第4話 日常と・・・・

「まじか‥‥…地味に腫れてるし、受け方ミスったかな?」


朝起きて鏡を見て昨日の殴られた場所を確認したら腫れていたのだ。


「まぁ、この程度なら数日で収まるか‥‥取り合えず遅刻する訳にも行かないし準備だな。」


月曜の朝、ちんたらと学校までの道を歩きながらいつもと違って寂しい首元に手がいってしまう。


「昨日、あの子を助けた時だよなー多分‥‥」


通学路を歩きながら昨日の事を考え可能性をつぶしながら歩いていた、落としても気付かないとかどんだけボケてたのかと後悔しながら進んでいると「おっはよー!」という元気な声と共に背中と首に衝撃が走る。


「ぐぇ‥‥いきなり飛びついてくるなって何時も言ってんだろ!雫!!」


背中の人物「神薙かんなぎ しずく」に向かって文句を言いながら背中から振り下ろす。


「そんな事いって私のおっぱい当たって嬉しいくせにーっ!」


「はいはい、嬉しい嬉しい、ついでににおはよーさん。」


振り向いて、雫に挨拶したらその後ろにいた、間島まじま 信也しんやも一緒に驚いて口があんぐり空いた顔でこっちを見て居た。


「ちょっ‥‥ちょっと?!蓮だよね?一体何したの?!何があったの?!?!」


「俺以外の何に見えるんだよ、つーか分かってて飛びついてきたんじゃねーの?」


「うん、わかって抱き着いたのは間違いないだろうけど、そこまで確りと見た目整えてるとは思わないからびっくりしたわ。それに口元の怪我はどうしたんだ?」


「そだよ!これじゃモテちゃうじゃん!それにその怪我も!喧嘩でもしたの??!!!折角その見た目知ってるの私たちだけだったのにー!!」


「ネーヨ、髪型変えたからって顔面良くなるわけじゃねーし俺がモテるなら前のままでもモテてるわっ!怪我に関しては少しあってな。」


アホな事言ってる雫を置いて俺と信也は通学路を急ぐ。


「にしても、何でいきなり気を付け始めたんだ?もしかして休みの間に好きな人でも、いや、彼女でも出来たか?」


ニヤニヤしながら聞いてくる信也に多少イラっとしながら、反論しようとしたら「そうなの?!彼女出来たから見た目整えたの?!!??!?!」っと雫が人の胸倉掴みながら涙目で聞いてきた。


「違うわっ!つーか離せっての何で泣きそうになってんだよ!単純に高校2年になるしお前らとこれからもつるむなら見た目位はって思っただけだ。」


全く何を必死になってるんだか、っと首をかしげながら掴まれた胸元を整える。

そうなのだ、こいつらとは1年からの友人で、二人が居たから違う町から来た俺がボッチにならずに済んだ恩人でもあり、親友なのだ。


「本当でしょうね?彼女出来たからじゃないでしょうね?もしくは好きな人とか‥‥」


「ないない。そんなんじゃないってのマジで。」


「それなら良いけどさ‥‥」


何を気にしてるんだかほんと分からんっと考えながら学校に向けて歩いていると信也が誘いをかけてきた。


「っと、そだ!放課後遊びにいかねー?蓮も雫も、二人とも暇だろー?」


「暇って‥‥あんたねー、確かに暇だけどさぁ‥‥」


「あー、悪い俺はパスだわ。ちょっと探し物しないとならん。」


「珍しいな、蓮が探し物とか必要な物とか欲しいものとか通販でサクッと注文するだろ何時も。珍しく見付からなかったのか?」


「あ、もしかしてネックレス無くしたの?蓮。」


「え?よく気付いたな?雫。」


「さっき、掴んだ時に見えなかったし会った時からちょいちょい首回り触ってるし分からない訳ないよ。それに蓮の事だし‥‥」


?最後の方は何を言ってるか聞こえなかったけど雫が気付いたことに驚きながら昨日の事を話す事にした。


「まーうん、昨日の夕方にさ、質の悪いナンパされてる子を助けた時に多分落としたと思うから、その辺りの捜索と交番にでも行ってみようかなって思ってさ。あんまり見つかるの期待してないけど‥‥物が物だしさ。」


イニシャルが彫ってあるとはいえ純銀のリングが二個ついてるからそれなりの値段にはなるのだ。


「あぁ、その怪我もその子を助けた結果って事か、そういう事なら俺も手伝うよ、親友が困ってるのに見過ごせないわ、それに蓮が助けた子にも会えるかもしれねーしなー。」


「俺の感動を返せや!絶対女の子目的だろ信!」


「間島君は放っておいて探すなら私も付き合うよ!」


「え?雫もいいのか?見つかるかも分からないんだぞ。」


「良いの良いの、詳しくは知らないけど大事な物なんでしょ?あのネックレス。去年から注意されても絶対外さなかったじゃない?蓮。」


そう、隠すくらいはするが、どれだけ教師連中に注意されても外すって事は無かったのだ、だからこそ経年劣化で落ちてしまったのかもしれない。


「うん、二人ともありがとな、見つかっても見つからなくても夕飯奢るわ、お礼替わりにさ。」


「別にお礼とか良いけどそうしないと蓮の気が済まないよね「よな」」


そんなことを話しながら学校までの道を3人で歩いているのを見つめる一人の少女がいた。


「あれ‥‥あの人もしかして‥‥」


俺は、見つめる視線には気付かずに校門潜り校舎内へと信也と雫を伴って入って行った。


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