第96話 第3楽章 お願い
カシャカシャっ。
一応記念って事で写真を撮っておいて清華先輩にも見せようと思い立った俺は撮った写真を送信した。
「む?反応が無いってか既読にならないって事はまだ話続いてるって事か。」
「う、うぅ・・・。」
お?生き返ってきた?演劇部の人達も愛央達も復活かな?
「愛央〜?大丈夫?他の皆もっ。」
「ひゃっ///ゆ、悠馬ぁ・・・。」
ガックリと力尽きたかの様に皆、なりながら未だに顔は赤いままだわ。
「もうっ!悠子でしょっ?愛央ったらもうっ!」
「「「かっはぁ///」」」
「私達が悪かったので許してくださぃ〜、悠馬さん・・・。」
「志保ちゃんの言う通りだからごめんってぇ。」
「ゆ、悠馬ごめんっ。てかマジで許してぇ女としての何かを無くしそう・・・。」
うんうんっと全員が頷いたのを見て仕方ないっと許すことにして化粧を落とすことにした。
「何か勝ったのに虚しい・・・。」
「勝負じゃないでしょうに、虚しいのはこっちだよ!何か負けた感凄いんだけど!」
俺にそれを言われてもね〜、ノリノリでやったのはそっちじゃん?
「はいっ。これで落ちましたよ、いつものかっこいい悠馬さんですっ。」
「ありがとな、志保。それじゃ帰ろうか。」
「「「「はーいっ!」」」」
「それじゃお邪魔しました〜!」
っと部室を後にして俺達は揃って帰宅することにしたのだった。
帰った辺りで清華先輩からは返事が来てて何があればこうなるの?!てか似合いすぎてて見たかったんだけど!っと返事が来てました。
…………………………………………………………
そして次の日、今日はステイルに昼過ぎくらいから集まってた。
というのも昨日の内に清華先輩から明日は時間取れるか?っと聞かれていたし問題ないと答えて居たから愛央も勿論来てる。
「それでどうしたんです?改まって。」
「えっとね、悠馬くんにお願いがあってさ。」
「お願い?そう言ってくるのも珍しいですね。」
清華先輩の話はリフレインのデータが欲しいと言うこと、幼馴染?的な友達のお願いらしくそれを使って学校のコンクールに勝って留学に近づきたいって話で俺に頼んでみてくれないかっと頼まれたらしい。
「リフレインを・・・ねぇ〜・・・。」
「やっぱり駄目だよねぇ〜。一応だけど連弾も頼まれてるからリフレインでやるかはまだ分からないけど私的にも欲しいのもあるかな〜。」
さて、どうするか、これが清華先輩だけだってんなら俺も何も迷わずに提供するが・・・。
「悠馬っ!協力しようよ!他ならぬ清華先輩の頼みなんだし私も先輩が相手なら問題ないよ?」
「うん、愛央が構わないなら・・・まぁ・・・。」
「ほ、ほんと?!本当に良いの?!」
「条件が一つあります。」
「条件?何かな・・・?」
「ここに呼んでください。直接話してから最終判断します。」
「あ、うんっ!それじゃちょっと連絡してみる!」
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SIDE 清華
「もしもし、早苗?」
「もしもしーどうしたの?話をしてくれたの?」
「うん、今さっきしたよ。」
「やっぱり無理・・・?」
「条件付きで許可は出たよ。」
「ほ、ほんと?!条件って何?!」
「今からステイルって喫茶店に来れる?」
「ステイルって・・・あの旅行雑誌に載った所だっけ?」
「うん、そう。どう?」
「大丈夫、行けるよー。」
「良かった、それじゃ待ってるから出来るだけ急いでね?悠馬くんが待ってるからっ。」
「・・・・ぇ?どう言う事・・・?」
「提供の条件が直接の会話だって、本人から話を聞いてから最終判断するって言ってるの。」
「・・・直ぐに行く。後でね。」
ふう・・・早苗なら大丈夫だと思うけど・・・上手く悠馬くんを説得して納得させてくれると良いんだけど・・・。
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チリンチリーン♪
「いらっしゃいませ。」
「志保ちゃん、その子はこっちにっ。」
「あぁ、この方ですか。こちらにどうぞ・・・。」
「は、初めましてって言うのもおかしいですか・・・?」
「ん?・・・あぁっ!この間の子か。」
志保に連れられて俺達の所に来て不安そうな顔をしながら先に声をかけてきて俺が覚えていたことが嬉しいのか不安そうな顔から一気に笑顔になって「この間はありがとうございましたっ。」っと言いながら席に着いた。
「この間って何?悠馬。」
「えっとな、この間行った喫茶店で先輩に殴られそうになってる所を助けたってだけだよ。」
「あぁ、話して居た方がこの方でしたんですね。」
「それだけじゃありません!精算まで気付かない内に終わらせてくれていて本当にお世話になりまして・・・。」
「悠馬らしいけど・・・。何で自分から火事の中に飛び込むかなぁ?」
「愛央さんや・・・、今はそれは後にって事で・・・。改めて逆月悠馬です。この子が星川愛央、こっちの子が天音志保だ。」
俺がそれぞれを紹介して二人共揃って軽く頭を下げてる。
「工藤早苗です、この間はありがとうございました。それと無理なお願いをして申し訳ありません。」
「いえいえ。って事で詳しく聞かせてください、清華先輩の友人だから別に無条件で提供しても良いけど一応聞かせて貰えると助かります、あの曲は愛央の為の曲なのでいくら愛央が許したとしても個人的に聞きたいのは変わらないので。」
「この子が・・・羨ましい・・・。っとえっとですね、2週間後に学校で演奏会があってですね?それで優勝出来ると留学に一歩近づくんです。」
「留学か・・・。」
「はい、私の夢に一歩近づくのでどうしても勝ちたくて他の先輩とかも狙っていたりは勿論の事としてお金持ち多いのでどうしても幼少期から・・・。」
「あぁ・・・金に物を言わせてかぁ~・・・。」
どの世界でもそれは変わらないんだなぁ・・・。
「はい、なのでその中で少しでも可能性を上げたくて悠馬さんの曲を使えればってお思って・・。」
「成る程、そう言う事か。」
「私からもお願いできないかな・・・?早苗はほんとに頑張って来てて今の学校も推薦を取れる位だから、そんな早苗が頼ってるから叶えてあげたくてさ・・・。」
さってどうするか・・・理由はまともな物だったけど・・・。
別にリフレインである必要性は無いと思うんだよな~それこそこっちの世界の曲で頑張れば良いだけの話だしそれで無理ならそこまでだったって事だし・・・。
「宜しいのでは無いですか?悪用しようとしてる訳では無いみたいですし送られた愛央さんも良いと言ってる訳ですし。」
「私からもお願い、協力してあげて欲しいな、悠馬。」
「無理を承知でお願いしていますけど何とかお願いできませんか?」
志保と愛央からの援護、早苗の真摯なお願い・・・まー、しゃーないか。
俺は
「んじゃ、行きますかー、我が家へっ。」
「えっ?!それじゃ?!」
「まっ、最初から断る理由も無いんですけどね、愛央が良いと言った時点で。話してみて俺も大丈夫だと判断出来たしね。」
俺の言葉に全員が笑顔になって頷いたのを見届けて俺達は移動を開始するのだった。
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3回目のワクチンの副反応マジできつかった・・・
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