第6話 自宅・・・でかいわぁ~・・・

でっかぁ・・・・。

俺は声に出さずに自宅を見ながら思った、こんな大きさの家、必要か・・・?

庭だけでぱっと見で100坪はあるぞこれ・・・。


「やっと帰ってきたわねっ!ささっ!お家に入ろうねー!」


そう言った母さんはサササーっと家に入って玄関に上がって待っていてくれてる、これは多分あれかな・・・?


「ただいま!母さん!」


笑顔で言った俺に母さんは同じく笑顔で嬉しそうにしながら・・・・。


「おかえりなさいっ!悠ちゃん!」


そう言って迎え入れてくれたのだった。


その後、家の中に入って気付いた、俺はこの家を知らない、でも身体は覚えてるのと流れ込んで来た記憶のお陰でどこに何があるのかは分かる。

外観に関してはどうやら碌に外に出てなかったのと気にも留めてなかったからか記憶にも残ってなかった。


「それじゃー取り合えず部屋に行ってるね。」


「うんうん、先ずはゆっくりしててね。暫くすれば菜月も部活から帰ってくるだろうし、そうしたらこれからの事とか色々とお話ししましょ。」


母さんの言葉に頷いた俺は菜月が返ってくるまで部屋でゆっくりと調べ物をする事にした。


「さてと・・・・。世界の確認、近所の確認、学校何かの確認が優先事項か・・・。それにしてもこの身体の持ち主は何が不満だったんだ?

綺麗で優しくてお金持ちの母親、可愛くて懐いてくれてて可愛い妹、でっかい家に色々と揃って大きな部屋、これで不満持つとか意味わからん。」


各種ゲーム機、とゲームソフト、PC、やピアノやギター何かの楽器もある上に座ってるPC用の椅子もゲーミングの高いやつ・・・・。

まぁ・・・あの世界でも持ち主とは話せなかったし気にしても仕方ないか・・・・、一人でそう答えを出してPCを起動した後に色々と調べ始めるのだった。


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ガチャンっ!バタンッ!

玄関が勢いよく開いて閉じる音が聞こえたと思ったら菜月の咆哮が聞こえて来た。


「ただいまぁぁぁぁぁぁぁ!!兄さんぅぅぅぅぅぅっ!居るぅぅぅぅぅ?!?!?!」


全く、そんなに大声を出さなくても退院したんだから居るに決まってるでしょうに・・・。


部屋から出て階段を降りながら玄関に居る菜月に笑顔で声をかける。


「菜月おかえり、ちゃんと居るよ。部活お疲れ様だね。」


そう言って玄関まで行き帰ってきた菜月の頭を撫でてみた。


「ふにゃぁぁぁ/////」


「母さんがおやつの準備してくれてるし、俺も話したい事あるから、着替えてリビングにおいで。」


「は~~い///」


そう言って嬉しそうに部屋に菜月が向かったのを見て俺は何から話すべきかな~っと考えながらリビングへ入りソファーに座りながら母さんの出してくれたお茶を飲みながら菜月が戻ってくるのを待つのだった。


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「うん、美味しい。」


俺としては初めてだけど身体的には一番馴染んでる味の母さんの作ってくれたおやつを食べながら帰ってきたんだなっと不思議と思えた。


「夕飯前だから簡単なので悪いけど、退院祝いでその分、夕飯は豪勢にしちゃうからね!」


「そんな事気にしなくても良いのに、凄く美味しいよ。」


誰かの手作り、それだけで涙が出るくらい嬉しいし幸せだ、元の世界じゃブラックだった事もあって簡単に食べられるレトルトやコンビニ弁当ばかりだったから簡単な手作りのおやつってだけでも俺には凄いご馳走だ。


「本当に、兄さんが目を覚ましてくれてよかったぁ~、眠ってた一週間はほんとに何も手に付かなくて・・・。」


「そうね・・・。目を覚ましてくれて本当に良かった、悠ちゃんが眠ったままだったらって考えるだけで心が張り裂けそうになるわ。」


なぁ?凄い愛されてるぞお前、本当に何で・・・・。

馬鹿じゃねーの、こんな人達を悲しませやがってさ・・・・。


「心配かけてごめん、それにありがとうっ。もう大丈夫だよっ。」


そう言って全力の笑顔を二人に照射したら顔を真っ赤にしながら嬉しそうな笑顔を向けてくれて暖かい気持ちになって午後の一時を3人で過ごして、一息ついた所で考えて居た事を母さんに話し始めた。


「母さんに少しお願いと相談があってさ・・・。」


「お願いと相談って何かしら?悠ちゃんのお願いなら叶えちゃうよっ!」


「そこまで大げさに捉えなくても良いんだけどさ、先ずは進学先についてなんだけど共学校の清蘭高等学校にしたい、家から歩いて通える共学校って部分とネットでだけど見た感じはとても綺麗な学校だったし施設も充実してたんだ。」


「成る程ね、でもそれだけなら別に清蘭である必要は無いよね?それこそ当初の予定通り男子校でも良い訳だし。」


「そうなんだけど、勿論他にも理由があって、男子しか入れない掲示板を見てさ、真偽のほどは分からないけど高校卒業して1年以内、つまり19歳になるまでに婚約者を一人は決めないと強制的に国に用意されるってやつ、実際にそうなった人の書き込みで自分に宛がわれたのは3人、50代、60代、70代って明らかにおかしいし国のお偉いさんの余り物を宛がわれたって話とかあったんだ、全員が全員じゃ無いとは言え可能性の一つではあるし、そんなのもう新婚生活じゃなくて新介護生活でしょ・・・・。」


「ほ、本当に・・・?そんな書き込みあったの・・・?」


「俺も目を疑ったし真偽は分からないけど、そんな事になったら目も当てられないでしょ・・・?」


「そ、それは・・・私でも引くよ、兄さん・・・。」


「だろ?仮にそうじゃ無くて同い年の女性になったとしても俺は嫌だ、結婚するなら本当に愛した人としたい、だから相手を見つけるって意味でも清蘭にしたい。」


「うん、分かったわ。私としてもそんな事になったら義理とは言え娘なんて思えないもの。それに家から歩いて通えるのであれば私としても少しは安心出来るよ。」


「それと・・・これはお願いなんだけど、受験を受けたい。自分の実力を知りたいんだ。」


「実力を知るだけなら入学後の中間テストとか期末テストで充分なんじゃないの?」


「それはあくまでも入学後に高校の内容を勉強しての実力であって今、現在じゃないでしょ?

それに何よりさ、男だからって面接だけで良いなんておかしいと思う。女子は頑張って勉強して狭き門を抜けての入学なのにさ。だから、その交渉をお願いできないかな?」


「う~~~ん・・・・。学校側に掛け合えば多分、問題なく通るとは思うけど・・・。本当に良いの?それと聞かれると思うから先に確認しておくけど結果がどうだったとしても入学は決めてるのよね?」


「うん、それを抜きにしても清蘭に行きたい。」


「えーーーー!兄さん清蘭に行くの?!あそこ偏差値高くて私じゃ無理だぁぁぁ・・・・。」


「まだ1年以上あるんだから菜月は今からでも頑張れば大丈夫だよ!俺も協力するからさ!菜月と一緒に通えるようになったら俺は嬉しいんだけどな~・・・。」


「やるぞぉぉぉぉぉ!!!絶対に兄さんと同じ高校に行って一緒に登校するーーーーー!」


うん、チョロい、我が妹ながら少し心配だ・・・・。

チョロすぎないか家の妹・・・・。


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