第35話 ランニングと言う名の夜のお散歩デート

そんな訳で夜8時、俺は有希那を迎えに陵家に訪問していた。


ピンポーンっと呼び鈴を押して直ぐに「はーい」っと声が聞こえて来た。


「夜分遅くにすいません、神代です。有希那さんを迎えに来ました。」


「はいはいー、聞いてるからちょっと待ってね。」


「お・に・い・さ・んっ!今日もかっこいぃー!」


ガチャっと直ぐに扉が開いて柚香ちゃんが出迎えてくれてそのまま飛びついて来た。


「おっと・・・。柚香ちゃんお久いぃー。今日も可愛いねっ!」


飛びついて来た柚香ちゃんを受け止めてナデナデしながらかっこいいのお礼の意味を込めて可愛い可愛い言いながら撫でてやった。


「にへへ~////」「んんっ。神代君、態々すまないね。」


「こんばんわです。こちらこそすいません。こんな時間から娘さんを連れ出す事になってしまって。」


「有希那が望んだ事だから、構わんさ。神代君なら任せられるからね。」


「・・・ん?はい、まぁ必ずお守りしますのでご安心ください。」


「あぁ。そういう意味でも無いのだが・・・。まぁ、良いか。余り言うのも有希那に怒られてしまうからな。」


ん?ん?っと何を言いたいのか分からずに柚香ちゃんを撫でながら頭を捻って居ると有希那が出て来て大声を上げた。


「あーーーー!ちょっと柚香何してるの?!蓮夜君に迷惑かけないで!」


「迷惑何てかけてないもーん。お兄さんに甘えてるだけだもーん!」


「こんばんわ、有希那。ジャージ姿は初めて見たけど似合ってるな。髪をアップにしてるのも綺麗で良いと思う。」


「ぁぅ///ありがとう・・・。」「むぅぅ・・。お兄さん!お姉ちゃんばっかりー!」


「そんなこと無いぞ~!柚香ちゃんだって可愛いぞ!」


っと言いながら有希那に似た綺麗な髪を撫でながら慰めながら有希那が出てくるのを待ってた。


「はいはい!柚香は家に戻る戻る!私はランニング行ってくるから!」


「ずーるーいー!私もお兄ちゃんと走るー!」


「駄目に決まってるでしょ!もう暗いんだから子供は家に居なさい!」


「柚香ちゃん、ちょっと行ってくるから待っててくれな。有希那の特訓してくるからさ。」


「ほら、柚香・・・。蓮夜君を困らせないの。」


むぅぅぅぅぅっと不満そうな顔をしながらも有希那のお母さんに引っ張られて家の中に戻って行ったのを見届けた後に有希那のお父さんに行ってきますと話して、有希那と動き始めた。


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始めはゆっくりと早歩き程度の速さから徐々にスピードを上げて軽く走る感じで有希那と走っていた。


「そろそろ一回休憩かな・・・。」


「はーい。」


「苦手って言う割には普通に走れてるじゃんか。これなら特に要らなかったかな?」


「そんな事無いよー。蓮夜君が一緒だからこうやって出来るんだもん。」


少し離れて公園まで一緒に行って自販機で飲み物を買った後一緒に呼吸を整えながら話して居たけど、走った事で少し火照った有希那がとてもセクシーで目のやり場に困りながら話してた。


「それなら良かった、っと帰りは歩きながら行こうか、余り遅くなっても心配させちゃうし次の日に響いたら意味ないしね。」


「は~い!蓮夜君とのランニングとお散歩デートだっ!」


「いや、デートって・・・でもまぁ、そうなるのか?」


「そうだよーっ!若い男女がこうやって一緒に居るんだからさ!」


「言い方がおばさんくさいぞ有希那。」


「おばさんは酷いよー!」


「ごめんごめんっと一先ず行こうか。」


そんな事を話しながら俺と有希那はゆっくりとこの時間を楽しむ様に有希那の家まで歩いて帰った・・・・。


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あれから一週間、そこまで効果があるとは思えないけど、有希那的には何か自信付いたと言っていたのは良かったと思う。

夜のランニング(有希那からすればお散歩デート)も特に天気が崩れたりもせずに毎日出来たのも大きいと思う。

それと、特に絡まれたりも無かったのも救いだとおもう。


3日目位からは少しって言うか2時間も早く呼ばれてなんだろう?っと思っていたら夕飯をご馳走して貰えて、3~7日目の間は夕飯をごちそうになって休んだ後に有希那と外に出るって流れが出来上がっていた。


そして、有希那の特訓?の成果を発揮する為の体育祭の日になったのである。


「遂に来たな~。」


「お、おお、おはおは、おはよっ!」


「いや、ドモリすぎ・・・・。もっと気楽にでいいじゃない・・・・。うん、おはよう。」


「だって・・・絶対に足引っ張る・・・。」


「お祭りなんだから気楽に楽しく行けば良いのさ。それに練習してただろ?一緒にさ。」


「う、うんっ!そうだよね、気楽にが一番だよね!」


「そうそう、変に力むと怪我の元だしな、それに有希那なら大丈夫だ。この一週間頑張ってたからな。」


「う、うんっ!蓮夜君のお墨付きなら大丈夫って思えるっ!」


「よーーーーしっ!やるぞぉー!」っとそこまで気合いいれなくても良いんじゃないの?っと思いながらも学校に向けて歩き出した有希那の後ろを俺は追いかけて行くのだった。


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