思い出を乗り越えて

第37話 有希那の想い

えっと・・・・？今何て言ったこの人・・・。

「えっと・・・？今何て・・・？」

「一番大好きな人異性だよ！」

何てものお題にしてるんじゃー！

「何てものお題にしてるんじゃー！あ、心の声そのまま出たわ。」

「おっと？！何と言うお題を引いたのか！陵さんこれはまさかーーー？！」

「いや、ちょ？！マジで？！えっ？！って言うか運営ー！だめだろこのお題！！」

うん、俺も駄目だと思う・・・、全校生徒の前で告白するのと同じじゃん・・・。

ん？あれ？まって・・・って事は・・・？

有希那はお題を引いてからずっと耳まで真っ赤なままで・・・？

しかも全校生徒の前で手を繋いで・・・？

ゴールしてお題を読み上げられて・・・・？

「えっと・・・？有希那・・・？」

「・・・す。・・です。・・きです。」

「え？何て・・・？」

「ぅぅぅっ///・・・そうですよ！私は蓮夜君が好きですよ！大好きですよ！お友達としてじゃなく一人の男の人として神代　蓮夜君の事が陵　有希那は好きなんです！」

「えっとっ///」

「だから・・・っ、だからっっ！私とお付き合いしてくださいっっ！！！！」

マジか・・・、流石にこんな状態でこれだけ真っ赤にして真剣な顔で言ってくる以上嘘とかこの場のノリとかって事は無いだろうな・・・それに付き合ってほしいとまで言って来てるしな・・・。

有希那・・・彩音、俺は・・・俺は・・・・。

「さぁ！神代君！お返事は？！」

「あ・・・っと・・・。うん、先ずはごめん、今はまだ付き合えない。俺も多分、有希那の事は好ましく思ってると思う・・・けど、俺はまだ有希那に話すべきことを話してない。だから少し待って欲しいんだ、俺の決心がつくのと有希那の事を今よりもちゃんと見るから、そして話すべきことを話す決心がついて話しを聞いた後に有希那がそれでも俺と付き合いたいって思ってくれるなら、その時は改めて俺から言わせて欲しい。今はこれが俺に言える精一杯なんだけど・・・駄目かな？」

ガバっと有希那が俺の胸の中に飛び込んで来たのを踏ん張りながら耐えて抱きしめながらサラサラの綺麗な髪を撫でる。

「ぅんっ。ぐすっ・・・。待ってる・・・。待ってるから・・・っ。」

「ありがとう、ごめんな。こんな物凄い勇気出したってのに半端な答えで・・・。」

ふるふるっと俺の胸の中で顔を左右に振ってぎゅぅぅぅっと強めに抱きついて来て、言葉にしなくても行動で伝えようとしてくれている有希那が今は、愛しいと思えた。

「あのさぁ～・・・お二人さん？ここがどこだか分かってますかね～？いやまぁ？こんなお題を用意してたこっちが悪いだろって言われたらそれまでなんだけどね？」

あ、全校生徒の前だったわ・・・・。

「ぁぅぁぅぁぅぁぅっ////」

「はぁ、それは良いですけど判定はどうなんですか？」

「はいはいー合格ですよー陵さんは２位ねーおめでとー、リア充爆発しろー！」

俺達はそそくさと逃げる様にその場から離れるのだった。

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「うぅぅぅ・・・ごめん・・・なさい・・・。」

「あーいや、良いんだけどさ・・・、嬉しいのは嬉しいし・・・。」

俺達は今少し皆と離れてさっきの事を話してる。

「あのさ、有希那・・・その・・・。」

「本気だよ、私は本当に蓮夜君が好き。蓮夜君が話してくれるの待ってるから・・・っ。」

そう言った有希那は顔を真っ赤にしながらも確りとした目で俺を見詰めて来て俺に対して言った事に嘘偽りは無いと話してきた。

それなら、俺もしっかりと答えないとだな・・・、彩音・・・良いのかな？

「分かった、俺も有希那の事を真剣に考えるからさっきも言った通り待ってもらえるかな？」

「うんっ！待ってるから！蓮夜君、大好きですっ。」

そう言った有希那の顔はとても素敵な誰だって見惚れてしまいそうな笑顔だった。

「戻ろっかっ。」って有希那の声で見惚れてた俺は正気に戻って頷いて歩き出した。

そんな俺の手を有希那は自分の手を繋いできてそのまま生徒の居る場所に戻って行く。

「いや、有希那さんや・・・。これは・・・。」

「良いのっ。大体にして蓮夜君は自分がモテるってのを自覚するべきなのです！だからこれは牽制なのです！蓮夜君は私のだー！って言うねっ！」

有希那・・・ありがとう。

耳まで真っ赤にしながら俺を引っ張って歩く有希那の背中に心の中でお礼を言いながら黙って付いて行くのだった。

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SIDE　司

はぁ・・・やっとですか、これ以上遅くなるようなら私が先輩を取る所でしたよ。

「ねぇ・・・良いの？」

友達が私の気持ちを知ってる居るからか遠慮がちに聞いてくるけど、これで良いんだ。

蓮夜先輩は幸せにならないと駄目なんです、私が出来れば良かったけど私は妹枠なのは分かってたし・・・悔しく無いと言えば嘘になるけど・・・ね。

「言いたい事は分かるよ、でもね？私の最優先事項は蓮夜先輩が幸せになる事、その為に私に出来る事なら私はするし有希那先輩が蓮夜先輩を幸せにしてくれるならそれで良いの。」

「そっか・・・。」

「と言っても、有希那先輩じゃ駄目だって思ったら私が奪うけどね。先輩を諦めるつもり無いしね私。」

私のその言葉に聞き耳を立てていたクラスの男子ががっくりと落ち込んでるのを見たけど私には関係無いですね。

「ぷっ。そうだね、それでこそ司だよねぇ～。」

「何それ？馬鹿にしてるの？」

「まさかっ。司らしいなーって思っただけだよ。」

むぅ・・・何か納得いかない・・・。

「まぁいいや。有希那先輩、蓮夜先輩を悲しませたら絶対に許さないですからね？」

そして・・・蓮夜先輩を置いて行くような事になったらその時は・・・・。

私は一つの決意を持つのと同時に伝えられて良かったですね、有希那先輩。

そう考えながらこれでもかって位真っ赤になってクラスメイトにもみくちゃにされてる有希那先輩を見続けるのだった。

って言うか・・・あのお題は完全に罠だ、父親とかその辺を連れて行けば解決した話だけど全く気付いて無かったよね？有希那先輩。

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「神代てめぇ！学園のアイドルを射止めやがってー！」

クラスの場所に戻ると男子にもみくちゃにされた。

「いてぇーよ！こらおい！コケるコケる！」

羨ましいなーおい！っと皆が笑顔で俺を弄ってるし・・・。

まぁーあの状況じゃこうなるだろうけどさ、俺だってこいつら側なら同じようにするし・・・。

「ほらほら！お前らもその辺でな！蓮夜を解放してやれってー。」

「そーそー！ほら蓮夜もこっちおいでって。」

信也と雫が俺を皆の輪の中から引っ張り出してくれて俺は何とか生き残る事が出来たけど、くっそー結構マジでつっこみやがったなあいつら・・・。

「いってぇー・・・結構マジで突っ込みやがったなあいつら・・・。多分背中とか赤くなってるぞきっと。」

「陵さんを射止めたんだから仕方ないっちゃ仕方ないけどなー・・・。」

「そうね、でもさーあのお題は悪意しか無いと思う。」

「「それなっ！」」

「本当にどんな罰ゲームよ・・・。てか有希那も有希那で良く言えたわね・・・、私は無理だわ。」

うん、確かに雫だったらそう言う相手に告白する時に有希那と同じ状況だと熱暴走起こして逃げそうだな・・・っとそんな失礼な事を考えながら、どうするかなっと・・・俺は考えるのだった。

「なぁ・・・今ふと思ったんだけどさ。あのお題ってただの罠じゃね？父親とかさ、居れば弟とか家族を引っ張ればそれで解決するじゃん今のお題。」

「「あっ！確かにっ！」」

俺の言葉に雫も信也も回りのクラスメイトも皆が皆して今気付いたって顔をしてるのを見て思いっきり脱力した。

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SIDE　有希那

「有希那、あんた・・・。」

うぅっ///分かってるからそんな顔で見ないでよ・・・。

「だって・・・、あの状況じゃ・・・。」

「だとしても、別に好きな人を連れて行く必要無くない・・・？」

「え？だって・・・一番大好きな人異性だよ？」

「うん・・・お父さんで良くない・・・？」

ぁ・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ？！そうだっ！別に同い年とか年齢近いとか書いてない・・・。

「～～～～～っ///////」

「「「「陵さん・・・・。」」」」

「やらかした・・・お題を見て直ぐに蓮夜君の事しか頭に無くてっ///」

「あんたねぇ・・・。」

「だって！司ちゃんとか凄い攻めてるし！このままじゃ蓮夜君が取られちゃうって！そしたらっっ///」

私がもう身体中真っ赤になって一切顔を上げる事も出来なくて椅子の上で小さくなるしかなかった。

「あんたらしいっちゃらしいけど・・・。」

そう言いながら私の頭を撫でて来る美織にされるがままになって私はどうしようもない位やらかしたって理解した。

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書き溜め分はここまでになります、ここから先は時間はかかると思いますが続きも書いていますのでお待ちいただければ幸いです。