第7章 夏の時間
第114話 出演依頼
ぴんぽんぱーんぽーんっ
「2年、伊集院清華さん、1年、逆月悠馬さん、星川愛央さん、天音志保さん、至急生徒会室にお越しください。」
ぴんぽんぱんぽーんっ
「は・・・?いや、何で・・・?」
「私達、呼び出しされるような事したっけ・・・?」
「特にしてないと思いますけど・・・。」
とある、夏休み一週間前の放課後、俺と志保と愛央は清華を拾って帰宅しようと廊下を歩いていると校内放送で生徒会からの呼び出しを受けた。
「取り合えず、清華と合流して向かうか・・・。無視する訳にも行かないよな?」
「うん、生徒会からの呼び出しだし私達だけじゃなく悠馬もって事は本題は悠馬の事だと思うし行った方が良いと思う。」
「そうですね、どんな意図があるにしても無視は不味いと思いますし・・・。」
「まーそうだよな・・・。」
っと答えながら面倒な事にならないと良いんだけどな・・・っとフラグにしか成らない事を考えながら3人で歩き始めた。
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生徒会室前・・・。
「あ、悠馬くんこっちこっち。」
「あれ?清華、待ってたの?」
「うん、入るなら一緒にの方が良いと思ってさ。」
それもそうかと思いながら俺が代表でコンコンっとノックをすると中から「どうぞ~。」っと返事が聞こえて来た。
「失礼します、逆月悠馬並びに、星川愛央、天音志保、伊集院清華、呼び出しに応じました。」
「「「失礼します。」」」
俺に続いて愛央、志保、清華もそれぞれ入室して軽く挨拶をして明日香会長達に迎え入れられた。
「急に呼び出してごめんなさい。少し聞きたい事とお願いがあって・・・。」
「聞きたい事とお願いですか?」
「うん、そうなの。先ずは4人共座ってね。今お茶出すから。」
「でしたら私が・・・。」
志保がそう言って給湯室の方に歩いて行くのを見送った後に俺達は椅子に座ってお茶が届くまで他の先輩が何かの書類を纏めてるのを見て居た。
「悠馬さんどうぞ。」
志保が淹れたお茶を俺達の前に置いてくれて席に着いたところで生徒会組の自己紹介が始まった。
「えっと、先ずは紹介の時にもしてるけど現、生徒会長の高坂明日香です。そして隣に居るのが副会長の・・。」
「
「書記の
「会計の
「他にも居るけど基本はこの4人で回してるの。」
「よろしくお願いします、先輩方。それで何で俺達は呼ばれたんですかね?特に校内で変な事をしてるとかは無いはずですが・・・。」
「あぁ、うんっ!それは勿論!!そう言う事じゃ無くてね。悠馬くんは夏休みは何か予定はあるかな?」
「予定・・・3人とイチャラブしまくる事?位ですかね。」
「「「っ/////」」」
俺の言葉に愛央と志保と清華が顔を真っ赤にしてうつむいてしまう。
「ぐぬぬぬ・・。3人共ずるい・・・っ。」「くぅぅぅ。」「おのれぇぇぇ。うらやまけしからんっっ。」
「えっと・・・そうじゃなくて・・・。それも確かに大事だろうけども長期で旅行に行くとかそう言うのは無いのかな?ってさ。」
「今のところはそう言う話は出て無いですね、個人的には皆で海とか行きたいなっとは思ってますけど。」
「それなら良かった。申し訳ないんだけど月末にある学校説明会と模擬授業に参加して貰えないかな?」
「あぁ、休みに入って直ぐのですっけ?お知らせがあったのは見てましたけど別に生徒会役員でもない俺達が出る理由は無いのでは?」
「そうなんだけど、参加希望の方々からの問い合わせが凄くて少しでも良いから顔出し的な事をして貰えるとって思って・・・やっぱり駄目かな?」
駄目って事は無いがやる必要は無いことだよな〜実際。
「正直な所出る必要な無いと思うけどね私。ところで私は吹奏楽部の事があるから何となく呼ばれるのは分かるけど愛央と志保まで呼ばれたのは何でなの?明日香。」
「あぁ、それはね。会場への案内係とか頼みたいなって思ってなの。」
「私達がですか?」
「必要ですかそれ?」
「えっと当然の疑問だと思うけどちゃんと理由があってね。3人共、YouMa様を支える3女神って言われてるのは知ってる?」
っと副会長の中島先輩が・・・。
「だからこの学校にはYouMa様だけじゃなく3女神も通っていて皆さんを歓迎していますよっていうアピールみたいなものなの。」
っと会計の神崎先輩が・・・。
「3女神って・・・。そんな風に呼ばれてるんですか?私達。」
「うん、知らなかったのね。何時も側に居るから内外で結構言われてるよ?」
っと書記の矢田先輩が・・・。
「確かに俺からすれば女神様の様な美しさの恋人たちだから間違いじゃないな。」
「「「っ///////」」」
「「「「はぁぁぁぁ~・・・・・。」」」」
愛央たちの照れてる反応は分かるが生徒会組の反応が分からんが取り合えずスルーしておいて・・・。
「明日香会長、提案があるんですが。」
「ふぇ?あ、はい!どうぞ!」
「何となく見てたんですけどこの紹介冊子の部活の部分でごそっと空いてる部分ってあれでしょ?写真ですよね?」
「あ、うん。そうだけどそれがどうかしたの?」
「俺やりますよ。俺が各部活のユニフォーム着て写真撮って載せたらどうです?」
「ふぁ?!なにそのご褒美・・・。」
「悠馬写真集・・・。」
「え?私が欲しいんだけどそれ・・・。」
「悠馬ぁぁ・・・。」「悠馬さん・・・。」「悠馬くん・・・。」
「え・・・?だめ?!わざわざ空白のを渡す位だからその意図もあるのかな?って思ったんだけど。あぁ、それと勿論女性陣に渡すやつだけね。」
「あぁ、それはその方が良いかもね。でも本当に良いの?って言うかそのお願いもあったんだけど良いの?出てくれるの?」
「まぁ・・・良いですよ。これも俺がかけてる迷惑の結果ですし、愛央と志保にも協力要請していて清華も出るのが決まってるなら俺も出ますよ。ただし・・・。」
「ただし?」
「司会進行は会長がやってください、俺はあくまでもスタッフの一人みたいな感じの参加で済ませます。良いですよね?」
「うんうんっ!勿論っ!勿論っ!!!本当にありがとうーーーー!!!」
「取り合えず写真撮影とか色々やることやっちゃいましょ?本番まで時間も無いし。」
「唯恵!、綾香!直ぐに写真部に手配!」
「「はいっ!」」
慌ただしく動き始めた生徒会役員の動きを尻目にこれからの動きを頭の中で整理した。
その後、突貫工事かよ?!って勢いでほぼ毎日の放課後に撮影を進めて行って終業式の前日にやっと完成したのだが、学校説明会資料、悠馬写真集♀用がこの世界に生まれたのだった。
そうして、終業式まで大急ぎで過ぎて行き遂に俺達の夏休みが始まる・・・。
それはとても特別で掛け替えが無くて、誰もが特別な存在になれる、そして退屈な日常は一変して、別世界に見える様になって・・・きっと、俺達に与えられた夏休みは、そんな特別を作る為にある・・・。
さぁ、長い長い、夏休みの始まりだっ!
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