外伝1話
ピットフィーンドが住む館…地下に祭壇がある
その祭壇は最近ではシェリルを蘇るために使ったが、今日は違う目的で使っていた
ピットフィーンド「えーと、地獄の鏡は用意したから…動物の血と肉…あと…ザクロでよかったか…?」
なにかを準備してるらしい
ピットフィーンド「久しぶりだからなー。地獄へ行くゲート。たまに行く程度だとわすれるもんだな」
そんなことを言いつつお供え物が整った
ピットフィーンド「よし…後はゲートを開く呪文を唱えるだけだ。途中噛むとやり直しだから気をつけないと」
そう言うとピットフィーンドは目を閉じ、呪文を唱える。その呪文は人には解読不能の言葉であった
呪文を唱え終える。しかし、何も反応がない
ピットフィーンド「おかしいな…呪文が間違ったか。それとも供え物がまずかったか…」
そう言った瞬間鏡から光が放ち、供え物が瞬時に吸い込まれていった
そして鏡が再び光が放って紫色のゲートが開かれた
ピットフィーンド「お!上手くいったな!よし、これで地獄へ行けるぞ!」
そう言うと、儀式の部屋のドアが開く。シェリルだった
シェリル「ピットフィーンド様?これは…地獄へ向かうのですか?」
ピットフィーンド「ああ。デスに会おうと思ってな。あいつは恐らく地獄にいると思うから会うんだ」
シェリル「なるほど。デス様ですか…。気をつけてくださいね。あと早く帰ってくださいね」
ピットフィーンド「それは大丈夫だ。地獄にいる下位のやつらには私に敵わないしな
それに、地獄は時間の概念がない。さっさと行ってさっさと帰ってくるぞ」
シェリル「はい。行ってらっしゃいませ」
ピットフィーンドは鏡に近寄りそして吸い込まれていった
シェリル「さて…私は地獄の壁画の写真写してきますか…」
地獄へ到着した
ピットフィーンド「久しぶりだな…。相変わらずのどんより空気だな」
地獄は基本雲と暗闇に覆われていて晴れることが一切ない
そして中心部でもない限り下位の不死、亡霊、悪魔がいる。当然襲いかかる者もいる
だがピットフィーンドは高位悪魔なため襲ってくることはない。もしものことがあっても撃退可能だ
土地から時々炎が吹き出したり川っぽい地形は基本腐っており人間の住む場所ではない
この地獄へ行く道、知ってるのはピットフィーンドとアークデーモンのみだ。ヴァンパイアロードは知らない
ピットフィーンド「さて…中心部目指して歩くとするか。しかし餓鬼がうざったい」
ピットフィーンドは歩く。場所は知ってるのでそれほど時間はかからないだろう
歩くときに炎に気をつけて、川はなるべく通らず、餓鬼と言ったならず者もシカトを決めることにする
それを守り、無事に地獄の中心部にたどり着く。ここはちょっと街になってる
街と言っても全然街らしいとこでもなく地獄へ落とされた種族が多いだけである
その中心部の玄関にたどり着いたとき、門番のでかい鬼がいた
鬼1「お!ピットフィーンドさんじゃねえか!久しぶりだな!」
鬼2「久しぶりですピットフィーンドさん。元気でしたか?」
門番の鬼は笑顔でピットフィーンドに挨拶をする。ピットフィーンドはお客様扱いである
しかし、その鬼というのもただの人間型ではなくでかく、肌が赤く、角がでかい、人間とかけ離れた鬼である
ピットフィーンド「ああ。元気だ。前と変わらずだな」
鬼1「ピットフィーンドさん、ここはなんも変わっちゃいねえよ!罪人がちょくちょくくるだけだ!」
鬼2「そのへんでうろちょろしてる下位の奴らもここへはそこまで来ません」
ピットフィーンド「そうか。なんも変わらないのが一番だがな…ところで、探してるやつがいるんだが」
ピットフィーンドはが本題に移ろうとしてる
鬼1「なんだ?罪人が懺悔する場所で探してるのいるのか?」
鬼2「だいたい覚えてるんで、なんでもおっしゃってください」
ピットフィーンド「デスって、いないか?」
鬼はちょっと考えた後に答えた
鬼1「デスさんか!彼女、確か…灼熱地獄と剣山地獄どっちにいたか?」
鬼2「それは前の情報でしたよね?もうその地獄にはいないような気がします」
ピットフィーンド「なんだ。定番の地獄にはいないのか」
鬼1「いやちょっと待て…。思い出した!最近入った情報だと血の池地獄にいたはずだ!」
鬼2「ああそうでしたね!そこで彼女、ずっと血の池に入ってたはずです」
ピットフィーンド「そうか。しかし、そこにいるとはな」
鬼1「おう!案内してやろうか?」
ピットフィーンド「ありがとな。血の池地獄はわかるから大丈夫だ」
鬼2「わかりました。ただ血の池地獄まで行く際には罪人の話を聞かないようにしてください」
ピットフィーンド「それもわかってるさ。仕事おつかれ」
ピットフィーンドは門番の鬼と別れ、血の池地獄へと向かった
血の池地獄に行くまで様々な罪人が倒れてたり臓物が出てたり血まみれになってたりしてたがあえて無視した
と言いつつも無視をしないとだめである。なぜなら現世へ戻ってくれなくなる可能性がある
現世にいるピットフィーンドは戻れなくなるのは当然良くないので心を鬼にして目的地へと向かう
血の池地獄に着いた。むわっと漂う血が腐ったような腐臭。普通の人間ならここでアウトだろう
何気なくピットフィーンドは血の池地獄の池の水を触ってみた
ピットフィーンド「地獄だな…光が来たら発狂間違いないな」
そんなことを言いつつ、ピットフィーンドは叫んた
ピットフィーンド「おーい!デスー!いたら返事してくれー!」
…
特に返事はない。むしろ、血の池地獄にいるよくわからない臓物が動いてただけだった
ピットフィーンド「鬼の情報は嘘は言わないはずだが…これは根性で血の池地獄に入るしかないな…」
現世に帰ってきたらシャワーを浴びようと考え、思い切って血の池地獄に入ることにした
血の池地獄に入り、しばらく進む
ピットフィーンド「もしかしてデスは奥のほうにいるのか…?」
じゃぶじゃぶ血の池地獄を進むと突然足のほうを掴まれる
ピットフィーンド「う、うわ!」
臓物「あぁぁぁ…うぁぁぁぁ…」
もはや人間としての形はなく臓物がピットフィーンドの足を掴んでいた
ピットフィーンド「この野郎!邪魔なんだよ!」
ピットフィーンドは頭であろう形に思いっきり拳で強く叩く
強く叩くと脳みそであろう臓物が飛び散った。殴った感触が気持ち悪い。そして足が自由になる
ピットフィーンド「全く…!さっさとデスに会ってさっさと抜け出さないと…!」
ピットフィーンドは更に進むことにした
更に進むともう臓物が襲いかかってくることはなかった。しかしこの血の池地獄は浅い
すると血の池地獄の中心に人影が見えた。綺麗な形で人間の姿をしていた
ピットフィーンド「もしかして…!あれがデスか!デス!私だ!ピットフィーンドだ!」
その人間はゆっくりと振り向いた。少女の姿に近く、顔も綺麗な顔をしてる
デス「…ピットフィーンド、さん?どうしてここに…?」
ピットフィーンド「やっぱりデスだったか!どうしたもこうも…今お前がどこにいるのか探してたとこなんだ!」
デス「…私に関わらないで…。私はもう死んでるのですよ…」
ピットフィーンド「確かにお前の死因自殺だったよな。だが!お前は間違ったことしてないじゃないか」
デス「私…死神です…死神は…地獄に行くのがいいのです…」
ピットフィーンド「亡霊のトップだったはずのに、どうしてそこまで気弱なんだよ!」
デス「私は…現世を恨みました…そして…アークさんやロードさんの素晴らしさに敵いませんでした…
私は…無理なんです…これっぽっちのことで亡霊のトップなんて言われたくありません…」
ピットフィーンド「お前は立派じゃないか!悪魔協会に尽くしたことを忘れたのか!」
デス「…もう、私に関わらないでください…!!」
デスはすっと腕を出すと術なのかピットフィーンドは一気にふっとばされた
ピットフィーンド「うわーーーーーーーーーーーーーー!!??」
ふと気がつくとピットフィーンドは血の池地獄入り口まで吹き飛ばされていた
ピットフィーンド「はっ!デスは!」
もう一度血の池地獄をまわりを見るとデスらしき人影が見えなかった。いるのは血の池地獄にいる臓物のみだった
ピットフィーンド「…デス…お前…私はお前の本当の気持ちを知りたいよ…」
そう言ってもデスには届かないであろうつぶやきだった
地獄から自宅へと帰ってきた。ところで血の池地獄に入ったのか血の匂いで気持ち悪い
ピットフィーンド「全く…デスの本当の気持ちがわからなかったし服は血の匂いで充満してるし…」
もう今着ている服はゴミ袋に包んで捨てたほうが良さそうだ。本当は血の池地獄なんか入るつもりはなかったが…
祭壇室から地上に上がり、シェリルに会う
シェリル「あ、ピットフィーンド様おかえりなさい…ってどうしたんですかその血の匂い!」
ピットフィーンド「ちょっと血の池地獄に入ってしまってな。すまん。さっさとシャワー浴びるからこの服捨ててくれ」
シェリル「わかりました…デス様とお会いできましたか?」
ピットフィーンド「会ったよ。ただ、デス自身の本当の気持ちは聞けなかった。悔しかった」
シェリル「そうですか…これをアークデーモン様とヴァンパイアロード様に言っても悲しがるだけですね…」
ピットフィーンド「しばらくは地獄へ行かないかもな…後でゲートは閉まっておこう」
シェリル「その時はお手伝いしますよ」
ピットフィーンド「悪いな」
ピットフィーンドは今着てる服を脱ぎ、そのまま浴場へと向かった
デス…彼女がどうして自殺をしたのか…そしてなぜ地獄へいるのか…
彼女自身に聞かないとよくわからない…
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