第12話 集まり

「おはよーっ。神代君っ!」


「ん?あぁ、おはよう、陵。」


「そういえば、朝に会うの初めてだね。一緒に行っても良いかな?」


「別に聞かなくても良いって(笑)。友達なんだし普通に一緒に行く流れだろ?」


「そーなんだけど、私が一緒だと迷惑かな~って・・・・。」


「迷惑な訳無いだろ、陵みたいな美少女と登校出来るのは嬉しいさ。」


「びしょっ・・・///」


「あぁでもあれか?陵 有希那ファンクラブにボコられるかな俺?」


「知らないよ!って言うか私のファンクラブなんて無いでしょ?!無いよね・・・・?」


「いや、知らんけど?あってもおかしく無いなっとは思うよ。まぁ、仮に在ったとしても天女とかって2つ名を付けるような狂ったやつらの集まりだろうけどさ。」


「ほんと、その言い方嫌いー。私も頭おかしい人だと思ってるけどその呼び方広まってるのよね・・・・。」


「偶像崇拝って言うか本当何なんだろうな?アイドルとかなら分かるけど同じ学校の一人の生徒に対してとか、嫌悪しか持てないわ俺。」


「不思議なんだけど、神代君って何でそんなに嫌悪してるの?今なら友達になってるから私の事でって分かるけど、その前からだよね・・・?」


「あー・・・んーっとまぁ・・・そこは色々とな。経験からって事にしておいて。」


「ふーん・・・。言いたくないならいいけどねぇー。あのイニシャルの人関係だろうしー。」


「何で拗ねr「拗ねてませんっ!!!」あっ・・・はい。」


「ちょっ?!早いって歩くの早くなってるから!!待てってのー!」


ずんずんと早足で通学路を進む、陵に置いて行かれそうになりながら追いかけた。


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「おはよー。」


「おはよーさん、蓮。」


「蓮、おはよ!」


「二人ともおはよー。」


「明日は予定通りで大丈夫?蓮。」


「あぁ、大丈夫だけどマジで来るのかお前ら・・・・。」


「勿論よ!ちゃんと放課後に買い物はして材料は預けるから安心しなさいっ!」


「安心なのかそれは・・・・?まぁ良いけども。明日は昼くらいに来るって考えておけば良いのか?」


「うん、それ位に皆で行くつもりだからよろしくぅ!」


「本来なら見惚れる笑顔なんだろうけど・・・今回はイラっとするわ・・・・(笑)取り合えず着く前には連絡してくれ。」


「そこは見惚れるだけにしておきなさいよ!」


「朝から元気良すぎだろ、雫。つーか照れるのか怒るのかどっちかにしてくれ。」


顔を赤くした雫に突っ込みながら朝の時間は過ぎていった。


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ピンポーンっ

朝起きて直ぐ呼び出し音が鳴り寝ぼけ眼のまま扉を開けた。


「はいはい、誰ですかー?って・・・なんだ?朝からどうしたんだ、司。」


「おはよーございます!お手伝いに来ました!!」


扉を開けたら司が私服で立っていた。


「手伝いって今日の集まりの準備のか?司に話したっけ?」


「先輩からは聞いてませんよ~。先輩の周りの女子グルチャあるのでそれで聞きました!」


「あぁ・・・そゆこと。言うても料理は手伝わなくて良いぞ、俺が頼まれてたものだしな。」


「そっちは私も食べるのでお願いしますっ(笑)」


「あぁうん、まぁ来た以上は司の分も作るけど、って言うか来るだろうなっと思ってたしな。」


部屋に司を向かい入れてそれなら何を手伝いに来たのだろう?と考えながらお茶をいれはじめた。


「ほら、これでも飲んどけ。手伝いって何を手伝いに来たんだ?」


「ありがとうございますっ!ほら、片付けとかですよ。彩音先輩の写真とかお二人の思い出の品とかもあるでしょうし・・・・。」


司の言葉にすっかりとその事が頭から抜けていたことを思い出して自分の間抜け加減に顔を顰めた。


「はぁ・・・。そんな事だろうと思いましたよ。先輩ですしね~。っと言う訳で私はお片付けのお手伝いに来たんです。」


「ぉっ・・・ぉぅ・・・・。すっかりと頭から抜けてたわ。寝室には入れるつもりは無いけどだめって言っても目を盗んでって事もあるか・・・・。」


「流石に先輩がダメだと言えば入ることもないとは思いますけど、念のためです、と言う訳で仮に入られても大丈夫な様に彩音先輩の事が分かる物は隠しましょう。」


「そうだな、見られたら話す事になるだろうし・・・・。司、ありがとな。」


自然に出た笑顔で司にお礼を伝えると、何故か一気に司が赤面した。


「うぅ・・その顔はずるい・・・。と・・・っ兎に角!手伝いますから、隠すのと掃除とやっちゃいましょうね!!!」


・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・


「さって、下準備はこれでいいとしてっと・・・。司ー?そっちは終わったか?」


声をかけながらリビングに向かうと、司がアルバムを見ながら泣いていた。


「ぁっ・・・先輩。ごめんなさい勝手に持ち出してしまって・・・。」


「いんや、お前なら何も問題ないよ、つーか泣くんじゃねーよ。」


「え・・・?あれ・・?何で・・・・。」


泣いてる事に気付いてなかった司の腕を取って立ち上がらせて優しく抱きしめながら頭と背中を撫でてやった


「ほら。取り合えず泣き止むまでこうしてやるから。」


「ぐす・・・っ。うぅぅ・・・・ぅわぁぁぁぁぁん。会いたいよぉ~、彩音先輩に会いたいです、寂しいです、辛いですぅぅぅぅぅ。」


「うん、そうだな・・・・。俺も同じ気持ちだよ。司がこっちにきてくれて良かった。嬉しかったんだぞ。」


「先輩・・・・ぐすっ・・・。先輩せんぱいぃ・・・・。」


ガチャ・・・・。


「蓮、おっはよー!お邪魔しまー・・・・・・す?」


「おはよっ、神代君っ。おじゃ・・・ま・・・・?」


「二人ともどした・・・の?」


「「あっ・・・・・。」」


「おはよー皆!つーか勝手に入ってくるなっての!!!」


「「「ナニヲシテルノカシラ?オフタリサン」」」


修羅、鬼神、魔王が現れた・・・・・・・・。


「何もしてませんよ?疚しい事は何も・・・。」


「「「ふーーーーーーーーーんっ。つかさちゃーんちょっといらっしゃ~~~い?」」」


「ひぃぃぃ。せっ・・・・せんぱぃ~・・・・。」


「うん、良く分からんが・・・がんばれっ!」「おたすけぇぇぇぇぇぇぇぇ。」


司の声をバックにバレない様にアルバムを隠しにいったのでした。


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「さてっと。改めていらっしゃい。そしておはようさん。」


俺は全力で目の前の3人から目を逸らしながら務めて明るく声をかけた。

だって笑顔なのに目が笑ってないんだもん、三人共。

ぶっちゃけ・・・・怖いんですよ。


「こんなに早く来るとは思ってなかったからまだ完成してないぞ?」


「うん、勿論それは分ってるよ、蓮。ところでさっきは何で司を抱き締めていたのかしら?」


「いや・・・目のさっかk「確りと見たからね?神代君。」はぃ・・・・。」


「二人は実は付き合ってるとか?はっきりと教えてくれるかな?みおりんに。」


「付き合ってはいないよ。さっきのはそう言うんじゃない、単純に慰め?てただけだ。」


「へー。慰めるのに抱きしめて撫でてってするんだー?蓮って私にはしてくれた事無いのに司にはするんだー?」


「何で雫にしたこと無いのを責められてるのはわからんが・・・、司はほら何て言うか・・・な?」


「司ちゃんは何なのかな?神代君?」


素敵な惚れ惚れするような笑顔で陵が聞いて来た、目が笑って無いけど。


「そーそー、昔から仲良いのは聞いてるから知ってるけど年ごろの女の子を抱き締めて撫でるのはどうなのかなー?」


コロコロしちゃいそうな能面な顔で小野坂が突っ込んできた。


「うん、いやまーそれは・・・。って、ちょっと待て3人共。何で浮気がバレた彼氏を問い詰めるみたいになってるんだ?」


「「「うっ・・・・。くぅぅぅ。それを言われたら・・・・。ぐぬぬぬ。」」」


「はぁ・・・、とりあえず良いけども、単純に慰めただけよ。はい!この話は終わりだ!終わり!」


ピンポーン。「蓮ーきたぞー。」


「信也だな、「私が出ますね。」ん、頼むよ、司。」


「お?天羽ちゃんも着てたんだね(笑)おはよー。」


「はいっ。おはようございます、間島先輩。皆さん既に来てますからどうぞどうぞ。」


「あいよっ。んじゃ、お邪魔しますーっと。おはよー皆。集まるの早いね。」


「司、とりあえず顔洗ってこい。皆揃ったし俺は作り始める。信也は、信也は・・・・適当にお姫様たちの相手頼むわ。」


「いや、それは良いんだけど・・・何か3人共怖いんだが・・・?」


信也の声を聞こえないフリでどの順番で作るかなっと考えながら台所にむかった。


・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・


「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」


「おそまつさんでー。満足して貰えたかー?」


「うんうん、悔しいけど凄い美味しかった、悔しいけど。」


「すっごい負けた感するけど、美味しかったよ神代君っ。負けた感すごいけどね。」


「プライドずたずただけど、とっても美味しかったよー!ズッタズタだけどね!」


「お弁当も美味しいですけど、作り立てはまた違って美味しいですねやっぱり。」


「また、腕上げたんじゃねー?蓮。」


「んな事ないさ、今日作ったのだって久しぶりに作った位だからなー。」


3人の悔しいだのズタズタだの負けた感だのは取り合えずスルーして気に入って貰えたって事には満足したし美味しそうに食べてくれていたのは分かったから満足だな。


「取り合えず、コーヒー淹れるから待ってろ、陵ー。手伝ってくれ。」


「えっ。うんっ。お手伝いしまっすっ。」


そこまで気合い入れなくてもっと思いながら台所に二人で向かった。


「えっと・・・神代君に聞きたい事あるんだけどさ。」


「聞きたい事?」


コーヒーのドリップを待ちながら隣で洗い物をしてる陵が聞きづらそうに聞いて来た。


「あのねっ!司ちゃんとはほんとに何でもないの?付き合ってるとかじゃないの・・・?」


物凄く不安そうに顔を俯かせて聞いて来た。


「皆して何でそんなに気にしてるのか分からないけど、付き合ってないよ、今日のやつは何て言うかさ、司がアルバムを見て色々思い出しちゃって感情爆発したって感じだよ。だから受け止めてやったって感じかなー。」


「そっかっ。付き合って無いなら一先ず一安心かなっ。アルバムって?」


「うん、ほら昔のやつさ、俺と司と・・・・「イニシャルの人?」・・・そうだな。」


「そっか~・・・・。あのね!私もみt「何時か見せる事があればちゃんと見せるよ、全部話して見せる。」うんっ。期待しておくねっ。」


「あ・・・っとそうだった。一つ謝らないといけないんだよ、陵にさ。」


「謝る?私神代君に謝られることなんてされた覚えないよ?」


「うん、そういうと思ってた、だからこれは自己満足。距離感間違えてたと思うんだ。何て言うかさこう言う事言うと傷つけると思うけど、陵に対して幼馴染みたいな距離感で対応してたってのに気付いたんだ。何て言うか雰囲気がそうさせたのかな?でも、陵にあいつを重ねてた訳じゃないのは分かって欲しい。だけど・・・ごめんな。」


「特に私は気にしてなかったし気にならなかったし寧ろ嬉しかったから気にしないで!その幼馴染さん?と付き合う時みたいな気楽な感じで付き合ってくれてたのは、正直嬉しいんだよ?天女様とか言われてちゃんと見てくれる男の子なんて居なかったから、神代君の・・・蓮夜君と話したりするのは嬉しいし楽しいから特に変えたりしなくて良いからねっっ。」


「うん、ありがとな。陵に会えてよかった。っと・・・皆、待ってるだろうし持って行こうか。」


二人で食後のコーヒーを持って皆が待つ部屋に戻ってその後、馬鹿話したりゲームしたりおやつを作って食べたりしながら、友人の集まりを夕方まで楽しんで、その日は解散になった。


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