第34話 それから・・・

司の事が合ってからちょっとして、俺自身も司をちゃんと女の子と見る様になって改めて気付いたが、何時も俺の為にって感じで動いてくれてるのを改めて気付いた。

それに関して一度、したい事をしたい様にして良いんだと俺を優先しなくても良いと言ったんだが・・・。


「私は先輩の側が一番落ち着くんです、それが私のやりたい事なんですよ?それに好きな人の側には何時も居たいですもん。」


っと言われては俺も何も言い返せない訳で・・・・。

それに伴って、有希那の行動も何か変わってて、司が左なら有希那が右って感じで何時も場所を誇示するのだ。


それを信が見て「両手に華だねぇ~。」っと面白がって来たので取り合えずボディを一発決めた俺は悪くないと思う。


美織も雫もニヤニヤしたりむぅっとしたりと忙しい感じである。


そんな感じで他に進展がある訳でも無く6月が過ぎそうになって居た。


「体育祭ですか?何でこんな時期に?」


「そう思うよねー、普通なら夏休み開けて秋口とかにだよね~。」


「ですよね?何でこの時期なんです?」


「夏休み明けてからだと3年の受験に影響出るからってこの学校は今の時期って訳よ、司。」


「あぁ・・成る程っ」っと司が納得しながらうんうんっと頷いて居るのを尻目に俺は何に出るかなーっと考えていた。


「あぁ、そうだ!蓮先輩、誕生日近いですけど、何か欲しいのありますか?」


「いや、特に無いかなー。困ってる事も無いしな~。」


(それに欲しいものは絶対に手に入らないしな・・・・。)っと考えてたんだけど・・・。


「「え?誕生日って誰の?」」っと有希那と美織が聞いて来た。


「あっ!そっか!蓮の誕生日近いもんね、今年はどうする?また遊び倒す?」


「あー去年は楽しかったな~。って言うか俺の時もだし神薙の時もだけど、蓮のケーキ美味かったな~。家の母親も絶賛してたわあれ。」


「蓮夜君の誕生日近いの?」っと有希那が「言ってくれないと通り過ぎちゃうところだったじゃん!聞かなかった私も悪いけど!」っと美織がそれぞれ言ってくれた。


「7/5ですよ、蓮先輩の誕生日。だから後一週間ですね。」


「まぁ、俺から誕生日近いからよろしくねーっとは言えないだろ。」


「それはそうだけど・・・、お祝い出来ないなんて事になってたら泣いたよ?私。」


「泣くなよ、有希那・・・。有希那の悲しくて泣く顔は見たくないわ。」


「・・・・・・。」っと何故か静かになってしまって俺が「ん?」っと顔をしながら顔を上げたら何と言いますか・・・・。


「先輩の女たらし。すけこまし。」


「蓮のばーか、ばーか、あふぉー。」


「蓮夜君・・・それは・・・。口説き文句・・・。」


「//////////////」


あぁ・・・有希那の顔がもうこれ以上染まらないって位真っ赤になってるのを見て何気なく言った言葉の威力ってのを思い知ったのだった。


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「はぁ、何に出るべきかなー。」


っと悩んでいたら、司が「そうだ、先輩。」っと声をかけて来た。


「うん?どうした。」


「プレゼント何ですけど、裸にリボン撒いた私でどうでしょ?」


「ぶぅぅぅぅぅぅぅっ。」っと丁度飲み物を飲んでた有希那は俺に向かって思いっきり噴き出して。


「ちょ?!何言ってるの司!!」っと雫が焦りながら問い詰めて。


「ばっかじゃないの?!」っと美織が罵倒して。


「・・・・・。」っと信がぽかーんっとして。


「はぁ・・・・。」っと無言で有希那にかけられた飲み物を拭き始める俺。


「ああああ!蓮夜君ごめん!!!本当にごめんーーーー!」


「あぁ、うん。大丈夫だから気にしないでくれ。悪いのは司だ、司。」


「えー?駄目ですか?結構自信ありますよ?私。まぁ雫先輩のおっぱいには負けますけど。」


「うん、そこじゃない。司が可愛いのも、スタイルが良いのも認めるけど、そうじゃないだろ。」


「そうだよ!駄目駄目駄目駄目!」


「もっと自分を大事にしないと駄目よ!司!!!」


「・・・え?私だって蓮先輩にしか言いませんよ?こんな事。」


「そうだろうけど!そうじゃないでしょー!!!」


うん、皆一回落ち着こうよ、男としては嬉しいけども、司を抱けるのはそりゃ嬉しいけどさ。


「取り合えず皆して一回落ち付けな。それと魅力的なプレゼントだけど流石に裸リボンは遠慮しておくわ。」


「むぅ・・・ダメですか・・・・。良いと思ったんですけどねぇ~。」


司の物言いに「はぁぁ・・・。」っと溜息を付くだけにしておいてまた競技のリストに視線を戻した。


「いや・・・何でそんなに冷静に対応できるんだ・・・蓮。」


っと信也の呟きは無視の方向でな、俺だってドキっとはしたっつーの!


う~~~んっとにらめっこしながらリストを見てる有希那を尻目に俺は適当に400mとか障害物とかこの辺で良いかなっと決めていた。


「んぅ~~~どうしよう・・・・。苦手なんだよね~私。」


「あぁ、有希那は運動神経死んでるもんね。」


「死んでるってのは酷くない?確かに苦手なのは否定しないけど・・・・。」


「何か意外ね、有希那は卆無そつなくこなしそうなのに。」


「それよく言われるけど、実際は運動苦手なの・・・。」


「ん-・・・それなら借り物競争とか障害物競走とかで良いんじゃないか?この辺なら余程変なのを引かない限りビリに成るって事も無いだろうし、足の速さも余り関係無いだろ。」


「うん、そうしようかな。それなら余り皆に迷惑もかけないと思うし・・・。」


「迷惑とか考えなくても良いんじゃないの?陵さん。」


「うん、間島君の言う事も分かるけどやっぱりねぇ~・・・。」


「まぁそこは、自分の出来る事で貢献すれば良いのさ。苦手な事を無理やりやって怪我したり足引っ張るよりは良いと俺は思う。」


「うんっ!蓮夜君ありがと!借り物とか障害物とかにしとこーっと。」


何かしらんが嬉しそうにしながら希望欄に書き込んでいく有希那を見ながら俺はどうすっかなっと思いながらも皆で帰る事にしてちんたらと教室を後にした。


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SIDE 有希那


それにしてもびっくりしたなぁ~・・・。

司ちゃんがあんな事言うなんて・・・。


帰宅した私は、自室で夕飯までゆっくりとしながら放課後の事を考えていた。


「裸にリボンって・・・・///司ちゃんってば大胆な事言うんだもん。しかも驚いて思いっきり蓮夜君にお茶吹きかけちゃったし・・・・////」


「でもなんだろ、蓮夜君も凄い冷静だったし何を馬鹿な事を言ってるんだ?って感じだったよね。

司ちゃんは司ちゃんで告白してからって言うもの今まで以上にぐいぐいいってるしなぁ~・・・。」


私自身も告白するって覚悟を決めては居るものの中々チャンスが無くていまだに言えずに居る内に司ちゃんが告白してしまった。


「むぅ・・・。色々負けてるよね・・・。気持ちを伝える事もだし過去の事もだし蓮夜君への近さもだし・・・。」


うぅぅ・・・っとベッドの上で枕に顔を埋めて自分の意気地なさと司ちゃんの行動力と蓮夜君の鈍さともう色々とどかーーーんってしそうになった。


「なぁんて・・・動かない私が悪いんだよね・・はぁ~・・・。」


「体育祭かぁ~苦手だけど、やらないとだよね・・・。」


って考えて居たらスマホに着信があった。


「んゆ・・・誰だろ?って蓮夜君?!・・もしもし!!」


「っと、もしもしーって何か慌ててる?大丈夫か?」


「うんうん!大丈夫!どうしたの?」


「あーっと、そのな?有希那が運動苦手って言ってたろ?」


蓮夜君が聞きづらそうに聞いて来て、電話越しで苦笑いしてるんだろうなーって思い浮かんで、分かってくれてるなーってちょっと嬉しくなっちゃった。


「うん、苦手ぇ~。今も嫌だなーって考えてた所だもん。」


「あはは・・・。それでまー何だ、もし良かったら何だけどランニングでも一緒にしないか?夜でも早朝でも良いからさ、付け焼刃にしか成らないだろうけどやらないよりは良いかなって思ってな。一週間程度だけど、どうだ?」


蓮夜君からまさかのお誘いが来てそれまで悩んでた事がどうでも良くなるくらい自分が舞い上がってるのを自分でも分かっちゃった。


「うんっ!蓮夜君が良いならお願いしたい!一緒に走りたい!」


「ん、それじゃ今夜にでもするか?明日からにする?」


「今夜からで!何時からにする??!!」


「ぉぉぅ・・・。何かテンション高いな・・・。じゃー8時くらいからにしようか、迎えに行くから準備して待っててくれな。」


「え?別に家の近くの公園とかで待ち合わせで良いよ?」


「迷惑ならそうするけど、夜だし少しでも危険を減らす為に迎えに行こうと思ったんだけど、それとご両親にも言わないとだしさ。」


「あっ!うんっ!それじゃ待ってるね!ちゃんと迎えに来てね!」


「ぷっ。自分から言ってるんだからちゃんと迎えに行くっての。それじゃまた後でな?」


「はーいっ!蓮夜君!ありがとね!」


そう言って電話を切った私はさっきまでの落ち込みは何だったのかって位舞い上がっちゃって蓮夜君がちゃんと私の安全も考えてくれてるって事が幸せ過ぎてベッドの上でゴロゴロと悶えまくってしまったのでした。


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