第102話 第10楽章 清華の決意

あの後、時間ギリギリになって薫は目を覚まして直ぐに「ご、ごめんっ!気絶しちゃった・・・。」っと謝ってきたけど、「愛央とか志保とかで慣れちゃって考え足りてなかったから悪いのは俺だし、むしろごめんな。」っと謝ってそれに「いやいや!私が!」「俺がっ!」っと何時の時代のコントだ?っとなったのを清華先輩が止めてくれてそのまま解散になった。


そこからの1週間は行ける時は毎日音楽室に向かい清華先輩の練習に付き合いながら過ごしていた。

そして週末を前日に控えた日の帰り道を珍しく愛央も志保もおらず俺と清華先輩の二人だけで歩いてる。


「結局、1週間付き合って貰っちゃってごめんねぇ。」


「気にしなくて良いですって俺も楽しかったしこうやって清華先輩との時間も過ごせますしね。」


「うぅ///そう言う事をサラっと・・・。そう言う事なら、うんっ。でもありがとうねっ。」


「いーえっ!それで明日は上手く行きそうですか?」


「勿論!悠馬君に付き合ってもらったんだもん絶対に上手く行かせるよ!」


「そこまで気負わなくても良いでしょ。もっと気楽に力抜いての方が上手く行くと思いますよ?」


「だめなの・・・。悠馬くん。私ね・・・私・・っ。」


「うん?どうしたんです?」


「私!悠馬くんにっ「危ないっ!」ふぇ?!」


何かを言おうとした清華先輩が轢かれそうになるのを見て俺は一気に抱きよせて庇ったまま車が通り過ぎるのを待った。


「あ、あぶな・・・何だよあれ。」


「ぁのぅ・・・。悠馬くん?///」


「っと、ごめんなさい、咄嗟だったとは言え抱きしめてしまって。」


「あっ///うぅん///その・・ありがとう///」


そう言って俺から離れた清華先輩の顔はこれ以上赤くならないんじゃないかって位真っ赤になっていてその顔が普段の綺麗な感じとはまた違ってとても可愛く見えて俺は見惚れてしまう。


「悠馬くん?どうしたの?」


「あ、いや。何時も清華先輩は綺麗だなって思ってたけど何か今は凄く可愛く見えて普段と違う顔で何か見惚れちゃって・・・。」


「ええ?!・・・ありが・・・・とぅ/////」


そうして俺達は少しの間見つめ合いながらお互いに顔を赤くして何してんだ?って時間が過ぎていったのだった。


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SIDE 清華


はぁぁぁぁぁ。凄かった・・・・。

悠馬くんの胸の中・・・男の子って感じだった。

胸板も厚かったし抱き寄せられた時の力強さも・・・・。


「んぅ・・。はぁぁ・・・。う、うぅ・・・。」


だめだ、悠馬くんの温もり、香り、力強さ・・・思い出すと身体がうずいて仕方ない・・・。


「愛央ちゃんと志保ちゃんは何時もあの身体に抱かれてるんだよね・・・。いいなぁ~・・・。私も抱かれたい・・・・。」


志保ちゃんの時の少し露出してる店員フォームの写真を見ながら帰りに抱きしめられ感触を思い出しながらベッドで悶々としてた私は身体のほてりを冷ます為に気付けば秘部に手が伸びては止めて伸びては止めてを何度も繰り返してる間に止まらなくなり気付けば、悠馬くんを想いながら果てていた・・・・。


「うぅ・・・しちゃった・・・。悠馬くんごめん・・・。」


次に会う時に真面に顔見れるかな私っと思いながら果てた疲れからそのまま寝てしまうのだった。


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明日か、清華先輩大丈夫かな・・・?

まぁ、確りと弾ける様になってたし大丈夫だろう。


「それにしても、何を言おうとしてたんだろ?轢かれそうになる前に何か言おうとしてたよな?結局聞けずじまいで別れたけど・・・。」


明日の清華先輩と早苗さんのコンクールの事、今日の帰りの様子を考えながら俺は部屋で過ごしていたらピコンっとスマホから通知が鳴って画面を見ると愛央と志保からだった。


「えっと・・・早苗さんと清華先輩のコンクールの間、ステイルで時間潰さない?か・・・、良いかもしれないな~・・・。俺も落ち着かないだろうし・・・。」


「勿論良いよ、何時ごろから行けば良い?」っと返事を書いて寝るまでの間、3人でグループ通話しながら明日終わって合流してからどうするかってのを話しながら夜が更けて行ったのだった。


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土曜日


一夜明けて土曜日の朝。

起きて着替えてご飯食べて等を済ませた後に母さんと菜月に声をかけて志保の家に向かう準備をしていた。


ピンポーンっ


チャイムの音が響いて朝から訪問者が訪れたのを確認して俺は玄関に向かったが愛央が来る時間にはまだ早いよなっと・・・。


「はいはいー。どちらさんですか?・・・って清華先輩?」


「お、おはよっ!朝からごめんね?本番前にちょっと会いたくなっちゃって・・・///」


「いやいや、大丈夫ですよー。まだ時間あるならお茶でも飲んでいきます?」


「あら?清華ちゃんじゃない、入って入って!今お茶淹れるからね。」


「あーえっと・・それじゃ少しお邪魔します。」


玄関から清華先輩を連れ立ってリビングまで行ってソファーに座りながら調子を聞く事にした。


「どうです?具合悪いとかないですか?」


俺の質問に清華先輩は少し不安そうにしながら答えてくれた。


「ちょっと不安って言うか自信無いって言うか・・かな?それで会いに来ちゃったのもあるんだけど・・・。」


「成る程っ。清華先輩、大丈夫です。ずっと見てたから分かるけど清華先輩なら絶対に大丈夫。」


「悠馬くん・・・。」


「それにっ!こういっちゃなんだけど、早苗さんが頑張るのであって清華先輩は別に失敗しても大丈夫でしょ?」


「う、うんっ。それはそうだけど・・・。」


「それなら変に気負わなくても清華先輩なら大丈夫です、絶対に。」


俺の言葉に清華先輩は無言になって俯いたまま暫く無言の時間になったのを俺は敢えて何も言わずに待つことにした。


「はい、お待たせ。簡単な物だけどお菓子も用意したからゆっくりしてね?」


コトっと音を立てながら母さんが俺と清華先輩の前にお茶とお菓子を置いてくれて清華先輩に声をかけて普段とは違って離れて行った。


「美味しい・・・。うんっ。あのね!悠馬くん!」


「うん?」


「えっとそのね?」


「どうしたんです?」


俺の言葉に清華先輩は顔を赤くしたと思ったら目がザブンザブンっと泳いで・・・何度か大きく深呼吸をした後赤い顔のまま俺を見つめて伝えてきた。


「今回の、今日のコンクールで上手く行ったら・・・聞いてほしいことがあるの。時間取ってもらっても良いかな?」


「それは勿論。上手く行ったらって言うくらいだから何か大事な事何でしょうし清華先輩の話なら何時でも聞きますよ。」


「ほんと!?絶対だよ!!私、やって見せるから!!!!!」


「え、ええ、勿論っ。楽しみにしてますよっ。」


少し勢いに仰け反りながら頷いてみせるとぐぃーっとお茶を勢い良く飲み込んで荷物を持って立ち上がった。


「葵さんーごちそうさまでした!それと、朝からお邪魔しました!悠馬くんもありがとね!頑張ってきますっ!!!」


ビシッと敬礼をした後ぱぱーっと出ていった姿と勢いにポカーンっとしたまま暫く玄関の方を見つめていたのだった。


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