第16話 デート終わりに
「二人ともありがとねー!いや~ほんと助かったよ。もうあいつら契約解除よ、いい加減我慢の限界だしね。」
どうやら元々の予定だったやつらは解雇されるようだ・・・・。まぁ、ガキでも社会に出てる以上は当然の結果だとは思うが。
「そいつらがどうなろうとどうでも良いけど俺らに火の粉降りかからない様にしてくれよ?俺は兎も角、陵に何かあったら冗談抜きでそいつら殺すよ?俺。」
「殺意出さないでって・・・。蓮ちゃんが殺意出すと家の旦那すらビビるんだからさ。」
「蓮夜君、落ち着いて・・・ね?何か在ったら直ぐに助け求めるからさっ。」
「陵が言うなら一先ずは収めるわ。取り合えず久しぶりにやったけどそれなりに楽しかったよ。」
「うんっ!私もまさかこんな経験するなんて思わなかったけど楽しかったです。」
「それならよかった!これを機にデビューしちゃわない~?有希那ちゃんなら直ぐに超人気モデルに成れると思うよ?」
「いえ、流石にそれは・・・。でも、将来の選択肢には入りました。菜月さんの立場の方ですけどね。」
「え?こっち側なの?それは、嬉しいけど勿体ないって思いもあって素直に喜べない・・・。」
「菜月さんを見て(あぁ、良いなぁ、かっこいいなぁ)って思ったんです。だからですよ。」
「ふふっ、うん、そっかぁ!ありがとね!有希那ちゃんがこっちに来たらその時はお姉さんがビシビシ鍛えてあげましょう!」
「はいっ!その時はよろしくお願いしますっ!」
ほほー・・・。社交辞令だと思ってたけど、陵はマジで進路の一つにいれてるっぽいな。
麗華さんの下でなら問題は無く成長できるだろうし本当にってなったら口くらいは利くか・・・?
「取り合えずそろそろ行かないか?陵。やる事は終わったんだしさ。」
「あ、うんっ。それじゃー菜月さん、ありがとうございましたっ。」
「あ、ちょっと待ってね、今日のギャラ受け取ってねっ。」
「え?でも、別に手伝っただけですし・・・。「貰っておけ、陵。」・・・蓮夜君?」
「確かに手伝いって感じだったけど実際にはスカウトなんだ、そして陵はモデルの仕事をした、仕事にはそれに見合った報酬が無いと麗華さんとしても立場が無いのさ。だからこいつは、今日の陵の頑張りの結果だから受け取るべき報酬なんだよ。」
「麗華さん、俺の分はこの前のでチャラって事で良い?余剰分は陵にって最初の話通りに。」
「え・・・?そんなのダメだよ!蓮夜君も頑張ったんだからちゃんと受け取らないと!」
「この間の依頼の分のもあるし叔母が陵に迷惑かけたようなものだからそのまま受け取っておいてくれたら、俺は嬉しい。」
「こうなると蓮ちゃんは聞かないからそのまま受け取っておきなさい、有希那ちゃん。このギャラは今回の有希那ちゃんの頑張りの結果なのだからね。」
「・・・はい。ありがとうございます。蓮夜君もありがとねっ。」
「あぁ・・いや・・。受け取ってくれればそれでいいさ。それよりもいい加減に移動しようか。」
「うんっ♪それじゃ今度こそ菜月さん、お疲れさまでした!いこーっ!蓮夜君っ♪」
「ちょっ!手!手!繋ぎ方がおかしい!」
「いいの!おかしくないの!遠慮するの辞めるの!!!!」
「いや、何の話?!これ恋人繋ぎだからな?!ちょ!!陵?!」
俺と陵はニヤニヤしながら「またねー!二人ともー!有希那ちゃんがんばっ!」って声と共に麗華さんに見送られながらモールの中に戻っていった。
------------------------------------------------------------
見られてる・・・・。陵みたいな美少女と恋人繋ぎして歩いてるからかさっきよりも視線を感じる、妬みやっかみその他が多い。
これ、学校のやつに見られたらヤバい事になるんじゃないのか・・・?
まぁ・・・陵が楽しそうにしてるし、取り合えず良いか・・・・。
その後、ソフトクリーム食べたり、ゲーセン行って色々ゲームしたり、プリクラ撮ったり、買い物したりと普通にデートを楽しんだ。
その後、遅くなる前にって事で陵を家まで送りながら話している。
「遊んだー!こんなに遊んだの久しぶりかもっ。」
「そうなのか?小野坂とかと遊びに行ったりはしないん?」
「勿論遊びに行くけどほら、美織と一緒だと色々邪魔がね?」
「あー、二人だと馬鹿共が沸きまくって碌に楽しめないか。二人とも綺麗だもんな。」
「うっ・・・そう言う事をサラっと言うのほんとずるいよねー。兎に角そう言う事だからこんなに気兼ねなく遊べたのって本当に久しぶりなの。」
「成る程ね、それなら納得だ。そだ!今日の撮影の事だけど、誰にも言わないようにな。一応発売するまでは守秘義務が発生するからさ。」
「あっ!そっか、そう言うのもあるんだね。分かりました!誰にも話さないで置くね。暫くは二人だけの秘密だね♪」
何故か本当に楽しそうに陵は(二人だけの秘密)って言葉で言ってきた。
「ん。それで頼む。と言ってもばらして怒られるのは俺だけだろうからそこまで気にしなくてもいいさ。」
さしずめ(蓮ちゃんのばかぁぁぁ!)って感じかっと一人クスクスと笑いながら答えていた。
「言わないよ~。二人だけの秘密だもんっ。蓮夜君、あのね?今日は蓮夜君はたのし「お姉ちゃん?!?!?!」・・・柚香?」
振り向いた先には陵を幼くした小学生位の感じの女の子が驚愕って顔で立っていた。
「お姉ちゃんって陵の妹?」
「え?あっ!はいっ!!陵 有希那の妹の
「あーいや、別につきあってるわけ「ちょっと!柚香!!蓮夜君に迷惑かけないで!」別に迷惑とかは無いさ、陵とはってどっちも陵か、柚香ちゃんのお姉さんとは付き合ってる訳じゃないよ。俺は神代 蓮夜って言うんだ、宜しくね?」
「えーでも、恋人繋ぎしてますしー。「これは私が勝手にしたのを振りほどいてくれてないだけ!!!」ふーーーーん、それなら!私も蓮夜お兄さんの彼女に立候補しまーーーす!!!」
「なっなっなっ…何言ってんの柚香?!ダメに決まってるでしょう?!あんたみたいな子供が何言ってるのよ!!!」
「それを決めるのは蓮夜お兄さんでしょー?蓮夜お兄さんも若い子の方が良いですよね?」
「変な事言ってんじゃないわよ!!!!あんたが色気づくとか早すぎるって言ってるの!蓮夜君をロリコンになんてしないんだからね!!」
これは、ダメだ・・・我慢出来そうにないぞ、陵のやつ柚香ちゃんに揶揄われてるの気付いてない。
「ぐふぅ・・・ぷっ・・ククク・・・陵・・・ぶふぅ・・遊ばれてるぞ?」
「え・・・・ゆーずーかーーー!!!「おねえちゃんごめぇぇぇんーーーーー」全く!!」
「仲良しで何よりだ、柚香ちゃんも帰りでしょ?送るからこのまま一緒に帰ろうな。」
「はーいっ!お家までエスコートお願いします!お兄さんっ!」
そう言って俺の右腕に抱きついて来た事で右腕に小学生美少女と左手は学園アイドルJKっていうとんでもない状況になった。
「ちょっと!柚香!離れなさいよ!「きゃーお兄さん怖いですぅぅぅ」なんですってぇぇぇ?!」
あはは・・・苦笑いしながらされるがままにして姉妹のやり取りを楽しみながら家まで送り届けた。
「とうちゃーーーく!蓮夜お兄さんありがとうございましたー!私は先に家に入ってますね!今度は遊びに来てくださいねー!」
(ただいまー!ママー!お姉ちゃんの彼氏がやっばい!とんでもないイケメンだぁー!)
「・・・お恥ずかしい妹でごめんなさい・・・・。」
「いや・・・可愛いと思うよ?俺は一人っ子だし妹とか弟とか居たら良いなって何度思ったか分かんないしさ。」
「うぅぅぅ・・・・ほんとに恥ずかしい・・・。んっと、今日はありがとうねっ!さっきは邪魔されて聞けなかったけど・・・・。」
「楽しかったよ。今日一日ずっと楽しかった。陵の可愛い姿も沢山見れたし沢山話せたし、うん。凄い楽しかった。だからこちらこそありがとうだ。」
名残惜し気にどちらからともなく繋いだ手を外してデートの終わりを実感した。
「あのね!予定外とは言え、妹とも知り合ったしこれからは名前で呼んで欲しいんだけど、駄目・・・かな・・・?」
「それもそうか、陵が、いや、有希那が良いならこれからは有希那って呼ぶことにするよ。」
「うん!おねがいねっ!それじゃ・・・・また明日かな?」
「ん。そうだな、温かくなってきてるとは言え余り外に居るのも有希那の身体には良くないし今日はこの辺でかな。また明日な。」
「うんっ!それじゃまたね!蓮夜君っ♪」
手を振りながら家に入っていく、有希那を見送って俺も自宅に向かって歩き始めた。
こうして初デートは終わりを迎えて、俺は有希那と呼ぶことになったのだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます