第123話 生物と保健体育の授業だっけ?

「えっと・・・そうですね・・・。はっきりと言うと嫌ですね。それに愛せる気はしないです。」


「うん、そこなんだ。愛されることを知らない子供、これは男女関係なくね。愛されることを知らずに育った子供って言うのは他人を他の物、動物、どんなものでも愛すると言う事を出来なく育つ。

極論かもしれないけれど、それは悪循環を産む事になる、愛を知らずに育った子供が大人になり子を成す、そして愛を教えずに育てる・・・。

そうしている内に破綻者と呼ばれる人間が育ってしまう、そしてそれは多くの悲しみを生み出してしまう。

まぁ・・・極論でしょうが、無いとは言えないですよね。」


そうか、親から愛されずに育った子供は同じように自分の子供を愛せない、他の誰かを好きになれない、そもそも好きになる、愛すると言う事を理解出来ない。

悠馬先輩の言ってる事は納得は出来るけど、お母さんから愛されて育ったと感じている私は理解出来ない世界の話。


「それじゃ、悠馬先輩からすれば国の法律は間違えてると言う事ですか?出会いの無い女性は諦めろと?」


同じく教室内で話を聞いていた他の参加者の少し幻滅したかの様な聞き方をしていて正直イラっとした。


「いや、そうじゃない。実際、男性と会ってお互いに恋をして将来的に結婚して子供を作ってってなれば良いんだろうけど実際はそれも難しいでしょ?

そして男性自身も女性とどうこうって言うのを拒否する人間も多いだけじゃなくそれどころか同性で何て言う非生産的なのも多いのが現状だ、ここでさっきの千里ちゃんへの質問に戻るんだけど、さっきの質問を今度は健司に聞きたいと思う、どうだ?」


あぁ・・・そうか・・・・。


「嫌ですね。勝手に決められて自分の好みでも無い女性と結婚して子供作って何て正直虫唾が走ります。」


うん、そうだよね・・・、女性が好きに恋をする義務や権利があるのと同じで男性にも同じ義務と権利があるんだ。


「うん、そうだよね。俺もそれは同じだ。」


そっか・・・だから撤廃なんだっと私だけじゃなく周りの子達もその答えにたどり着いたようで・・・。


「と言っても総理や議員はそれを認める訳には行かないんだ。

何故か?ってのに答えると国と言う一つの人間のトップ、頭脳になる場合、国を国民を存続させるためのパーツである事が何よりも大事になる、だからこそ少ない男性、異性に対して積極的じゃない男性に無理やりでも女性を宛がって繁殖させるっと言うのは何よりも大事な仕事になる、言い方は酷いと自分でも思うけどな。」


うん、確かに言い方は酷いけど国のトップに立つなら存続させるための部品にならないといけない。

それも間違いじゃないのは流石に私でも分かる、そしてだからこそ難しい問題なのだと・・・・。


「んで、五つ目に関してだけど男性が男性に、男性が女性に、女性が男性にっと無理やり行為に及んだ場合に・・・・自分でも考えはサイコパスだと思うが・・・、取ってしまえば良いと思う。」


ふぁ?!取るって・・・?


「男性も女性も象徴をそれぞれ取り外して排泄の為の穴と部品を残すだけにしてしまう。それ位は必要だと思う。」


悠馬先輩も凄い事を言ってるという理解はあるんでしょう、物凄い微妙な顔でそんな事を話した。


「それで3番目の国からの補償って部分だが、これも保健体育とか生物とかの分類になってしまうんだけど、30代半ばから後半の女性の妊娠率が極端に下がるのは皆知ってるよね?」


悠馬先輩の言葉に殆んどの全員が「うんうん。」っと頷いて同意を示していた。


「それじゃー逆に10代半ばから20代前半の妊娠率って知ってる?」


「あれ?そう言えば知らないかも・・・。」「どれくらいなんだろ・・。」「50%とか?」「いやいや、高すぎでしょっ!」っと色々な答えが出て来るけどそう言えば私も知らない。


「えっとね、色々と条件は必要なんだけど大体80~90%になる。」


まじか?!そんなに高いの・・・。


「あぁ、勿論これは色々な条件が重なって受精して着床する確率の話ね。そもそもにして受精する確率自体は大体10~20%程度だ。

それで、着床確率だけで言うと何だけど30代半ば以上の女性の着床率は10%程度になると言われてる、つまり丁度俺たちくらいの中高生一人に対して10人集まっても確率は届かないって計算になるんだ、単純に考えた場合の話だけどね。」


ほえぇ~・・・そんなに違うんだ・・・。


「でね?これって女性だけの話じゃ無くてそもそもにして男性のも若いほど元気だから若いほどその確率が上がるんだ。

勿論これは最初の健康な身体云々も関係してる。

だから国として補償をするのであれば学生と言われる年代の子達が妊娠、出産をしたらその費用や生活費、養育費を補償する事が大事になる。それは何故か?子供を産んでも生活に困らないってのはとても大事でしょ?ちゃんと学生も続けながら出来るってなるともっとでしょ?」


「確かに・・・。」「今から学校に通いながら子供産んだり育てたり出来るってのを心配する必要無ければ増えるよね。」


っとそんな声があっちこっちから聞こえて来た。


「と言っても、実際はそれ自体も難しいけどね。それにそうなったら見境なくなる女性や男性も出て来るだろう。」


「あぁ、だから厳格化してさっきの取り外してしまえって事なんですね?」


「うん、正解だ。ある意味諸刃の剣ではあるけどね。」


「そして、最後の遺伝子操作に関してだけど・・・・多分出来る。受精卵のXY染色体を弄ってしまえば良いだけの話だしね。

ただまぁ・・・この場合は肉体が男性でも精神が女性っと言う人が恐らく量産される可能性が高いかもしれない。後は、遺伝子操作繋がりでクローンだね。

一定水準の男性のクローンを作って精子を配って数うちゃ当たる戦法で男性を増やすってのも手だね、もっとも倫理観は無視だけど。」


確かにそう言う方法もあるのかもしれないけど倫理観は無視だよね。


「悠馬さんは人間のクローンは可能だと思いますか?」


「良い質問だな、健司。答えを先に言うと可能だろう。と言うか公にされてないだけで既に居るんじゃ無いかな?ってのは実は思ってる。

羊や猫とか他の動物のクローンは作れて人間だけ出来ないってのは説明がつかない。倫理観とか魂がどうのとかの宗教観の問題でしかないだけだろう?

そして公にされて無いだけで実際は既に成功してるだろ?ってのが俺の正直な見解かな。」


「どうしてそう思うんですか?悠馬さん。」


「簡単な話だ、権力者が最後に求めるものは命だからさ。」


どう言う事だろう?権力者が求めるものが命って・・・。


「今みたいに化学や科学が発展してない時代、今じゃオカルトや神秘と言われるものが信じられていた時代、時の権力者や王が求めたものは永遠の命、不老不死の肉体だ。

そしてそこに付いて回るのが聖杯になる。

アーサー王がイングランドを統一した後に探索に出たように、人類最古の王、ギルガメッシュが唯一の友であるエルキドゥの死後に探したようにどんな願いも叶うとされる聖杯を求めた。」


確かに大体の神話にはついて回る名前だよね、結局それが原因で国が滅んだりとかだし。


「つまり結局の所、権力者が最終的に求めるのは永遠の命ってのが人間のトップにたった者の欲望って事になる、現代にそれを当てはめた場合、若くて新しい肉体に今までの経験をインストールして乗り移るとか移植が必要な病気になった場合のミスマッチゼロのパーツとして用意しておくとかは考えると思うよ?

そうなると必要なのが自分のクローン体って事になるし、さっきも言った通り動物で達成できるものをヒト科に分類される人間で成功しないって言う理由は無いと俺は思う。」


それが俺の考えですっと言って悠馬先輩は話を締めくくったけど、ぱちぱちぱちっとどこからともなく拍手が鳴って確りとした考えに皆が尊敬の目を向けて居るのが良く分かったのだった。


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