第39話 勧誘とラブレター
そして次の日、登校中に視線を感じるのはもう慣れたし愛央も志保も居てくれるし校門をくぐるまでは平和な物だった・・・。
「「「逆月君!!!!!」」」「「「悠馬君!!!!」」」
「「「「「部活入ろーーーーー!!!!」」」」
っと物凄い勧誘が来るようになって、一歩後ずさってしまった・・・。
「あーいや、流石に決められないので今後もゆっくりと決めようかなってまだまだ考えようって思ってますはい。」
っと言いながら愛央と志保に引っ張られながら一気に下駄箱まで逃げたんだけどいつの間にか鞄の中にパンフレットがごっそりと・・・・。
「いつの間に入れたんだこれ・・・・・。」
「はぁ・・・関心すれば良いのか呆れれば良いのか・・・判断にこま(バサバサバサバサバサ)・・・・・ぇぇぇぇ・・・・。」
「どうしました?悠馬さん・・・って、それは・・・・。」
「何々?どったの?って・・・ええええええ?!」
下駄箱を開けたらものすごい数のラブレターが落ちて来た。
「ふーーーーーん、悠馬君嬉しそうだねぇ~。」
「鼻の下伸びてますよ、悠馬さん。」
「えっ?!伸びてない伸びてない!!!・・まぁでも、困るけど、嬉しいのは嬉しいかな?」
じとーーーっとした目で俺を見ながらも二人共、拾うのを手伝ってくれて何とかかき集めて教室に向かうのだった。
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「皆、おはよー!」
「おはよー!悠馬君ー!」「お、おはっ!おはよう!」「おっはよ~!」
っと皆の声を聞きながら自分の席に着いてパンフレットとラブレターの整理を直ぐに始めた。
「おっはよっ、って凄いね・・・。」
「はよはよ~。いや~モテモテだね~。当然っちゃ当然だけど・・・。」
「あはは・・・。まさかこんな事になるとは思ってなかったよ、っていうかちゃんと全部返事をしたいけど、現実的じゃ無さ過ぎて・・・。」
「いや、無視で良いと思うよ?出した人も返事来るとか思ってないって。」
「うんうん、悠馬君の下駄箱にこれだけ入ってるの見たら返事は期待してないって。って言うか私ならしないし読んで貰えただけで充分って思っちゃうかなー。」
「ん~・・・でもそれって寂しくない?」
俺の言葉に薫も悠花もうぅ~むっと頭を捻りながら一緒に悩んでくれてた。
「確かに寂しいけど、仕方ないって諦めるかな~。」
「私もそうかなー、期待はしないと思う~。」
ふむふむっと話を聞きながら、パンフレットはパンフレットで纏めて、ラブレターはラブレターで纏める事にした。
「部活のパンフレットは・・やっぱりここ二日のせいかな?」
「間違いなくねっ。あれだけやったらそりゃ・・・、サッカーのから始まりバスケもだし吹奏楽部でのバイオリンもだし・・・。」
「勉強だけじゃ無く運動も出来て更に女の子にも優しくて歌も上手くてかっこいい!これでモテない訳も勧誘来ない訳も無いってっ。」
「言いすぎ言いすぎ。別にそこまで大層な事してないって。」
「「ないない。」」「「うんうん。」」っと教室中が頷いて居るのを何処か他人事のように見て居た。
「そいえば昨日は更紗ちゃんに呼ばれてたんでしょ?何だったの?」
「あぁ、男子は俺一人だけだから大丈夫か?ってのと何か不便は無いか?ってのを聞かれてそれに答えただけかな。一応教師陣も気にしてくれてるみたいでさ。」
あぁ、成程っと皆を納得させたりとそんな会話をしながら朝の時間を過ごしていくのだった。
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SIDE 清華
「おはよー。」
「おはよ~、清華・・・。」
「うん、おはよーって・・・何・・?」
「ずるい・・・。」
「うん、ずるい・・・。」
「清華ばっかりずるい・・・。」
「いや、何が?!私何かした?!」
「吹奏楽部・・・悠馬くんの生バイオリン演奏。」
あぁ・・あれかぁ~・・・、確かに皆聞き惚れてたし直ぐに話題になったもんね・・・。
「って!あれを生で聞いたの私だけじゃないじゃない!」
「分かってるよ!でも普段から一緒に居る事が多いのにあんなのまでってずるいって思うじゃん!」
「知らないよ!自分で話しかければ良いじゃないの!」
「そんな事したら心臓パーンするっての!」
それこそ知らんがな・・・っと私は声を大にして言いたいのは何とか我慢して「そこは頑張りなさいよ・・・。」っと大人の対応をする事にするのだった。
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SIDE 愛央&志保
「はぁぁぁ・・・。ぁぅ・・・////」
教室に入った後、席に着いて昨日の事を思い出しては、溜息付いたり顔を赤くしたりと忙しくしてた私を見て志保さんが???って顔してるのを横目に確認しながらも考えてるのを優先していた。
「昨日のは夢だったのかなぁ~・・・。寝てたり気絶?したりしてたし・・。」
あの後一緒に帰ったけど悠馬君の態度普通だったんだよな~。
好き・・・会えて良かった・・・。それは私も同じだから悠馬君も同じだと嬉しいんだけど・・・普通だったんだよなぁ~・・・。
「星川さん、どうかしたんですか?席に着いて直ぐに溜息付いて・・・・。」
「あー・・・えっと・・・・。」
どうしよう・・・共闘はしてるけどコレ言っても良いのかな~・・・。
でも、秘密にされるの嫌だよね、少なくても私なら嫌だね。よしっ・・・。
「うんと、このまま話すのはちょっとだからフリッペでね。」
そう言ってスマホを取り出した私を見て志保さんも同じく取り出して準備したのを見て昨日の事を話した。
「成る程・・・・。成る程ぉ~・・・。」
「えっと・・・志保さん・・?」
「はい、夢です夢、間違いなく夢ですね。寝ぼけて自分に都合の良い夢を見たんですよ、そうじゃないとおかしいので夢です夢。」
「ちょっ?!全否定!?!?少しくらい認めてくれても良くない?!」
「無いです、有り得ないです。夢ですよ完全に夢ですね。」
「ぇぇぇ・・・。」
「まぁ、冗談は兎も角にして、悠馬さんの態度に変化は無かったのでしょ?」
「うん・・・。だから悩んでたの。」
「悠馬さんの事ですから、仮に聞かれていたと気付いていたとしても態度には出ないと思いますよ。」
「それもそっか。悠馬君だしねぇ~・・・。でもさ・・・少なくても私達、嫌われては居ないよね?」
「はい、はっきりとは言いませんけど嫌われては居ない事だけは間違いないと思います。それよりも今朝の事です。」
「うん、あのラブレターの数はやばいね・・・。いきなり付き合うとかはしないと思うけどって言うか真面目な話どうするんだろう?」
「あれは正直、読むだけ読んで無視するしかないかと、送った側も返事が来るとは期待していないでしょうしね。」
そーだよねー、多分殆んどの女子生徒だろうしねぇ~・・・・。
普通に考えて無理だよね。でも悠馬君だから何かはしそうな気はするんだよねって考えながら先生が来るまでの朝の時間を志保さんと話して過ごした。
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