第30話 特別話3 ホワイトデー
SIDE 菜月
もう直ぐホワイトデーが来ます。
去年の私であれば兄さんからも特に貰わなかったから特にお返しをするって事も無かったけど、今年は違います!
確りとケーキで貰ったので私もお返しをしたいのです。
でも、私は兄さんみたいにお菓子を作れるわけでも無いし兄さんみたいに料理を出来る訳じゃ無いし・・・・。
あれ…?私って女として駄目なんじゃ・・・・。
兄さんが凄すぎるのも問題な気はするけど、それ以上に私自身何も出来なすぎるかも・・・。
「菜月ー。お兄さんの好み教えて!」
「は・・・?何でそんな事聞くの?」
「いや、怖いからハイライト消さないでっ。ほら、もうすぐホワイトデーでしょ?マドレーヌ貰ったから何かお礼に送りたいなってクラス全員で話が出てさ。」
あぁ成る程っと・・。確かに私も同じことを考えて居たし皆も考えても可笑しくは無いけど・・・。
「ん-。でも兄さんはそう言うの求めて皆に送ったんじゃないよ?バレンタインの時に言った通りだけどさ。」
「うん、それは分かるけどもやっぱりね?個人個人で送ってもお兄さんには迷惑になりそうだし全員で一つ的な感じが良いかな?って思うんだけど・・・・。勿論出来るなら個人個人で送りたいけどさっ!」
その気持ちは分かるけどねぇ~。私が皆の立場ならそうするだろうしさ。
「そうだなぁ~・・・。兄さんをまねて皆でクッキーでも作るとかは?全員で型を使って一枚ずつ抜いて焼くとかは?」
「それも考えたんだけどやった事無いんだよねぇ~・・・。どうしよう・・・。」
「そうだ!一人一人ヌードを撮ってプロフィール付きの写真集を作って送るとか・・・いだだだだだだだっ!!割れる!割れる!頭割れるぅぅぅぅ!?!?」
「アフォな事考える頭は潰しちゃいましょうね・・・?・・・・ね?」
一切の遠慮なくアイアンクローで締め上げた私は悪くないのです。
妹として兄を守るのは当たり前なので、一切悪くありません。
「ごめっ!ごめんっ!!って!冗談!冗談だからぁぁぁぁ!いだぁぁぁぁ!!」
「全く・・・。アフォな事言うなら協力しないからね!」
「はぁ~ぃ・・・。」っとぐったりしたクラスメイトを尻目に実際どうしようかなーっと考えて居た。
------------------------------------------------------------
SIDE 葵
「おはようございます、社長、少し宜しいでしょうか?」
「うん、おはよう。朝からどうしたの?」
出社して社長室に入って秘書から迎えられて直ぐに聞かれた事に疑問を持ちながらも聞き返した。
「はい、秘書課全員の意見なのですが、ご子息が好きな物って何でしょうか?もう直ぐホワイトデーですので、戴いたものに対してのお礼を送りたいと・・・・。」
「あぁー、悠ちゃんにかぁ~。特にそう言うの求めてないと思うわよ?渡すときに言ったけど、普段のお礼って事でだしね。」
「はい、それは理解しているのですが、学生時代にも味わえなかったイベント事ですので、全員が浮足立って居ると言いますか・・・男性からの贈り物でしたから何かを返したいと言う気持ちが溢れて居まして・・・。如何でしょう?」
んーっと恵ちゃんを始め秘書課の全員の気持ちも分からなくも無いから、どうしようかと思いながら真剣に頭を悩ませた。
「そうねぇ~・・・一応、悠ちゃんに聞いてみるわね。多分気にしなくて良いと言うでしょうけど・・・。」
「はい、宜しくお願いします。」
その言葉を聞きながら悠ちゃんにフリッペを送るのだった。
------------------------------------------------------------
「俺へのお礼ね・・・・。そう言う意図で送ったんじゃないし別に要らないんだけどなぁ~・・・・。」
そんな事を考えながら菜月と母さんにって言うか家族のグループに「特に欲しい物も無いしお礼を求めてた訳じゃ無いから気にしなくていいって伝えて。」っと送ってスマホをぽいっとして、これからの事を考えながら愛央と志保にフリッペで話しながら時間を潰していた。
「でもまぁ・・・この世界じゃそう言うイベントがあっても男性の数が少ない以上は殆んどの人間が経験する事も無いかー。」
って言うか、今回俺から送ったけど元の世界じゃって言うか日本じゃ女性から男性へってイベントだったな。
「男性から女性にってのは海外で日本だけは女性から男性に送ってホワイトデーにお返しに男性から女性にって流れだったしこっちもバレンタインもホワイトデーもあっても普通の日だよな。」
それが今回は俺が送った事で今まで味わえなかった経験をしてるから夢中になるって感じか・・・っと考えながら何かお願いしてみるかなーっと考えたり考えなかったり?してた。
序に言うと・・・愛央と志保にこの話をしたら「くっ・・・もっと早く知り合えてればっっ!!!」「悠馬さんの手作りお菓子とか・・・・。」っと返事が返ってきました。
そんな訳でホワイトデー当日になった訳だけど。
朝から母さんが先ずは手料理を作ってくれて申し訳ないなーっと思いながらも手料理を堪能した。
今日はご飯作るの禁止って言われてお昼もお弁当を作っておいて行ってくれた。
「それじゃー行ってくるねー悠ちゃん!」
「私も行ってきますー!兄さん!」
「はいよ、二人共気を付けてね、そんで適度に頑張ってなっ。」
「「はーーーいっ」」っと元気よく二人共家を出て行って自宅で一人の時間が訪れた。
「さて・・・ゲーム配信でもするかなぁ~っ。」っと思いながら一日どうやって潰すかなっと考えていた。
------------------------------------------------------------
SIDE 菜月
「皆、おはよ~。」
「菜月おはよー。って事でこれこれー!よろしくねん~!」
「ぇぇぇ・・・待って・・・ナニコレ・・・・?」
「やだなー!何ってお兄さんへのお礼だよー!全員分ね!ちゃんと渡してねー!」
いやいやいや!クラスで纏めてって話じゃ無かったっけ?!何で一人一人なの?!段ボールに全部纏めてあるとか意味わかんないんだけど?!?!
「あのさ・・・菜月、そのさ・・・・。」
「ん?何?」
「えっと・・・これをYouMa様に・・・んーん、悠馬さんに渡してほしいんだけど・・・・。」
「何これ?」
「あーっと・・、手作りクッキー何だけど・・・。うちら3人で頑張ってみたから渡して貰えないかな・・・?」
「ふーん。変な物いれてないよね?もしも何かいれてたりしたら・・・・。」
「無いから!凄い真面目に作ったから!だからお願い!・・・お願いします・・。」
「そっか、分かった。良いよ。責任もって兄さんにちゃんと渡すって約束する。」
「っ!・・・菜月ありがとう!それと・・そのごめん。色々と・・・。」
はぁぁ・・とため息をついて私はやんちゃ組を見詰めながら確りと彼女たちの作った物を受け取った。
「別に謝らなくてもいいよ。私の事気に入らないのは仕方ないと思うし兄さん目当てで無理に近寄ってこないってだけでも他の人よりは好感持ってるし私。だからちゃんと兄さんに渡すから、だから信じて。」
「あ・・うん。ありがとうね。」
次の日に兄さんに言われて渡したのが効いたのかあの日以来、変に絡んでくる事も無くて割と真面目になって来てるなーっとは思って居たけどちゃんとお返しまで用意したのはちょっと予想外だったのと、こんなに素直なのに調子が狂いながらも気持ちは大事にしてあげたいとおもった私は、確りと渡す事を約束したのだった。
そして教師陣・・・・服だのバッグだのブランドもののアクセサリーだの大人の財力に物を言わせるんじゃありません!!!!
そしてお見合いに使うような釣書なんて用意しても渡すわけ無いでしょ?!
教師に向かって思いっきりあふぉかぁぁぁぁ!っと言った私は絶対に悪くない!!!
------------------------------------------------------------
SIDE 葵
「恵ちゃん、おはよっ。」
「おはようございます、社長。お待ちしておりました。」
「ん?何かあったの?」
「はい、ご子息への返礼品に関しまして・・・。」
あぁ・・・それの事かっとこいつら何を用意したのかと少し頭痛するのを隠しながら、デスクに座って恵ちゃんの持ってきたリストを受け取った。
「えっと・・・最新型のゲーミングPC、最新型ゲーミングチェア、P〇5、最新型音響セット、某有名ブランドの服のセット、アクセサリー各種・・・・某有名ブランドの海外製調理器具・・・ねぇ?恵ちゃん・・・本気?」
「そうなりますよね、社長の気持ちは分かります・・・。」
「だったら・・・「ですがっ!!!」・・・・何よ?」
身体ごと食い気味に言われ、少し仰け反りながらこの子達何考えてるんだっと睨みつけた。
「ご子息のお陰で!私達は!一生に一度あるか!ないか!の経験をしました!!なので!この感動と感謝を伝える為にはどうしても・・・!どうしても・・・・!!!!ゲーム配信等をなさってるご子息が快適に配信を出来るようにっと、料理も良い器具を使う様にと!高校生になるのですから服やアクセサリー等も!!!・・・・っと盛り上がった結果、こうなりました。」
盛り上がった結果こうなりました、じゃないでしょう・・・。
「あのねぇ~・・・気持ちは分かるけど明らかに過剰でしょう?それにどうやって持って帰れば良いのよこんな荷物。」
「あぁ、そこはお気になさらずに既に配送は手配しておりますので・・・っと言うか送らせていただきました。」
「ちょっと?!何を勝手な事を?!」
「断られるのは目に見えているので、ついつい・・・?てへぺろっ☆」
ブチんっと何かがキレる音が聞こえたのを本人である私も認識し、むんずっと恵ちゃんの首根っこを掴んで引きずったまま隣の部屋で待機している秘書たちのところを乗り込んで思いっきり説教をかました私は、絶対に経営者としても親としても間違えてないと思う!!!
------------------------------------------------------------
「んで・・・?これどう言う事?つーかどうなればこうなるの?」
その日の夜、帰宅した菜月と母さんが床に正座していて、俺が上から見下ろすというおかしな状況になっていた。
「うん、菜月の方のこの手作りのクッキーはまだ理解出来る。これでも過剰だとは思うけど、次の日に受け取った3人組が一番、
「うん、兄さんの言いたい事は分かってる。でもでも!常識的な範疇だと思います!教師陣とか財力に物言わせたものとか!釣書とかあったんだからね!」
「ちょっと?!菜月ちゃん?!釣書って何よ!まさか持って帰って来て無いわよね?!」
「当たり前でしょ!目の前で破り捨ててやったよ!!!!」
破り捨ててやったじゃねーよ・・・。問題点はそこじゃねーんだよ・・・。
「そんで、母さんの方のはどう言う事?たかがお菓子一つでこれらはおかしくないか?母さんの会社の秘書さん達って全員非常識なのしか居ないの?」
じとーっと母さんを見ながら送られてきた数々の品を眺めていた。
「ち、違うのよ!悠ちゃん!お母さんだっておかしいでしょうって説教したのよ?!でもね?!出社した時には既に発送されていたから手遅れだったのよ!!!」
「それが、非常識なんじゃ・・・はぁぁ・・・・。もういいや。貰ったものは仕方ないし実際欲しいなって思ってたのもあるし、助かったのは助かったけど、明らかに過剰だよこれら。」
この世界の感覚を舐めていた俺が悪いなこれは・・っと、再認識をして少しお礼を準備しておかないとって考えてながら二人を普通に座らせて、誕生日分も込みで受け取ったって事にしておくから、もしも何かしようとしたらちゃんと断ってくれと、嫌うよ?っと伝えてくれと言っておいた。
「取り合えずお腹空いたしご飯食べよう?母さんと菜月が作ってくれるんでしょ?」
「「うんうん!任せておいてね!」」
っと二人共大急ぎでキッチンに走って行ったのを尻目に自分の部屋に少しずつ荷物を運んで中身の確認をして時間を潰し、二人の手作り料理を堪能して一日を終わるのだった。
------------------------------------------------------------
序に・・・・。
一緒に入っていたセクシー生写真と動画、それぞれのプロフィールが書いたものが入ったUSBは確りと秘密にして保存しました、だって必要でしょ?年ごろ男子だしさ、捨てられる訳無いよね、年下美少女の写真(意味深)と年上美女の写真(意味深)何てさ、仕方ないよね?男の子だもん。
これは仕方ない事だから俺は悪くない。絶対悪くないっと納得させて使わせて(超意味深)貰いましたとさ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます