外伝2話

ユキノウエ天使協会総本山、屋上…

ミカエルは天界からの呼び出しを受け、これから天界へと向かおうとしてた

ミカエル「はぁ~めんど~」

ガブリエル「ミカエル様、めんどくさいとか言わないでください」

ミカエル「だってめんどうなものはめんどうだもの。代わりに二人で行ってきてくれない?」

アルエル「お母様、一応代表ですから…私たちは行けないので…」

二人に言われてミカエルはため息をつきながら上を見上げる

ミカエル「さっさと行ってさっさと帰ってこよ。…あ、天界の使いが来たわ」

空から天使二人が降りてきた。彼らから天界へと行けるようになる

天使「ミカエル様。おまたせしました。今から天界へ向かいましょう」

ミカエル「はーいはい。じゃ、二人とも後よろしくね。夕飯までには帰ってくるわ」

ガブリエル「はい。お気をつけて」

アルエル「行ってらっしゃいお母様」

ミカエルは天界からの天使に連れられ空へと向かっていった

ガブリエル「…しかし急に天界からの用事とは珍しいですね」

アルエル「数年に一回程度どころか数十年に一回程度ですよね?」

ガブリエル「そうですね。何かあるのでしょうか」

既にミカエルが見えなくなった空を二人は見ていた


天界…ここはズバリ言うととんでもなく広い。雲の上にあるが、普通の人間はまずたどり着けない

ピットフィーンドが行った地獄も確かに広いと言えば広いのだが天界は地獄以上に広すぎる

下手に外に出たら即迷子になるほど広い世界である

ちなみに、行けるのは大天使のみであり、ミカエルは普通に行けるのである

もちろん、ガブリエルとラファエル、そしてアルエルも行けると言えば行けるが…大体ミカエルが呼び出されるのがほとんどだ

だから面倒だ。とも言える。ミカエルの性格上、面倒になるものは嫌いだからだ

そんなこんなで天界にある神殿へとたどり着く。ミカエルはいやいやながら神殿を見る

天使「ここまでお疲れ様でした。早速神様の元へと案内します」

ミカエル「神…一体なんの用事かしらね」

ミカエルがちょっと不満気に神の元へと向かう

神の前まで行く。神は威厳のある姿で鎮座していた

ミカエルが会う神はどちらかというと男性ではあるが、ちなみに女神も一応いるらしい

ミカエルが神の前に行くと一応お辞儀をした。とりあえず上司な形だからだ

神「ミカエルよ。よくぞ来た。表をあげい」

ミカエル「ははっ、神様。ご機嫌麗しゅう」

そんなことを言いつつも心の中では『あーめんどー。すっごいめんどー』と言ってた

神「む?今すごいめんどーとか言ってないか?」

ミカエル「え!?いやいやそんなことありませんよ!!」

慌ててミカエルが否定する。神は心の中の言葉を読めるからだ

神「ふむ、まあよい。話としてはミカエルが最近よく働いてるとの情報があった。これもミカエルならではのこと。

これからも精進して人のために働くといい。お前は大天使として器のある者だ」

ミカエル「ははー。有難き幸せであります」

神「それと…、ひとつ、現世にいるお前として相談がある」

ミカエル「なんなりとお申ください」

と言いつつも本当はいやいやであるミカエル

神「実はな。先に既に魂となった巫女が現世にいる人物に相談に乗りたいとの話がある。今彼女らは庭園にいる。向かってくれ」

ミカエル「わかりました。今すぐ行きます」

神「よし、では向かえ」

これで神との会話が終了した


神のいる部屋から出た。ここなら心の中も読まれない。ミカエルは今回何度目かのため息をつく

ミカエル「あーあ。神様の前だとうかつに心の中から言えないわね…それに何?巫女に会えって?一体何かしらね」

天使が近寄る

天使「ミカエル様。巫女たちがいる庭園へとご案内します」

ミカエル「ええお願いするわ。で、どこ?」

天使「ここからすぐ近くです」

とか言いつつも実際15分ぐらい歩いた。天界も馬鹿でかいが神殿も馬鹿でかい

ミカエル「あんたたちの近くってどのぐらいの感覚なのよ…!」

庭園に着いた。そこは広い庭園で天使たちの憩いの場でもあった

ミカエル「えーっと。どこ?」

天使「池のあるところです。では、私はこれにて」

ミカエル「あんたは付いていかないの?」

天使「ええ。失礼します」

天使はそそくさ去っていった

ミカエル「ふーん?よほど重要な話なのかしら」

ミカエルが庭園を歩く。本当に綺麗な場所だが、ミカエルはあまりこういうのは興味がない

ミカエル「これで迷宮になってたら神様関係無く断ったわね」

とりあえず、池の前まで着いた。確かに巫女がいた。ミカエルが話かける

ミカエル「あなたたち?私に話があるっていうのは?」

巫女たちが振り返る。それを見て巫女たちが喜んだ顔をした。そして一斉にしゃべる

?「あー!もしかして現世の人か!よかった!神が言ってたことは間違いじゃなかったんだ!」

?「嬉しいです。しかも大天使ですね」

?「これで話せるねー」

?「…私たちの悩みを聞かせてもらえるかしら?」

?「地獄の使いじゃなくて助かったぞ」

巫女が一斉に言うからミカエルは若干迷ってしまう

ミカエル「あの、私一斉に聞けるほど耳が良いわけじゃないから!一人ずつ言って!」

ミカエルがそう言うと巫女たちは少し落ち着いた

?「すまない。もしかしたら現世の人と相談できそうだったから興奮してしまった」

ミカエル「まあいいけどさ。あなたたちって、随分昔に魂になった巫女よね?」

?「そうです。私たち、ダークロード戦争時にいた巫女なんです」

ミカエル「ダークロード戦争…確か数百年前の戦争だったかしら」

?「そう。ダークロードが戦争を勃発させて、下界が悪魔で支配されてたとき、私たち動いたんだよ」

ミカエル「私はよくわかってないけど、その時は天使があまり活躍してなかった…ってやつ?」

?「…だいたい合ってるわ。だから私たち巫女が動いたのよ」

?「そしてもうひとり、大妖怪も動いて私たちと一緒に討伐したんだ」

ミカエル「その、妖怪って?」

?「人見轢沙子だ。彼女は私たちの使命に快く動いてくれてパワーある活躍してくれたんだ」

ミカエル「ふーん。でも、その人今いないじゃない?」

そのことを言うと巫女たちは悲しむような顔をした

?「実はな。彼女が先に天界へ行ってしまったんだ。もちろんその後私たちも寿命を迎えて天界へ行った

そこまではよかった。だが…」

?「実は私がな。地獄へ行ってしまって轢沙子はそのことを不服に感じて天界を下ろす代わりに私を天界に行かせたんだ」

ミカエル「天界を下ろす!?今までにない事例ねそれ」

?「もちろんね、神も駄目だとは言ったんだけど、言うことを聞かなくて…結局轢沙子ちゃんは下界へと行ってしまったの」

ミカエル「でも、地上に行ったなら場所がわかるし覚えてるんじゃないの?」

?「それが…轢沙子がいるとこはわかるんだが、記憶喪失してしまって、夢で何度も誘ってんだが…わからない一点張りで…

そろそろ困ってたんだ。記憶喪失が相当進んでしまって。すっかり地上が自分の居場所だって思い込んでしまってるんだ」

ミカエル「記憶喪失って困りものね…そもそもその轢沙子って人はどこの国かしらね」

?「…それも…わからないのよ…」

ますます巫女たちが落ち込んでしまった

ミカエル「うーん…ということは私が轢沙子を探してきてほしいってことなの?」

?「そうなんです。お願いします」

ミカエル「なるほどねえ…っていうかあなたたちヒダンゲ出身でしょ?」

?「そうだ。ヒダンゲ出身の巫女だ。だが、そこにいるかどうかもわからない」

ミカエル「探すの思いっきり苦労するわね…でも、断る意味もないし、なんとか探してみせるわ」

?「ありがとう。私たちもなんとか轢沙子の記憶を思い出すように誘ってみるね」

ミカエル「でもあなたたちが下に降りれば…あ、魂のみじゃ無理なんだっけ」

?「魂のみでは下界で姿が見えないからな」

ミカエル「わかったわ。話をまとめると轢沙子は今は記憶喪失。そしてどこにいるかわからない。そういうことね?」

?「…ありがとう。よろしく頼むわ」

ミカエル「しかし骨が折れそうな人探しに違いないけど…」

?「むむ?貴様はミカエルでないか」

ミカエルが振り向くと、同じ天使の羽をした男性がいた

ミカエル「げっ!ウリエル!」

ウリエル「ミカエル久しぶりだな。巫女と話してたのか?」

ウリエルは天地戦争のときに大陸を沈めた最大の犯罪者だが、地獄には落とされず天界にいる

かなりのおかしいとこだが、なぜか天界に普通にいる

ちなみに、話がすごい長いのが特徴でそれを知ってたミカエルは嫌な顔をする

ミカエル「そ、そうなのよー!じゃ、巫女さんたち失礼するわねー!ウリエル、ばいばい!」

ミカエルが速攻でその場を立ち去った

ウリエル「あ!こら!ミカエル、待て!」


ようやく天界を去り、地上へと戻った。ちょうど時間としては午後17時ぐらい。夕飯時間に近い時間である

ミカエル「ふーっ、戻ってきたわ…ウリエルの長話に付き合ったらきっともっと時間かかったわね…」

そう言うとミカエルは今まで来たもう一度空を見上げた

ミカエル「人見…轢沙子…彼女はどこにいるのやら…」

ミカエルはとりあえず帰ってきたことを二人に報告しに下へと向かう


人見轢沙子…そして巫女…

轢沙子の記憶が蘇るのは…いつか…


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