第30話 幕間3
「ん・・・・・。ここは?確か俺は部屋で寝て・・・・。」
この景色は・・・・あの街の・・・・・。
(久しぶりだね、蓮夜。)
「あぁ、久しぶりだ。悪いな色々忙しく立て込んでて。」
(ほんとだよ、会いに来てくれないしー、彼女よりも大事な用事なんてあるんですかねぇ~?)
ジト目で見てくる最愛の幼馴染の言葉に言葉が詰まってしまう。
「うっ・・・・。そう言うなよ、大変だったんだから友達・・・いや、仲間がさ。」
(ふふふ。ちゃんと分かってるから大丈夫だよ、蓮夜。寧ろ見捨てたりしてたら嫌いになってたかも?よ~。)
「それはマジで勘弁だからちゃんと対応してて良かった。でも、会えなかったのは本当にごめんな・・・・、彩音。」
「うんうん、仕方ないから許してあげる、さってそれじゃゆっくり話そうっ♪」
俺と彩音は連れ立って公園のベンチへと移動してここ最近の事を色々話し始めた。
「ふーん、随分と女の子増えたんだねぇ~。司も追いかけてくるとか行動力あるな~。まっ、それだけ蓮夜が好きって事なんだろうけどねっ。」
「何だ?何か嬉しそうだな?」
「そりゃそうだよ、蓮夜を愛してくれる人が一杯居るんだもん、少なくても司の気持ちは分かってるでしょ?」
「愛してくれる人って・・・・。うんまぁ流石に司の事はな、昔から言ってくれてるし確かに可愛くてスタイルも性格も良いし女の子としての魅力も一杯なのは分かってるけど・・・やっぱり妹なんだよな~・・・・。」
「もう!司が可哀そうじゃん!ちゃんと見てあげないと駄目でしょ!」
分かってるってっと後頭部を搔きながら困ったなって顔で彩音と話して居た。
「じゃー・・・雫は?去年から一緒だし私よりもおっぱい大きいしエッチな身体してるよー?蓮夜おっぱい好きだもんねー。」
「おっぱいが好きって・・・。別におっぱいだけで女の子を選ぶ訳じゃないっての!」
「それは分かってるけどもっ。でも好きでしょー?」
ニヤニヤしながら聞いてくる彩音に「あのなぁ~・・・」っと困ってる居ると「クスクス」と笑いながら俺の頬をつんつんしてくる。
「それじゃそれじゃ、美織は?あの子は雫以上に自然体で付き合えそうじゃない?」
「いやまーそうなんだが、別に美織は俺に対して恋愛感情とか持って無いだろ~。」
「この唐変木めぇー!絶対美織も蓮夜の事好きだし!」
「ないない、でもまー確かに話とかノリとか合うし一緒に居たり話したりしてて楽ではあるな~。」
「成る程成る程。考えてみたらあれだね!美織の場合親友と恋人の同時進行みたいな感じになりそうだねー。」
彩音に言われた事を考えて(確かに恋人ってより親友って感じの付き合い方が多くなりそうだけど実際にそうなったら分からないって言うか想像できないな・・・。)っと考えていた。
「ねぇ、蓮夜。」
「うん?どうしたんだ、そんな改まった感じでさ。」
「今・・・楽しい?寂しくない?」
彩音の意図が俺には分からなくて何でそんな事を聞いてくるのか分からなくて困り顔をしていたら「そんなに難しく考えないで感じてるまま答えて?」っと優しい顔で聞いて来た。
「そう・・だな・・・。楽しいのは楽しいよ。雫と信也位しか親友って呼べる友達がいなかった去年と比べたら、追いかけて来てくれた司も増えて、美織に有希那まで増えた。だから楽しいし、幸せだと思う。」
「うんうん。「でも・・・」・・・・・うん?」
「やっぱり寂しいな。毎日騒がしくも楽しいってのは間違いないけど、そこに彩音が居ない。だから寂しいよ。」
「うん・・・・。ごめんね・・・・。」
「彩音が謝る事じゃ無いだろ・・・・。」
そう言って俺は彩音を抱き締めて頭を撫でながら「俺は彩音が好きだ、愛してる。」
自分の気持ちを伝えながら俺の胸の中で泣いている彩音をあやし続けた。
「私も・・・。私も蓮夜が好き。ずっとずっと好き。愛してます、愛し続けます。」
そう言って俺から、す・・・っと離れてベンチから立ち上がって少し離れた。
「ねぇ、蓮夜が私を好きなのも愛してくれているのも分かってるし変わらないのも分かってる、私も同じ気持ちだもん。でもね・・・良いんだよ?他の人を好きになって。それは悪い事じゃ無いんだから。私と同じくらい好きになれる人作って良いんだよ。」
「そんな人出来るわけ無い。彩音と同じくらい好きになれる人何て居るわけない。」
俺の言葉の後に彩音が背中に背負ってる夕日が一際輝いて彩音の姿が神秘的に映った。
「全くっ。頑固なんだから!・・・そろそろ時間みたいだね・・・・。」
「そっか・・・・。それなら仕方ないか・・・。」
「うん、蓮夜!ずっと側で見てるからね!一緒に居るからそれは忘れないでね!大好きーーーーーーー!」
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「あぁ、俺も大好きだよ・・・・。」
その言葉と共に俺は目を覚ますとすっかりと朝になって居て一瞬「遅刻!?」っと焦ったがよくよく考えたら今日は土曜日だったと思いなおして眠気もすっかりとなくなってしまったので、ランニングにでも行こうとジャージに着替えて財布とスマホだけを持って早朝の外に飛び出した。
「あれ?そう言えば、有希那の事は聞いてこなかったな・・・。時間切れだからか?」
俺は頭を捻りながらも朝の空気の中自分の中のわからない気持ちを振り払うように走り続けた。
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