第17話 試験

連絡先の交換を忘れるという暴挙に落ち込みながら、俺は受験会場の教室に入る、それと同時に騒がしかった教室が一気に静かになって女子の皆が俺をガン見してるようだ。


俺は愛央との連絡先の交換を忘れたって事で落ち込みながら自分の番号の席に座って、真剣な顔で一先ずは試験に集中って事で最初の試験の教科の見直してしていた。


「ねぇ・・やっぱりそうだよね・・・?」


「うん、間違いないと思う。」


「何で試験受けてるの?」


「男子だし面接だけで良いよね?」


「てか、確定合格でしょ。」


「これってさ、清蘭高校の開校以来初の男子って事になるよね?」


「それにしてもさ・・・、真剣な顔・・やばい・・・かっこよすぎ・・・溜息しかでない・・・。」


「「「「わかりみが深いっ!」」」」


・・・せめて聞こえない様に会話してくれ・・・・、居たたまれんわっ!

仕方ない・・・「にぱぁ」っと無邪気な笑顔を彼女たちに照射してみた。


「はぐぅっ!」


「ふぐぅ・・胸がっっ。」


「ぎゃわっ・・無邪気な笑顔ぎゃわぃぃぃぃっ。」


「駄目死ぬこれ死ぬ・・・心臓がぁぁぁっ。」


「ぁぅぁぅぁぅぁぅぁぅっ。」


うん、遣り過ぎたかもしれんが、静かになったしこれで良し!

何時の間にか来ていた試験官も巻き込んだけど、俺は知らん!そうして俺の人生で2回目の高校受験が始まった・・・。


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ふぅ・・・何とか全部埋める事出来たな。

大丈夫だとは自分でも思っては居たけど実際に試験を受けると緊張するもんだな~・・・。


「っと、母さんに連絡しないとだったな・・・。それとツブッターにも呟いておくか。」


母さんにフリッペで「試験全部終わったよ~」っと送って、ツブッターにも「試験完了!つかれたぁぁぁぁぁ」っと呟いてスマホを仕舞った後、ぬぅぅぅぅっと身体を伸ばしてた。


「あっ・・・あのっ!今、大丈夫ですか・・・?」


「ほ?・・・あぁうん、大丈夫だよ。お互いに試験お疲れ様ぁ~。」


っとふにゃりとした笑顔で健闘を話しかけて来た子達に言って道具を仕舞いながら話を聞く体制に入った。


「「「・・・っ/////」」」


「ん?どしたの?」


皆顔を真っ赤にしてる意味を理解しながらも敢えて知らないフリで聞いてみた。


「ぇっと・・・。その・・・。間違えてたらごめんなさい、YouMa様ですよね・・・?」


一人が代表して不安そうに聞いて来たのを確認して答えるのと同時にずっと疑問だった(様)呼びの意味を聞いてみる事にした。


「あぁうん、そうだよ。Soo TubeでYouMaとして活動してるのは間違いないよ。見てくれてるの?」


「「「はいっっ!!!!毎日見てますっ!!!!」」」


「ぉぅ・・・。ありがとぅ~・・・。」


食い気味に返事されてちょっと仰け反りながらお礼を言う事になった俺は悪くないと思う。


「ちょっと聞きたかったんだけど・・・何で様呼びなの?こう、聞こえてくるのが様が付いてるけど、俺は特に偉い立場でも無いし疑問なんだよね。」


「それは簡単ですよ!今までテレビに男性が出る事やモデルとか位は居ましたけど歌を歌う男性何て居なかったししかもすっごい美声でイケメンで最初からずっと有名でしたし生配信とかもしてくれるししかも母親と妹さんの為に料理までしてくれて凄い美味しそうだし他の男性みたいな横暴でも乱暴でも無いしそれこそ小説やアニメとかの作り物の中にしか出て来ない様な心優しい理想の男性だからファンの女性陣皆が敬意を込めて様呼び何です!!!!」


この子すっごい早口で説明し始めたよ・・・・。

取り合えず世の中の男性と違うからって事らしい・・・。

そういや、昔もこのタイプの子って男女ともに居たっけ・・・・。


「なっ・・成る程・・・。いやまぁ確かに女性には優しくしたいとは思ってるって言うか横暴な態度を取る理由が分からないって言うか?俺自身がそう言うの嫌いだし虫唾が走るからって程度の理由でしか無いんだけどね・・・。」


「それが凄いんですよ!傲慢で不潔で横暴で暴力振るって何てのが男は基本なのにYouMa様は全然違うし確かにそういう風に見える様に演技してるだけって意見も聞きますけど何よりの証拠が目です目!優しさが演技ならそんな綺麗な目は出来ないです!!!!だからYouMa様の優しさはYouMa様自身のお心ですし演技なんかじゃ無いって分かるんです!!!!!!!!」


あかーん、この子スイッチ入るとまじで止まらないタイプだわ。

すっげー早口でべた褒め?されてるしっ!

まぁ・・嬉しいけど!嬉しいけど!!!

美少女、美女に褒められて嬉しくない男が居るか?答えは否だ!!


「そっか、ありがとね。分かってくれて!嬉しいよっ!」


ニッコリと嬉しいって感情を前面に出して思いっきり笑顔を照射したっ。


「「「はぅあっ////」」」「「「尊い・・・・。」」」


「っと、ごめんね、母親が迎えに来るから外に出て待っておくよ。じゃないと心配させちゃうしさ。色々話してくれてありがとね!同級生になったら仲良くしてね!」


そう言って俺は逃げる様に教室を後にして校門に急いで移動を開始するのだった。


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