第71話 お手伝いは・・・必要?
取材の日から3週間、6月の末になった、この一か月の間は特に志保と進展は無くあの日みたいに、志保が思いつめた表情で話しかけてくるって事も無かった。
後、一週間ほどで7月に入ろうとしてるが明日は遂に雑誌の発売日だ、足立さんにツブッターで呟くなら前日にお願いしますっと言われてた。その理由が・・・。「余りにも早くお知らせするとYouMaファンによる買い占めがあるかもしれませんし、それでは夏の旅行に向けて買おうと思っている読者の手に渡らない可能性も出てしまいますし、転売されるのも困りますので・・・。」って理由。
個人的にはそんな馬鹿なっと思わなくも無いが、自分の発言や行動での影響を考えるとそう言うのも中には居るかも知れないしファン外の人が買い占めて転売に走るかも知れないなっと気付いた事で足立さんの言葉に従う事にした結果、前日まで俺を筆頭に愛央も志保も清華先輩も母さんも菜月も黙ってる事になった。
「仮に転売厨が出たとしても俺が突っ込めば居なくなりそうだとは思うが、足立さんの懸念は尤もだもんな~・・・っと写真はあの時のにしてお知らせっ!お知らせっ!」
「こんにちわっ!実はお知らせがあります!とある雑誌でモデルとして掲載される事になりました!同級生のお母さんが経営してる喫茶店が周辺住民から話題になってたらしくてですね、それが全国で発売されている旅行雑誌の記者さんの耳に入ったらしく街の隠れた名店って事で紹介されることになったんですっ!そして・・・そのお店は進学後に自分もほぼ毎日の様に通っていまして、取材の申し込みが会った時もお店に居たので一緒に取材を受ける事になりました!」
先ずはここまで書いて店員さんの恰好の写真と一緒に投稿して直ぐに続きを書き始める。
「この写真の恰好で雑誌に掲載されます!そしてーーーたま~~~に?お手伝いでも入る事があるかも?です!もしも興味を持って来店した時に自分がいたら一言でも言ってくだされば幸いです!」
こんなもんか?あ、注意点も一応書いておくか・・・。
「一つ注意点を・・・自分が載って居る雑誌に関してですが居るとは思いませんが買い占めは止めてくださいね。夏の旅行に向けて雑誌の購入をしようと考えてる方もいらっしゃると思います、そう言う人の手に渡らないって言うのは自分も、そして出版社の方も困ってしまいますのでどうか理性的な行動をお願いします。」
っとこれで大丈夫だろ~・・・ってリプが早いっ!ガンガン通知なってるし・・・・。
「わわわわ?!凄い凄い!おめでとうございますー!写真も戴きました!かっこよすぎる・・・・。」「こんな店員さんが居るなら毎日でも行きますー!給料全部つぎこんじゃいそう・・・・。」「絶対に手に入れます!でも一冊で我慢しますー!!!」「観賞用、保存用、布教用って3冊は欲しいのですが駄目でしょうか・・・。」「YouMa様の意向に反する様な事するな!気持ちはわかるけど!」「そうだーそうだー!我慢しなさい!皆が我慢するんだから!」等など
「布教用って・・・。宗教ちゃうわ。まぁ、止められては居るけどどうするかはこの人って言うか全員の理性的な判断能力次第か・・・。」
俺に出来るのはここまでだし、後は様子見かな~。
♪~♪~淡い斜陽~♪~♪
っと誰だろ?・・志保から?
「もしもし~?どしたん志保。」
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SIDE 志保
そろそろ発売日ですけどどうなることやら・・・。
「はい、はい。そうですよ、ええ・・ええ?!ありがとうございます。お待ちしています。」
お母さんが電話対応していますけど実はさっきから結構鳴っています。悠馬さんがツブッターに投稿したみたいでその影響って言えば影響何でしょうけどここまで反応出るって発売されたらどうなるんでしょう・・・。
「はぁ~・・・。問い合わせが凄いわね。悠馬君の効果って事かしらね?
そうそう、志保、悠馬君に電話してお願いして貰ってもいい?雑誌が発売したらって言うか明日からの週末のお手伝い多分凄い事になると思うの・・・。」
「そうですね・・・・。悠馬さんの手を煩わせるのは気が引けますが、記事の内容の事もあるしお願いするしか無さそうですね。」
はぁぁ・・・っと大きくため息をついて私は悠馬さんに電話をかけた。
「何時になってもこの呼び出し時間には慣れませんね・・・。」
私は胸のドキドキを感じながら悠馬さんが電話に出るのを静かに待っていた。
「もしもし~?どしたん志保。」
数回の呼び出し音の後に悠馬さんが電話に出てくれて何時もの優しい声でどうしたのかっと聞き返してくれてそれだけで私の胸はドキドキと激しく早鐘を打ち始めて顔も真っ赤になる。
「あっ。こんばんわ。今大丈夫ですか?」
「勿論、志保からの電話なら深夜だって気分よく出るよ。」
またそう言う事をサラっと・・・。
「それは嬉しいですけど、深夜には流石に・・・。」
「あははは。ただの
そう言って心底楽しそうに悠馬さんは笑っていました。
「えっとですね・・・。ツブッターに投稿しましたよね?その結果さっきから問い合わせの電話が凄くてですね。」
「げっ・・・マジか。ごめんな、そうなるなんて想像してなかった。今から追加で呟いておくよ。そうすれば少しは収まると思うし。マジでごめん!!!」
「いえいえ!それは良いんですけどそのお願いがありまして・・・。」
「お願い?・・・あっ!お手伝い?明日からの土、日を手伝えば良いかな?何時ごろに行けばいい?」
「えっと、その通りのお願い何ですけど良いんですか?」
「そりゃ勿論、元々そのつもりで予定は開けて置いたし、愛央と清華先輩にも開けて置いて貰ってるから電話終わったら連絡してあげてくれな。」
「これで少しは止まれば良いんだけど・・・。」っと多分PCでキーボードをたたく音を響かせながらどうやら呟いてくれたみたいでゆっくりではあるけど電話の頻度は減って行ってる。
「はい・・・。本当にありがとうございます。それで明日なんですけど9時には来てもらえますか?」
「開店は10時からだったよね?9時からで間に合うの?」
「大丈夫ですよ。悠馬さんには着替えて貰って接客などの説明を軽くする程度ですから十分です。朝早くて申し訳無いですけど・・・。」
「大丈夫大丈夫!起きてる時間だからね、それじゃ明日は9時にはお邪魔するね。
んじゃ準備したり母さんと菜月に話したりするからまた明日ね。」
「はい!ありがとございます。おやすみなさい、悠馬さん。」
「うんっ。おやすみな、志保。」そういって悠馬さんは電話を切って、私はスマホをぎゅっと胸元で握りしめて余韻に浸りながら母に大丈夫だったと伝え、愛央さんと清華先輩にも連絡して明日と明後日の事をお願いするのだった。
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「ただいま~!悠ちゃんいる~?」
志保との電話が終わったのとほぼ同時に母さんが帰宅して直ぐに俺を呼んだ。
「おかえり、母さん。どうしたの?」
母さんは大きめの封筒を持ちながらリビングに居て俺の姿を見て直ぐに中身を取り出してきた。
「はいこれ!足立さんが今日持ってきてくれたの。」
「え?発売日明日だよな?良いのこれ?」
「出回るのは明日だけど、完成自体はしてるからね。今回の協力のお礼だって。愛央ちゃんと清華ちゃんと志保ちゃんの分もあるからその内渡してあげてね。」
「兄さん!兄さん!見せてみせて!」っと騒がしく寄ってきた菜月に俺は一冊を渡して見て貰う事にして明日からの事を伝える事にした。
「そだ、母さん。明日と明後日なんだけどさ、さっき志保から連絡あってお手伝いお願いできないかってさ。俺はしたいからおーけーは出したけど良いかな?」
「あぁそっか・・・。発売日だから普段よりも混むわよね・・・。愛央ちゃんと清華ちゃんも一緒になんでしょ?」
「勿論。」
「それならいいわよ。勿論、私と菜月も見に行くからね!ね?菜月。」
「ふぇ・・・あぁうん!勿論いくよー!」
菜月は俺の記事に夢中になってるようだった・・・・。
「全く・・・。待ってるからな?」そう言いながら菜月の頭を撫でてたら菜月は恥ずかしそうに「・・・うん///」っと頷きながら俯くのだった。
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