第10話 回想1

「蓮夜〜っ!早くっ!早くっ!」


「ちょっ!待てってのっ!そんなに急がなくても水族館は逃げないって!」


「そうだけど!!!一緒に居る時間は減るでしょ!だから早くいこっ!」


今日、俺と彩音は水族館にデートに来ている。

一つの決意を持って二人っきりで来ているのだ。

今日こそ俺は、幼馴染を終わらせるんだ絶対にっ。


「分かったから、とりあえず荷物こっちによこせ、それと・・・ほら・・・////逸れたら困るだろ・・・?」


「え・・・?あっ!・・・・うんっ////」


俺だけじゃなく、彩音も照れながら確りと恋人繋ぎで俺の手を握ってくれた。


「えへへ///今日は楽しもうねっ!」


「勿論だ!手・・・離すなよ・・・?」


「うんっ!早くいこっ!」


・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

・・・


入り口から順番に見て回って、そろそろ休憩とお昼の時間になった


「メインのイルカのショーまでまだ時間あるし先に休憩とご飯でも食べるか?混む前に行こうぜ、彩音。」


「えっと・・・ね・・?外の芝生で食べない?ほらっ!頑張ってみたしさ・・・。」


「ん?え?もしかして、荷物の中ってお弁当か?」


「ぅ・・・ぅん、どうか「おし!いくぞ!すぐ!いくぞ!」・・・・うんっ!」


「デートだからねっ!何時もより頑張ったから一杯味わってねっ!」


・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

・・


「良かったぁ!美味しそうに食べてくれて、蓮は何時も美味しいって言って食べてくれるから作り甲斐あるんだよね♪」


「そりゃー実際に彩音の作るご飯は美味しいからな、美味しいものを不味いとは言えないさ。それにさ、普段もだけど今回も俺の為に早起きして作ってくれたんだろ?それだけでも嬉しいのに、内容も俺の好きな物ばかりだし嬉しい!美味しい!って感想しか出ないっての。」


「ぅぅ・・・そういう事を嬉しいけどはっきり言われると・・・・恥ずかしい・・・。」


「言うなよ・・・・俺だって途中で気付いたよすごく恥ずかしい事言ったってさ・・・。」


二人で顔を赤くして固まってしまったのを、周りの家族連れやカップルが微笑ましそうに眺めていた。


・・・・・・

・・・・

・・・


「楽しかったねぇ~。水族館とか小さいころ以来だったし誘ってくれてありがとね蓮夜♪」


「あぁ・・・うん。たまたま手に入れたチケットだったけど彩音が楽しんでくれてよかった。」


「最初は買い物とか言ってたのにいきなり前日に水族館行くぞ!何だもんびっくりしたよー。」


「そこはまぁ・・ごめん?驚かせたいなっとおもってな。それに・・・・。」


「それに?「いや、何でもないよ。」・・・そう?なら良いけど。」


二人でゆっくりと歩きながら、昔よく遊んだ公園まで来てこのまま帰るのはお互いに嫌だなって空気からベンチに座って話していたら難しい顔をしている俺を彩音がチラチラっと何度も見て来た。


「ん?さっきからチラチラとこっち見てどうしたんだ?」


「あのねっ!私、何かしちゃった?蓮夜の感じが怒ってる時みたいな・・・?」


その言葉で決心した。これ以上引き延ばせば彩音に無駄な誤解を与えてしまう、変な勘違いをして関係が崩れてしまうって分かったから伝えないと駄目だって気付いて決心した。


「なぁ、そろそろ俺たちの幼馴染の関係終わりにしないか?」


「え・・・?どう言う事?」


彩音の表情が悲しみと困惑に彩られて涙が溢れて来た。


「私っ!嫌われるような事しちゃった?!それなら謝るし治すからちゃんと教えてっ!!!だからっ!だから終わりにするなんて言わないでっっっ。」


立ち上がって俺の正面に来た彩音が綺麗な瞳から大粒の涙を流しながら必死に訴えてきた。


「違う、そうじゃないんだよ、彩音。」


「何が違うの?!私の事邪魔になったからとかじゃ「違う!!!」んうっ?!」


我慢出来なくなって立ち上がり彩音を抱き締めてキスをした。


「れっ・・・蓮・・・夜・・?」


「邪魔になったとか嫌いになったとかじゃない、彩音と恋人になりたいんだ。」


「えっ?!ぇぇぇ!?!?」


俺からのキスと言葉に驚いた彩音が困惑と期待の入り混じったような顔で見つめて来た。


「好きなんだよ、彩音の事。幼馴染としてじゃなく、友達としてじゃなく、一人の女の子として彩音が好きなんだ。」


「何で行き成り・・・・?」


「この間先輩に呼び出されて告白されてたの見たんだ・・・。そんで気付いたんだよ。彩音を失いたくない、他の男に取られたくないって。そしたらどうしても今のままの関係は嫌になったんだ。だから彩音が良ければこれからは恋人として側に居てほしい。彩音じゃないと嫌なんだ。」


ぼろぼろと涙を流しながら彩音は俺を見つめながら静かに聞きながら彩音も抱きついて来た。


「遅いよ・・・・。ずっと待ってたんだよ?蓮夜は私を好きじゃないのかな?とか私じゃ女の子として見てくれないのかな?とか悩んでた。それに他の子に笑いかけるのも凄い嫌だった。蓮夜が告白されてるのも見た事あるし、クラスメイトからも付き合ってないなら紹介してよって言われるしっっっ。」


「ごめん、俺ずっと彩音に甘えてた。彩音はずっと側に居てくれるって離れないって今回失うかもって思って俺以外に笑顔を向けるかもって思ったら「んっ。」・・・彩音?」


途中で言葉を遮って彩音からキスをしてきた・・・・。


「私も好き・・・・。私も蓮夜を失いたくない、ずっと側に居たいっ!側に居てほしいっ!蓮夜が大好き、ずっとっ!ずーーーーーっと前から大好きっ!だから、私を彼女にしてください・・・・。」


今まで見て来た笑顔の中で一番綺麗な笑顔と涙で彩音から抱きついて精一杯の答えをくれた・・・・


・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

・・


「ん・・・・。彩音おはよう。って布団に隠れてどうした・・・?」


「どうしたって・・・恥ずかしいんだもん。勢いとおじさんもおばさんも居ないとは言え・・・・。」


そうなのだ、お互い気持ちが高ぶっていてやっと本当に通じ合えたとは言え、してしまったのだ・・・・。


「あー・・・・・。そのなんだ、大丈夫・・・か?」


「痛かった・・・・。まだ入ってる感じする・・・・・。でも、嬉しかった。」


「俺も凄い嬉しかったよ・・・・。」


朝からお互いに顔を真っ赤にしながら昨夜の事を思い出しながら見つめ合ってしまった。


「朝飯は俺が作るから、まだ寝てて良い。作ってくるよ。「まってっ!」ん?」


「おはようの・・・・キスっ。んぅっ。」ちゅっ。っと掛布団で前を隠して赤い顔のままキスしてきた。


「ぉぅ・・・。いってきまふ・・・。」


「出来たら呼んでね♪」


クスクスと笑いながらの彩音の笑顔に見送られて俺は台所に向かいながらこれからの幸せな生活に思いをはせたのだった・・・・・。


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