第3話秋の国の話

ゲッカシティ…とある住宅にて

?「…ふふふ、スレタイトルで【爆笑】私の中学校で遺跡部なんて部活が作られたwwwwww

…を作ったけど、結構話題になってるわね」

彼女はニヤニヤしながらスレが溜まってく様子を見ていた

?「だいたいあの子もそうだし先生も先生よ。突貫すぎて意味わからないわ。

どうせすぐに終わるんでしょうけど…生徒会の会議を邪魔するんじゃないわよ」

そのぶつぶつ文句を言いながら独り言言ってるのは生徒会委員長だった


ゲッカシティ休日のよく晴れた日

ヒダンゲ自体そこまで寒くならない日が多いので今日の天気はとてもポカポカ陽気

一応冬のシーズンになると雪もたまにちらつくことがあるが積りはしない

そんな日本晴れに近い日にしいな、マーガレット、シャニオンと仲良し三人組は

また遺跡見学へと向かおうとしてた


しいな「今日はゲッカシティにある公園の遺跡に行ってみるわ!」

今回行く遺跡のある公園は電車を使わずに行ける距離だった

マーガレット「公園に遺跡…なかなか無いよな」

シャニオン「ヒダンゲでは公園に遺跡があるのは2つだけです」

マーガレット「そのひとつめを俺たち行くのか…」

一人称俺とか言ってるがマーガレットは女の子である

しいな「で、カメラ用意してるよね?」

マーガレット「あのな。しいながもってこいって話だよ」

シャニオン「大丈夫ですよ持ってきてますよ高画質デジカメ」

マーガレット「シャニオンいつもすまんな…」

シャニオン「平気です。レポートもウチがかきますから」

マーガレット「いやいや!それは俺としいなもやるから一人で抱え込むな」

シャニオンは優秀すぎるがなんでも一人でやろうとするのが心配だ

しいな「そしてお腹すいたらおせんべいもあるから安心してね♡」

マーガレット「お前は楽観的すぎる」


そうこう言ってるうちにゲッカシティの公園に着く

その名前の公園は「ゲッカシティ中央ラタリ公園」

マーガレット「…思ったんだけどよ。ヒダンゲってなんで名前が変なのが多いんだ?」

しいな「ポポ村とかアピリ村とかあるよね。気が抜けそうね」

マーガレット「…まあ、いいか。とりあえず入ろう」

ラタリ公園に入ると休日なのか子供たちが多くいた

結構広い公園で定番の滑り台、ジャングルジム、砂場、ブランコは当然あり

でかいアスレチックがあったりする。子供に人気の公園だ

しいな「子供いるわね~。で、目的の遺跡はっと…」

シャニオン「あ!あそこじゃないですか?」

シャニオンが指をさす場所に遺跡らしい場所があった

マーガレット「結構簡単に見つかったな?よし行こう」

しいな「ねえねえ、子供にまぎれて遊ばない?」

マーガレット「とりあえずそれは後だ!いきなり遊ぶなよ!」


公園内の遺跡に到着した。ここだけやはり雰囲気が変わる

規模としては中ぐらいと言ったとこか。子供は遺跡に行こうとしない

シャニオン「えーと…かなり風化が進んでますね。説明文もちょっと見えないですね」

しいな「ほっとかれてるのかしら…」

マーガレット「見て回ろうぜ」

3人は遺跡を見て回る。気の所為か若干涼しいような気がする

しいなは遺跡の壁を見てふと気づく

しいな「ん?んんー?」

マーガレット「どうしたしいな」

しいな「ねえ、これ…前に行った遺跡にもこんなのあったよね?」

マーガレット「どんなのだ?」

しいなの指をさすとこに何かの絵柄があった

何か女性が描かれた絵だった。そして巫女のような姿をした絵

シャニオンは会話を聞いてデジカメの写真をさかのぼってみた

シャニオン「えーと…あ!ありますね。前にニョッカ村に行ったときの遺跡にも

このかかれた絵がありましたよ!」

マーガレット「そうなのかよ?一体これはなんだ?なんでここにも同じ絵があるんだ?」

しいな「記憶の限りでは前のも巫女のような絵は5人だったわ」

シャニオン「先輩そのとおりです。前の遺跡も5人の絵でした」

マーガレット「どういう意味だ…?先住民がいたって証拠か?」

しいな「うーん。これも牧さんに聞かないとだめかしらね」

シャニオン「そうですね…」

マーガレット「もうちょい調べるか。何かネタになるのあるかもしれねえな」

巫女っぽい絵を写真を撮り3人は更に調べた

しいな「これも気になるね。1人の女性っぽいのが天を仰いでそうな絵」

マーガレット「それによく見るとまた巫女っぽい5人がその女性を囲んでいる」

シャニオン「気になりますね。写真におさめておきましょう」

シャニオンはデジカメでその絵を写した

マーガレット「まあこんなもんか。しかし前に行った遺跡と結構似てたのがあったとは」

しいな「ネタが尽きない感じで嬉しいわね。レポートウキウキしながらかいちゃうよ!

…さ!外に出てアスレチックであそぼー!」

しいなはさっさと外に出てしまった

マーガレット「おい!しいな!突然出るな!」

マーガレットはしいなの後を追う。シャニオンも出ようとしたがふと思う

シャニオン「…5人の巫女…1人の女性…なんやろか…」


その後3人は公園で遊ぶ。しいなはノリノリで遊びマーガレットは子供接触しないように遊び

シャニオンは後を追うように遊んだ。子供と一緒に遊んだりおせんべいを分けたりしてた

そんなことをしてたらどこかで鐘の音がした

カラーン。カラーン。その音は公園内で鳴り響く

しいな「ん?なんだろ?」

?「はーい注目~!今から紙芝居をやるよ~!見たい人は集まってー!」

しいな「紙芝居だって!ねえねえ見ようよ!」

マーガレット「見るのかよ…とりあえず見るか」

シャニオン「紙芝居ウチ好きですよ」

3人は子供に紛れて紙芝居のある場所に向かった

紙芝居を朗読する人は男性で背の大きい、角が生えてたので種族は恐らく鬼であろう人だった

男性「さあさあ、今日は昔の話をするよー!あ、ちゃんと聞いてくれたら

10Gで水飴、ソースせんべい、ヨーグルを売っちゃうからねー!」

しいな「わー待ってましたー!」

マーガレット「お前まさか駄菓子目当てだったのか?」

ほとんどの子供は座り、一応背の高い3人は立って聞くことにした

男性「さあ!今日お話するのは名もなき巫女と妖怪の伝説の話だよ!」

男性は一呼吸して話した

男性「今から君たちが生まれてきていない数十年、いや、数百年前の話…

この大陸とは違い悪魔に支配されて天使は堕落し、世界が闇に包まれてた時代があった!

他の種族はなんとか打破しようと策を練ったり戦争をして戦おうとした…

しかし、それでも悪魔の力は凶悪すぎて手の打ちようもできなかった!」

しいなはぼそっという

しいな「結構種族差別なこと言うのね」

マーガレット「黙って聞いてろ」

男性「そしてある日!5人と1人の英雄が立ち上がる!

5人は巫女という神職につく偉い職業!もうひとりはこれまた強大な力を持った妖怪!

6人が力を出し合い、悪魔に対抗しようと戦った!

巫女たちは神の力を使い悪魔を排除!妖怪は力を持って悪魔をねじ伏せた!

これにより悪魔は次々に懲らしめていった!」

シャニオン「…巫女?」

しいな「ねえ今巫女って…」

マーガレット「あの遺跡と関係あるのか?」

男性の紙芝居は更に続く

男性「そして迎えた最終決戦!

悪魔の親玉であるダークロードは6人の正義と戦う!

激しい戦闘!6人は決して手を緩めずにダークロードに立ち向かう!

そして巫女たちがピンチになったとき、妖怪は自らの命を持って

巫女たちに祝福の力を使った!そしてダークロードは見事に滅んだ!

巫女たちは最終決戦に勝利したんだ!」

しいな「さっきの遺跡の絵ってまさかこれ?」

更に続く

男性「しかし、勝ったのはいいが妖怪は結局命を落とし帰らぬ人となってしまった!

巫女たちはその妖怪に感謝すべく天使と共に天界へ運び、そのまま神として崇めることになった!

世界が平和になり、巫女たちは二度と悪魔が反乱しないようにそれぞれ別々になって

世界を見守った…!

これにて、おしまい!」

ワーワー、パチパチ!

子供たちは拍手喝采。見ていた大人はうなずいてその物語を聞いた

マーガレット「なんとも面白い話ではあったな」

しいな「うん。けど巫女っていうのが出てきて驚いたけど」

シャニオン「これも遺跡と関係あるのですかね…」

男性「さあ、おとなしく聞いてくれたお礼だよ!さっき言った駄菓子を

今から販売しちゃうよー!」

しいな「あ!買ってくる!」

しいな、子供に紛れて猛ダッシュ

マーガレット「おい、しいな!…どうしたシャニオン?」

シャニオン「やっぱり…5人の巫女と1人の女性…妖怪なのかあの遺跡と同じような気がします」

マーガレット「確かに。俺もそう思った。ということは世界を救った巫女と妖怪を描いたものなのか?」

シャニオン「さっきの紙芝居はその遺跡の物語を描いたのかもしれませんね」

マーガレット「可能性としてはあるよな。しかもちょうどぴったりにこの紙芝居が来るとは」

シャニオンはさっき撮ったカメラのメモリーを見ながら言う

シャニオン「牧さんは何か遺跡調査で更にわかったことはなかったんでしょうかね?」

マーガレット「そうだなあ。これだけ気になることだとなあ」

そう言うとしいなが戻ってきた

しいな「マーガレットちゃん、シャニオンちゃん。はい、水飴とソースせんべい」

マーガレット「お、おうありがとう…ってさっきの紙芝居の人にちゃんと話したか?」

しいな「んー?何をー?」

マーガレット「さっきの遺跡と紙芝居のことだよ!」

しいな「けど紙芝居の人、もう帰っちゃったわよ?」

マーガレット「え?あー!」

気がつくと紙芝居の男性は営業を終えたのかもう帰ってしまってた

マーガレット「あー…言うことあったんだがなー」

シャニオン「ウチらも行けばよかったですね」

マーガレット「まあいいか…今日は遺跡を見ただけで十分な収穫だ」

マーガレットはがっかりしながら手渡されたソースせんべいを食べてた


夕方、ヒダンゲの夕日は綺麗だが今日は夕方から雲が出て少し夕日が隠れてしまっていた

しいな「今日は収穫があってなによりだわ!」

マーガレット「お前は遊びたいだけなのか」

シャニオン「また遺跡の面白さがウチに伝わってきました」

しいな「じゃあ学校でレポート作って学校掲示板に貼りだそうね」

マーガレット「ああ、学校でな。レポートのときにはしっかりしいなも参加しろよ」

しいな「それはわかってるよー!」

3人は会話をしながら家へと帰っていった


夜…しいなは自室でパソコンをしていたら1通のメールを受けた

しいな「なんだろ?あ、牧さんからだ!

…えーと、またもや新発見…、え?

土偶のようなものが出てきてどれも女性のような形をしてる?

しかも研究が進んでる巫女のような形だ?」


ヒダンゲの夜はちょっと寒い

だが、ちょうどいい涼しさでもあった


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