第35話 新生活~部活紹介~

その後、時間をオーバーしながらも質問タイムを攻略して、今俺達は水無月先生の先導の元、体育館に移動してる。


移動中もクラスの子達と満遍なく話しながらゆっくり移動してるけど、新入生は全員参加の為、他のクラスの子達からクラスメートは妬みの籠った目で見られてるのは申し訳ないなーっと思いながら歩いていた。


と言っても自己紹介の後から俺に話しかけても嫌な顔はされないっと認識したみたいで皆からも積極的に話しかけてくれるのは俺も助かる。(話題には限界あるしね。)


館内に入ってからも仲良く話してるのをじーーーーっと見てる他のクラス、学年の子達からの視線を受けながらも俺は目を巡らせてると、視線の先に羨ましいなーって顔でこっちを見てる愛央と志保が目に入った。


「「!」」っと俺が見てる事に気付いたのか驚いた顔をしながらも嬉しそうな顔をしてくれたのを見て、俺も気にして貰えてるのが嬉しくて・・・・。


「愛央っ!志保っ!」


っとフリフリと手を笑顔で振ってみたんだが・・・二人共顔を真っ赤にしながらも俺に向かって・・・・「「悠馬君ー!(さん!)」」っと愛央は元気に手を上げて志保はお淑やかに胸の辺りで手を振り返してくれた。


「ちょ?!名前呼び?!」「何あの子達!!」「あぁ!一緒に登校してた子達だ!」

「ぐぬぬぬ・・・うらやまけしからんっっ!」


なんてことをしてる間に準備が整ったのか、代表して一人の生徒が前に出て話し始めた。


「んっんんっ!新入生の皆様、お越し下さりありがとうございます。私は生徒会長をしている、高坂こうさか 明日香あすかと言います。

今から新入生の皆さんが自分の入るもしくは入りたいと思う部活動を決める助けになればと思いこのような形で説明会を開かせてもらいました。

我が校には、文化部は勿論、運動部も多数ありますがきちんと聞いて下さるとうれしいです。

また、部活動は強制ではありませんが、部活動をする事で何もしないで生活するよりは充実した学校生活、出会う事の無かった人との関係の構築等も作れると思います。

そして、正式な部活動とはなっていませんが、多数の同好会もありますし、自分で立ち上げる事も出来ます。

この様にこの学園では様々な活動をする事が出来ますし、設備を見て貰えれば分かると思います。

ですので!新入生の皆さんも物おじせずに色々な事に挑戦してくださいね!」


ペコリっと会長はお辞儀をして話を終えた。

最後に俺を見て来たから・・・ふりふり~っと笑顔で手を振ってみたら顔を真っ赤にしながらも堂々と下がっていった。


「へぇ・・・何て言うか流石生徒会長って感じかな・・・。凄い確りしてるって見えたし。」


俺のぼそっとした呟きに俺の両隣を陣取っていた悠花と薫がそれぞれ「うんうん」っと頷いて居た。


「それでは部活動の紹介を始めたいと思います。」


っと、進行役の教師の一声でどんどん紹介が始まっていった。

前世の世界と同じく、野球部、バレー部、バスケットボール部、テニス部、バトミントン部、卓球部、サッカー部、柔道部、剣道部、弓道部等々の運動部から始まり、科学部、軽音部、美術部、合唱部等の文科系の部活も紹介されていった。


でもさ・・・・皆して求めてるのってマネージャーなのよね~・・・・。


「運動部は何となくマネージャー欲しいってのは分かるんだけど・・・、俺も同じ立場なら女子マネ居るとやる気出るし、でもさ?文化部系にマネージャー必要か・・・?」


「えっと・・・いらないと思う・・・。」っと悠花が・・・。


「マネージャーより一緒に活動したほうが嬉しくない・・・?」っと薫が・・・・。


「欲しいって気持ちは分からんでも無いが・・・薫の言う事の方が仲良くもなれるし楽しいよな絶対・・・。」


っとボソボソと話しながらバレー部のマネージャーならあのえちえちな太もも丸見えユニフォームを間近で見れるのいいなーっと考え始めた自分の思考をポイっと投げ捨てて少し頭を抱えた。


「あれ・・・?そいえば吹奏楽部とか無いのかな?」


「そいえば紹介出てないね~。」


「基本はあるよな?」


っと疑問に思っていると、「さぁ~行こう~♪空の果て~♪」っとピアノの演奏と共に清華先輩の歌声が聞こえて来た。


「えっ!これって・・・・。YouMa様の・・・。」


「悠馬君のだよね・・・?」


「うん、って事は・・・。」


俺はその言葉と共に前に出てピアノの演奏をしてる清華先輩に近づいて行った・・・・。


「ちょ!悠馬くん!」


「何して?!」


回りが俺の行動にざわざわし始めるのを尻目に俺は先輩の側まで行くのと同時に先輩は演奏しながら座り直して場所を開けてくれた。


「もう、完璧。清華先輩流石です。」


俺の言葉に嬉しそうな笑顔を浮かべたままAパートとBパートの間を引き延ばしてくれてる先輩に合わせて俺も一緒に演奏し始めた。


「うっそぉ?!」「ちょぉぉ?!何てご褒美?!」「あの動画が生で見れる?!」

「先輩のあの顔!めっちゃ嬉しそうだしぃー!」「羨ましいなんてものじゃっ!」っと新入生側から・・・・。


「くっそっ!やられた・・・。」「清華め・・・ちきせう・・・。」「あの距離でよく耐えれる・・・。」「自分が清華の位置に居たらって想像したら心臓が・・・。」「同じく絶対に心臓パーンってするぅぅぅ。」っと先輩達からの声が・・・。


頼むからマジで心臓パーンってのは止めてくれ・・・。


~♪~♪~♪っと俺と清華先輩が連弾をし始めたら直ぐにうるさくなったけど、歌い始めたらこれでもかって位シーンっと静かになって皆聞き入ってくれてた。


「ふぅ・・・。っとすいません、先輩ついつい・・・。」


「んーんっ、嬉しかったしちょっと期待してたっ。」


「あはは、それなら良かったっ。んじゃ戻りますね~。」


っと俺が元の位置に戻ろうと動き出すのと同時にわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!っと大歓声が上がって大盛り上がりで紹介は幕を閉じたのだった。


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「めっちゃびっくりしたよー!でも最高だったぁぁぁぁ!」


「まさかの動画と同じのを生で見れるとかぁぁぁぁ!!!」


「悠馬くんほんと凄い!って言うか神!」


っと教室に戻った俺の周りには沢山の人が集まってさっきの事で盛り上がりまくってて水無月先生が来るまで大騒ぎになった。


そんなこんなで水無月先生も教室に戻って来て興奮冷めやらぬって感じではあるけど、皆を一旦座らせて明日から3日間の見学期間があると言う事を説明してくれて、部活に入るも良し入らないも良しっと説明してくれた。


「先生!俺みたいな男子の場合ってやっぱり普通に活動するのって難しいですかね?何か説明とか聞いてて思ったんですけど、どこかに所属って難しいって言うか出来ないんじゃないか?って思ったんですよ。」


「えーっと・・どうしてそう思ったのか教えてくれるかな?」


「どこの部活の紹介もマネージャーを求めてたじゃないですか。それってマネージャーとしては欲しいけど選手としてとかは要らないと思われてるとまでは言いませんけど、一緒に活動って難しいって事ですよね?運動系は特に。チーム戦、バスケとかバレーとかそう言うのは勿論だしテニスみたいなのも相手側に男子が居なければ駄目とかになりそうなんじゃ?って思ったんですよ。後己惚れじゃ無ければ、俺が入った所って人が押し寄せますよね?多分。その時点で真面目に活動してる人の邪魔にしかならないのは目に見えてるから俺は何処かに所属って難しいんじゃ?って思ったんです。」


俺の言葉にクラスメイト達も「確かにあり得る・・・。」「一杯押し寄せよう・・・。」「そもそれじゃー悠馬君が可哀そうじゃない?」等と意見が出捲った。


「そうですね・・・・。言われてみればそう言った面もあると思います。ですが!逆月君はそんな事を気にする必要はありません!今日はこれから職員会議があるので、そこで今の逆月君の意見を出して全員で真剣に論議して決めると約束します。ですから、余り気に病んだり悩みすぎたりしないで下さいね?面倒な事は大人に任せておけばいいんです!だから逆月君は学生生活を楽しむことだけを考える事!良いですね?」


っと、優しい顔で俺に言ってくれた水無月先生の言葉を貰って考えすぎていたんかもなーっと自己反省。


「はい・・・。ありがとうございます、先生。」


無邪気な笑顔と共にお礼を言うと担任もクラスメートもこれでもかって位真っ赤に成って鼻を抑えながら突っ伏したりだくっだくと鼻血出したままこっち見てたりと最後でカオスってしまいながら一日目は終了したのだった。


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