第46話 喫茶店にて
SIDE 愛央
やばいやばいやばい!何がヤバいって胸のドキドキがやばい!
喫茶店で向かい合って座ってるけど悠馬君を直視出来ない!
昨日誘われて志保さんと清華先輩に報告して舞い上がって気付かなかったのを指摘されてデートだと気付いてからずっとドキドキしっぱなし。
しかも!しかも!合流したらしたで見惚れてたとか言ってくるし、囲まれる前に逃げて手まで握ってそのままだし喫茶店じゃ向かい合ってるし、好きとか言うし・・・。
「そういう意味じゃ無いのは分かってるけど・・・ドキッとするってば・・・もう・・・。」
悠馬君に聞こえない様にボソボソとつぶやいて落ち着くのを待ってた。
「うん?良く聞こえなかったけどなんて言ったの?」
「うぅんっ!何でも無いよっ。・・・これ美味しい・・・。このお店当たりかもっ。」
「まじか!こっちのサンドイッチもかなり美味いっ。」
ほーほーっと悠馬君の食べてるサンドイッチを眺めてたら悠馬君が一口大に切って私に向けて来た。
「ほれっ、あーんっ。」
「ふぇぇ?!ぁ・・・ぁーーんっ。」
されるがままに私は悠馬君が差し出してきたのをパクっと口にいれて食べたけど・・・。
「どう?美味しいっしょ?」
味なんて分からないよ!!!!恥ずかしすぎて全く味しません!
「分かんない・・・///恥ずかしすぎて味分かんない・・・っ///」
私が真っ赤になりながらうつむいて居ると悠馬君から「ぐっ・・くくっ・・ぐふぅ・・。」っとくぐもった声が聞こえてくる。
「むぅぅぅぅ!何笑ってるのさー!」
「だってっ・・・くっくくくっ。」
笑うの我慢しすぎでしょ絶対!こうなったら・・・・。
「ほらっ!悠馬君もあーんっ!こっちも美味しいよっ!」
やりかえしてやる!
「んっ。・・・うん!美味い!次は俺もそっちを頼もうかなー。」
くぅぅぅぅ・・・全く応えて無いし・・・っ。
む・・?こっちの狙いが分かってるのかニヤニヤとした顔でこっちを見てるしっ!
「随分慣れてらっしゃいますねー?!しょっちゅうやってるんですかねぇ~?」
ふーんだっ!悠馬君の女たらし!
「いんや、慣れては居ないよ。愛央の狙いが分かってるのもあったし美味しいのも事実だし、それに何より・・・愛央にして貰えて本当に嬉しいよ。」
ずるい・・・。そして何となくだけど思った。私は多分ずっと悠馬君には勝てないんじゃないかな?って・・・。
「むぅ///嬉しいなら良かったけどっ///何か悔しい・・・っ。」
「ごめんごめんっ。ほら、あーんっ。」
「あ///あ~んっ///」
私達は自分の分を食べながらも食べさせ合いっ子したりしながら遅めの朝ご飯を楽しむのでした。
店内からの血涙でも流しそうな視線を一身に受けながら・・・・。
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食後のコーヒーを飲みながら静かな時間を過ごしてると愛央が俺に聞いて来た。
「そういえば、今日はどうしたの?」
「えっと・・・もしかして迷惑だったりした?」
「そんな訳ない!連絡貰えて誘って貰えて嬉しかったもん!」
その言葉と共に愛央は激しく顔をブンブンっと振って否定してくれたけど、首取れるよ?ってか気持ち悪くならない?それ・・・。
「そっか、それなら良かった、安心したよ。」
「何それ~、悠馬君でも不安になる事あるんだっ。」
「おいっ!俺だって不安になる事も沢山あるさー。」
「そう~?怪しいんだけどっ。例えばどんな事??」
「えっとー・・・。」っと指折り数えながらも・・取り合えずかな?いつもの俺と愛央って雰囲気にはなって来たと思う。
その後取り留めの無い話をしたりしながらお腹も落ち着いたころを見計らって出る事にした。
「さて、何だかんだで長居しちゃったし、そろそろ歩き回る事にしよっか?」
「あ、うん。そうだねー。良い感じの時間になってきたしそろそろ行こっかっ!」
俺と愛央は連れ立って席を立って会計に向かったんだけど、俺がさくっと伝票を持ってレジに行った事に愛央が焦り始めた。
「ちょ、ちょ!悠馬君!私が出すから!」
「ん?良いよ?誘ったのは俺だし俺が出すよ。」
「いやいや、駄目だって。男の子にそんな事させられないってばっ!」
「あー・・・。そう言うの気にしないで欲しい、俺等はまだ高校生なんだし、別に愛央を俺の財布になんて思ってないし、何よりも俺が誘ったんだからここは俺が出すよ。」
「で、でもっ!「ここは俺が出すから次は愛央が出してよ。」・・・あ、うん。」
「そんな感じでやって行こうよ。お互いに支え合いつつ?みたいな感じでさ。」
「うん、悠馬君がそう言うなら・・・。」
「って事で会計お願いします、店員さん。」
「かしこまりました!!!」っと何故か敬礼付きで返事してくれて、ちゃんとお会計をしてくれたんだけど・・・お釣りを渡すときにめっちゃ手を握られたのと紙を渡された。
店を出た後に、愛央と手を繋ぎなおして(愛央は真っ赤になってた。)一緒にぶらぶらし始めたんだけど・・・。
「めっちゃ見られてるなぁ~・・・。」
「あはは・・・こればかりは仕方ないよー、私と手を繋いでるってのもあるだろうし・・・。そいえばさっき何を渡されてたの?」
「手を離したら俺が迷子になるからこのままで良いんです。・・えっとな、連絡先やら名前やら書いた紙だね・・・。」
「むぅ・・・。連絡するの?」
「しない。少なくても信用出来ない、愛央と居るのを見てるのに渡してくる時点で評価はマイナス。俺が一人でってんなら兎も角、異性と居るのに渡して来るとか一緒に来てる人を見下してる証拠だわ。」
「そっか♪勘違いしちゃうよ・・・もうっ。」
そっか♪の後はボソボソとした言葉になってたけど確り聞こえてて・・・勘違いじゃ無いけどなーっと思いながら愛央と連れ立ってモールに行く前にカラオケ行って歌いまくったり昼過ぎにまた少し食べて話してって感じで過ごすのだった。
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