第21話 話し合い
学校内の教室、朝の時間にて。
キーンコーンカーンコーン
「おーし、全員席に着けー。出席と朝礼はじめるぞ。」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
「全員、居るな。今日は皆に話がある。昨日の話なんだが、2年の神代の元に一通の手紙が届いた。その内容が余りにも酷くて看破出来ないと言う事で全教室で今日の朝から話す事になった。その内容なんだが、(これ以上我らが姫に近づくな。命を持って償う事になる、後悔するぞ。)という内容だ。」
ざわざわざわ、「何それ酷い。」「脅迫じゃん。神代君可哀そう・・・・。」「って言うか姫ってあれでしょ?タイミング的に陵さんの事でしょ多分。」「物凄い気持ち悪い・・・・。吐きそう。」「ただの嫉妬じゃん、ねぇわ。」
「騒ぐ気持ちは分かるが静かにしろ、神代が言うには三日だけ待つそうだ。その間に直接話にくれば大事にはしないと言う事らしい。」
「先生ー!三日、過ぎたらどうなるんですか?」
「神代の話では昨日の時点で叔母の伝手で既に弁護士に依頼済みだそうだ、三日過ぎても誰も来ない場合そのまま弁護士を連れて警察に被害届けを出して事件化するそうだ。」
「マジか・・・・。」「そこまでするか?」「それくらい本気って事でしょ。」「普通に犯罪だから当然でしょ。」「脅迫もだけど内容が殺人予告だもん、当然じゃね?」
「静かに!!!兎に角!大事にならない様にこれをやったものは直ぐに神代の場所に行くように。仮に事件化されでもしたら本人だけじゃなくこの学校の生徒ってだけで就職も進学も不利になる可能性が高いからな!!疑問に思うだろうが犯罪者の居る学校ってだけで不利になるのはお前たちだけじゃなく在校生全員だからな!お前たちの中に居ない事を信じているぞ。以上だ!」
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SIDE ????
くそ!くそ!くそ!くそ!何なのだ?!僕は間違えてない!我等が姫に近づく虫が悪いのだ!!!!おのれ!おのれ!おのれぇぇぇぇ!!!!
「おい!くそオタク!!!!てめーじゃねーだろうな?!こんな事するのオタク野郎位だろ!!!」
「えぇぇ!?!?!違いますよ・・・・。僕じゃないです・・・・。」
「どうだかなー!!!!もしてめぇだったらただじゃおかねーぞ!キモオタぁ!」
そういってクラスの陽キャは僕から離れて行ったがもしもバレたらどんな扱いを受けるか分からないという恐怖が身体を走り抜けた。
「ねぇねぇ!事件化したとしてどうやって犯人見つけるんだろうねー。」
「送られてきた手紙の筆跡とか指紋とかで特定するんじゃない?分かんないけど。」
「多分その辺だろうねー、でもその場合、私たちの指紋も取られるよねきっと、すっごい迷惑なんだけど。」
「何にしてもさっさと名乗り出てほしいよね、幼稚園児じゃ無いんだから善悪の区別位しろってのー。」
「ほんとだよね、幼過ぎて存在自体有り得ないんだけどマジで。」
クラスの人間たちの声を聴きながら「くそがぁ!どうせバレるわけない、僕が!僕達が!正しいのだ!!!」っと呟きながら過ごした。
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少し時間を戻して・・・・。
「それで、どうするのか教えて貰える?」
雫の言葉に俺は振り返りながら合流した司も込みでこれからの事をグループメッセージで話し始めた。周りから見れば全員がスマホを見てるだけで無言だから変な状況に見えてる事だろう。
蓮:「やる事はいくつかある。一つ目、教師を使って今回の事を大事にする事。二つ目、明日の昼までに新聞部に大々的に記事にして貰って知らない人間が居ない状態にする事。三つ目、俺がブチ切れてるってのを扇動する事。大きく分けるとこの3つになる。」
葵央:「記事にするのは良いけど明日の昼までだと時間的に厳しいかな正直。」
司:「扇動は明日の朝礼の後からで良いですね?先輩。間島先輩と雫先輩はクラス以外の友人達をお願いします、そうすれば後は連鎖的に広まるでしょう。クラス内は蓮先輩が殺気を出すだけで伝わるでしょうから放置して問題ないです。美織先輩は自分のクラス内の扇動を。有希那先輩は悲しそうにしていてください、それだけで勝手に周りが勘違いします。記事に関してですが、蓮先輩の頭の中に既に大雑把な内容は出来てるはずなので確認してください、それで十分間に合うはずです。」
司の発言に俺以外の全員がくっそ引いてる・・・・(笑)
有希那:「ねぇ・・・司ちゃん、何でそんなに手馴れてるの?って言うかこの一瞬でそこまで考え纏めたの?!」
美織:「ごめん、手馴れすぎてて引いたw」
信也:「妙にずっと黙ってると思ったら・・・wでもまー蓮も同じこと考えてそうだけども。」
蓮:「ん。流石だな~司は。後でナデナデしてやるw」
司:「ぁぅ///それは兎も角!合ってますか?この考えで。」
葵央:「天羽さんって神代君の前だとこんなに可愛いんだねっ!」
雫:「何時もこんな感じよ、司。蓮が居ると私達だけよりも可愛いけどw」
司:「がぁぁぁぁ!私の事は良いんです!それでどうなんですか?蓮先輩!」
蓮:「wwwwwwww大体合ってるから大丈夫だ。有希那にはこの後に俺と一緒に職員室にいって話を通すのに付き合ってもらう、場合に寄っては教頭も校長も巻き込むつもりで頼む。雫、小野坂、信は姫川の手伝いを頼む、姫川には記事するべき内容を考えたのを送っておくからそれを見ながら一気に進めてくれ。この手紙も職員室でコピーしてくるからそれを載せる感じで頼む。後は俺の方で叔母に連絡とって弁護士に話を通してもらう。司は悪いが小型の隠しカメラを購入して来てくれ、お金はこの後渡すから直ぐに頼む。」
司「了解です、出来るだけ小さいのを見つけてきますね。もし良ければタクシー代も貰っても良いですか?帰りも急いで帰って来たいですし、出来れば今日中の方が良いですよね?先輩。」
雫:「カメラって何処に仕掛けるのよ?って言うか何を撮る気なの。」
蓮:「勿論、俺の靴箱に仕掛けるのさ、多分って言うか確実に明日からの三日間の間に更に動きがある、それがこの手紙の犯人かもしれんし、別のやつかも知れない。別のやつなら別のやつでそいつをごうm・・んんっ!質問していろいろ情報を引っ張り出せるし、複数人居るなら一応打尽に出来る。ここまでで質問はあるか?」
全員:「特に無し!」
雫:「二人の為にも思いっきりやってやるわ!良いわね?
皆!」
美織:司:葵央:「勿論!」
蓮:有希那:「サンキュな。」「ありがとねっ!」
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SIDE 有希那
私と蓮夜君は職員室に揃って来ている。
何と言いますか、蓮夜君が凄い!の一言しか言えず私は偶に蓮夜君に振られる内容に返事をするだけになってしまっている。
タイミングが良かったのか悪かったのか、校長先生も教頭先生も生徒指導の先生も私達の担任も揃って残っていたので、必要な人材と話を進めるのはスムーズに始まったのは良いと思う。
まぁ・・・・警察、弁護士、裁判、犯罪の立証の為の証拠の提出等普通に生活していれば先ず聞かない単語が蓮夜君から思いっきり出ているのが不穏ではあるけども・・・・。
「って事で、こちらでの保護者代わりの叔母には既に話は通してあります、叔母の夫で俺の叔父に当たる方は警察関係者ですし、叔母の伝手で弁護士への話も通して貰う事になってます。なので、一度決まれば一気に話は進みますし、もう止まらない事になります、勿論、俺も止める気は一切ありません。予測と言うか確信ではあるんですが今回の件は有希那のファンの連中が犯人でしょう、ファンである事を責めるつもりはありませんがそれならば一般人である有希那の為にも余計な事はせずに静かに応援や、何かあった時の手助けにしておけば良いのを今回は明らかに俺自身への嫉妬でこのような行動を起こしてるのは間違いありません、なのでこのような犯罪者or犯罪者集団を一層する為にも会えて物事を大きくして騒ぎにし、善悪を教えるのが目的になります。ここまでで、質問はありますか?」
「うぅむ・・・。問題を大きくと言うが大きくなったら学校の名前も出るし私たちの名前もでてしまう。何とか穏便に済ませることは出来ないか?」
「もうすぐ定年になりますし、出来れば静かに過ごしたいのだが。こちらで生徒から話を集めて犯人を見つける事で内々で処理と言うのは駄目かね?」
何だこいつらっと下品にも良いそうになった私は悪くないと思う。
自分たちの保身しか考えておらずこんな奴らがトップの学校だからこんな犯罪者が通ってるんだと思ってしまった私は悪くないよね?
「校長も教頭も何を言ってるんですか!!!???完全に殺人予告の犯罪ですよこれ!それなのに自分たちの為に問題を大きくするな!!!ですか?!」
「いやいや、そうは言ってないのだ、唯単に定年まで静かに終わりたいってだけの話でね?」
「なるほど、分かりました。」「蓮夜君?!」「神代?!」
何故か校長先生と教頭先生の言う事に理解をしめした蓮夜君に私も生徒指導の先生も他の先生方も(マジか?!)って顔で見つめた。
「あぁ、そうそう。実はですねこんな物がありましてね?」
そう言って蓮夜君は制服の内側から一つの機械を取り出した。
「それって・・・・・もしかしてボイスレコーダー?」
「有希那正解だ。今までの会話はすべて保存してあります、学校のトップ二人の考えが確りと保存されています、お二人は俺と有希那に始まり他の沢山の生徒よりも自分たちの進退とこの学校に潜む犯罪者の味方だと言う証言が保存してあります。なのでこれをもって依頼することになる弁護士から教育委員会に報告して、今回の犯罪者も確りと告訴する事にします。あぁ、勿論各種SNSとマスコミにも話は持っていきますので大騒ぎになるでしょうけど、その結果どうなってもそれはこちらの関与する事ではないですしね。俺の目的は有希那と仲の良い他の仲間達の安全と有希那自身の安全の確保を最優先にしていますので、学校がなんの役にも立たない事が分かった以上お話しは以上になります、お時間取らせてすいませんでした。本日はありがとうございました。・・・・・有希那行こうか。」
「え?あっ!うんっ!それじゃ、先生方ありがとうございました。失礼します。」
蓮夜君の手際に見惚れて居たら出ようと言う声に驚いて反応してしまいながらも直ぐに顔を真っ青にした校長と教頭と他の先生方を置いて私達は外に出ようとして居た。
「「ちょっとまってくれ!!!!全部言う通りに協力するから思いとどまってくれ!頼む!!!!!!」」
「最初からそう言えば良いんですよ。言質は取りましたからね?勿論録音もしてますし。確りと動けばちゃんと定年を迎えて老後に入れますよ。」
「分かった、何をどうすれば良いのか教えてくれんか。」
「それでは、説明させてもらいますね何をして欲しいのかを・・・・。」
そう言って蓮夜君はソファーに座りなおして足を組んで指を絡めながらまるでドラマで見る仕事の打ち合わせをする人のような恰好で話し始めたのを私は隣に座って学校のトップを相手に堂々と話す姿に目を奪われながら胸のドキドキを抑えるのに精一杯なるのだった。
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