第80話 叫び
SIDE 零士
俺は、
「さっきの獣みたいな叫びは何だったんだ?ほれほれ、一発も俺には当たらねーぞ?もう少し頑張れよ?」
こいつは、本当にムカつく野郎だ、人を煽って来やがる上に余裕ぶりやがって・・・。
だが・・・これならどうよ!
「オラァ!」
俺は蹴られてぶっとんだ時に思いっきり砂を掴んでYouMaの近くに迫ったタイミングで思いっきり目に向けてぶっかけてやった。
「がっ?!てめぇ?!」
「舐めてるからそうなんだよ!オラァっ!」
目が見えない状態のYouMa相手に殴る蹴るを繰り返す、転がっていた木材で殴るを繰り返す!
「ぐっ、がっ、ごっ・・・がはぁっ!」
「ハハッ!アーヒャヒャヒャヒャヒャ!俺から志保を奪った報いを受けろぉー!」
このまま殺してやる!殺してやる!
「死ねやぁぁぁ!」
「悠馬さん!!!!」
止めを刺そうとしたところでYouMaの取り巻きの女に助けられたのか志保の叫び声が聞こえて俺は手を止めた。
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「悠馬さん!?もうやめてください!それ以上したら悠馬さんが!」
「はぁぁ?だから何?俺の目的はこいつを殺す事だって言っただろ?お~?へー狙ってる良い女も揃ってるじゃん、ちょっと待ってろよ。こいつを殺してお前らも全部奪ってやるからよ。」
「な、何を・・・私が
「そうだっけ?忘れたわ。」
「そ、そんな・・・。あなたは!」
「悠馬から離れて!それ以上悠馬を傷つけたら許さない!」
「俺に命令するな!クソアマが!こいつもお前も志保も残りの二匹も!俺の手にかかればいくらでも好きに出来るんだよ!俺の親は権力もあるんだからな!だから俺は何をしても許されるんだよ!こいつを殺しても揉み消せるんだよ!!!俺様が世界のルールなんだ!」
「ふ、ふざけないで!何時の時代の話をしてるの!そんな事出来る訳ないでしょう!」
「そう思いたきゃ思っておけ!直ぐに理解する事になるわ!おっと!動くなよ!動けばこのままYouMaの頭を勝ち割ってやらぁ!」
このクソガキ、好き勝手言いやがって・・・でもまぁ、休むことは出来たしそのまま連れて逃げろって言っておいたのにこっちに来た愛央達は後で説教だわ。そして、志保のやつ俺を助ける為に下ろうとしてたなんてな・・・もうちょっと俺を信じろっての、こんな奴に負ける訳無いわ。
「ひ、酷い・・・なんで!?何で貴方はそうなんですか!」
「いい加減理解しろ、俺が!ルールなんだよ!あぁ、良い事思いついたわ・・・。選ばせてやるよ志保。」
「え、選ぶ・・・?」
「あぁ、ここでYouMaに別れを告げて俺に忠誠と愛を誓うか、YouMaが死ぬのを見るかの好きなほうを選ばせてやるよ、どうだ俺の慈悲に満ちた心はよぉ~?」
何を言ってるんだこいつ・・・。
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SIDE 志保
「あぁ、ここでYouMaに別れを告げて俺に忠誠と愛を誓うか、YouMaが死ぬのを見るかの好きなほうを選ばせてやるよ、どうだ俺の慈悲に満ちた心はよぉ~?」
慈愛・・・?忠誠と愛・・・?それをすれば悠馬さんは・・・。
「ぐっ!がぁっ!」
「ほらほらー!早く答えないとYouMaは死ぬぞぉ~?!」
「悠馬!このぉっ!」
「愛央ちゃん!今はまだ・・っ。下手に動いたら・・・悠馬くんが・・・。」
くっ!私に関わったせいで、こんな・・・。
「わ、わたし・・・は・・・・。」
悠馬さんを諦めれば・・・。この人の物になれば・・・。
でも・・・でも・・・悠馬さん・・・、悠馬さん・・・、悠馬さん・・・。
「わ、わ、わたしは・・・。あ、あな・・・あなた・・・の・・・。」
ニヤァっといやらしい顔で私を見てるあいつを見ながら・・・。
「志保ちゃん?!」「志保さん?!」
「わたし・・・。私はっ!・・・「志保ぉぉぉっ!」・・・え・・?」
「天音っ!志保っ!!」
「っ?!・・・悠馬さん・・・?」
「お前の!お前の意思は何処にある!!??」
「うるせぇぇ!!!」
ドゴンッと悠馬さんが蹴られる・・・。それでも悠馬さんは私から目を逸らさずに・・・。
「志保の!望みは!なんだっ!?志保の望みは何処にある?!」
「志保ちゃん!」「志保さん!」
「私はっ!・・・私は!!!悠馬さんと一緒に居たいです!そんな奴の物になんてなりたくないです!」
「志保ぉぉぉぉ!お前ぇぇぇぇ?!それなら殺してやる!お前の目の前でなぁ!!」
「悠馬さん!」
勢いよく角材が振り下ろされる・・・悠馬さんを殺そうと言う意思と勢いのある速さで振り下ろされた角材が・・・っ!
「おーけー。志保の意思は理解した。」
ガシッと振り下ろされた角材を掴みました、そのまま・・・悠馬さんは思いっきり・・・。メキッと音がなるくらいの勢いであいつの顔面の中心を思いっきり殴り飛ばし、ゆっくりと立ち上がりながら「それが聞きたかった、それだけ分かれば十分だ。」・・・そう言ったのです。
「さて、これで答えが出たな。何か言いたい事は?ゴミムシくん?」
そう言って悠馬さんは殴り飛ばしたあいつを冷たく見降ろして居ました。
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