第4話夏の国の話

朝のテレビの番組にて…

司会者「しかしこの大きい遺跡と土偶が発見され、巫女の壁画が多いこのニュース。

これから私たちに一体どういう影響がでるのでしょうか?」

コメンテーター「恐らくこの大陸で何かがあった証でしょう。そしてこの大陸に先住民がいたことは

今後の研究でわかることでしょう。遺跡研究チーム隊長のハマタツジさんもかなり気にしてました。」

司会者「わかりましたありがとうございます。今後もこの研究に注目されるでしょう…では、次のニュースです」

光の家族はその番組を見ていた

光「遺跡…この国にも結構遺跡があるからすごいニュースだったんだねえ」

父「あまり興味ないが、この話は結構面白いな」

光「実際色々な国に遺跡あるから…なんだろうねこれ」

母「光?そろそろ時間じゃない?」

光「おっと!じゃ、いってきま~す」

母「いってらっしゃい」

父「気をつけてな」


夏の国アマリリス。いよいよ暖かくなるシーズンが来た

それにより様々なものが解禁される。例えば海。25度以上の気温になると海に入れる

次に夏野菜。すでに夏野菜があり美味しいものが揃う

そんなこと関係なしに光は学校へと向かう


光は相変わらずちょっとスピード出しすぎじゃないかと思ってしまうほど高速で自転車を漕いでいた

こんなスピード出すなら競輪選手になりそうなほどである。とても早い

しかし事故を起こしたことはないためスピードを出す安全運転?というスピードである

光「あー遅刻するー!」

何度でも言うが遅刻した回数は少ない。そして学校の門に着く

光「…今日はいないね?」

確認したのはピットフィーンドとシェリルがいるか確認しただけである

安心したのかちょっとがっかりしたのか光は駐輪場に自転車を置きそのまま登校した


光「こうみちゃーん!おはよー!」

光は早速朝はやく来てるこうみへと挨拶する

こうみ「…おはよう光。今日も元気ね」

光「ねえねえ今日の番組見た?遺跡の話があったよ?」

こうみ「…遺跡?ああ、わかってるわ。結構ニュースになってるわよね?」

光「そうそう!司会者とコメンテーターが大きい遺跡がーとか土偶がーとか言ってて面白かったよ!」

光はウンウンと頷きながら朝のニュースを思い出した

こうみ「…姉さんと見てたわ。姉さんは全然興味無さそうだったけど」

光「あれ?同じ番組見たわけじゃないよね?」

こうみ「…もっと早い朝のニュースよ。もっとも司会者とかいない番組よ」

光「あ~。なるほどね」

こうみとあいりは早起きで朝はやくから学校へ登校する

鬼はどれもそんな感じなのか…と思いきやこの二人が特別なだけである

光「いいなあそんな早く起きて」

こうみ「…あなたももっと早く起きればいいじゃない?」

光「いや、私には無理。…あー汗かいた!水飲もうっと!」

光はバッグから水筒を取り出しグビグビ飲んだ

こうみ「…もうちょっとでかい水筒のほうがいいんじゃない?」

光「うーん。あんまりにでかいと小学生の飲む水筒と間違えられそうだしなあ…」

ちなみに小学生が飲む水筒というのはクラブだったり移動教室のときに持ってくあのでかい水筒である

こうみ「…ま、それもそうね」

学校の朝のチャイムが鳴った

光「じゃ、今日もがんばろ!」

こうみ「…ええ」

光は席に着いた


授業、クラス全員は私語もせず集中して聞いていた

アマリリス高校はヤンキーという存在があまりいないため授業を妨害するのが少ない

中堅のレベルでありながらひねくれたのがいないため安心して入学できるのも特徴

それゆえか、倍率も高い。一般入試ならともかく推薦入試はかなりの倍率になるらしい

光は一般入試でなんとか入れたのである

先生「ハマ一族というのがいます。ハマリョクジという4つの国の土地を整備担当をした

偉い人です。その後ハマリョクジはシダレカの首相になり、国を治めたと言われます

そしてハマリョクジの死後、子孫であるハマリュウタロウは父の意思を継ぎ現在の首相になりました

ハマリュウタロウの弟のハマタツジは現在の遺跡研究チーム隊長になっています」

黒板でかきながら先生は言う

光(ハマタツジって番組で言ってたなー。どんな人なんだろ?)

生徒が手をあげる

生徒「先生。ハマタツジってどんな人ですか?」

光(おっ、待ってましたその質問)

その言葉を聞いて先生がちょっと悩みながら発言した

先生「ハマタツジさんねえ。実はこの人謎が多い人なんだよ。テレビの露出も少ないし…

実際兄のリュウタロウさんも弟のことを全然よくわかってないらしくて、謎らしい…

ネットで検索すれば多少情報があるかもしれないけど…僕もちょっとわからないんだ」

生徒「…はぁ。わかりましたありがとうございます」

光(え~…謎が多いってどういう意味…)

せっかくの質問が謎が多いで終わってしまってがっかりした

先生「申し訳無い。僕も一応調べておくね。では、次のページを…」


昼、またまた仲良し3人が昼食を食べていた

あいり「今日も野菜たっぷりの食事だぞ~」

こうみ「…一緒に住んでてあれだけど姉さんまさか野菜のみで暮らすの?」

あいり「え?いやいやそんなことはない。ほら、ごはんもきちんとある」

光「あいりちゃん絶対ベジタブルを超えた存在だよね…」

あいり「おいおいアタシはもちろん肉も食ってるぞ」

こうみ「…でも姉さんが肉を欲しがってる姿みたことないけど」

あいり「そんなことなーい!」

光「ほんとかな…」

こうみはバランスよく弁当を食べるがあいりは何故か野菜中心の弁当が多い

そんなんでエネルギー出るのかと思うと結構出るらしい。これは謎

光「今度あいりちゃんにチェーン店のハンバーガー食べさせたい気分だよ」

あいり「お、それ気になるな」

光「ただし野菜を注文するっていうのは抜きだからね」

あいり「え~!困るぞそれ!」

こうみ「…だいたいハンバーガーなんだから野菜のひとつやふたつあるじゃない」

あいり「いや、そうだけど!けど!」

こうみ「…じゃあ姉さんの唯一嫌いな野菜のパクチーでも頼みましょうか」

その言葉を聞いてあいりは顔色を変えた

あいり「おい妹。やめろ」

光「結構ありなやつだね」

あいり「やめろ。パクチーは存在してはいけない野菜だ」

光「今の発言パクチー好きの全人類に喧嘩を売ったね…」

ちなみにアマリリスでもパクチーはスーパーなどで結構売られてる

光「まあそんなことよりもいつかハンバーガー屋に連れていきたいな」

あいり「いいぞ~。休日あたりに行こうか!」

こうみ「…私よりも光に甘い姉ね」

そんなこと言いつつ昼ごはんは過ぎていった


放課後…今日の全ての授業を終えた3人はいつもどおり帰ろうとしてた

あいり「今日は部活ないからさっさと帰れるぞー」

光「今日の夜何してようかなー!」

あいり「あ、そうだアタシ、スーパーによらないといけないんだった」

こうみ「…スーパー?」

あいり「あのな。コンビニでは売られてないスーパーにあるお菓子に限定グッズがあるんだ!」

光「へー!面白そう!私も買いたい!」

こうみ「…私興味ないけど」

光「そんなこと言わずにこうみちゃんも行こ!」

こうみ「…仕方ないわね」

帰り道、スーパーへ寄ることになった3人

今日は大回りして悪魔協会に通ろうとせず真っ直ぐ目的地へと向かうことにした

また悪魔協会の不気味な姿を見たらげんなりするだろうから…

アマリリス、今日の天気は曇りが多かった。それに温度も低い

そんなこんなしてたらスーパーへたどり着く。夕方なのか人で賑わってた

3人は入口に入りお目当てのお菓子のコーナーまで行く。そして見つける

あいり「あったー!これこれ!チョコエッグ!」

あいりは見ると喜んだ顔をした

光「え?お菓子?しかもチョコエッグ?あいりちゃん野菜だけじゃないんだ?」

あいり「む!アタシだってお菓子のひとつやふたつ食べるぞ!」

こうみ「…しかも私の嫌いな甘味じゃない」

光「あ、そうかこうみちゃん甘い物嫌いんだっけ…」

こうみは興味無さそうだ。あいりは更に言う

あいり「このチョコを食うと中身はグッズでな。それが可愛いんだ!CMでもやってたし!」

光「へー…じゃあ私も買おうかな…」

あいり「アタシは5つ買うぞ」

こうみ「…私はせんべいでも買うわ。こっちのほうが好き」

こうみは無表情でせんべいの袋を手にする

こうみ「…これは情報なんだけどヒダンゲのゲッカシティには老舗のせんべい屋があるみたい。

そこのせんべい屋は最高に美味しいって聞いたことあるわ。行きたいわね」

光「こうみちゃんにピッタリだね。じゃあレジに並ぼう」

3人はレジに並ぼうとした。列で待ってると顔見知りがいた

光「あれ?シェリルさん?」

レジで並んでたのはシェリルだった

シェリル「あ。みなさんこんにちは」

あいり「なんだシェリルじゃないか!もしかして夕飯でも買うのか?」

シェリルは笑顔で答える

シェリル「はい。今日はピットフィーンド様が肉の気分だってことで牛肉を買います」

シェリルの持ってるレジカゴには肉がたくさんあった

あいり「おー…アタシにはちょっと困った食材だな…」

こうみ「…美味しそうね…」

あいりは困った顔に。こうみは獲物を狙ってるかのような顔に…

シェリル「皆さんはお菓子を買おうとしてるのですか?」

光「チョコエッグ買おうとしてるよ!」

シェリル「あら、ピットフィーンド様きっと喜びそうなチョコですね」

こうみ「…買ってあげたら?」

シェリル「いえ…お菓子をあまりあげると虫歯が進行しそうだから買いません」

光「ピットちゃん虫歯あるんだ…」

ピットフィーンドは実はお菓子好き。だがピットフィーンドを思ってか

シェリルはあまりお菓子を買ってはいない

そろそろレジ前だ。4人は買う


レジで買い物を終え、4人は帰路に向かう

光「シェリルさん、いつも大きい買い物していくよね」

シェリル「はい。けど慣れたものです。この身体になっても力はありますから」

シェリルは笑顔でレジ袋を持ちながら歩く

あいり「そっか。シェリルって確かアンデッドだよな。全然そんな感じしないが」

こうみ「…アンデッドってどんな感じかしらね」

シェリルは答える

シェリル「私は、ヒューマンのころからピットフィーンド様に付いていこうと思いました。

けど、私は事故で死にました。事故の瞬間を未だに忘れてません…。

そして気づくと祭壇の場所にいて、私は蘇りました。今度は不死という身体になって。

ピットフィーンド様はこんなに優しい性格だったんだって感謝しきれません。

不死になっても決して今までと変わらないです。あくまでも種族が変わっただけです。

更に不死と亡霊の集まりを作って、今手紙をかいてるところです。

特にシダレカにいる人、ヒダンゲにいる人、みんなとても明るくて活動的なんです。

不死だからって特別扱いされずに生きていける…それは素晴らしいことなんです」

シェリルはそう話すとまた笑顔になった

光「なるほどなあ…。不死と亡霊は結構明るく生きてるイメージあるよ」

あいり「そういやアタシらの高校にアンデッドと亡霊はいたか?」

こうみ「…姉さんそれはないわよ。聞いたことないわ」

あいり「いや、もしかしたら種族を隠してる可能性あるかもな」

その言葉を聞いてシェリルは言う

シェリル「不死や亡霊は隠す人が多いです。昔と比べると大丈夫になりましたが…

さっき言ったシダレカのいる亡霊さんは駄菓子屋さんの店員さん。

ヒダンゲにいる亡霊さんは遺跡案内人です。しっかり働けてるんですよ」

光「アンデッドや亡霊になっても働ける…いいことだなあ」

あいり「アタシもアンデッドになろうかな…」

光「あいりちゃんそれは違うから!」

シェリル「ふふふ…けど呪術を使って蘇るのは本当は禁止ですよ

それと、呪術を使って蘇ったことは秘密にしてくださいね」

光「そりゃ秘密にするよ。ピットちゃんも同じこと言うだろうし」

こうみ「…スケールが違うからよくわからないわね」

シェリル…アンデッドになっても変わらない、人間の生活をしてる

それだけでも十分に普通だと感じる部分がある。彼女は明るい性格だ

シェリル「では、私はそろそろこっちの道なのでお別れです」

分岐点にさしかかったころにシェリルは言う

光「うん!じゃあねシェリルさん!」

シェリルはお腹を空いてるだろうピットフィーンドの館へ向かった

あいり「いやー…アンデッドの中でも一番良い奴だよなシェリルさん」

こうみ「…元々人間のときから良い人そうよね」

光「ああいう人になりたいよね…」

3人はシェリルが見えなくなるまで見送ってた


夜、光は自室でネットをしてた

光「えーと…不死は主に呪術を使うと蘇る…けどそれは高位悪魔のみ…

で、亡霊は思いや意志が強いと蘇ることがある…?

うーん、悪魔協会にいる不死と亡霊もそうだけど他の国にいる人ってどういう経歴でそうなったんだろ。

あとヴァンパイアロードさんってどういう感じで不死になったんだろ…?

それにあの人不死のトップって言ってたけど不死や亡霊にトップなんてあるのかな…?」


今日のアマリリスの夜は気温が低め

寝心地いい夜だった







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