第26話 2日目(昼から放課後)
「よしよし。計画通りだな・・・。」
昼休みが終わって教室に戻る前に一人トイレに寄って居た。
終わらせて手を洗ってる時に一人の男子が入って来て俺に近寄ってきた。
「あん?何か用か?昼休み終わるし俺に用があるなら早くしろよ。」
念の為警戒しながら話しかけると急に頭を下げて謝ってきた。
「あっ・・あの・・・。ぼっ・・・僕、氏神
「ふーん・・・。お前のそれが演技か本気か知らんが謝れば済む段階は通り過ぎてるってのは理解しているかね?仮に理解しているとして何処まで理解している?」
「はい・・・・。流石に理解しました、学生だから、未成年だからで許される事じゃ無く実行犯は別でも同調した僕達も同じ犯罪者だって分かってます。」
「ほぉ・・・。利口な奴も居たのか。お前たちは幇助罪が適用される立派な犯罪行為だ。主犯はこのまま知らん振りをするつもりだろうからな。被害届けを止めてる状態なのを止めれば直ぐに警察が学校に来る、そうなれば主犯は勿論お前達も終わりだと分かっているかね?困るのはお前達だけじゃ無いぞ?親は仕事を失い、兄弟も犯罪者の家族と言うだけで後ろ指刺され、進学も就職も出来なくなる、場合に寄っては親族すらも社会から弾かれるのを理解しているかね?」
俺の言葉に顔色を真っ青してまだまだ自分の認識が甘いと言う事を理解したのか遂には震えだした。
「はぃ・・・。本当に本当に・・・すいませんでした。その上で、敢えて言います、助けていただけませんか?」
「それはお前を処理対象から外せるだけの情報だと解釈していいのかね?」
「分かりません、でも渡せる情報は渡しますので判断してほしいです。」
さて、どうするかな~。かなり威圧しながら話してはいるのだが確りと俺を見ながら話してるし目も曇ってない。
現実的にかなりの決心をして来てるのは間違いなさそうだが・・・。
「分かった。俺の予想ではお前だけじゃ無いんだろう?何とかしようとして居るのは?そいつらを連れて放課後に駅から裏に入ったところにあるステイルって言う喫茶店にお前と他の奴等を連れて来い。時間は18時って所だな。良いかね?」
「はっ・・・・はいっ!ありがとうございます!」
「礼はまだ早い、お前達の持ってくる情報で判断する。罪に問うか問わないかはそれからだ。」
そう言って一人でトイレから出て教室に向かいながら放課後一度集まるぞって事と情報提供者が接触して来たら18時に駅裏のステイルって喫茶店に来るように指示を出す事を全員に送った。
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SIDE 司
先輩たちとお昼を過ごして教室に戻って机に座って直ぐに何かが入ってる事に気付いた。
「ん?これって・・・。」
ぐるっと教室を見回すと顔色を悪くしていた男子がこっちを見て居て目が合うと軽く頷いて来た。
「そゆ事ね・・・。今見たら可哀そうだし授業始まったら見ようかな。」
キーンコーンカーンコーン(ぶぶぶっ。ぶぶっ。)
とか考えてる内に鐘がなるのと同時にスマホが震えて通知が来たのを確認すると蓮先輩からだったのを確認して、授業が始まったのを気に手紙を引っ張り出して他の人に見えない様に開いた。
「成る程、手紙は予想通りだね。蓮先輩の方にも接触があってステイルに呼び出したっと・・・。」
更に放課後に一度集まろうと言う事も書いてあった。
「先輩の方にも接触があったって事かな。他の人には特にって感じかな?まぁ、どっちでも良いんだけどね正直。」
こればかりは先輩達には悪いけどどっちでも良いのが本音だ。情報を持ってこようと持ってこなかろうと解決が多少遅くなるか早くなるか程度の差でしか無いのだ。
それに、例えばの話になるが先輩に追い詰められて全員が首を吊ってくれた方がこっちとしては平和になる。と言ってもそうなった場合蓮先輩も終わってしまうからそれだけは仮に蓮先輩に嫌われたとしても止めるとは決めている。
それにしても・・・本当に事の重大さが理解出来ているのかこいつら?っと頭痛がしてきたのを我慢しながら、授業を受けた。
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「・・・・って訳だ。何匹来るかは分らんが一応場所と時間の指定はしておいた。」
「私の方にもクラスの男子から来てたので先輩のメールの通り指定して起きました。それで私達は・・いえ私達も同席する方向で良いんですか?」
接触のあった俺と司の話に皆が神妙な顔と期待に満ちた顔で見詰めて来ていた。
「んー・・・。それなんだがな、最初は俺一人のつもりだったんだが、司にも接触があったなら俺と司の二人で対応しようと思う。司は良いか?」
「勿論です。先輩から頼られるなんて中々無いですし私に出来る事ならします。」
「れ・・・蓮夜君!私も一緒に行きたい!」
間髪入れずに有希那が俺の詰め寄ってきた、他の皆も言葉にはしないが、自分も行かせろと目で訴えて来ていた。
「だめだ。有希那の気持ちは分かるがそれじゃあいつらには唯のご褒美にしかならない。だから駄目だ。」
「でもっ!私が原因なんだから!私も!」
「雫、信、美織、姫川・・・皆は周りに居てくれ。少しだけ距離を取ってな。「蓮夜君!!!!」分かってるから、有希那も同じように周りに居てくれていい、だが口は出すな。有希那の出番はちゃんと考えてあるから。」
俺の言葉に皆して頷いてくれて有希那も渋々といった感じで頷いて同意してくれた。
「そんじゃ。まだ時間はあるし一旦解散だ、着替えても良し、ぶらぶらして現場に向かうも良しだ、あっちで会おうか。」
俺の言葉に全員がそれぞれで動き出したが、全員が今からの行動に気合がはいってるのだけは感じ取れた。
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俺と司は打合せしながら指定した喫茶店に向かって歩いていた。
「つまり、基本は先輩が話すと言う事ですね?私は状況によっての援護だけで良いと。」
「あぁ、皆が居る時にも言ったけど最初から俺が一人で相手するつもりだったからな。」
「分かりました、先輩にお任せしますね。それにしても・・・折角先輩と喫茶店行くのに目的がぁぁ~。今度デートで連れてってくださいね!!!」
「はいはい。今回のお礼で色々片付いたらな。」
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喫茶店について店員に聞いたところ同じ学校のやつが既に3人来ていると言う話を聞いてその席に案内してもらった。
「あ・・・・っ。」
俺と司に気付いたやつが一人立ち上がったのと同時に他の二人も起ち上って頭を下げて来た。
「そっちの方が早かったか。待たせてすまんな。」
「先に来てるのが当たり前だと思いますよ、先輩。助けが欲しいのはこの人達なんですし。」
司の辛辣な言葉に来てたやつらは揃って苦笑いをしていて俺と司が座ったのを見て席に着いた。
「お前らだけか?もっと居るかと思っていたんだがな。」
「はい、僕達を抜いて後11人居ます。でも流石に全員で来る訳にも行かないので代表で僕達が来ました。大勢過ぎるとお店にも迷惑になりますし・・・。」
「はっ、その程度の判断力と知性はあったか。それで?お前達は俺に何を提示出来る。」
「その前に提示したら助けてくれるんですよね?」「僕達は大丈夫ですよね?!」
あふぉみたいに騒ぎ出したこいつらに頭痛しながら鎮める為に一気に殺気を出した俺にびびって震えながら黙り込んだ。
「勘違いするなよ、提示された情報次第でお前等を裁くかどうかを決めるってだけだ、最初に言っておくぞ?俺は最初からお前達を一匹残らず叩き潰して退学に追い込んで世間に騒がせて家族ごと街にすら居れなくするまで追い詰める予定だった。つまり今回のはあくまでも仲間内の声に答えただけだ。つまりお前達に出来る事は救済しても良いと俺が判断出来るだけの情報を必死に渡す事、だた一つだ。理解したか?」
「「「はい・・・・。」」」
「勘違いする位必死になるなら最初からしなきゃ良いのに、高校生にもなって頭の中幼稚園児以下ですねー。」
「うぅぅ・・・。」司の辛辣な言葉に3人共泣きそうになりながらうつむいてしまった。
「さて・・・理解したところで早速提示してもらおうか。お前達の覚悟ってやつをな。」
重苦しい空気をまき散らしながら交渉がはじまった。
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