第126話 体験を終えて
「はーい、それでは皆さん完成しましたね~?」
先生の声が響いて皆が皆完成したクレープをそれぞれの席の前に置いてる。
うぅぅ・・・食べたい・・・。
「お昼ご飯前ですが気にせずたべちゃいましょー!皆さん若いんだから平気平気!・・・はぁぁ・・・。」
はぁぁ・・・じゃないよ!食べずらいわぁぁぁぁ!!!
「先生・・・。食べずらいですってそんな溜息付いたら・・・。」
本当だよっ!絶対ワザとだしこの学校の先生って良い性格しすぎじゃない?!
「ええ!ワザとだもの!!!まっ!冗談は兎も角、お昼食べた後に食べるって人はこのパックを使って持ち帰ってね?今日はお疲れさまでしたっ!」
そう言って颯爽と先生は出て行きましたっ!
いや、待って・・・。こんなんで良いの・・・?
「あ~・・・何だえっとな、あの先生は何時もあんな感じだ。だから気にしないでここで食べるなりお昼の後で食べるなりしてくれて大丈夫。」
とは言うものの私達はどうしようかな~・・・。
「おーい、健司ー。飯行こうぜ飯!」
「え?あっ!はいっ!って良いんですか?!」
「ん?嫌だったか?そうなら気にしないで自分で好きにでいいよ。」
「いやいやいやいや!行きます行きます!」
ありゃ・・・。稲穂くんと悠馬先輩は連れ立って出て行ってしまった。
「3人共、お昼はどうするの?何か持ってきた?」
「あ、いえ。学食行ってみようかなって思ってました。」
「そっか、それじゃー良ければ私達と食べない?悠馬は稲穂君と行っちゃったしねっ。」
「えっと、一緒に居なくても良いんですか?」
「悠馬さんもたまには男同士の話もあるでしょうし、したいでしょうからね。外なら兎も角、校内ですしそこまで心配しなくても大丈夫ですよ。」
それもそうか、私達は顔を見合わせて頷いた後、星川先輩と天音先輩の後ろについて移動を開始した。
------------------------------------------------------------
SIDE 健司
「本当に良いんですか?一緒してしまって。」
「俺から誘ってるんだから当たり前だろ。それともあの子達と一緒が良かったか?」
「いや・・・。実はちょっと疲れてたので助かりました。」
「だろうなぁ~・・・。」っと楽しそうに悠馬さんは笑いながら先に立って歩いているのをついて歩いてた。
「それにさー。「はい?」俺も
あぁ・・いくら恋人とはいえ常に3人と一緒だと流石の悠馬さんも疲れるか。
「結構つーかマジで男同士の付き合いってのに飢えてるし、かと言って知らない奴だと信用出来ねーしよ。特に昨日の事もあるからな。」
え?・・・その言葉に正直泣きそうになった・・・。
「信用して・・・貰えてるんですか・・・?」
「あん?」っと悠馬さんが俺に振り返ってニカッと誰もを魅了するかのような笑顔を浮かべてこう言ってくれた。
「当たり前だろ?あん時からすげー努力してるのは昨日と今日の健司を見れば分かるし、俺は努力するやつを否定はしないし努力する奴が認められないのも嫌悪する。だから変わったお前を信用しない理由はねーよ。」
そう言われて俺は我慢できずに泣き出してしまって・・・。
「ば、馬っ鹿!泣くなっての!俺が苛めてるみたいに見えるだろうー!」
「ご、ごめ、ごめんなさいっ。でも、嬉しくて・・・悠馬さんに追いつきたくて・・・認めてもらいたくて・・・、俺っ!俺っ!」
「分かったから。しょーがねーなー。ほら、飯行くぞ飯!腹減ったっての!」
「はいっ!」
もう胸の中が一杯でうまく答えられないけど、ありったけの気持ちを込めて返事だけはハッキリと口にして先輩に、憧れの先輩について行った。
------------------------------------------------------------
悠馬先輩程ではないとは言え・・・この3人も憧れの先輩たちな訳で・・・・。
合流するだろうなっとは思ってましたけど伊集院先輩もいらっしゃってですね?
何を言いたいかと言うとですね?
3人が揃ってると緊張が半端無いんですよ・・・。
ましてや今目の前に並んでるお弁当が天音先輩を筆頭に3人の手作りってなると・・・もうね?
「あ、あの・・・本当に食べて良いんですか?これって悠馬先輩の為に用意したのでは・・・?」
ほんそれ!千里が聞いてくれたけど皆で食べられるように重箱にオカズとおにぎりと入ってるお弁当が並んでる。
「違うよー。昨日の内にね、悠馬が提案しててね?明日は健司と昼を食べたいと思ってるから柚美ちゃん達を誘って食べるのも良いんじゃない?ってね。」
「うんうん、悠馬くんも、男同士の時間も大事だしね。他の人なら兎も角、稲穂君なら私達も安心だしって訳で3人で作ってみたから一杯食べてね。」
「あ、ありがとうございますっ。戴きます。」
そう言って私達3人はおずおずと食事に手を伸ばして食べ始めたんだけど・・・。
「う・・・・。美味しい・・・・。」
「良かったっ。たくさん食べてねっ!」
「「「はいっ!」」」
やっぱり女同士だからなのか美味しいは正義っとでも言うかのようにその後は3人の憧れの人と一緒なのに和気あいあいと楽しい時間を過ごしたのだった。
------------------------------------------------------------
そうして、午後の部活見学は私達は伊集院先輩について行って吹奏楽部に行って演奏を聞いたりYouMaの曲を演奏する伊集院先輩にあわせて歌ったりと楽しい時間を過ごして時間が過ぎるのがとても早くて楽しかった。
稲穂君は悠馬先輩と一緒に軽音楽部に行って面白可笑しく過ごしたらしい。(帰り道で聞いた。)
悠馬先輩と3女神と生徒会の人達が見学者をお見送りまでしてくれて本当に充実した時間を過ごせたって感じる一日で絶対に入学したいって気持ちが本当に強くなった。
「めっちゃ楽しかったねー。」
千里がすっごいご機嫌で帰り道に話し始めた。
「そうね。昨日も勿論だったけど今日はもっと充実してたわ。」
涼も満足そうな顔で話してて・・・。
「俺も楽しかったな~・・・。悠馬さんじゃないけど俺も受験の時に試験受けてみようかな・・・。」
「まじかぁ~。それも面白いかもしれないけど・・・。」
今日1日で稲穂くんともかなり仲良くなれたと思うし星川先輩、天音先輩、伊集院先輩とも同じく仲良くなれたと思う。
「あ、姉さん。迎えに来てくれたの?」
歩いて駅まで着くと一人の女性が待っていてその人が稲穂君を見つけると手を振ってきた。
「うん、そろそろだと思って待ってた。その子達は?」
私達はぺこりっと頭を下げて少しだけ後ろに下がってお姉さんを刺激しない様にした。
「あ、えっと。ほら、昨日話した子達。今日も一緒になって悠馬さんとか星川先輩達とかと一緒に見学してたんだ。良い子達だよ。」
「そう・・・。」っとそう言って私達を値踏みするような視線を向けて来たけど私達は特に何かをすることなく視線を真正面から受け止める。
「弟がお世話になったわね、ありがとう。それで貴方達も清蘭が第一希望?」
「はい、そうです。悠馬さんは勿論、星川先輩達にも憧れていますし目標です。」
涼が代表して話してくれたけどこういう時に一番頼りになるのは涼だよね本当。
「なるほどね。来年、この子と同じになったら仲良くしてくれたら嬉しいわ。今日はありがとうね。」
「いえっ!私達も楽しかったので!むしろこちらこそありがとうございました。」
「3人共ありがとうね。お陰で色々楽しかったよ。来年一緒になったら仲良くしてくれると嬉しい。来年絶対に会おうね!」
「そうだね!お互いにがんばろ!」
そう言って迎えの車に乗り込んだ稲穂君を見送って、私達は私達で絶対に3人揃って!っと意気込みを新たにして電車に乗り込んだ。
まぁ・・・帰りも超満員で合格したら通学の方法だけは真剣に考えないとなっと3人とも知恵を出し合うのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます