第120話 説明会の最後に

「私達何かやからしたっけ・・・?」


「いや、迷子になった位・・だよね・・・?」


「うん、先輩の雰囲気的にお説教とかでは無いと思うけど・・・。」


私達4人は星川先輩の後に続いて歩いて行く、先輩はスマホを操作して文字を打ってるのだけは見てて分かった。

校舎の中を歩いて行って星川先輩が動きを止めた場所は会議室と書いてある部屋の前だった。


「着いたよ。中に入ってきてね?」


笑顔でそう言った星川先輩はガララッっと扉を開けて「連れて来たよー。」っと声をかけて部屋の中に入っていくのに続いて私達も・・・。


「「「「失礼します。」」」」


っと一声かけて部屋の中に入ったんだけど・・・。だけど・・・ね・・・?


「お?愛央お疲れ様、ありがとね。4人もいらっしゃい、好きに座ってくれ。」


「・・・・・へ・・・?」


中には星川愛央先輩、天音志保先輩、伊集院清華先輩が居て更に・・・・。


「ゆ、悠馬・・せん・・ぱい・・・?」


「おう。さっきはありがとな、健司の事、助かった。ほらほら、座ってくれ。」


「「「「は、はひっ。」」」」


一気に緊張がマックスになった私達は噛み噛みになりながら返事を何とか返して椅子に座ったのと同時に「どうぞ・・・。」っと天音先輩がお茶とお昼ご飯を出してくれた。


「色々と聞きたい事もあるだろうけど先ずはご飯食べような。お昼まだだろ?」


コクコクっと私達は頷いて緊張はしてるけど確かにお腹は減っているのでお言葉に甘えて先ずはご飯を食べる事にしたけど・・・・。


緊張で味が分からない・・・。千里と涼も同じみたいで無言で食べているのを尻目に3女神と悠馬先輩は仲良さそうに和気あいあいと食事をしてた。


「お?志保、また腕上げたんじゃない?めっちゃ美味い。」「ふふっ。ありがとうございます。悠馬さんの好物ですもの努力しますよ。」「志保さん流石ー!んぅ~~!ほんとに美味しいっ。」「むぅ、美味しいけど悔しい・・・。料理は志保と悠馬くんがトップだねぇ~。」「いや~これは直ぐに抜かれるやつ・・・。でも、愛央のご飯も清華のご飯も大好きだよ、どれが一番って事は無いな。」「「「もうっ////」」」っとラブラブ?って空気を出しながら食べているのを私達は最後まで見ていた・・・。


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「さってそれじゃ一息ついた所で少しお話ししよっか。」


「はいっ。あのでも何で私達は呼ばれたんでしょうか・・・?」


「もしかして何か怒らせる事してしまいましたか?」


「確かに迷子になって星川先輩にご迷惑をおかけしましたけど・・・。」


私達が不安に苛まれて三者三様に聞いていると3女神が口を押えて俯いて肩を震わせてる。

これ・・笑うの我慢してるよね・・・?


「くっ、んっんっ。えっとな迷惑かけられたとか怒ってるとかじゃなくて俺が君たちに会いたかったんだ。」


「ふぇ・・・?う、嘘・・ですよね・・・?」


怒らせたとかじゃ無いのは良かったけど私達に会いたかった何て現実感の無い事を言われて身体がこわばりながら震えた声でついつい失礼な事が口から出てしまった。

本当にごめんなさい、だってでも、とてもじゃないけど信じられない。


「んっ。嘘じゃないよ、俺は君達3人に会いたかった、そして健司とも話したかった。だから愛央に頼んで探して貰ったんだ。」


コツコツっと靴音を鳴らしながら私達に近づいて私達を微笑ましいものを見るような目で見ながら言ってくれた。

ち、ちかぃ・・・かっこぃぃ・・・。しぬぅ・・・。


「あの、何故・・ですか?何故、私達に・・・?」


悠馬先輩が近くて固まってる私の代わりに涼が聞いてくれたけど、流石の涼も冷静に見えはするけど声が上ずっているのが分かった。


「それはねっ!君達3人がとても寂しそうな顔をしていたのが舞台上から見えたから、愛央と志保と清華が3人を良い子だって言っていたから。」


そう言った悠馬先輩は優し気に目を細めて私達を見てくれてる。

って待ってどう言う事?


「あ、あの!寂しそうな人達なら私達以外にもいましたよね?」


固まったままの私に変わって次は千里が聞いてくれた。

確かに講堂には百人近い人達がいたはずだから寂しそうな顔をしてた人なんて私達だけじゃなく殆んどがそうだったと思う。


「うん、そうかもしれないね、でも俺が気付いたのは君達だったし3人に会いたいと思ったのは単に寂しそうな顔をして居たからってだけじゃ無いんだ。」


「俺が健司を君たちの隣に座らせる時も一切迷ったりもしないで快く受け入れてくれたし、壇上から見てたけど健司とも楽しそうに話したりもしてたのを見て、あぁこの子達は確りと相手を見て判断してって出来る子達なんだって思ったら良い子達だなって思えてどうしても話してみたくなったんだ。」


もう無理だ、泣くのを堪えるので精一杯で何も返せない、これは現実・・・?夢じゃないよね?

手で口を押えて必死に我慢してる、口を開いたら絶対に泣く、だって!3女神の星川先輩達が私達を褒めてくれて、さらには悠馬先輩までもが見てくれていた!この学校を目指す子達の憧れの的の4人が私を私達を見て認めてくれてるんだよ?!こんなの泣かない何て無理だよ!でも、でも!無視するなんてもっと出来ない!


「「「ぁ、あり、ありがどう・・・ござぃまずぅ。」」」


私だけじゃ無い千里も涼も言葉を発するのと同時に涙腺が崩壊して涙声で返事をしてぼたぼたと留まるなんて事を知らないとでも言う様に3人揃って号泣してしまった。


「ありゃ・・・。困ったな・・・。」


「ご、ごべんだざぃ・・・。嬉じくで・・・嬉じくでぇ・・・。」


お願い止まって・・・憧れの人の記憶に残るのが泣き顔何て嫌!同じ残るなら最高の笑顔で残りたい、今仕事しなくて良いからお願い止まってよぉぉ~・・・。


「ったく。しゃーないな。」


「ふぇ・・・?」


ふわっと甘い香りがしたと思ったら私達3人は揃って悠馬先輩に抱きしめられていた。


「ありがとな?そんなに喜んでくれて、やっぱり君達と話せて良かった。」


それぞれを撫でたりしてくれたり必死に泣き止ませようとしてくれてる。


「ぇ・・?ぇぇぇぇぇ?!」


「っと、ごめんごめん。驚かしちゃったかな?」


すっと私達から離れて笑いながら謝ってくれたけど、違うの、もっとして欲しいです・・・。


「っと、涙止まったみたいだね。よかった。」


「ぁぅ・・・ご迷惑をおかけして・・・///」


「気にすんなっ!健司も良く変われたな?本当にびっくりしたしあの時に厳しい言い方して良かったって思えたよ。」


「ゆ、ゆうま・・ざん・・・っ。」


「って!おいっ!お前まで泣くんじゃねーよ?!」


「ずいまぜん!うれじぐでぇ!」っと私達の隣で稲穂くんは男泣き?してるけど憧れの先輩にこんな風に言われて認められたら嬉しいよね・・・。


本当にこの人は、たった1年違うだけの人なんだろうか?もっと頼りになる大人の人にしか見えない。


「そうだっ!折角だし君たちの名前教えて貰ってもいい?」


「は、はいっ!立花 柚美です。」


「門倉 千里です!」


「小河原 涼と申します。」


「ふむふむ。柚美ちゃんに千里ちゃんに涼ちゃんだね。3人共とても可愛い名前だ。3人共、清蘭が第一希望?」


「はい!そうです!絶対に受かって見せます!」


「「私達もです!」」


「そっか!それじゃー来年からとても楽しみだな。うん!今日は本当にありがとう。思った通り3人共素敵な子達だった。」


「言った通りでしょ?悠馬。」


「あぁ、愛央たちの言った通りだった。」


「明日も来るんだよね?会えるかは分からないけど明日も楽しんでくれな。」


ポンポンっとそれぞれの頭を撫でてくれて私達は顔を真っ赤にしながら・・・。


「「「ありがとうございましゅ・・・。」」」


っと思いっきり噛み噛みで答えてしまって。


「くっ、くくっ。明日も会えたらよろしくな?それと来年も楽しみにしているからね?」


笑うのを我慢しながら悠馬先輩は私達に笑顔を向けてくれたのだった。


こうして、私達は忘れる事なんて絶対に出来ない学校説明会を経験して、説明会の終わった後の虚無感や喪失感が全部無くなって幸せな気持ちで満たされたまま、学校を稲穂くんも一緒に4人揃って後にした、明日の模擬授業に期待を膨らませながら・・・。


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以前の作品の時に他の人の作品と被ってると前に言われたのでこの話自体を全部無くそうかと思って居たんですが柚美達3人娘と健司をどうしても絡めたいのと知らない作品でしたし気にしていると何も書けなくなるなっと思いまして、少し変更するだけに留めました。

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