第94話 第1楽章 変身!

「清華ーこっちこっち!」


「ごめん!待たせたよね?」


「大丈夫っ!てかいきなり呼び出したのはこっちなんだし気にしない気にしない。むしろこっちこそごめんね。」


この子は工藤くどう 早苗さなえ、同じピアノ教室に通っていて中学に上がる前から知って居て中学は同級生だったからある意味幼馴染みたいなものかな?


進学先は完全な女子高に進学していてピアノの実力を認められての推薦入学を勝ち取れる位の実力者、私にとっても友人であるのと同じくライバルだって思ってる。

と言っても早苗本人はどう思ってるかは分からないけど・・・。


「んーん、それは大丈夫だけど、どうしたの?数日の余裕持ってじゃないの?いつもはさ。」


「そうなんだけどねーちょっと急ぎで・・・。」


「急ぎって?何か言いづらい事?」


早苗にしては珍しく口ごもってる、この子ははっきりと好き嫌いを言うような子だしこうやって口ごもるって言うのは本当に珍しい。


「えっとさ、清華ってさ、長年の悩みが解決したのってYouMaさんのお陰何だよね?最初の動画を見て解決したって言ってたよね?」


「うん、そうだけど?自分に足りないものを忘れていたものを思い出せたのはあの動画だよ。」


「だよね!その後は学校の後輩になったって言ってたよね?それで仲良くなってってさ・・・。」


「う、うん・・・そうだけどそれがどうかしたの?てか何が言いたいの?結局。」


「あのね・・・YouMaさんにリフレインの楽譜お願い出来ないかな?!」


「は?・・・何言ってるのあんた。」


「まって!まって!理由も話すからそれ聞いてから怒るなら怒って!」


「・・・言ってみて。」


「えっとね、今度学校でコンクールがあるのね?それで勝てると留学に一歩進めるのね?」


「あぁ、前に言ってた話のやつね。」


「うん、それ。それにリフレインを使いたいなって・・・。それと清華にもお願いがあって、その時の連弾の相手をお願い出来ないかな?って・・・。」


「私が?!って言うか早苗の学校に入れるの?!部外者なのに。」


「うん、その時だけは大丈夫。お金持ちの学校だけあってお嬢様連中もうざったくてさ~・・・。外部から協力者呼ぶ人も居るしさ。中等部の子達は慕ってくれてるんだけど高等部はさぁ~。」


「成る程・・・。誰も協力してくれる人が居ないってのと他の人も外部から呼ぶし、中等部じゃ早苗には付いて行けないだろうしねぇ~。」


「そうなのよ、だから私と同じレベルかそれ以上で更に私が緊張せずに出来るのって清華位だしさ・・・。駄目かな?」


「ん~・・・連弾は別に良いけどリフレインがなぁ~・・・。そっちは流石に確約は出来ないかな。分かってると思うけどあの曲は特殊だからね。」


「そうだよねぇ~、元々一人の為にだもんね。難しいかな~・・・やっぱり・・・。」


「てかさ、何でYouMaのリフレインなの?早苗なら別に他のでも余裕だと思うけど?」


「えっとっ///それは・・・っ///」


え?待って?何で顔赤くしてるのこの子・・・。


「えっと・・・ね?///実はね・・・?///」


その日、私は早苗から出てきた言葉で人目も憚らずに大声で叫んだ。


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金曜日の放課後、清華先輩は昔からの友人から相談があるということで先に帰ってる、愛央と志保と悠花と薫と俺の5人は自販機エリアで少し駄弁だべってたら薫がいきなり変なことを言い出した。


「悠馬君って女装したらすごい美人になりそうだよね?」


「ぶっ。ゴホッゴホッっ!ゲホッゲホッっ!!」


「大丈夫?!悠馬。」


「どうぞっ。飲んで落ち着いてください。」


志保からお茶を受け取ってしっかりと飲んだ後に変なことを言ってきた薫をジト目を向けながら一言・・・。


「何をあふぉな事言ってるのさ・・・。」


「いや〜ごめんごめん!凄い似合うんじゃないかな〜って思ってさ。」


「思うだけにしとけっ。狙ったかのようなタイミングで言いやがった。」


ゲホッ、ごほっと咳込みながら何とか整えて理由を尋ねた。


「んで?何で女装なんだ?」


「いやさほら、今やってるドラマを思い出してさ。」


「あぁ、近辺には女子校しかなくて女装してバレないように通って学園生活を送るってあれ?」


「それそれ!悠花も見てるでしょ?」


「見てるけどたまに分からなくなるんだよねーあれ。」


「あぁ、女優が女装して通って実は男の子で、でも女優だから男装してる時の方が変装だもんね。」


「そうそう!愛央ちゃんも見てるんだね!だからさー悠馬君を当てはめて悠馬君が女装したら凄い美人になりそうだな〜って思ってさ!」


思ってさ!ジャネーよ思うだけにして口に出すなっての。


「そうですね、葵さんを考えると悠馬さんが女性もしくは女装したら高校生くらいの葵さんが出来上がるのでは無いかと・・・。」


あーそれは確かにあるかもしれないな、母さんの遺伝子だし菜月があれだけ可愛いから俺も化粧したりしたら母さんの若い頃?になるのかもな。今でも若すぎるくらい若いけど。


そんな事を考えていたら俺以外の皆が顔を見合わせて頷いてた。


「悠馬、ちょっと演劇部行こうか?」


「は?いやなんで?」


「良いからっ!行こうよ!」


「そうですね、行きましょうっ!」


「だね!行こっか!」


いや!何?!てかこう言う時のその力何処から何時も出てくるの?!毎回思うけどさ!!

こえーんだけど?!何で演劇部?!説明を求む!!嫌な予感しかしねぇ?!


…………………………………………………………

「おぉぉ・・・これは・・・。」


「ほぇ〜想像以上だ・・・。」


「自信無くしますねこれは・・・。」


おい、途中で何となく分かったけどさ・・・。

マジでやるとは思ってなかったよ・・・。


「いやぁ〜葵さんが居る・・・。まさかここまでとは思って無かったぁ〜。」


「あのなぁ〜?逃げられないようにガチッと捕まえてまでやることかこれ?」


「まぁまぁっ!ほらほらっ!今は女の子何だから言葉遣いも気をつけないと駄目だよ?悠馬・・・いや、悠子ちゃんっ!」


愛央さんや・・・そこまで言うならとことんやってやろうじゃねーか!


んっ!んっ!っと喉の調子を整えてハスキーボイス女寄りっぽくして・・・。


「もうっ!愛央ってば!いきなり連れてきてこんな事するなんて酷いよ・・・。」


下から愛央を覗いて涙目にしてそんな事を言ってみた。


「うっ///・・・ちょっ///」


「志保も志保で止めてくれても良いのにぃ・・・。」


「はぅ///こ、これは・・・///」


「薫もはるかも酷いよぉっ。」


「「かっはぁ///」」


「演劇部の皆もノリノリでやらなくても良いのに・・・ぅぅぅっ。」


「「「「ぐぼぁっ/////」」」」


涙を貯めてそんな事言いながら皆を見つめたら、見えない何かを吐き出して皆して顔を赤くして倒れた・・・いや、ナニコレ?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

遊び過ぎたかな・・・?w

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