第18話 ヒロイン達の挨拶

SIDE 愛央&志保


「それで、ここで待ってれば本当に会えるんですか?星川さん。」


「流石に帰りも校門は通ると思うし、試験会場の教室にも入れそうに無かったし一番確実だと思うけど?」


「まぁ、確かにそうかもしれませんが・・・。」


「私も志保さんも必死に勉強だけしてたからクラスの子達が騒いでたYouMaっての名前位しか知らなかったもんね、受験終わったら今までの全部見る!って決めては居たけど、私。」


「私は興味無かったですね、どうせ演技してるだけで他の男子と同じだと思ってましたからね。でも、私も帰ったら登録して全部見てみようとは思ってます。」


うんうん、色々と話そうねーっと志保さんと話しながら校門の所で悠馬君が来るのを待っていた。

勿論、それは私達だけじゃ無くて教室に入れなかったりした他の子達も同じ考えみたいで合否は兎も角少しでもーって考えが透けて見えてる。

本来であれば私も、そっち側だけど・・・、試験前に悠馬君とお話し出来たってアドバンテージがある!


「と、言っても・・・私みたいな普通の女の子の事何て覚えてないかな・・・。」


「何言ってるんですか、星川さんは可愛いですよ。スタイルも良いですしそれにお互いに自己紹介もしてるんでしょう?」


「お世辞ありがとー。すっぴん美人の志保さんに言われても嫌味ですぅー!なんなのその綺麗な肌!綺麗な顔!同じ女として妬けちゃうんですどぉー!」


私はジト目で志保さんを見つめて文句をぶつけた。


「全く何を言ってるんですか、星川さんだって何ですかこの胸。どうしたらこんなに育つんですか??胸が大きくて他は細いとか喧嘩売ってます?揉みますよ?」


「ひゃぁぁぁ。」揉みますよ!じゃなく揉んでるじゃん!志保さんに揉まれて私は変な声が出てしまった。


「えっと・・・・愛央?何してるんだ?その子とそう言う仲?それは別に本人達が良いなら良いとは思うけど、外では控えるべきでは・・・?」


悠馬君の声のした方に顔を向けると目を逸らしながら私と志保さんの行動をどこか生暖かい雰囲気で見て居た。


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「ちっ・・・違うから!!!そう言うんじゃないから!」


「いやまぁ、さっきも言ったけどそう言う関係も別に否定はしないさ、美少女が二人でってのは目の保養でもあるし、でもまぁ・・・人前では避けるべきかなって、せめて二人きりでした方が良いと思う。」


「だから違うの!ちょっとじゃれ合ってただけだからぁ!お願いだから勘違いしないでぇぇ!!!」


「ぷっ・・・くっ・・・くくっ・・・。」


「ゆーうーまーくーんーーー!」


「いや、ごめんってっ。焦ってるのが可愛くて・・ついね?それでえっと、そっちの子はお友達?」


「可愛いって・・・///えっと、この子は・・・「星川さん、私が自分で・・・。」・・あっ、うん。」


「初めまして、星川 愛央さんの友人の天音 志保と言います。以後宜しくお願いします、逆月 悠馬さん。」


「天音さ「志保とお呼びください。」・・あぁうん、そんじゃ聞いてるとは思うけど、逆月 悠馬。悠馬で良い、こちらこそ宜しくね、志保。」


「はい!よろしくお願いします、悠馬さん。」


そう言って志保は凄い綺麗な笑顔を見せてくれた。


これが受験の日に会った、これから俺にとって誰よりも大切な存在になる二人の女の子との出会いだった。


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「成る程ー、中学の3年間の付き合いな訳だ二人は。」


自己紹介を終えた俺達はそのまま母さんが来るのを待つ間に雑談タイムに入る事にした。


「はい、悠馬さんは何故、態々受験をしたんです?男性なら希望を出して面接だけで入学は確定ですよね?どこの高校も。それに男子校を選らばなかったのは何故なのですか?」


「愛央には話したけど、卑怯じゃんかそれってさ。皆は入学する為に必死に勉強して受験するのに男だからって理由だけで受験免除なんてさ。それに俺自身がどれだけ出来るのか知りたくてさ、それで学校側に無理言って試験を受けさせて貰ったの。男子校を選ばなかったのは・・・まぁ~・・・面白くなさそうだったから?」


「成る程・・・、悠馬さんは立派ですね。そのような考えを持ってる男性なんて居ないですし。」


「ん-、そうらしいねー。俺からすれば甘えるなって思うんだよね、男だから免除、男だから仕方ない、男だから許される。世の中がそうやってるのは虫唾が走るかな。」


「悠馬さんは、素敵な方です、尊敬します。(恋をしたのが貴方でよかった。)」


「大げさだよ、志保。俺が立派だったり尊敬に値するって言うならそれは母親の教育の賜物だよきっと。」


俺と志保が親交を深めていると最初はにこにこしてた顔の愛央がって顔になってきた。


「そうだ、愛央。フリッペある?出来れば交換したいんだけどどうかな?愛央が良ければだけど・・・。」


「ふぇ!うんうんっ!私は勿論良いよ!でも、本当に良いの・・・?」


「うん。愛央とは違う学校になったとしても仲良くしたいんだ。」


何か周りの反応が・・・俺が愛央にフリッペを聞いたら一瞬でシーンっとした後にガヤガヤし始めた気がするが・・・・大ぴっらに言うのまずったか?


「悠馬さん、宜しければ私とも交換して戴けますか?もし宜しければですけど・・・・。」


「え?志保も良いの?そんじゃ3人で交換しようー!ついでにグループも作っちゃうか!」


嬉しそうな二人の顔に俺も嬉しくなって二人と連絡先の交換をして、直ぐにグループを作ってグルチャに俺の番号とツブッターのアカウントのIDを載せた。


「やった・・・。嬉しい・・・。悠馬君の連絡先だ・・・。」


「悠馬さん・・・・ありがとうございます。」


「悠ちゃん!お待たせー!ってあら?」


二人と連絡先の交換を終わらせたところで母さんの迎えが到着して直ぐに二人に気付いて顔が険しくなった。


「あぁ、母さん。ありがとね。この二人は仲良くなった子達だよ。」


「初めまして、お母様。天音 志保と申します。悠馬さんとはここでお母様の到着までお話しさせていただいておりました。」


「は・・初めまして!星川 愛央って言います!悠馬君とは校内でぶつかって転んだ私を助け起こして貰って一緒に会場に行ってって感じで仲良く話させて貰いました。」


二人がそれぞれ母さんに自己紹介をし始めたけど、志保は特に慌てる事も無く丁寧に自己紹介して、愛央は慌てながらって感じで自分の事を話してた。


「そう、志保ちゃんと愛央ちゃんね。悠ちゃんを見ててくれてありがとね。二人は、悠ちゃんの事は何処まで?」


うん?何か母さんの雰囲気が不穏な気がする・・・。


「どう言う意味で聞いて来たのかは分かりませんが、悠馬さんは悠馬さんです。今日、知り合えて仲良くさせて貰う事になった方です、これから仲良くなれたら嬉しいと思ってます。」


「悠馬君は悠馬君です、私を助けてくれた優しい人です、これから悠馬君と仲良くなれたら嬉しいって思ってます。」


「そう・・・・。」


一言だけ言って母さんは両目を閉じた後片目だけを開けて二人を見て、その後俺を見て直ぐに目を開けて二人に向き直った。


「うん、ごめんなさいね。愛央ちゃんも志保ちゃんも。二人共合格出来そう?」


「「はい!大丈夫だと思います!」」


「うん、それならその時は悠ちゃんの事宜しくね?悠ちゃんこんな感じだから、心配なのよ。」


「「分かりました!合格出来ていても居なくても悠馬君(さん)はお任せください!」」


息ぴったりだなー二人共~。って言うか心配してくれるのは嬉しいけど、こんな人前で言わないで欲しい・・・・流石に恥ずかしいっての。


「母さん、その辺にしてくれ。流石に恥ずかしい。」


俺は頬を掻きながら照れた顔しながら母さんに訴えたら俺の顔を見た周りの女の子や、迎えに来た保護者も込みで時間が停止していた。


「悠ちゃん・・・その顔は可愛すぎるわ///」


母さんの言葉に愛央と志保も「「うんうん。」」っと激しく顔を上下しながら同意していた。


「良いから!!!//帰ろうよー。愛央も志保も母さん来るまで付き合ってくれてありがとね、またね!二人共!」


手を振りながら全力の笑顔で二人に挨拶して母さんの背中を押しながら車まで押して行ってその日は帰宅する事にしたのだった。


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