第99話 第6楽章 予想通りの展開?

SIDE 早苗


だめだ・・・弾けない・・・。

何で?楽譜通りに弾いてるのに悠馬さんの様にならない・・・。


「どう言う事・・・?何か足りないの?悠馬さんにあって私に無いもの・・・。」


何だろう、分かる様な分からない様な?清華に聞いてみようかな・・・。


私はそう決めて直ぐに清華に電話をかける、ピリリリっと何度かの呼び出し音の後に直ぐ清華が出てくれて私は直ぐに話し始める。


「もしもし、急にごめんね。」


「良いけどどうしたの?練習は順調?」


「えっとね・・・練習はしてるしある程度は弾ける様になったけど駄目なのよ・・・。」


「駄目って?弾けるようにはなったんでしょ?」


「うん、取り合えず通しで弾いてみるから聞いて判断してくれる?」


「うん、それは良いけど・・・。」


「んじゃ行くね。」


♪~♪~♪~♪~♪~♪


「あ~・・・そう言う事かぁ・・・。」


私の演奏を聞いた清華が直ぐに理解したみたいで私が何を悩んでるのかは理解してくれたみたい。


「分かった・・・?」


「うん、全然違うね。はっきり言っちゃうとただ弾けてるだけって感じ。」


「そうなんだよね・・・。何が足りないんだろう?」


「んっ、ちょっと一回切るね。直ぐに繋げるけどちょっと待ってて。」


「え?あ、うん。分かった。」


どうしたんだろ?何か急用でも入ったかな?

そんな事を思っていたら直ぐにかかってきてそれを特に確認せずに繋ぐとグループ通話になっていて悠馬さんとも繋がっていた。


「もしもしー。やっぱり躓いた感じですか?」


やっぱりって・・・もしかして最初から分かってたの・・・?


「なはは・・・悠馬くんってば言い方・・・。」


「おっとすいません、多分そうなるだろうなーって思ってはいたので。」


「えっと・・・?最初から分かってたんですか?」


「うん、絶対躓くだろうなって思ってました、なので先に結論から言います。答えは自分で見つけてください、俺から言えるのはこれだけです。」


「ぇ・・・。」


期待した答えでは無く自分で何とかしろと言われて私の頭は真っ白になった。


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♪~♪~♪窓から差し込む、柔らかな光、見送った~♪~♪


うん?清華先輩から?


「はい、もしもし?どうしました?」


「遅い時間にゴメンね。今大丈夫?」


「勿論大丈夫ですよ。何かありましたか?」


「えっとね、今さっき早苗から電話がかかってきてリフレインを練習してるんだけどどうしても自分が納得いくレベルにならないらしくてさ、私も聞いてみたんだけどただ弾いているだけって感じだったの。」


あぁ、やっぱり躓いたか~・・・それで俺に助言をって感じだろうし予想通りかな?


「なるほど、それで俺に助言をって事ですか?」


「う、うん・・・。その反応ってもしかしてこうなるの分かってた?」


「ですよ、早苗さんには無理です。」


「え・・・だったら何で・・・?」


「彼女に希望されたから、愛央と清華先輩のお願いだから、だから提供はしました。ただ演奏するだけなら問題は無いでしょうけど彼女が求めるレベルは俺と同じかそれ以上でしょう?きっと。」


「う、うん。そこまでは聞いて無いけど多分そうだと思う・・・。だから悠馬くんに助言をお願い出来ないかなって思って・・・。」


「まぁ・・・こうなるだろうとは思ってたんで通話繋ぎます?」


「話してくれるの?」


「そりゃ、勿論。助言って言うか答えは言いませんけど会話くらいは別に問題ないですって。」


「うんっ!直ぐに繋ぎなおすから一回切るね!悠馬くんありがとっ!」


「お礼はまだ早いですよ、清華先輩のお願いなら躊躇う事も無いですしねっ。」


その後、一度通話を切って清華先輩がフリッペでグループを作った後に俺と早苗さんと清華先輩の3人でのグループ通話を開始して話し始めた。


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SIDE 清華


「うん、絶対躓くだろうなって思ってました、なので先に結論から言います。答えは自分で見つけてください、俺から言えるのはこれだけです。」


悠馬くんからはっきりと早苗に自分で見付けろと言葉が飛んで行って早苗は多分、頭の中が真っ白になってると思うって言うかなってるのが分かる。


「悠馬くん・・・。」


「っと、別に突き放してるとかじゃ無いですよ?単純に教えられても意味が無いって事です。」


どう言う事だろう・・・?


「えっと、突き放されてるんじゃないなら・・・?」


「俺の予想が間違えてないとしたら早苗さんが求めてるのって俺と同じかそれ以上ですよね?」


「う、うん。悠馬さんの演奏位に感動を与えられるようなって思ってる。」


「予想通りですね。清華先輩が聞いて演奏には問題ないと判断するレベルには到達してる、でも足りないものがあるから望むレベルに到達できない、でもそれが何かは分からない。だから清華先輩も俺に助言を求めようと思って連絡してきたって事ですもんね。」


「うん、何か少しでも早苗にって思って連絡したの。」


流石に早苗には無理だって言ってた事は言えないからそこは言わないけど・・・。


「あの、もし良ければ何ですけど練習を見て貰えませんか?学校には許可を取るので・・・。」


え?!悠馬くんが女子高に?!入れるの?!


「俺が・・・?女子高に・・・?それはじょそ・・・・・。」


うん?どうしたんだろう?急に止まった。


「どうしたの?悠馬くん、急に停止して。」


「どうかしたんですか?」


「あ~・・・いや、何か急に頭の中にって不思議な声が聞こえて・・・?」


「え?何言ってるの・・・?」


「何ですかそれ?」


「神の見えざる手・・・的な?いや、キニシナイデクダサイっとそれはいいや、流石に女子高に行くわけには行かないので何処か別の場所でならお付き合いしますよ?」


何だろう?ボソボソとは話してるけど言いそうになった言葉のネタがあったっけかっと言ってる、何かのネタであったっけ?私の記憶には無いんだけど・・・。


「他の場所・・・。そうだ!家だと遠いから清華の家は?」


「私の家?!」


「うん、清華の家なら悠馬さんも近いでしょ?学校帰りに寄るのも問題無い場所でしょ?」


「そうですね、それは良いかも知れない。清華先輩が良ければそれで良いかな?」


「う、うん。まぁ良いけど・・・。」


「それなら早速明日から!放課後に直ぐ行くから宜しくね!」


「はぁ〜、分かったぁ。悠馬くんも付き合わせてごめんね。」


「いやいや、先に言ったのは俺ですし。清華先輩の家にお邪魔出来るならそれはそれで楽しみなので。」


「別に特別なもの何て無いよ?」


「それはそれですよ・・・っと、ちょっと愛央と志保にも話しておくので俺はこれで!」


「あ、うん。ありがとね!また明日!」


「ありがとうございます、明日は宜しくお願いしますっ。」


はぁ、悠馬くんが家に・・・今からでも少し掃除しておこうかな?もう遅い時間だけど・・・。


「さ〜や〜か〜?聞こえてないの〜?」


「えっ?!あぁ、ごめん。考え事しちゃってた。」


「それなら良いけどさぁ〜、多分5時ちょっとには行けると思うから宜しくね?」


「はいはい・・・、何かこの間から凄いことが続いてる気がするなぁ〜。やっと志保ちゃんの事も落ち着いたところなのに・・・。」


「志保ってあのステイルの子だよね?何かあったの?」


あれ?ニュースにもなったから知ってると思ったけど気付いてなかったのかな?


「うん、まぁ〜ね〜。取り敢えず良いや!明日の事、お母さんに話したりしてくるからこの辺でね?」


「あ、うん!遅くまでありがと!おばさんにも宜しくっ!」


通話を終えて直ぐに母親の元に向かい明日の事を話したら「別に綺麗にしてるんだから大丈夫でしょ?」って言葉も無視されて大慌てて掃除を始めて日付けが変わる頃にやっと終わるし「明日はバッチリと決めて頑張りなさいよ!!」とか言われるし時間も無いから平日でもやることにしたのは失敗だったかな〜・・・。全くどうなることやら・・・。


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