第9話 交渉?
昨日は何も無かった、普通の日常が帰ってきたって事にした俺達はその後、久しぶりの3人での会話を楽しんでそれぞれが部屋に戻ったりお風呂に行ったりしてベッドに入って一日を終えた。
そして次の日の朝、俺は喉の渇きを満たす為にキッチンで温めた麦茶を飲んで居るとリビングの方から母さんの声を聞こえてきた。
「ん~?電話かな・・・?」
リビングに行くと、母さんが電話をしてるけど・・・向こうの声が聞こえてくる、スピーカーにしてるんか~・・・何故?
「はい、そうです。息子が普通に受験を受けたいと言っておりまして、お願いできませんでしょうか?」
「あの、確認致しますが、ご子息で間違いは無いんですよね?理事長や校長先生に確認をしてみてからになりますが恐らくご要望は通ると思います。ですが、テストの結果に関係なくご入学していただけるのでしょうか?」
「そこは大丈夫だと思います、息子自身が清蘭高校に入りたいと言っておりますし結果がどうであれ入学して高校生活を送りたいっと言ってますので。」
「分かりました、それであれば確認が済み次第こちらからお電話を致しますのでご連絡先を教えていただけますか?」
「ええ、勿論です。我が儘になってしまいますが何卒お願いいたします、はい、失礼します。」
カチャンっと電話を切る音を確認して母親に声をかけた。
「あっちの返答待ちって事?母さん。」
「おはよう、悠ちゃん。学校からの連絡待ちになるわね。遅くても夕方には連絡は来ると思うわ。」
「おはよう、母さん。希望通れば良いんだけどな~。」
「大丈夫よ、ほぼ間違いなく要望は通ると思うわ。受験勉強の方はどう?」
「そっちは大丈夫。特に問題なく覚えてるし分からないところも無いから受験出来たとして本番に緊張して頭がまわらないって事にならなければ大丈夫だと思う。本当に唯の我が儘なのに聞いてくれてありがとねっ。」
「良いのっ!良いのっ!悠ちゃんのお願いなら何でも聞いちゃうっ!朝ご飯食べるでしょ?準備してくるねっ!」
スキップするんじゃない無いかって勢いでキッチンまで行く母さんを見ながら「何でもは駄目だろ・・・大人としても親としてもさ・・・。」っと呟きながら見送った俺の背中にいつの間にか起きて来てた菜月の声がかかった。
「兄さん、おっはよっ!ママは嬉しいんだと思うよ兄さんに頼られてさ、ここ数年はろくに会話も無かったし、私もだけど・・・。」
「そっか、そうだよな。これからは沢山話すよ、母さんとも菜月ともね。」
「っと、おはよう、菜月。」言いながらサラサラで気持ちいい菜月の頭を撫でながら朝の時間を過ごしたのだった。
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そして母さんの朝ご飯を食べて食休みをした後は菜月の勉強を見たり、庭で菜月とバスケして運動したりしながら午前中を過ごしてた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。だーくっそ!めっちゃ体力落ちてるし・・・。一週間寝てた弊害かこれ・・・?」
「兄さん・・・はぁはぁ・・・・、十分・・動けてる・・と・・思うけど・・・。」
「すぅぅぅぅ・・・ふぅぅぅぅ・・・、菜月について行くので精一杯だったよ。これは勉強の他にも体力付ける為にも運動しないと駄目だな・・・。」
早朝にランニングでもするか・・・もしくは夜に菜月や母さんと走るか・・・・。
筋トレは当然の日課で当たり前としてっと考えながら(何かやる事どんどん増えてる気がする・・・。)っと考えてた。
「ランニングするなら私が帰ってきたら一緒にしようよー。一人では流石に危険だからさせられないけど私が居ればそこまで酷い事になる確率も減ると思うし・・・。」
「そうだな、その時は菜月と一緒に走るよ。よろしく頼むな?って事で・・・もう一本いくぞ!」
「はーいっ!」
って言う菜月の元気で嬉しそうな声を聞いて俺はまた菜月と1:1で勝負して行くのだった。
まぁ・・・最初は勝ってたけど途中から本気になった菜月には全勝って訳にも行かず、半々くらいの勝ちで終わったけどね。ちきせう・・・兄の威厳がぁぁ~・・・。
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母さんがお昼が出来たと呼びに来たのを機に俺達は片付けて家の中に戻ってしっかりと汗を拭いてからお昼ご飯を食べた後は部屋に戻って受験勉強である。
「まぁ・・・そこまで切羽詰まったやり方はいらないけどね正直・・・。ん~・・・演奏動画は少し落ち着くまで投稿しないようにするとして、かと言ってそれだけで放置する訳にも行かないよな~・・・。」
あっちの世界の配信者ってのも毎日色々考えながらやって大変な思いしてるってのは聞いた事あるし、頻度をそこまで高くしなくてもある程度の頻度でやって行こうかなっと考えながら部屋の中を物色してたらいいものを見つけた。
「お・・・、こっちでもあるんだこれ。バイオでハザードしちゃうやつ、どれどれ・・・。」
どれどれ~っと・・・調べてみたら案の定こっちだと大して人気は無いってのが分かった、これを配信したら面白さ分かって貰えるかな?売り上げに貢献も出来ちゃいそうだなんて考えながら、配信で何をやるか等を考えながら過ごしていた。
「喉乾いたな、飲み物飲み物~。」
部屋を出て階段を降りてる所で電話がなる音が聞こえて来たから直ぐにリビングに行ったら丁度母さんが出た所だったから離れようと思ったけどどうも学校からの電話の様だったからそのまま聞いてる事にした。
「はい、逆月でございます。あら?先生。如何でしたか?」
「もしもし、ご連絡が遅くなりまして申し訳ありません。理事長並びに校長先生と教頭先生に確認をしたところ、テストを受けたいと言うのであれば叶えて差し上げてと言う事でした。」
「本当ですか?ありがとうございます。」
「ただ、一つだけ条件を出されまして、試験の結果が悪かったとしてもご入学して戴きたいとの事でした。朝のお電話でもお母様がその点は問題無いとおっしゃっておりましたけど、念の為伝えさせていただきます。」
「そちらに関しては問題ありません、むしろこちらの我が儘を叶えて戴きましてありがとうございます。」
「いえいえ、こちらも男子に入学して戴けるのであればこれまでの努力が報われますので。直ぐに願書などを準備して郵送させて戴きます。」
「はい、ありがとうございます。こちらの住所は・・・・・・です。はい・・・はい・・・その様に・・・それでは、失礼いたします。」
カチャンっと電話を切る音が聞こえて母さんを見ると嬉しそうな顔で俺に話しかけて来た。
「悠ちゃん!聞いてた?希望通ったからねっ!」
「聞こえてたよ!こんな我が儘通して貰えて学校にも母さんにも感謝だよっ!ありがとねー!」
ニッコリと笑顔でお礼を言った俺の顔を見て母さんは顔を真っ赤にしながらもドヤ顔してて、母親ながらも可愛いなっと思う。
「悠ちゃんの笑顔は危ないかも・・・、私ですら真っ赤になっちゃうし学校の女の子達耐えられるかしら・・・?死ぬまでは行かないかもだけど倒れたりしちゃうんじゃ・・・・。」
「笑顔だけで倒れる訳無いでしょ、何言ってるのさ~。」
いやぁ~・・・絶対、耐えられないで倒れる子が量産されるわね・・・って顔をした後にもう少し自分の事、理解しなさい!って感じのジト目を向けて来る母親から俺は目逸らして愛想笑いをするのだった。
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