秋の国の話終章2「Birdman」

天界…神殿の外でダークロード戦争で活躍した巫女、トウコは下界を見下ろしていた

トウコ「あの子が封印を解いてくれれば、私たちは行けるぞ!」

そんなトウコを見て、轢沙子の婚約者のアユは言う

アユ「…でもそんなかんたんにできるかしらね?」

そう言うとトウコは言う

トウコ「大丈夫だ。あの子ならできる。そう思うぞ」

アユ「…そうかしら?」

だが、トウコはどこか自信をもちながら待っていた。あの中学生ならできる。そんな自信だった

アユはそのトウコの自信の顔を見つつ、2人で待つことにした

トウコ「ほら、良くみろ。あの子を乗せた車がアメパ遺跡へと向かっているぞ」

アユ「…く、車?よくわからないけど向かっているのは確かなのね」

なぜトウコはこの時代の最新の物を知ってるのかわからないが、遺跡へ向かってることはたしかだ

そして、トウコはアユに向いて言う

トウコ「アユ、そろそろ支度しよう。私達が下界に行ける準備をな!」

アユ「…わかったわ。全員呼ぶわね」

アユは他の巫女を呼ぶため神殿に向かった。そしてトウコはまた下界を見た

トウコ「頼んだぞ!特別な力を持つ中学生…!」

国道に通じる道路…

そこに1台の車が通った。牧が運転してる車だ。牧が運転し、助手席にしいな。後部座席にシャニオン、マーガレット、りながいた

牧はともかく4人は全員ワクワクしていた。遺跡調査研究チームの人たちとこうやって調査できることを

おそらくタツジもいるだろう。しいなは最初タツジのことをちょっと悪そうと思ったが、今はそういう感じは消えた

助手席にいるしいなは言う

しいな「さすが牧さんの車!こんなに乗っても全然スピード落ちないね!」

牧「電話したとき言ったでしょ?かなりパワーのある車なんだから」

りな「私も連れて行けるなんて嬉しいです」

マーガレット「りなはもう遺跡部の一員なんだから何も考えなくていいぞ」

シャニオン「そうやで。りなちゃんは遺跡部の一人や」

りな「はい!」

そう言うとりなは笑顔になる。私もいつの間にか一員となって嬉しい。と

しいなは前方を見ていた。下手に横を向くと車酔いしそうだからだ。スピードを出してるが、幸い誰も車酔いになる人はいなかった

そんなこんなしてると目的地に着きそうになる。しいなはワクワクしてきた

しかし、しいなは急に何かが聞こえた。誰でもない、声が

『夢で言ったこと、よろしくな!』

…?誰か言ったのだろうか?牧は運転してるし後部座席の3人も特別何か言ったわけでも無さそう

しいな(今の、誰だろ?)

牧「さあ、アメパ遺跡に着くわよ」

牧達を乗せた車は遺跡近くに停車した


アメパ遺跡に着くと、既に調査チームがいたのか色んな人がいた

5人は遺跡中心部に着くと早速既にいたタツジが近寄る

タツジ「やあ牧に遺跡部のみんな、私たちはいるぞ」

牧「リーダーお疲れ様です。言ったとおり遺跡部の皆さんを連れてきました」

しいな「こんにちはタツジさん!」

マーガレット「タツジさんよろしく!」

シャニオン「研究チームと一緒にできて嬉しいです」

りな「よろしくおねがいします!」

4人は元気に挨拶をする。そんな元気な4人にタツジは笑顔で言う

タツジ「ああ、よろしく!実はな、ここは壁画は無くてただ、中心部に何かがある遺跡なんだ。よくわかっていない

無造作に置かれてる石があるんだが、どうもいまいちわからない。面白いところだろ?」

タツジは指を遺跡にさして言う

中心部に何かの模様があり、どういうわけか石が転がっていた。なんの石なのかわからない

マーガレット「確かによくわからない場所ですね」

シャニオン「仮説ですけど何かの封印、でしょうか?」

りな「…封印。でも封印だったら何か変なものが飛び出しませんか?」

タツジ「封印?ハッハッハ!もしそうだとしてもどう封印を解くかわからないけどな!」

ただ、しいなはわかっていた。間違いなくここは夢の内容と一緒だということを

しいな「…」

導かれるようにしいなは無言で遺跡の中心部へと向かう。そんなしいなを見てマーガレットは言う

マーガレット「お、おい。しいな?」

しいなは無造作に置かれてる石を動かした。幸い、その石は重くなかった。真ん中を中心に石を置き始めた

タツジ「しいなちゃん?一体何を…」

シャニオン「ど、どうしたんですか先輩?」

りな「止めたほうがいいですか?」

牧「待って。止めないほうがいいわ」

しいなは中心に石を十字に置いた。しいなは見つめると、うつむき、願うように祈った

『そうだぞ!後一歩だ!願ってくれ!そしたら私たちが―――!』

しいなは願い、こう言う

しいな「我が願いが届いてください。巫女の封印を解く、願いを!」

マーガレット「な、何を言ってるんだ!しいな!こっちへ来い!」

タツジ「巫女!?」

牧「しいなちゃん!」

すると、中心部から光が出た。まるでソシャゲのガチャ画面のような光が遺跡全体を覆うかのような光が

その中心部の光の中から人が現れた。待ってましたのように5人の人が現れる

人は空中を浮いていて、その姿は巫女服を着ていた。その姿はどこか古めかしい

しいなはまだ願っていた。まるで召喚の祈りがまだまだ続くように

5人とその調査チームの人たちはまるで現実世界ではない光景にびっくりしながら見ていた

ただタツジは慌ててしいなの側に行こうとする

タツジ「しいなちゃん!もう戻れ!何をしてるかわからないが、とにかくこっちへ来い!」

そう言ってタツジは走ってしいなの側に行こうとするが…

バチーン!!!!!!!!

タツジ「うわーーーーーーーーーー!!!!!!???????」

タツジが吹っ飛ばされる。しかも思いっきり。バリアーが貼られていたのか?しいな以外は侵入できなかったのだろうか

マーガレット「わー!タツジさんしっかりしろ!」

シャニオン「タツジさん!」

りな「これ、なんですか!?」

牧「り、リーダー!?」

4人が慌ててタツジの身体を起こそうとする。別に命に別状は無さそうだった

しいなは祈りを終えると召喚された巫女を見る。そして、言う

しいな「…トウコさん。私、頑張ったよ」

そう言うとトウコなのかその巫女は笑顔で言う

トウコ『サンキュー!お前のおかげで私達は現世へと行けた!心から感謝する!』

しいな「でも…どこへ行くの?」

トウコ『轢沙子の元へと向かう。ただそれだけだ!目的地はわかる!さあ、みんな行くぞ!』

しいな「ひ、ひさこってだれ?ねえもう行っちゃうの!?」

そう言うと5人の巫女は光の玉となり空中へと勢いよく飛ぶ

シャニオンはその光景を見て、確認する。あっちの方面はシダレカの方…!

巫女達が遠くに消え、光は無くなった。しいなはぼーっと中心部を見ていた

そして、しいなはつぶやく

しいな「…巫女さんたち、いっちゃった…」

調査チームはまだその光景に驚きをしつつ、しいなを見ていた

タツジ「…はっ!」

タツジが目覚めたらしい。タツジは見たのはしいなだけだった

牧「リーダー、身体は大丈夫ですか?」

タツジ「い、いや大丈夫だ。どこも身体の不調はない。いや、腰がちょっと痛い」

マーガレット「よかった…けど…しいな…」

シャニオン「あの光の玉はシダレカ方面へと行きましたね」

りな「けど…しいな先輩…」

しいなは5人の側へと戻った

しいな「…ごめんね、みんな。そしてタツジさん」

タツジ「しいなちゃん…これは、一体どういうことなんだい?」

タツジは言うと、しいなはいちから説明をした

説明を終えると、タツジは不思議な事があるのか。と思い言いたいことを言った

タツジ「なるほど。巫女が夢に出て、この遺跡へと誘導するように、そして封印の解除を君に求めたのか」

しいな「私、巫女に言われたんだけど…私は特別な力を持つから解除してくれって話なのよ」

タツジ「特別な力…誰でもいいわけではなかったのか。しいなちゃんのような、ヒューマンを…」

特別な力というのを聞いて、しいなはまだ自分のやった行動を少々罪悪感の思いがあった

しいな「けど…悪さしそうな巫女さん達じゃないし、きっとひさこさん?って人に会うために行ったんだと思うわ」

そこまで言うと、しいなは改めて謝罪した

しいな「ごめんみんな!こんな凄いことになっちゃって…!何度でも謝るわ!」

最初こそ驚いたが、しかしみんなは別に大丈夫だった

マーガレット「相変わらずお前はやってることはパワフルだな。全然大丈夫だから気にすんな」

シャニオン「改めて先輩の凄さ、また実感しました!」

りな「いえ凄いことしたと思いますよ!あの巫女さん達、どうなるかわからないけど」

牧「貴女にそういう力があるってだけで、何か持ってるのね」

4人は決してしいなの行動を否定することは無かった

タツジ「わかった。もう謝らなくていい。ファンタジーな経験ができただけでも十分な収穫だ。ちょっと腰打ったが」

そう言うとタツジは少し腰に手を当てた

タツジ「しいなちゃん。そんな君を表彰したい。よく頑張った」

しいな「え!?でも私ただ封印を解いただけなのに…」

タツジ「ここは巫女の封印を解く遺跡だというだけで我々には想像がつかなかった。これが世界を破滅するようなやつだと困るが…

決してそんなことも無さそうだ。だから、君にはお礼を言いたい。あと、遺跡部の活躍を見て思ったからね」

そこまで言われると、しいなはまんざらでも無さそうな顔をする

マーガレット「おいやったなしいな!お前は凄いんだぞ!」

シャニオン「ウチらでは全くできないことをしたんですからね」

りな「先輩に付いてきて正解でした!」

牧「すごいじゃないしいなちゃん。おめでとう」

そこまで言われるとしいなもさすがに笑顔になる

しいな「うん!ありがとう!私、色々な遺跡を巡ったこと、間違いではなかったわ!」

調査チームも含め、全員が笑顔になる


後日…

ゲッカシティ中学校体育館…そこで、しいなは表彰をもらうことになった

校長先生が表彰状を読み上げる

校長先生「表彰!板崎しいな!あなたは遺跡に関する調査をし、貢献をいたしたことをここに証する!」

そこまで読み上げると校長先生は表彰をしいなに手渡す

校長先生「おめでとう」

しいな「はい!」

表彰をもらうと、その表彰を全生徒に見せつけるかのように上を掲げる

その瞬間、拍手が起きた

マーガレットはよくやった!という拍手を。シャニオンは先輩最高!という拍手を。りなは付いてきて正解でした!という拍手を。

八代先生は微笑みながらよく頑張ったわねという拍手を。生徒会委員長は無表情ながらも拍手をしていた


ヒダンゲにあるゲッカシティ中学校

その拍手はなかなか鳴り止まなかった

しいなは嬉しそうに表彰をもらったことでとびっきりの笑顔を見せていた

しいなは鳥になれた。のかもしれない


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