第2章 大切な人達との出会い
第15話 一人目の運命
「既に2か月か~・・・。って言うても最初の一か月は半分くらい病院だったけど・・・。それで2月入ったしな~・・・・。」
今は3月に入って直ぐ、明日は遂に2回目の高校受験の日だ。
「知識面は問題ないにしても、こっちに来てからという物、付近の人が慣れるようにとか行動して来たから多分、登校とかは大丈夫だと思う・・・・思いたい・・・・。」
兎に角、すべては明日か、何点取れるかなーっと気楽に考えながら早めに布団に入った。
朝までぐっすり寝てすっきりとした寝起きで何時も通りに朝ご飯作らないとなっと思いながら階段を降りてキッチンに入ったら母さんが既に起きてご飯を作ってくれていた。
「あっ!悠ちゃんおはよ!」
「うん、母さんおはよー。ってどしたの?何時もより早くない?」
「今日は悠ちゃんの受験の日でしょ、だから朝ご飯は私のご飯で確りと力付けて欲しくて、それに何時も悠ちゃんに任せきりだから母親らしい事させてね?」
「いやでも、何時も俺達の為に仕事頑張ってくれてるじゃん、それなのに俺は家に居て好き勝手やってるだけだからご飯支度位はさ。」
「良いから!良いから!私も悠ちゃんにご飯食べて貰いたいんだから良いの!ほらほらっ!顔洗って着替えてきなさいー!」
母さんはそう言って、俺をキッチンから追い出して支度の続きをやり始めたから俺は言われた通り顔を洗ったり着替えたりした後に菜月に起きろよーっと声だけをかけておいた。
その後母親の作ってくれた朝ご飯を菜月と一緒に食べて学生服に着替えた後、母親の車に乗り込んで会場の学校である清蘭高校まで連れて行ってもらった。
「おぉー!綺麗な学校ねー!」
母さんの言葉に俺も「確かに思ってたよりも綺麗だな~」っと答えながらおっし!高得点取ったる!っと意気込みを新たにした。
「それじゃ、母さん、頑張ってくるね!」
「ええっ!終わったら迎えに来るから頑張ってね!」
母さんの声を背中に聞きながら俺は校門に歩いていく・・・。
校門前には、溢れんばかりの受験生がいる、ぱっと見た感じでは男子は居なそうだね。
「これは・・・凄いな。数百人とかじゃないじゃん、倍率幾つになるのこれ・・・・。流石、共学校(男子入学歴代ゼロ)トップって所か・・・。」
しゃーないなぁーっと思いながら長蛇の列の最後尾に並んで少しずつ進むのをぼけーっと見ながら自分もゆっくりと進んで居たが、だんだんと俺の存在に気付いたり後ろに並んだ子や、何となしに後ろを振り返った子がざわざわと騒ぎ始めた。
「えぇぇぇ?!男子?!」「ほんとだ!今年は男子居るの?!」「うわ・・うわ・・凄い綺麗・・・イケメン過ぎ・・・。」「あれ・・・?ちょっと待って!!あの人ってまさか!」っと騒ぎが大きくなっていってヤバいかもしれないっと思い始めていたところで声がかかった。
「す、すいません!逆月 悠馬さんですよね?」
「はい、そうですけど・・・?」
「ここで教師をしている水無月と言います。逆月さんがいらっしゃれば他の受験生が混乱すると思うので、先に受付を済ませてくださいと指示を受けてますのでこちらへどうぞ。」
「あぁ、成程っ。・・・お手数おかけして申し訳ありません、宜しくお願いします。」
俺は水無月先生の後に続きながらコソコソと聞こえてくる声に耳を澄ませてみた。
「ねねっ!あれって多分YouMa様だよね?」「多分そうだと思う・・・。」「絶対受からないとっっっ。」「やばい、本物やばい・・・。」「死にそうなくらい胸がぎゅんぎゅんしてるぅ・・・。」等と色々聞こえてくるのを尻目に先に受付を済ませる事になったから皆に一言謝る事にした。
「皆、ごめんね。特別扱いみたいで嫌だけど混乱させたくないし・・・本当ごめんねっ。」
謝った後に笑顔と手を振って通り過ぎたら一気に静かになって皆、怒ったかな?と心配になり振り向いてみたら全員が全員真っ赤な顔をして居たり鼻血を出したりふらっふらになってたりとどうやら刺激が強すぎたようで、逆に悪い事をしたなっと反省。
そうこうしてる間に水無月先生に受付を終わらせて貰って「頑張ってくださいねっ!」っと応援とかわいいサムズアップをもらって持ち場に戻るのを見送りながら、受け取った校内の地図を確認したけど「でかすぎねぇ?広すぎねぇ?」っと思いながらも会場に向けて歩き始めた。
少し迷いながらも試験会場の教室に地図を見ながら向かっていると男子トイレ?が見えて来た。
「一応まだ時間はあるし、試験前にすっきりしておこうかな・・・。」
うん、異常に綺麗です、普段から使う人が居ないってのもあるんだろうけどこれ絶対俺の為に埃一つ無い位の掃除してくれてるよね・・・・。
「申し訳なくて逆に使い辛いんだが・・・。」
大げさだなーっと汗かきながら、出すもの出して、「はぁぁ~・・・。」っと溜息を吐きながらも外に出てまた教室に向けて歩き始めて直ぐに「きゃっ!」っと一人の女の子にぶつかって相手を尻もちをつかせてしまった。
「ご、ごめん!前見て無くて気付けなかったっ!」
言いながら手を差し出して女の子の手を取って立ち上がらせて顔を見て・・・驚いた・・・。
「凄い綺麗・・・。」心の中でそう呟いたまま彼女に見惚れてしまい俺は固まってしまった。
「いえ、こちらこそごめんな・・さ・・い・・?」
「いや、悪いのは俺だ、ごめんな。」
無意識でそう答えて彼女に笑顔を向けると今度は彼女の方が俺を見て驚いた。
「ひゃぁぁぁ?!男の子?!ぶつかってごめんなさいっ!手まで掴んでごめんなさいっっ!」
っと大混乱になってしまったから俺は「大丈夫だよ、焦らないで。」っとゆっくりと落ち着かせながらも「この世界に来て初めて素敵だってこんな子と付き合えたら良いなっ。」って思える子に出会えた。
「いや、何も気にしないでね。今のは俺が前を見てなかったのが悪いのさ、怪我は・・・無い?」
「え?あ、はいっ!大丈夫です!・・・あのもしかして受験生ですか?」
「うんうん。同じ受験生だ、お互いに頑張ろうね!君と一緒に通えたら嬉しいよ。」
「ぁぅ・・・。私も頑張ります・・・・。」
っと顔を真っ赤にしながら嬉しそうな恥ずかしそうな顔をして下を向いて顔を伏せちゃった、そんなところも可愛いな~・・・。
「ん、時間に成る前に会場まで一緒に行こうよ!つか、同い年なんだし丁寧語とか要らないって!」
「えっと、良いの?迷惑じゃない?」
「迷惑ってっ。俺から誘ってるのに迷惑な訳ないし。って言うか実は迷いそうなんだよねー、だから嫌じゃ無きゃ一緒に行ってくれると助かるんだけどもっ。」
「ぷっあはは。もしかしてちょっと方向音痴だったりするの?」
少し遠慮がちに笑いながらそんな事言ってきた。
「いやー、自分じゃそのつもりは無いし記憶力は良いと思うけど・・・この学校広すぎない?これは迷うってー。」
「何か怪しいなぁ~っ。でも確かにそうかも・・・広すぎって位広いもんね。それじゃーご迷惑じゃ無いなら一緒に行かせてください!」
「頼んだっ!俺は、逆月 悠馬、悠馬でいい。よろしくなっ。」
「うんっ!宜しくね、悠馬くんっ!私は愛央だよ、
「ん・・・?星川・・・?」
「どうかした?」
「あぁ、いや・・・。こちらこそよろしくな、愛央っ!」
そうして一緒に会場に話しながら向かって、お互いに会場を確認したら残念ながら違う教室みたいでそこでお別れ。
「あっ!!フリッペの交換忘れた・・・・。」
余りにも好みすぎて浮かれ過ぎた自分に激しく後悔したのだった・・・・。
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