第97話 第4楽章 開けない空を見上げて

「ただいま。」


「兄さんお帰りなさい、義姉さん達もいらっしゃいー。それと・・・この間の方ですか?」


「義姉さん達って///菜月ちゃんお邪魔します。」


「お邪魔しますね、菜月ちゃん。」


「いきなり来てごめんねー。お邪魔します。」


「お、おじゃ、おじゃましましゅっ!」


菜月の言葉に愛央も志保も清華先輩も真っ赤になりながらもなんとか返事返してる、愛央も志保も俺の彼女は可愛いくて色々とまずいよねー?誰に聞いてるのか知らんけど。


「清華先輩まで真っ赤になってるのは・・・?取り敢えず菜月も揶揄わないの!それと早苗さんやそこまで緊張しなくてもいいでしょうに・・・。」


「そ、そそそ、そう言われても?!男性のお家にお邪魔するとか経験出来ると思ってなかったからっ!」


「気持ちは分からなくも無いですけどそこまで緊張しなくても大丈夫だと思いますよ?っと兄さん、後でお茶もっていきますね。」


「うん、頼むよ。ほらほら、皆も部屋いくよー。」


4人を連れ立って俺は自室に向かった後に適当に座っててと言いながらPCを立ち上げたりしながら色々と準備を進めるのだった。


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SIDE 清華


うぅぅ・・・、何か緊張する・・・。

流石に二人は慣れてるのかお互いの定位置?みたいにささっと鞄とかを一か所に置いてそれぞれで座ってた。


「清華先輩も早苗さんも、座らないんですか?」


「えっと、座るけど何か緊張しちゃって・・・。」


「う、うん・・・。流石に緊張がピークで・・・。」


「あははっ。気持ちは分かるけど気にしないで適当に座っちゃって大丈夫ですって。」


「愛央さんは慣れすぎです。私だって未だに緊張しますよ?だからお二人の気持ちも分かります。でも何処に座っても悠馬さんは怒ったりしませんから気楽に座って大丈夫ですよ。」


「うん・・・。それじゃ・・・。」


ちょっと気合い入れて座ったのと同時にっと音が聞こえた後にガチャっと扉が開いて菜月ちゃんが飲み物とお菓子を持って部屋に入ってきた。


「お邪魔します~。まだ服着てますか~?」


っとニヤニヤしながら入って来て部屋のテーブルに飲み物とお菓子を置いてくれた。


「もうっ。流石に今日は脱いでないってば~。」


「この間だってたまたまそうなっただけですしっ!」


「あはは、ごめんなさい~っ。」


3人のやり取りを見てって部分がどうしても気になって聞いてしまった。


「ん?って事は愛央ちゃんも志保ちゃんも裸の時に菜月ちゃんと・・・?」


私の質問に愛央ちゃんと志保ちゃんの二人共「えっと・・・///」っと顔を赤くして目を逸らした。


「清華義姉さん聞いてくださいよ~!!遊びから帰って来て兄さんの部屋に来たらこの二人裸で伸びてたんですよ?負かす兄さんも兄さんだけど、3人でしちゃうのを受け入れるこの二人も大概だと思いません~?」


「あはは・・・///そっか///そんな事がね・・・///」


顔を真っ赤にしながら二人を見て居たら気まずそうにしながらも顔を真っ赤にして「何で言っちゃうかなっ///」「何故かそう言う流れになっただけで・・・///」っとぼそぼそ言ってるのが聞こえて来たし・・・。


「清華先輩に何を教えてるんだ・・・菜月。早苗さんも真っ赤になってるじゃんか・・・。」


菜月ちゃんの暴露を聞いた所で悠馬くんが戻ってくるのだった。


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「全く、清華先輩だけなら兎も角、早苗さんまで居るのに何を言ってるかな・・・。」


「事実ですし?別にバレるのも時間の問題でしょー?」


「だとしてもだっ!全く・・・。先ずは清華先輩にこれを。」


「これは・・・?」


「今までのが入ったUSBです、月曜日にでも前の持ってきてください。」


「ぇ?・・・いいの?」


「勿論。先輩にならなんの問題も無いですよ。」


俺からUSBを受け取った清華先輩は最初の時と同じように胸元で大事そうにぎゅっと握りしめて大切な宝物のように抱いてる。


「それと・・・早苗さんにはこの楽譜を・・・。」


「あ、ありがとうございますっ!」


「ただ、本当にそれで良いんですか?リフレインは本当に特別な曲です。知名度もあるし早苗さんがそれを弾けば俺との繋がりがあるとアピールにもなるのは分かってますよね?」


「う、うん・・・。そっか、そうなっちゃうのか・・・。」


俺の指摘に早苗さんは深く考え始めてるのを見ながらも決めるのは彼女だし最終的な判断は任せよう。


「それと、志保のイメージに沿ったのを作ったから聞いて貰えるかな?」


「嬉しいです、実は愛央さんが羨ましかったりしてたんですよ。直ぐに作れるものでは無いのは分かってはいるんですけどどうしても羨ましいなっと思ってしまってっ///」


志保の言葉を聞きながら全員でピアノのある部屋に移動してる時に清華先輩がどんなのだろー?っと言ってくる。


「志保ちゃんに沿ったイメージかぁ~。どんな曲だろ?」


「超ロックな曲だったりして?」


愛央がいたずらっ子の様な顔で志保を眺めながらニヤニヤと・・・。


「どう言う意味でしょうか?愛央さん。詳しくお聞きしたいですね?」


と~~~っても良い笑顔で愛央に詰め寄る志保に苦笑いしながらも曲を演奏し始めて愛央を助ける事にする。


♪~♪~♪闇の中を進んでいく♪星も見えない、夜空見上げ~♪~♪~♪


曲が始まって直ぐに騒がしかったのが静かになって菜月まで一緒になって聞き惚れてる。


♪~♪あの日の君と夢を追い越す~♪~♪


「って感じなんだけどどうかな?」


俺の言葉に愛央も菜月も清華先輩も早苗さんも何も言わず、志保を見詰めてる。


「この曲は私が話した事から、あの事からのですよね?」


「うん、どうだろ?駄目だったかな?」


「あの事があって、無くした物を悠馬さんと出会って乗り越えて、取り戻して。そして今があってこれから先、悠馬さんと一緒に居ると言う夢を叶えて見せます!」


「名前、決めてくれるか?」


志保をぎゅっと抱きしめながら頭を撫でて、志保に題名を決めて欲しいと伝えて・・・。


って言うのはどうでしょう?」


「うんっ。良いと思う、この曲はにするね。」


「はいっ!お願いしますっ!」


涙を流しながらも嬉しそうな顔の志保を抱き締め続ける俺と志保を愛央も清華先輩も菜月も早苗さんも優しい顔で見詰めていたのだった。


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