第24話 努力のご褒美?
「それでまぁ、もう一曲、新しいのを俺が演奏して結構な騒ぎになって場がカオスってるのを良い事に、清華先輩を連れて逃げて来て・・・今に至るって訳だ。」
そういってコーヒーを飲んで一息ついて、さっきのカオスっぷりを思い出しながら一人苦笑いをした。流石にアレは引くわ。
YouMa様~っと祈りをささげる奴、何故か内股でモジモジするやつ、顔真っ赤にして鼻血出してフラッフラな奴、座り込んで外でしちゃダメな顔するやつ等々・・・。
まぁ、そのお陰で逃げて来れた訳だけどさ・・・。
「待ってください。新曲って何ですか?」
「うん、待って新曲って何?」
愛央も志保も怖い位真剣に問い詰めてきた。
「あー、まだ題名決めてないんだけど、一曲だけね。確か菜月が録音してた
と思うよ?」
「兄さんの演奏だもん!しない訳ないよ!」
「「見せて貰ったりは出来る?!(出来ますか?!)」」
菜月が俺を見て来たから俺は一つ頷いて了承を示したのと同時に菜月は再生を押して店内に流し始めた。
「「・・・・・・。はふぅ・・・。」」
二人共と言うか、聞いていた志保のお母さんも清華先輩も、菜月も、母親も皆、改めて聞き入ってた。
「っとまぁ、こんな感じのやつね。後で題名決めて撮影してアップする事にするよ。」
っと流し終えた後に皆の反応を見ながらこの歌もしかしして不味いか?っと後悔も少し・・・。大好きだの愛してるだの、男性に言われるなんて殆んどの女性は経験無いだろうしな~・・・・。
「はいはい!!!トリップしてないで戻って来なさい!」
「はっ?!この曲は危険なのでは・・・・。」
「大好き・・・愛してる・・・・。言われてみたい・・・・。」
「そうですね・・・。言われてみたいです・・・。」
「取り合えずこんな感じだよ。そうだっ!清華先輩、連絡先の交換とかってお願いできますか?」
「え?!ええええ?!?!・・・・良いの?」
「駄目でした?学校始まれば色々とお世話になる事もあると思うのでお願いしたいんですけど・・・。」
「是非ともお願いします!えっと、これだよ!皆ともお願いしたいんだけど良いかな?出来れば、お義母様と菜月ちゃんも。」
「あ、そうだ清華先輩。部屋にPCとプリンターある?」
清華先輩の言い回しにさっきの愛央と同じ違和感を感じながらも登録をしながら清華先輩に聞きたい事を確認した。
「うん、あるけど?」
「んじゃこれあげる。」
そういって俺は清華先輩にデータをいれて持ち歩いてたUSBを渡したけど受け取った清華先輩はキョトンって顔で何これ?って顔してる。
「それに、楽譜データ入ってる。」
「え・・・?」っと呆けた後に俺の渡したUSBをまじまじと見詰めて何を渡されたのかを認識して震えだした。
「ちょちょちょちょ!!こ、ここここ、これにでーたたたたたた。ががががが?!」
「動揺しすぎ・・・・。あそこまでコピー出来たご褒美に清華先輩にプレゼント。」
「ふぇぇ・・・。ぐすっ・・・。うえぇぇぇぇぇんっ。」
大事そうに胸にUSBを抱きしめた清華先輩は泣きはじめてしまって・・・・。
「泣かなくても・・・。そんなに嫌でしたか?」
「ち、ちがっ。うれしっ。うれしくてっっっ。ぐすっ。」
「それなら良かった。泣くほど喜んで貰えて良かったです。」
俺はコーヒーを飲みながら、ぐにゃりと形の変わった清華先輩のおっぱいを見ない様にしながら(巨乳が凄くてエロすぎる・・・・。)コーヒーを飲むことで気持ちをまぎらわせた。
清華先輩が落ち着いたのを見計らって愛央に聞こうと思って忘れていたことを聞く事に・・・。
「あ・・・・そうだ!愛央に聞きたい事あったんだ!」
「うん?何ー?」
「愛央ってさ、お姉さん居ない?看護師のさ。」
「居るよ?10歳年上のお姉ちゃん居るよー。でも何で?」
「やっぱりですか!それって柚希さんですよね?愛央さん。」
「そうだけど、何で知ってるの?菜月ちゃん。」
「1月の半ば位にさ、俺がぶっ倒れて意識無くして入院してたんだけどね、その時の担当の看護師が柚希さんだったんだ。」
「ええええええ?!お姉ちゃんが担当だったの?!」
「うんうん、お世話になったんだよね。だから伝えても貰えるかな?その節は色々とお世話になってありがとうございましたってさ。」
「うん!分かった!伝えておくねっ!でもそっかぁ~、それであの時、毎日ニヤニヤしてたんだお姉ちゃん。」
「ニヤニヤしてたのか・・・。まぁ、俺も色々困ったけどね、柚希さんのお陰で快適に過ごせたのは勿論なんだけど・・・こう年ごろ男子的には、中々ね・・・・。」
「あ~・・・柚希さんって美人なだけじゃなくエッチな身体ですもんね、悠馬さんみたいな良い意味でですが、変わった男性には色々大変かもしれませんねっ。」
「うん、まぁ・・・ねぇ。あぁでも、愛央も負けてないよな。」
「えっ?!」
「愛央は可愛いし、スタイルも良いと思うし、年齢差を考えても全然負けてないって俺は思う。それに愛央は優しいし、一緒に居て楽しいし、落ち着くからな。」
「ぁぅっ///・・・はずぃ・・・///」
「だから、どうせ自分何てって顔はやめて欲しい。」
「え・・・?何で分かったの・・・?」
「それ位は俺だって分かるよ、自慢の姉って感じで話してたけど何か影を感じたんだ。それで思った、優秀で綺麗な姉に比べて自分は・・・って思ってそうってさ。」
「ぅぅぅぅ・・・。」
「愛央は愛央、柚希さんじゃない。愛央は愛央のままで良い、回りや親が何て言おうが、そのままの愛央が俺は好ましいよ。」
「あっ・・・うんっ///ありがとう・・・悠馬君っ///」
そう言った愛央の顔はとても綺麗な笑顔で、俺はまた見惚れてしまうのだった。
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「ところで、悠馬さんは何故入院なんて事になったんですか?」
「あぁそれは・・・、朝起きてベッドから出て立ち上がるのと同時に物凄い頭痛に襲われてな、耐えられなくて気を失ったんだ。」
「ちょ?!それ大丈夫だったの?!意識失う位の頭痛ってやばいなんてもんじゃないじゃん!」
「原因は不明なのよ。病院で調べて貰ったけど一切おかしいところは無かったの、それに一週間も意識が戻らなくて・・・・。」
「今は何とも無いみたいですし前よりも更に優しくなってるし、菜月って呼んでくれるしナデナデもしてくれるから良いと言えば良いんですけど・・・、原因が分からなかったのがどうしても引っかかってて心配が尽きません・・・。」
母さんと菜月は勿論だけど、愛央も志保も清華先輩も俺を心配してくれてる、離れて話を聞いてる志保のお母さんも心配げな顔をしてる。
だけど・・・本当の事は話せない、既に本当の逆月悠馬はこの世に居ない何てな・・・、母さんと菜月にこんな残酷な事言える訳無い・・・。
だから俺に出来るのは流れ込んで来た記憶を確りと忘れないようにして悠馬として生きる事しか無い・・・。
これだけは多分、一生涯解決する事は無いだろうし悩み続けるのが俺の罰なんだと思う。
だからこそ、俺は母さんも菜月も幸せにして、俺も幸せにならないと駄目なんだろうなきっと・・・。
「大丈夫さ。あれ以来、特におかしくなることも無いし毎日充実してるしな。」
「だとしても、直ぐにおかしいと思ったら病院に行ってくださいね?悠馬さん。貴方に何かあれば悲しむのは葵さんと菜月ちゃんだけでは無いんですから・・・・。」
「うん、そこは約束するよ、ありがとうな、志保。愛央も、清華先輩も。」
俺の言葉に3人共、一応だけど安心したかのような顔で微笑んでくれたのだった。
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