第55話 続きのデートはお家で

「ただいまー!」「お邪魔しますー!」


俺と愛央は手を繋いだまま、一緒に俺の自宅へと帰ってきた。

公園を出た辺りで母さんにフリッペを送っておいてもう直ぐ帰るってのと話す事があるってのを報告しておいたのだ。


「おかえり、悠ちゃん。そしていらっしゃい、愛央ちゃん。」


「兄さんおかえりなさいー。愛央さんもこんばんわっ!」


「うん、ただいま、二人共。愛央、連れて来たよ。」


「夜分にすいません、お邪魔します。」


「悠ちゃんから聞いてたから大丈夫よ。悠ちゃん、連れて来たって事は・・・・?」


母さんは俺と愛央を交互に見ながら、菜月は何処かイライラを隠す事も無く俺の言葉を待ってる。


「うん、改めて愛央に告白して付き合う事になった。」


「はいっ///私も大好きだと伝えて悠馬君とお付き合いする事にしました。」


「そうですか、兄さんは本当に愛央さんで良いんですか?兄さんを振って走って居なくなる様な人ですよ?」


珍しくも菜月が敵意をむき出しにして聞いてくる。


「こら!菜月ちゃん!」


「ママはちょっと黙ってて。それでどうなんです?兄さん。」


「愛央が良いんだ、愛央じゃないと駄目なんだ。俺には愛央が必要なんだ、もしダメになるようなら今度はしっかりとお互いに向き合って納得するまで話すって約束したから俺は愛央を信じる。」


「そうですか、それで愛央さんは?良くもまー平気な顔して兄さんの前に戻ってこれましたね?」


「うん。確かに私は悠馬君を傷つけた、それはどんな言い訳をしても消えて無くならないし私も絶対に忘れない。私のつまらない劣等感のせいで一番大切で大好きな人に悲しい思いをさせて配信であんな事までさせてしまった。」


「そうですね、愛央さんは兄さんを傷つけました、兄さんのあんな顔は二度と見たくありません。だから・・・、二度と悲しませないでください、兄さんから逃げないでくださいっ!」


「うんっ!約束するよ!私は二度と悠馬君から逃げない、どんな事でも向き合うよ。」


愛央と菜月が正面からお互いをしっかりと見てる、口を出すべきじゃないと思った。

菜月が喧嘩を売るなら止めるけどこれはそう言う事じゃ無くけじめみたいなものだと思うから・・・。


「分かりました、それなら良いです。兄さん!愛央さん!改めておめでとうございますっ!」


「ふふっ。菜月ちゃんもいっちょ前になっちゃって全くっ。愛央ちゃんは先ずは顔洗ってらっしゃい、凄い事になってるよ?」


「うっ・・・。お借りします・・・///」


っと菜月に連れられて愛央は洗面所に先に向かったのを見送って俺と母さんは先にリビングの方に向かうのだった。


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「はぁぁぁぁぁぁぁ・・・、最初の理由が釣り合わないからですか・・・・。兄さんから告白されておいて良くもまぁ・・・。」


「うぅぅ・・・ごめんなさい・・・。でも!本気で悩んでたんだよ・・・。」


「悠ちゃんは色々と凄いからね~、余程自信の持てる何かが無いとしり込みしちゃうかもね。」


「そうなんです、私には何もない、特別な何かなんて持って無い、そんな私が特別の塊のような人の隣に立っても良いのかって・・・。」


「俺は特に意識してないけどな~・・・好きな人は好き、嫌いな人は嫌いってだけだし。」


「私も好きっ///」


「はいはい、イチャイチャは二人っきりの時にしてくださいー。」


「うっ。それで、逃げちゃった後に本当に後悔して自分が大馬鹿だって思って志保さんと清華先輩に怒られて・・・。私はとっくに特別なものを持ってたんだって、それに気付いて・・・。」


「そうね、それに今の愛央ちゃんは他の誰よりもな女の子になった・・・でしょ?」


「私が特別な女の子・・・?」


「分からない?悠ちゃんの恋人、YouMaの恋人って言う他の人にはなれない誰よりも特別な存在になった。」


「ぁ・・・そっか・・・。私は特別になれたんだ・・・///」


「でも正直な所、愛央さんの気持ちも分かるかな~、今でこそYouMaの妹として特別扱いされてるけど私自身は普通だもんな~、だからその点では気持ち分かるかもっ。あ、愛央義姉さんって呼んだ方が良い?」


「あら?それじゃー私はお義母さんかしら?」


「もうっ///二人共揶揄わないでくださいっ///」


そう言って真っ赤になった愛央はとても嬉しそうで満足そうで幸せそうでとても綺麗な顔をしていた、そんな愛央に俺はすっかり見惚れてしまうのだった。


「でもこれから大変ねぇ~。悠ちゃんの彼女だから愛央ちゃんも色々言われるだろうしそれに志保ちゃんとか清華ちゃんとかも悠ちゃんの彼女に立候補するでしょうね。」


「愛央を悪く言う奴は俺が許さない、全力で潰すって・・・志保と清華先輩もってどゆこと?」


「え・・・?まさか悠馬君気付いてないの?」


「兄さん・・・・。」「悠ちゃん・・・・。」


「え?え?」っとマジで分からなくて顔に???が浮かんでるのを見て3人共「はぁぁぁぁぁぁぁ」っとものすっごく大きくため息をついて呆れられたのだった。


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その後、愛央は家に電話して、家に泊まる事を伝えたんだが、その時に愛央のお母さんが、俺の母親と少し話してた。


「愛央の事、宜しくお願いします。」

「お任せを、悠ちゃんが我が儘言ってすいません。」

「いえいえ、男性に誘われて断る訳には行きませんし更にそれがYouMaであるなら私も安心してお願いできます。」

「そう言って貰えると助かります。」

「愛央の事末永くお願いします。」等等・・・母親特有のやり取りって何処の世界でも変わらないんだなーっとしみじみ思いながら話を聞いていた。


「愛央ちゃん、変わって欲しいって。」


「あ、はい。もしもし?・・うん、分かってる。迷惑はかけない様に気を付けるよ・・・うん、うん。大丈夫だってば。えー!いや、でも・・・分かった・・・聞いてみて後で連絡するから。うん。・・・おやすみ。」


ピっと電話を切った愛央がはぁぁっと溜息を吐きながら俺の隣に座りこんだ。


「どうした?何か疲れてないか?」


「うゆ・・。お母さんがね~、悠馬君を今度連れてきなさいってさー。」


あぁ、それは当然かっと思いながら、俺に寄りかかってくる愛央の頭をなでなでしながら「近いうちに挨拶に行かないとね。」っと返事しておいた。


「う、うん///」


っと顔を赤くしたまま甘える様にくっついてくる愛央が可愛すぎて・・・・・。


「愛央ちゃーん、お風呂入っちゃってねー、下着とかも洗っておくから洗濯機にいれておいてね?」


「だ、大丈夫です!って言いたいところですけど、お願いしても良いですか・・・?荷物はステイルに全部置いて来てしまって・・・。」


「うんうん、替えの下着は・・・そうだ!会社から持って帰って来てる宣材のやつから選んでね?」


「え、えっと・・・でも・・・。」


「あぁ、気にしないで貰ってちょうだい。会社の子達にも持って帰らせてるからね。」


「それにほらっ。今夜の事考えたら・・・ね?」


「あ、葵さん?!///」


「ん?付けないで寝るのもアレでしょ?って意味だけど・・・愛央ちゃんったら何を想像したのかしら~?」


ニヤニヤと愛央を揶揄ってるのを見ながら俺も同じ事考えてしまってて愛央と同じく真っ赤になってしまった。


「兄さん、顔赤いですよー。何想像したんですかねー?」


ジトーーっとした目で俺を見てくる菜月に耐えられずに俺はソファーから立ち上がりながら・・・。


「部屋に戻ってるから!」


そう言って慌てながらリビングから逃げ出した・・・。菜月の笑い声を背中に聞きながら。


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