと?!お母さん言わないでよそれ!」
「良いじゃ無いの別にー。本当の事なんだし。」
「だとしてもよっ!あ~もうっ、恥ずかしい・・・。」
「あははっ。大丈夫ですよ、前に愛央も言ってましたからね。愛央のお姉さんって柚希さんじゃない?って聞いた時に俺の担当だったと話したら、だからあの時ニヤニヤしてたのかって。」
「既に知られてた?!愛央め・・・。折角協力してあげたってのに。」
「ちょっと!それ言わないでよ?!ニヤニヤしてたって言ったの最初の方の話なんだから!」
「お帰り、愛央。お茶ありがとな。」
「うんっ。」そう言って愛央は嬉しそうに俺の隣に座りこんでピタッとくっ付いてくれた。
「こら!そんなにくっ付いたら悠馬くんが暑いでしょ!」
「大丈夫ですよ。愛央の温もり好きなので。」
「そう言われるとそれはそれではずいっ////」
「それで柚希さんが協力したってのは?」
「ちょ!聞かないで!」
「それがねぇ~?愛央ったらねぇ~?」
「わーっ!わーっ!」
「初デートの日にね?一晩中着て行く服に迷って最終的に私が貸してあげたのよ。」
「うぅぅぅ・・・何で言うし・・・。」
「そっか。嬉しいよ、ありがとな愛央。」
「んぅ?なにがぁ?」
っと疑問符を浮かべながら聞いてくる愛央の頭を撫でながら・・・。
「そんなに真剣に悩んでくれて嬉しいよ。だからあの日の愛央はとても素敵だったんだな。」
「っ//////」っと真っ赤になりながらうつむいてしまった愛央が愛しくてポンポンっと撫でまくってしまうのだった。
二人きりだったら確実にキスして押し倒してるレベルだわこれ・・・。
その後茉優さんの作ってくれたご飯を食べて終始和やかに過ごして色々な事を話したりしながら時間を過ごしたのだった。
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「ここが私の部屋だよ。」
愛央の部屋、ノックしてね。って扉に付いてる部屋の中に愛央に連れられて入った。
「お邪魔します。お~・・・愛央って感じだ。」
「もうっ、何それっ。好きに座ってね。」
「何となく?うん、愛央だなーって感じ。」
俺の座った場所の隣に愛央も座って来てぴたりとくっついてきた。
「あんまりじろじろ見るのは失礼ってのは分かってるけど、興味は尽きないし、愛央が普段どんなところに居るのかって知れて嬉しい。」
「見られるのは、はずいけど・・・、でも悠馬に知って欲しいって気持ちも強いかな〜。」
そういってコテンっと俺の肩に頭を載せて来る愛央の腰に手を回して抱き寄せながら二人で静かな時間を過ごしてた。
「ありがとな、愛央。知り合ってからずっと愛央には感謝してるよ、何時も側に居てくれて俺を支えてくれて本当に感謝してる。」
「私も、私も悠馬に感謝してる。悠馬が何時も私を見てくれて私の側に居てくれて私を好きで居てくれて本当に嬉しくて幸せで、私は他の女の子と違って特別なんだって実感できてる。」
「俺も愛央が好きでいてくれるのを毎日感じてるし出会った時からずっと愛央が好きだよ。今までもこれからも愛央が好きだ。」
「悠馬・・・。」
すっと・・目を閉じた愛央にそのまま近づいて・・・ちゅっとキスして・・・。
「えっと・・・する・・?///てか、したい・・・///」
「うん、俺も。愛央を抱きたいっ。」
俺達は見つめ合ったまま愛央のベッドの上に倒れ込んだ・・・。
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「もう、夕方か・・・。」
「うんっ。」
お互いにベッドの上で裸のままタオルケットに包まってる。
「流石に帰らないと葵さん達に心配かけちゃうね。」
「今度さ、志保も清華も誘って温泉とかも行ってみたいな。いつになるか分かんないけどさ。」
「あー良いね!お泊りで温泉にとか夢かもっ。寒くなってきたらそれも良いねっ。」
「夏の温泉も良いけど旅館のご飯が美味しいのってやっぱ冬ってイメージあるもんな。」
「うんうん。でも温泉旅行は別にしても皆でお泊りとかしてみたいかも。」
「良いなそれ、家でとかなら出来るかも?」
「いいね!考えただけで楽しそうー!」
「じゃー母さんに話してみるかな。」
コンコンっ
「悠馬くん、そろそろ帰らなくて大丈夫?家は良いけど心配されない?」っと扉の向こうから柚希さんの声が聞こえて来て俺達は裸な事もあってビックンっと身体が跳ねて焦りだした。
「そ、そそ、そうですね!」
「た、たた、たしかに!そろそろ心配されちゃうかもね!?」
「二人共なんでどもってるの?はいるよー?」
ガチャ・・・。
「ちょ?!お姉ちゃんまったぁ!・・・・・あっ。」
「柚希さんストップ!!・・・・・・ぉぅ・・・。」
「ん~?・・・ご・・・ごめんっ!!!」
っと裸の俺達を見て顔を真っ赤にして勢いよく扉をしめた。
ただし、お約束のごとく室内に入った状態のまま・・・。
「お、おお、おおお、お姉ちゃん!出てって!!!」
「はっ?!何で私?!ごめんなさいーー!」
「あ、あはは・・・。お約束過ぎるだろ・・・、はぁ~・・・。」
見られたものは仕方ないとして諦めて着替えよっと・・・。
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「それじゃぁーお邪魔しました・・・。」
「ごめんね!悠馬くん色々見ちゃって・・・・。」
「大丈夫です、こちらこそ粗末な物をお見せしまして・・・。」
「いやいや!引き締まってて凄い立派(意味深)でした・・・///」
「お姉ちゃんのばか・・・///私送ってくるから!!!」
「また何時でも来てね?自分の家だと思って。またね、おやすみなさい。」
茉優さんも苦笑いをしながら俺を送り出してくれて、俺も「お邪魔しました。それではまた。」っと挨拶をして送ってくれると言う愛央と手を繋いでゆっくりと薄暗くなってきた道を言葉少なげに、でもお互いに幸せな気持ちのまま家路につくのだった。
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おまけ 悠馬帰宅後
「はぁ・・・あのねぇ~?お姉ちゃん・・・。」
「はい・・・。分かってます・・・。ごめんなさい・・・。」
「まぁまぁ・・・。悠馬くんも怒ってなかったんだし?」
「それはそうだけど、悠馬が居るんだから中に入ってくるって時点でアウトでしょ?」
「いやでもだって・・・。何か二人してどもってるし二人して裸だなんて思わないし・・・。」
「恋人同士が同じ部屋に居るんだから可能性はあるでしょ?」
「わっかんないわよ!そんなの!こっちは経験無いんだから!!!!大体!家でしてんじゃないわよ!」
「それは仕方ないじゃん!悠馬とくっついてキスしたらしたくなっちゃったんだから!!!」
「はぁぁぁぁ?!何?!自慢?!ふっざけんじゃないわよ!!!」
「別に本当の事だしー!お姉ちゃんも頑張ればいいじゃん!出会い自体は仕事柄あるんだから!!」
「それでうまく行ってるならとっくに捕まえてるわよ!!!」
スパーンっ!スパーンっ!
「「いたぁぁぁ!!何すんのおかあさん!」」
雑誌を丸めて娘の頭を叩いて来た母親に私達はジト目を向けながら・・・。
「下らない喧嘩してないで、悠馬くんのお土産食べましょ。ね?」
「でも!愛央が!」「でも!お姉ちゃんが!」
「あ゛ぁ゛ん?」
「はいっ!止めます!食べます!」「いただきます!」
「宜しい。」
私達は母さんの座った目に直ぐに喧嘩を止めて悠馬のお土産のケーキを食べたんだけど・・・・。
何か腕あがってない?前よりも美味しいんだけど・・・。
これは食べ過ぎちゃうかも・・・美味しいけど・・悠馬の馬鹿・・・。
っと、挨拶が上手く行って良かったって気持ちと愛し合えた嬉しさを感じながら悠馬のケーキをもぐもぐするのでした。
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