第17話 宣言

「何してるの二人とも?」


蓮夜君と別れて玄関を開けたら直ぐに妹と母が居た。


「何って勿論、ゆきちゃんの彼氏がどんな子かの確認に決まってるでしょ?!何なのあのイケメン!アイドルクラスじゃない!ゆきちゃんがあんな男の子捕まえるとかびっくりなんだけど?!」


「ほんとだよねー、あれだけ男の子に興味ないって感じだったのに行き成りお兄さんみたいなイケメン捕まえるんだもん、見直したよ!お姉ちゃん!」


「頭痛い・・・・・。別に蓮夜君とはまだ付き合ってる訳じゃ無いってばー。」


「蓮夜君ですってよ!ゆずちゃん!」


「私も聞いてびっくりしたんですのよママ!あのお姉ちゃんが男子を名前で呼んでるんですもの~!」


「はぁ・・・もう話聞いてないし。着替えてくるから部屋戻るからね。夕飯になったら呼んでね。」


相手をするのも疲れると判断した私は二人を無視して自室に戻った。

二人の文句を背中に聞きながら・・・・、柚香とママに見られたのは間違えだったと思いながら。


「「ちょっとー!もっと彼(お兄さん)の事聞かせてよー!!!」」


「さて・・・先ずは司ちゃんに宣言かな?こんばんわーっと・・・。」


私はメッセージを開きながら司ちゃんに軽い報告と言われた事の報告を始めた。


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「有希那先輩こんばんわ、それとおかえりなさい。早速ですけどどうでした?」


「うん、再確認したけど、やっぱり私は蓮夜君が好きだよ。一人の男の子として彼が好き。もう間違いないよ。」


「そうですか、それで?」


「それでって・・・。勿論お付き合い出来るならしたいし、蓮夜君の彼女になりたい、私が隣に立ちたい。他の人には譲りたくない。私はまだ何も知らないのは確かだし、彩さん?の事も教えられてない、それでも私は彼が好き。話して貰えるのを信じてるし、話してくれなかったとしても私は蓮夜君を支えたい。これが私の気持ちだよ。」


「そうですか。はい、有希那先輩の気持ちは分かりました。ですので改めて言わせて貰います。蓮夜先輩の隣に立つのは私です、有希那先輩には渡しません!!!」


「私も同じだよ!司ちゃんに渡したりしない!蓮夜君を思う気持ちは誰にも負けない!」


「はいっ!良かったです、有希那先輩がライバルになってくれて!正直嬉しいですよ?」


「ふーーーんだっ!その余裕は後悔させてあげるんだからね!今日なんて蓮夜君ってば私に服を一式プレゼントしてくれたもんね!」


「は?何ですかそれ?蓮先輩に何させてるんですか?バカなんですか?有希那先輩あふぉなんですか?一人暮らしの先輩に大金使わせるとか何考えてるんですか?」


「口悪ぃぃ!!別に買わせた訳じゃ無いし!選んでもらったら蓮夜君が似合うのを揃えてくれてそれで買ってくれたんだよ?!私だって断ったけど店員さん呼んでそのままお会計しちゃったんだから!!!!」


「そっ・・・そんな、蓮先輩がそんな事をするなんて・・・・。」


「ふっふーんっ!どうだー!思い出すと顔のニヤニヤが止まらない~♪」


「ぐぬぬ・・・・。ってそれは兎も角折角だし皆に見せてくださいよー。写真撮って!先輩が選んだならバッチリ有希那先輩に似合ってるでしょうし!」


「あ、うん。でも何て言うか自慢したいけど蓮夜君との秘密にしたいって言うか~~♪」


「イラっ。良いからはよせいー!さっさと自慢しろやぼけぇー!」


「司ちゃん?!口悪くなってるよ?!?!「ゆきちゃんーご飯よー。」あ、ご飯呼ばれたから後でねー。」


「はい、取り合えず聞きたい事は聞けたので大丈夫ですー。いってらっしゃいませ~。(皆に報告ですねまずは。)」


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「有希那、おかえり。」


「うん、ただいま、パパ。いくら日曜日って言ってもこの時間に家に居るの珍しいね?」


「いやまぁ、そうだが・・・。これでも家族の為に頑張ってるんだぞ?

パパ。」


「分かってるよぉー。パパが頑張ってくれてるって言うのは分かってるから大丈夫。家庭を顧みないーなんて思うような歳じゃないし、別に嫌味で言った訳じゃないよ。」


「それなら良いんだが。それでな?今日は何か男の子と出掛けたらしいじゃないか、どんな奴なんだ?」


「ぷっ・・・・。もしかしてそれが気になって帰って来てたの?私だって高校生なんだからデートとかしてもおかしくないでしょ?」


「それはそうなんだがな・・・・。こうな?父親としては色々と心配な訳でな。」


「大丈夫だよ、蓮夜君は同い年とは思えない位確りしてるし、こういう言い方は、嫌な女に見えちゃうけど、コネクションも凄いから何の心配もいらないよ。」


「それにねー、蓮夜お兄さんってものすっごいカッコいいんだよー!パパ!びっくりするくらいイケメンだったーーー!」


「そうなのか、蓮夜君って言うんだな。コネクションが凄いって言うのはどういう事なんだ?」


「うん、神代 蓮夜君だよ。えーっと・・・。先ずは叔母の人が人気女性誌の編集だし、旦那さんが警察関係でしょ。それからご両親に関してはあまり詳しくは教えてくれなかったけど、海外を飛び回ってるみたいだよ。でも、蓮夜君に興味が無いとかじゃなくて一人暮らしをする条件が叔母の居るこの街ならって事で許してもらえたみたいで、仕送りとかも確りしてくれてるみたいだし定期的に連絡もあるんだって。今はヨーロッパの方だったかな?その前はアメリカって聞いたような・・・・。」


「そ・・・・そうか・・・。それはまた何と言うか予想外と言うか・・・。親戚に警察関係が居るなら確かに大丈夫か。」


「うん、それに今日、偶々出掛け先で叔母さんに会って話したんだけど先週の事覚えてる?私が帰りに危なかった事。あの時の人達とその仲間も皆、蓮夜君がたまり場見つけ出して蓮夜君→叔母さん→旦那さんに連絡してくれて薬やってる所を一網打尽にしたから私も無事に済んでたみたい。今日、こっそりと叔母さんが教えてくれたよ。」


「ほぇ~・・・・お兄さん凄すぎ・・・・。って言うか!恩人じゃん!お兄さんほんとすごいー!」


「有希那、近いうちに一度連れてきなさい、そこまでして貰って何もしないと言う訳にも行かないからな。」


「ん-・・・でも叔母さんの話では蓮夜君からは口止めされてるみたいだし、実際(蓮ちゃんには内緒にしろって言われてるんだけど)って前置きだったし、あれ?考えてみたら何で口止めしてたんだろ?私と菜月さんが会うって決まってた訳じゃないし寧ろ会わない可能性の方が高いよね・・・?アレの前に二人で話したりしてる時間は無かったはずだから今日ではないし・・・・。恩をきせたくないから?どっちにしても出会った時に助けられてるから恩は感じてるんだけどな~・・・。」


「戻って来なさい、有希那。それなら会う機会があればその時にって事にしておくよ。先ずはご飯を食べようじゃないか。」


「あ、うん。ごめんねママ。いただきますー。」


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「おいっす!そんで今日のデートはどうだった?蓮。」


帰って来て一息ついたところで信也からメッセージが飛んできた、タイミングが余りにもよすぎてびっくりした。


「どうって、特に何ってのは無いよ、普通にデートしただけだし。あぁでも、叔母に絡まれて撮影はしたな。」


「叔母さんって確か雑誌関係のだっけ?撮影って事は蓮夜と陵さんが乗るのか?」


「採用ならのるだろうな。まぁこれ以上は言えないから秘密で頼むわ。そんで態々連絡してきて何かあるのか?」


「ん-ー、まぁ直ぐに耳に入るだろうから教えるけど、今日のデート陵さんと手を繋ぎながらしてただろ?それを見たやつらが居て話題になってるんだよ。学園アイドル陵有希那に彼氏が?!相手は今話題の神代蓮夜か?!って感じでさ。」


「くっだらねぇぇぇ・・・・・。」


余りの下らなさに絶句すると共に素直な感想が口から洩れた。


「なんだそれ?別に誰が誰と付き合おうと関係無いだろ。学校にはバカしか居ないのか?」


「いやまぁ、気持ちは分かるけども。陵さんとか誰が告白してもお断りだったのに蓮とは普通に遊んだりしてるし手まで繋いでだしな、蓮も蓮で神薙以外の女の子と出掛けるとか無かっただろ?それが行き成り陵さんとラブラブデートして更に今は人気急上昇中だろ。そりゃ話題にもなるっての。」


「だからってよ・・・・。別に俺も有希那もアイドルじゃないんだからマジでうっざい。これで写真出たら実はやばいのでは・・・・?」


「雑誌に載ったらやばいかもな。でも今更止められないんじゃない?」


「まーな・・・。企画に穴も開くし何より叔母さんに迷惑がかかるから、諦めるかな。どうせ直ぐに落ち着くだろうって言うか多少強引でも切り捨てるわ。」


「蓮夜がやるなら直ぐに収まるとは思うけど少し覚悟は必要だろうな。それに陵さんも蓮夜とそういう関係だと分かれば告白されるのも減るだろうしね。事実は兎も角としてさ。」


「あぁそうだな、それもあるだろうし他の♂のヘイトが俺に向く分には一向に構わない。何かされても直ぐに証拠固めて人生ごと叩き潰せば良いしな。」


「蓮が言うとこえーわ。でもま、そうなったらなったでそいつの自業自得だな。」


「あぁ、そうだな。取り合えず雑誌の発売までは今まで通りで、発売されたら登校を少し考えるって感じでいい。今から心配しても仕方ないしよ。」


信也とデートの報告と今後の事を話しながら(それで?実際どこまでいったんだ?)っと男子の会話を繰り広げてその日は終わった。


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