第6話 陵 有希那

見つけたっ!見つけたぁっ!まさかこんなに早く見付けられるなんて思ってなかったから、テンションが爆上がりした。

喩え偶然でも見付けられたの事実だし昨日のお礼も出来るし拾い物も返せるし連絡先も名前も教えて貰わないとねっ。


「ふふっ。きっとびっくりするんだろうな~‥‥」


周りに聞こえない様に一人呟きながら教室に向かって歩いてた。


「お?有希那おはよー!何か機嫌良さそうだけどどったの?」


「うんっ♪おはよっ!美織。ちょっと良い事あってねーっ。」


「何々?有希那がそんなになるって珍しいじゃないー。ちょーーーっと美織さんに話して御覧なさいなっ。」


教室で一番仲の良い友人の小野坂 美織がニヤニヤしながら聞いて来た。


「昨日の帰りにしつこいナンパに会ったんだけど、助けてくれた人が居てね?その人が不思議な人だったの。」


私の説明に美織の頭の上に???が浮いてるのを見て吹き出しながら私は続けた。


「えっとね、助けた後に何も聞かれなかったよ、名前も連絡先も。その上ね、私を家まで送るとかも言ったりせずによ?私から名前や連絡先を聞いても教えてくれなかったの。」


「え?何その人、あんたを助けて下心無しってあり得ないでしょー!しかもあんたから連絡先聞かれたのに教えなかったの?!」


「それでね、勿論私は食い下がったの。私のせいで殴られてたし怪我させちゃったし、そしたらね‥‥ぷっふふふっ。」


私は思い出して‥‥つい、笑ってしまう


「何で笑ってるのよ、その人何したの?」


「えっとね‥‥その時にね?「それなら、また会う事があったらその時にコーヒーでも奢ってくれ、名前とかもその時にね?」ってそれで、「それじゃ!俺はこれで、またね~。」って居なくなっちゃったのよっ。」


「はい‥‥?マジで‥‥?」


正しくぽかーんって顔で美織が見つめて来て我慢出来ずに教室で笑ってしまった。


「あはははははっ。美織の顔っ!なんて顔してるのよーーーっ。」


「いやだってねぇ?我が校が誇る、天女、陵 有希那を相手にそれって!!どんだけよ?!」


「天女はやめて!その言われ方嫌いなの知ってるでしょ!」


「あーうん、ごめん。今のは私が悪かった、ごめん。」


パンっ!っと顔の前で手を合わせて謝ってきた。


「美織だから許すけど、ほんとうんざりしてるんだからねー。」


「ほんとごめんー。つい‥‥ね?それで、他にもあるんでしょ?じゃないとそこまでご機嫌にならないよね?」


「えっと、別れた後なんだけど立ってた所にこれが落ちててね?返さないとって思って‥‥」


直ぐに話を戻してきた美織に少しイラっとしながらも続けても本気で天女呼びした訳ではないのは分かってるから続きを話し始めた。


「それで今朝歩いてたら、多分だけどあの人かなって人を見付けてね?お友達と話してる声も同じだったし。」


「ん-?ネックレス?って言うかシルバーのリングが2個ついてるし・・・ペアリングかなこれ?」


私の取り出した落とし物を美織は手に取ってリングの部分は触らない様に見つめてた。


「多分そう、二つとも中にイニシャルでR.KとA.Hってそれぞれ入ってるのよねそれ。だから大事な物だと思うし、気付いて探してるんじゃないかなって・・・。」


言いながら心がモヤモヤするのを表に出さない様に気を付けながら美織に教えて居たらクラスメイトの男の子が声をかけてきた。


「あれ?それって神代のネックレスじゃね?体育とかで何か付けてるの見た事あるわ。」


「神代って4組の神代 蓮夜君?」


「え?美織知ってるの?!」


美織がイニシャルと同じになる名前を出したことで私は詰め寄りながら問いただした。


「あっ。うんっ。知ってるって言うか話したことは無いけど朝から話題になってるのよ、物凄くかっこよくなってるって。」


どう言う事だろう?かっこよくなってるってかっこいいならもっと前に話題になってるんじゃ無いのだろうか?っと疑問に思っていたら顔に出てたらしく、美織が説明してくれた。


「えっとね?実はパッとしない感じの人だったのよ、何時もつるんでる二人と比べるとファッションとかそういうのに無頓着に見えてね、それが今日からいきなりばっちり決めてる感じで凄いかっこよくなってるって話題になってるの。」


「そうなんだ‥‥それじゃもしもこのネックレスがその神代?君のだったら女の子が押し寄せそうだし会うの難しいかな。」


「あぁ、それはあるかも。実際この学年の女子たち見に行ってるし、今日一日は押し寄せるかもね。」


「そうだよね‥‥早く確認したいし、もしもこれが神代君のなら早く返したい、多分困ってるだろうし‥‥」


「それなら、昼に学食に行ってみなよ、陵さん。」


悩んでいるとまたさっきのクラスメイトが教えてくれた。


「神代とつるんでる二人の三人で昼は学食いってるよ、あいつら。だからその時に話しかければ返せるんじゃないかな?」


「ほんと?!それならお昼は学食行ってみようかな‥‥美織っ!付き合ってね!!!」


「ハイハイ‥‥お付き合いしますよー、有希那の王子様に会うのをねっ。」


「ちょっと?!そんなんじゃないってばっ!何言うのよいきなり?!?!」


美織の王子様発言に一気に赤面しながら反論してしまったけど、兎に角勝負はお昼!と自分でも気づかない内に気合をいれていた。


「おーし!HR始めるぞー、早く席につけー!って男子ども何で血涙流してるんだ‥‥?」


言われて周りを見たら何時の間にか美織は席に着いて肩を震わせながら笑いを我慢してるし、女子はニヤニヤしたり睨んできてるし、男子は血涙流したりと教室が気付かない内にカオスになっていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る