第110話 第18楽章 フィナーレ

SIDE 清華


うぅぅぅ・・・そう言う事だよねこれ・・・。可愛い下着とかちゃんと用意しないと・・・。


「清華さん清華さんっ。悠馬は・・・すっごいからね?」


「はい。凄いです。夢中になっちゃうと思います。」


「ええぇぇぇ?!ちょ!二人共何言うの・・・///」


二人の言葉に真っ赤になって反論しようとしてるけど想像しちゃって全く言葉が出て来ない。


「まぁ、でも明日はデートするなら志保さんみたいな抜かずの10発はしないだろうしっ。」


「ちょっ?!それは言わないでください!って言ってるじゃないですか!」


「あははっ。だってねぇ~?まさかそんな事になるなんて予想外も予想外だったしー?」


愛央がニヨニヨと志保を弄り倒して楽しんでるけど・・・抜かずの10発かぁ~。どうなるんだろうそんなことされたらっ/////


「・・かさんっ。・・・やかさんっ。・・清華さんっ!!!」


「ふぇ?!な、何?!」


「何を想像してたのか丸わかりなので敢えて突っ込みませんけど、伶佳さんが呼んでるよっ。」


完全に抜かずの10発を想像してるのばれてる・・・。私は逃げる様にその場を後にしてお母さんと一緒に一旦帰宅した。


「ほら!今夜は頑張るのよ?!確り抱いて貰ってきなさい!可愛いのかエッチな下着は持った?子供は・・・まだ早いけどあんたお薬飲み始めてたし大丈夫か・・・。えっと他には・・・。」


何だろ、凄い恥ずかしい。親に自分の恋愛関係の事知られるのってこんなに恥ずかしいんだ・・・。知りたくなかったよ。


「もうっ!準備は十分だってば!一泊だけなのにこんな大荷物いらないでしょーーー!」


「そうは言ってもまさか清華が男性と何て夢にも思わなかったのに・・・ずるい!あんな心優しくて頼りになってイケメンでってとんでもない物件を・・・。」


「それが本音でしょう?!?!」


もう!遠慮なく普通に話せるようになったのは嬉しいけど・・・。なんか・・・・。


「まぁでも・・・。良かったわね清華。幸せになりなさいね?」


「えっ・・・うんっ!行ってきます!」


お母さんの応援を背に私は悠馬くんの家までの道を歩き始めて今夜の事を考えて顔を真っ赤にしたり悩んだりニヤニヤしたりしながら百面相しながら逆月家に向かうのだった。


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ピンポーンっ


清華の訪問を告げる音が家に響いた後直ぐに菜月の声が響く。


「は~いっ。清華義姉さんいらっしゃい~っ!」


「その呼び方はまだ早いってば・・・///」


「ニシシー。そうなるでしょ~?その内っ。もう私の中じゃ3人共義姉さんだもんっ。」


「もうっ///嬉しいけど・・・。」


「はいはい、清華ちゃんを揶揄ってないで悠ちゃんの部屋まで連れて行きなさいっての。ゆっくりしてってね?」


「は、はいっ!お世話になりますっ。」


トンっトンっトンっと階段を上る音が聞こえてきて・・コンコンっとドアをノックする音が聞こえる。


「悠馬くん、居る?」


「居るよ、どうぞー。」


「お邪魔しますっ。うぅ///」


「赤くなってどうしたの・・・?」


「いやだって・・・ねぇ?///」


「あ~・・・取り合えず落ち着いてね?色々期待はしてるんだろうけども・・・。先に聞いてほしいものがあるんだ。」


「聞いてほしいもの?」


♪~♪~♪いつからか~この胸で揺れてる光~♪~♪~♪


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SIDE 清華


♪~♪~♪いつからか~この胸で揺れてる光~♪~♪~♪


この曲・・・今日の連弾の・・・。


手放したくない~遠回りしても~♪


今日の、うぅん、知り合う前からの私の事を表しているかのような歌。

躓いても胸に、ずっとずっと光って居る・・・・

もう限界だって思って、答えが見付からなくて、諦めよう、辞めようって思い、沢山の夢と願い・・・。


悠馬くんの歌で答えを、明日を見つけて・・・新しく開いた世界で見た思いは止めどなく溢れて・・・何も誰も勝てなくて・・・。


一緒に過ごす時間や日々がたとえ夢でも良い、どうすれば良いのか分からなくても迷いながらも進んで、その一歩、一歩は間違いなく私の胸に響いて積み重なる・・・。


早苗と一緒に演奏しながらどんな歌詞が付くんだろうって思っていたけどこんな・・・こんな素敵なっ。


「あ、あれ・・?」


気付いたら止めどなく流れて来る涙、これから歩む未来を怖がる必要は無い、悩んで苦しんで見つけた答えは間違いじゃ無くて、不安なら一緒に歩くと共に手を取り合って進んで行こうと悠馬くんの想いが私に・・・。


私は決して聞き逃すまいと流れる涙をそのままに最後の一音まで聞き惚れた。


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愛央や志保と同じ反応か、単純にこの世界ではこんな経験を出来る人はそうそう居ないだろうし仕方ないのかな・っと思いながら演奏を終わらせて立ち上がると直ぐに清華が俺の胸に飛び込んできた。


「おっと・・・。気に入ったみたいだな。」


俺の胸の中でうんうんっと頷いてる清華を抱きしめながら・・・。


「題名思い付いたんだけど、私がつけてもいい?」


そう聞いてきた清華に「勿論、頼むよ。」って告げると彼女の口からこの言葉が出てきた。


・・・。私が悠馬くんを知って答えを見つけて世界が新しい視線で見れる様になって愛央と志保と出会えて、悠馬くんを取り巻く全ての人達に出会えた事、早苗と一緒に連弾した今日の事も全部全部全部!これからの輝く未来に進む為の第一歩だと思うし、視界が変わった事で世界が広がったから、だからっ!」


「そうだな、俺達の世界も未来も輝いてるのは間違い無いからなっ!その題名で決まりっ!」


笑顔でそう言った俺に清華も満点、満開の花の様な素敵な笑顔で「うんっ!!!」っと頷いてくれたのだった。


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「さて・・・そろそろ良い時間だし、明日に備えて寝ようか?」


今までの事これからの事を沢山話して順番にお風呂も済ませて、気付けば日付けも変わる時間になっていた、流石にそろそろ寝ないとなって清華に提案したら顔を真っ赤にして俯いてしまった。


「えっと・・・どうかした?」


「その・・・しないの////・・・かな〜?って。」


あ〜俺も考えてなかったわけじゃないけど清華から言われるとは思ってなかったしこのまま寝るなら寝るで構わないかなっとも思ってたけど・・・。


「えっと、初日だし愛央の時のがあるとは言え良いのか?」


コクンっと真っ赤な顔のまま頷いて・・・。


「私だって期待してたし・・・それに〜。」


「それに?」


「抱いて欲しいなって・・・/////二人に追いつきたいし・・・っ///」


そう言われたら否!とは言えないね・・・。


「始めたら止まらないよ?良いんだな?」


コクリっとうなずいた清華を俺は抱えあげてベッドの上に優しく押し倒す。


「あっ///優しくして・・・ね?初めてだしっ。」


「清華・・・それは逆効果だ・・・!」


そうして二人の影が重なって愛し合った。


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SIDE 葵


清華ちゃんと早苗ちゃんの一件から一夜明けて日曜日。

私はいつもの目覚まし時計の音ではなくカーテンの隙間から差し込む日差しで目を覚ました。


時刻は朝の九時。

キュポンっと耳栓を外して聞こえてくる音と声が無いことを確認して一息つく。


「流石に終わって寝てるみたいね。」


昨晩は宴が開催されて音やら声やらが凄く聞かれるのも可哀想だろうと思い、耳栓をして寝ていたのだ。


「さて、何時に起きてくるかしらね?もしかして夕方まで起きてこないって事ないわよね?」


そう思いながら朝の支度をして着替えリビングに向かった。


二時間後・・・


「11時になるしそろそろ起こさないとよね。」


起こしに行こうと思ったところで悠ちゃんが降りてくる音が聞こえてきた。


「おはよう、母さん。」


「うん、悠ちゃんおはようっ。大丈夫?声がガラガラよ・・・。」


「あ〜うん。あんまり寝てないから仕方ないかな。」


「声もガラガラになってるけど、顔も死んでるわよ・・・?」


?とは流石に聞けずに起きていたのかっと聞いたら悠ちゃんは、指を折りながら数えてとんでもないことを言った。


「えっと・・・確か、だったかな・・・。ぶっ続けで・・・。」


「ろくっ・・・?!」


余りの時間に言葉を失っていると「志帆の抜かずの10発もやばいと思ったけど、一番ヤバイのは清華だ・・・底なしってこういうのを言うんだろうなぁ〜。」っとボソボソと呟いてるのを遠い目をしながら聞き流した。


「清華ちゃんは起きてるの?というか、生きてる?」


「生きてるよ・・・。流石に今朝は正気に戻ったらしく布団から出てこなかったけど・・・。軽く食べられるの用意して貰っても良い?食べてシャワー浴びて出掛けてくるよ。」


「う、うん。分かった。無理しちゃダメよ・・・?」


返事をする気力も無いらしく片手を上げてフリフリと反応するだけでリビングのソファーに悠ちゃんは倒れたのだった。


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「それじゃ!行きますか!」


あの後母さんのご飯を持って部屋に戻って清華と軽く食べた後、順番にシャワーを浴びて予定通りデートに行くことにした。

と言ってもお昼の時間も過ぎて空にはクソ暑い太陽がガンガンと照りつけてますがね!


「ゆ、悠馬くん。大丈夫?別に今日じゃなくても良いんだよ?」


苦笑いをしながら清華が俺の体を気遣って聞いてきてくれるけど原因の一端は自分なのは判ってるだけに凄い気まずそうな顔をしてる。


「大丈夫大丈夫っ!折角なんだし行こうっ!」


そう言って清華に向けて手を・・・。

そしてその手を嬉しそうにぎゅっと恋人繋ぎをして、二人揃って・・・・。


「「いってきまーす!!」」


そう言って、夏の始まりを告げる日差しの中に俺と清華は飛び出し恋人としてのデートを始めたのだった。


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これにて、清華編は終わりになります。長々とお付き合いくださりありがとうございます!

やっと、ここまで・・・ですよ・・・。

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