第38話 新生活~部活見学~ 最終日

そんでもって3日目の見学、今回は昨日まで見てなかった文化部棟に足を愛央と二人で伸ばしてた。

清華先輩は流石に二日連続でこの期間に付き合う訳にも行かず真っすぐ部活に、志保は今日は家の手伝いをして欲しいとお母さんに言われたらしく終わり次第帰宅したから、入試の日以来になるのかな?愛央と二人で校舎を歩いてる。


「ふふっ。入試の時以来だよね?二人っきりで歩いてるの。」


「あー、俺も同じ事考えてた。」


「えへへっ///嬉しいなっ。」


「俺も、愛央が同じ事考えてくれてて嬉しいよ。」


「ひゃぁぁぁ///」っと照れてあたふたしてる愛央を連れながら科学部とか家庭科部とか軽音部に行って軽く演奏させて貰ったり、そんな事をしながら一通り見て回って教室のある棟に戻ってきたところで担任に声をかけられた。


「あ、逆月君。まだ居てくれて助かりました、今から職員室に来れますか?」


「それは構いませんけど、俺何かしちゃいましたか・・・?」


「大丈夫です。お説教とかでは無いの。少しお話し聞きたくて、駄目かな?」


「いえ、そう言う事でしたらこれから行きます。愛央は・・・先に帰ってて良いよ。」


「んーん、悠馬君の教室で待ってるよ。」


「遅くなるかも知れないぞ?」


「それなら尚更だよ。」


これは何言っても待っててくれる奴だな・・・。


「んっ。分かった、それじゃまた後でな。」


ふりふりっと手を振ってくれてる愛央を置いて俺は担任の後ろについて愛央から離れて行くのだった。


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「さて、折角見学してたのにごめんね。」


「いえ、大丈夫ですよ、一通り見て回りましたね。それにこれも担任の仕事でしょう?」


「うん、そうね。それで何だけど学校生活はどう?」


「楽しいですよ。皆優しいし仲間にいれてくれるし、ハブられてるとかも感じないですし・・何て言うか俺が絡むのを喜んでくれてるって感じるので俺も楽しくやれてると思ってます。まだ数日だから何も分かってないって言えば分かって無いですけどね。」


「ふむふむ、何か不便を感じたりは?」


「あーそれは仕方ないとは言えトイレですかね・・・。遠いなって感じるのと少ないなって感じる事はありますね。」


「そうね・・・そこはこれからの課題よね。会議でも話題にでるわ。」


「俺が今年から入った事で来年度からの男子の入学率って上がったりするんですかね?」


「まだ分からないけど多分増えるんじゃないかって考えられてるのは確かね。」


「そーですよね、敷居下がったと思うし俺が今年一年何事も無く過ごせたら他の男子持ちもお母さんも安心して通わせることも出来るでしょうしね。」


「うん、それはその通りなんだと思うけど・・・逆月君ってまだ15よね・・?」


何が言いたいのよ・・・俺はコクンっと頷くだけにして水無月先生に続きを促した。


「いえ、別に老けてるとかって事じゃ無くね?妙に大人って言うか・・・。」


「あ、あはは・・・良く言われます・・・。はぁぁ・・・・。」


まーこの辺は仕方ないよな、中身大人なんだしどれだけ気を付けてもそこは齟齬が出るってものよ。


「ご、ごめんね?気を悪くしないでね?」


「大丈夫ですよ、俺も自分でたまに思う事あるんで・・・。」


っと苦笑いしながらそんな事を話して担任との話を進めるのだった。


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「それでは失礼しました。」


そう言って職員室を後にした俺は教室に向けて歩き出す、窓から差し込む夕日を感じながら置きっぱなしにしてる荷物を取りに教室の扉を開くと待ってるっと言ってた愛央が俺の椅子に座って寝てしまっていた。


「綺麗だな・・・夕日に照らされた愛央。待ってる間に寝てしまったか。それにしても俺は君に出会えて良かったって思ってる。毎日、愛央を好きになる、そんな人が現れるなんて思わなかったな。ってこんなん聞かれたら恥ずかしさで死ぬわ・・・起こすのも悪いし待ってるか・・・。」


ほんと、綺麗な寝顔しやがってっと、思いながら愛央が起きるのをスマホで新しい曲の事を考えながら、夕日に照らされた教室で愛央の寝顔を見ながら待つ事にした。


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SIDE 愛央


「ん〜・・・終わった〜!」


本日最後の授業が終わり大きく伸びて固まっていた身体を解していたら志保さんが近付いてきた。


「星川さん、今日これからなんですけど、今日は家の手伝いを頼まれてまして、見学には付き合えないんですよ。」


「あ、うん。大丈夫だよー悠馬君と二人で行ってくるからさ。」


「そうでしたか、それなら良かった。では、また明日〜。」


「はやぁ〜。(ピコン)ん?フリッペ?・・・悠馬さんと二人だからって抜け駆けしてエッチしたら怒りますよ?って!!しないってのー!」


全く!人を何だとっ!大体にして、初めては悠馬君って決めてるけど無理やりとか嫌だし!するならラブラブしながらしたいっての!!!!


「じゃなくて!早く行かないと・・・。」


志保さんのばーかー!っと心の中で呟きながら教室を出ると丁度、悠馬君も出て来て一緒に文化部棟の方の見学に行く事にした。


その後一通り見て回ってそろそろ帰ろうかってなった所で悠馬君のクラスの担任の先生が声をかけて来て先に帰ってて良いと言われたけど私は待つことにして悠馬君の教室まできた。


「あれ?愛央ちゃんどったの?悠馬君は?」


「担任の先生に連れられて職員室だよ、初の男子生徒だから聞きたい事あるみたい。」


その言葉にクラスの子は、あぁ成る程っと納得したような顔をしながら私の方に近寄ってきた。


「悠馬君の席で待ってなよ、それにさーいつから仲良くなったのかとか色々聞きたい!勿論、皆ね?」


悠馬君の席と言う魅力的な話に私は秒で待ちながら話すことに決めたのだった。


そんなこんなで出会いから入学までにあったこと等を話し終えて皆は帰ったり部活に向かったりして、一人になってだらし無いとは思いつつも悠馬君の机に突っ伏してしまって、うとうととし始めた頃に足音が聞こえてきた私は寝たふりをすることにして薄目で誰が来たのかを確認していた。


(あっ、戻ってきた・・・。このまま寝たふりして近くまで来た時に驚かしちゃおっとっ。)


って思いながらバレない様に待っていた・・・んだけど・・・・。


(ちょっとぉぉぉぉ!!!起きれない起きれない起きれないーーーーー!!悠馬君っ・・・。綺麗?!綺麗?!?!毎日好きになるぅぅ!!!私も好き好き好き!!悠馬君大好き!そんな風に思っててくれたなんて・・・。)


良しっ!っと気合いを入れて起き上がって悠馬君とちゃんと話そうっと思ったんだけど・・・・。


(あ・・・やば・・・・。嬉しすぎて意識が・・・・。)


そう思ったのを最後に私は気絶してしまったのだった。


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「んぅ。ふぁぅ・・・。」


「お?起きたか?愛央。」


「ひょ?!ゆゆゆゆ、悠馬君?!」


「ほら、落ち着いて、すーはーすーはーしなさい。」


「すーはー、すーはー・・・。じゃなくて!えっと・・何時から?」


「ん・・・30分位かな。良く寝てたから起こすのも悪いなっと思って待ってたんだ。それに、愛央の寝顔も綺麗だったからな。」


「ふぉ?!・・・きゅぅぅぅ。。。。」


「愛央ーーー?!」


遊び過ぎたかもしれん・・・・気絶してしまった愛央をどうしようかなっと思いながらも愛央に見惚れてしまう自分が居るんだよな~・・・。


「起きるの待つしかないな・・・これ。」


その後更に30分ほどで愛央は目を覚ましてくれて、物凄く照れてる状態の愛央を連れて一緒に帰宅した。


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