第24話 1日目(放課後から夜)

「これ以上騒ぎを大きくするな、正義は我等にある。これ以上騒ぎにすれば貴様も貴様の周りの命も保証しない。姫を貴様等から救うのは我等である。・・・だとさ?」


あの後、信に口止めして有希那を皆で送り届けてから全員に入っていた手紙を見せつけた。


「頭痛いですね・・・。自分達の置かれた状況を理解してないみたいですねこれ。」


「ここまで頭悪いんだ。逆に関心するねこれ。」


「もう明日から司のクラスの顔色変えたやつから拷問して情報聞きだして主犯を潰しちゃう?」


「拷問したらこっちが悪くなるからダメだって。」


司、美織、雫、信の順番で俺に送られた手紙を見て辛辣なコメントを残した。


「まぁ、あと二日は待つさ。と言ってもこの間に何かをして来たら死んでもら・・・んんっ!後悔してもらうけどな。ところで司に一つ頼みがある。」


「何ですか?出来る事ならしますよ。」


「なに、簡単な事さ。クラスの顔色変えたやつに聞こえるように情報集めてるって事と提供者がグループの一人だとしても協力すれば悪くはしないってのをクラス内で言って欲しい。」


「分かりました、その程度で良いなら幾らでもやりますよ。その結果、その人が私にコンタクトを取ってきたら蓮先輩に繋げばいいですよね?」


「あぁ、頼む。」そう言って皆で他愛の無い話をしながら帰り道を歩いて帰った。


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SIDE 有希那


「うぅぅぅぅぅ/////」


夕飯も済んでお風呂も済んで後は寝るまでの時間をベッドの上で体育座りしながらまくらを抱き締めて今日の事を思い出して見悶えていた。


「何で、あんなことしちゃったんだろう・・・・。」


朝から教室で大泣きしちゃうわ、様子を見に来てくれた蓮夜君に抱きついて撫でられて寝ちゃうわ、おぶられて保健室まで連れて行かれるわ、無意識とは言え袖掴んで捕まえるとかっ。


「思い出すだけで顔が自分でも分かる位に真っ赤になるぅ・・・・。皆にも言った通り不安が爆発しちゃったのは勿論だけど、だからってあれは・・・////」


自分がしてしまった事に後悔は無いけど何で?っていう気持ちと羞恥で一杯になった。


「確かに、蓮夜君の事は好きだけど・・・。恋人って訳じゃないのに身体が勝手に動いたんだよね・・・。」


好き、大好き。優しいところも、格好いいところも、自然と気遣ってくれるところも全部・・・好き。

枕に顔を埋めながら蓮夜君への気持ちを呟きながら身体を横にして布団を被ってそのまま寝てしまった。(ふふ。蓮夜の事、信じてあげてね?貴女ならきっと・・・。)夢の中で、とてもとても綺麗な天使の羽根が生えた女の子にそんな事を言われた気がした。


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SIDE 司


夕飯もお風呂も終わって一人部屋で過ごしながら明日からの動きを考えているけど、実際私に出来る事はそこまで多くない。

彩音先輩の時も同じような事あって、その時も蓮先輩が徹底的に叩き潰したから今回も心配はしていないって言うのもある。


「何にしても帰りに先輩に頼まれた事からだよね。一応明日の教室でも言うけど今夜のうちにクラスグループに流しておこうかな。」


(帰りに蓮先輩に言われた事を一応皆さんに伝えておきます。今回の件のグループに所属してる人が居たとしてその場合情報の提供等をした場合は、制裁の対象からは外すそうです。こんな事で残りの人生を潰したくないのなら残りの二日の間に確りと伝えるようにしてください。だそうですー。)っとこれで良いかな。後は明日の朝に教室で確りと話題にしてアピールすれば私のやる事は終わりかな~?


「それにしても・・・彩音先輩の時も思ったけど、本当に、蓮先輩を本気で怒らせると怖すぎ・・・・。」


とか言いながら、そんな先輩も格好良くて良いな~、ワイルドな先輩も大好きだな~っと思う私も大概だと思った。


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「ふむふむ。クラスメッセージにさっきの事を流したっと・・・・。動きが早いな~、流石は司だ。」


司から送られてきたメッセージを確認しながら風呂上がりのまま、部屋で寛いでいた。


「それにしても、歴史は繰り返すと言うべきか、高校生にもなって分別付かないのが居るなんて流石に信じられないわ。」


そだ、美織や有希那に一応送っておくか・・・。「朝は手伝ってくれてありがとな、美織。暫くは有希那の事をいつも以上に見ててくれな。」っと送信してその後有希那に「今日の事は気にしなくて良いからな~。むしろ俺からすれば役得だったしな。」っと送っておいた。


「取り合えず、帰りに入ってたこの手紙も保存しておくのと、明日からの動き次第かな。司のクラスのやつの感じだと揺さぶれば黒幕は引っ張り出せそうだ。」


どうしてやろうかなーっと黒い笑みを浮かべて徹底的に後悔させるのを確りと決意した。


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