第18話 発売
あれから3週間、俺と有希那のデートから3週間がたった、つまりあの雑誌の発売日である。
デートの次の日から色々な事があったと思う、俺が陵を有希那と名前で呼ぶようになってる事で雫や、司、小野坂から(なんで?!)(ちょっと?!先輩!!!どういう事ですか?!?!)(ゆーきーなー!吐きなさい!!!!)等など・・・・。
校内でも俺と有希那の距離が近い事(有希那からくっついてくる)、俺が(有希那)と名前で呼んでいることで沢山の憶測を呼んだり騒がせたりがあった。
勿論、手を繋いでデートしてた事もクラスのやつらに問い詰められるし、有希那にフラれた先輩も絡んできて教室で(先輩が)大恥かいたり何かと色々忙しく過ぎていった。(有希那がめっちゃ謝ってきたから取り合えず気にしてないからっと撫でておいた。)
休みの日は休みの日で麗華さんと打ち合わせがあったりで司から(GWは地元に帰るんですか?)って聞かれたのを(やる事立て込んでるから無理だな。)っと答える事になった位だ。
「結局、彩音に会いに行く時間も取れなかった位だしな・・・・。せめて夏休みには一回は帰るかな、親父達はどうせ帰ってこないだろうけど、皆で一緒にってのでも良いかもしれないし、今度話してみるか。」
そんな事を考えながら有希那の家の前で有希那が出てくるのをぼけーっと待っていた。
念の為、護衛の意味も込めて暫くは一緒に登下校するつもりである。(本人には言ってない。)
「余計な気を使わせたくないし最初くらいはな・・・。」「今日は早めに帰る。では行ってくるよ。」「おっと・・・。有希那のお父さんか・・・。」
「ん?君は誰だね?朝から家に何の用だ。」
流石に自分の娘と同じ学校の制服を着てるのを見て自分の家に用があると判断したのか、険しい顔で問い詰めて来た。
「おはようございます。失礼は承知で朝早くから訪問させていただきました。有希那さんに少し聞いてるかも知れませんが、友人の神代蓮夜と申します。本日より暫くの間、登下校をご一緒させていただきたいと思いまして挨拶に来させていただきました。」
「神代蓮夜・・・。あぁ!有希那を助けてくれたってのは君か、その節は娘を助けて貰ってありがとう。君は我が家の恩人だ、こちらからお礼に行かずに申し訳ない。有希那に止められてね。」
「いえ、お気になさらず。ただのお節介でしたし、何より自分の叔母のせいでこれから暫くご迷惑をおかけする事になりますので、こちらこそ申し訳なく思っております。」
「ん?なんの話かな?神代君の叔母と有希那が何かあったのかい?」
「あぁ、まだお耳には入って居ないのですね、3週間前に自分と有希那さんで出掛けた時にですね、撮影でモールに来ていた叔母が有希那さんをスカウトいたしまして、雑誌のモデルを自分と一緒にしたのですよ。その雑誌の発売日が本日ですので、有希那さんの美貌が鑑みると暫くは煩くなるのではっと思いまして、護衛の意味も込めて朝から尋ねさせて戴いたんです。」
「そう言う事か・・・。モデルの話なんて聞いてなかったよ。取り合えず話は分かった、私は仕事に向かうが、そうだな・・・このまま外に居るよりは家の中で待っていなさい。下手をすると通報されかねないからね。」
そう言うと有希那のお父さんは家に戻り、玄関を開けて中に声をかけた。
「母さん!この前の話の神代君が有希那の護衛で来ている、登校時間まで中でまたせてあげなさい。」
「あらあら?護衛ってどういう事かしら?有希那は何も言ってなかったわよ?」
「何でも神代君と出掛けた時に彼の叔母に頼まれてモデルをしたそうでね。その写真が載るのが今日発売の雑誌らしい、それで念の為と言う事らしいよ。」
「はい、朝早くからご迷惑とは思いましたが何か在ってからではと思いまして。」
「と言う事らしいから家の中で待たせてあげなさい。改めて行ってくるよ。」
そういって有希那の父親は仕事に向かった、その前に(宜しければ休憩時間にでもみてください。会社の女性陣にも人気はある雑誌だと思いますので。)っと言いながら先に叔母に渡された雑誌を渡しておいた。
「そんな目で見なくてももう一冊あるので大丈夫です・・・・・(笑)家事がひと段落したら見てくださいね(笑)有希那がものっそい綺麗ですよ。」
「そうね!楽しみにさせてもらうわね!神代君の写真もね!一先ず中にどうぞー。お茶でも淹れるから待っててね。」
(あの子今シャワー浴びてるのよねー。)っと反応に困る事言いながら有希那のお母さんに促されて居間に通された。
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SIDE パパ(笑)
「昼休憩にでも見てくださいか・・・・。」
神代君に言われた通り会社のお昼休みに渡された雑誌を広げて娘と神代君が載ってるページを見て居た。
「あれ?部長、珍しいもの見てますね~。若者向けの雑誌じゃないですかそれ。どうしたんですか?」
神代君と有希那のページを見て居たら部署の女性陣が寄ってきて囲まれて覗かれた。
「あぁうん、今朝ね、この写真の子に雑誌を渡されてね。娘も載ってるから受け取ってくださいっと渡されたのさ。」
「え?!部長ってこのモデルのイケメンと知り合いなんですか?!って一緒に載って
る子って娘さんですよね?!モデルデビューしたんですか?!」
部署の子が興奮して詰め寄りながら聞いて来たんだが・・・・・。
「少し落ち着きなさい・・・・。こっちの男の子は神代蓮夜君って言うのだが娘の同級生でね、娘と出掛けた時に神代君の叔母に協力要請されて今回だけ載ることになったんだ。何でも神代君の叔母が責任者みたいなんだよこの雑誌のね。」
「ええええええええええ?!?!何ですかその繋がり?!?!凄すぎますよ・・・・・。」
「まーうん、そうだね。何でも神代君のご両親は仕事で海外を飛び回ってるらしいし、叔母は雑誌の編集、その夫は警察官だったかな?」
「絶対に逃がしちゃダメな子じゃないですか。その子・・・・。娘さん羨ましいですよ。ご家族がそんな凄い人達でしかも彼も凄いイケメンですもの。」
「そうは思うんだがね。こう父親としては娘を取られたみたいで何となく・・・ね?」
「あー・・・。私の父も同じような事言ってました。ちゃんと娘離れしないと駄目ですよー部長っ。」
皆で雑誌を見ながらそんな事を話して過ごした。
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有希那のお母さんにお茶を貰ってぼけーっと有希那が来るのを待っていた。
「お母さんー、私の下着知らないー?何処にやった・・・・・のぉぉぉ?!?!?!」
「あ、ごめんねー間違えて洗濯機にいれちゃったかも?早く部屋に戻って着替えてきなさい。」
「何で蓮夜君がいるのぉぉ?!?!「おはよう、有希那。」って!!!何でそんなに冷静なの?!少しは動揺してよ!!!!!」
敢えて普通にしてるんだっての、突っ込むなってばよ。
「あぁうん。バスタオルの上からでも分かる位スタイル抜群だし湯上りで火照った身体はとてもセクシーだと思うよ。」
「そーじゃないぃぃ!!!嬉しいけど!嬉しいけど!!もう!!!動揺してくれなさ過ぎて自信無くすぅぅぅぅ。」
「十分動揺してるから風邪ひく前に着替えてきなって。遅刻するよ。」
顔を真っ赤にして有希菜はバスタオルを身体に巻いたまま部屋まで走っていった。
「全くあの子は・・・・。もっと落ち着きを持ってくれたら良いんだけどね・・・。」
「いやまー、今日は俺が居ますしあの状況じゃ仕方ないかと。」
「んーこう言うのも何なんだけど神代君、冷静過ぎない?そんなにあの子魅力ない?」
「いえ、有希那は凄い魅力的ですよ?敢えて顔と態度に出してないだけで動揺してますからね。」
「それなら良いんだけど。あの子の事宜しくね?神代君。」
「あはは・・・・、今は何とも・・・・。」
有希菜を待ってる間にお母さんに絡まれながら朝の時間を過ごした。
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「いってきまーす。」「朝からお邪魔しました。」
俺と有希那の二人は連れ立って通学路を歩き始めた、まぁ有希那はこっちをチラチラと見ながら顔を赤くしてるけど・・・・。
「顔赤くなってるけど大丈夫か?熱があるとかじゃないか?」
「ち・が・い・ま・すっ!!!あんな姿見られたら赤くもなりますー!って言うか蓮夜君は何でそんなに平気な顔してられるの?!そんなに私に興味ない?!って言うかそもそも朝から迎えに来てるってどうして?!」
「うん、取り合えず落ち着け。別に平気って訳じゃないよ、忘れるようにしてるだけだ、じゃないと有希那も何時までも恥ずかしいと思って平気な顔してるだけだよ。有希那に興味が無いって事も無いしあの時もいった通り凄い魅力的だったから安心してくれ。んで朝から迎えに来たのは勿論理由があって今日が雑誌の発売日だろ?だから念の為の護衛のつもりで来たのさ。暫くは煩いだろうから続けるつもり。」
「むぅ・・・。迎えは嬉しいけど。」
「取り合えずあんまりゆっくり歩いてると遅刻するしいこうぜ、有希那。」
「うんっ!それじゃー暫くはお願いしますっ!」(ずっとでも良いけど・・・。)
俺と有希那は朝の通学路をゆっくりに成りすぎない様モデルをやった時の事やこれからの事を話しながら歩いて登校した。
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