第3話冬の国の話

ユキノウエ、シーズンなのか雪がちらついていた

夜、天使協会代表室。そこにアルエルが入ろうとしてた

コンコン…

?「どなたかしら?」

アルエル「私ですお母さん」

?「アルエルね。どうぞ」

アルエルが部屋に入った

お母さんと呼んでるのは天使協会代表ミカエルである。彼女は大天使であり、天使協会を作った

アルエルの母であり、代表としての威厳がある

あまり代表の部屋には入らないアルエルだが今日は特別なことを言おうとしてた

ミカエル「アルエル、どうしたの?」

アルエル「お母さん…今日は2つ、お話があるんです」

ミカエル「2つも?ええ、いいわよ」

アルエル「ありがとうございます。実は、私、アルバイトしてみたんです」

ミカエル「アルバイト?あなたが?できるの?」

アルエル「したいんです。働いて、社会がどんな感じなのか」

ミカエル「うーん…。あなたはもう大人だし、別にいいとは思うわ」

ミカエルは少し考えたが、娘のためにならと思い許可した

アルエル「ありがとうございます…!」

ミカエル「で、もうひとつは?」

アルエルが少し間を空き発言した

アルエル「はい、実はとても仲良くできそうな人を見つけて…

サークル?というのを入りたいと思っているんです」

ミカエル「サークルねえ…実は変な人じゃないわよね?」

アルエル「いえ!全然!私がその人を慰めてたらいつの間にか仲良くなって…」

ミカエル「最近サークルでも悪いのが多いからね。母としてそこが心配なのよ」

アルエル「大丈夫です。私の入りたいサークルは良い人たちだらけです!」

ミカエル「そう。ならいいわ。ただし、かなり遅い時間に帰ってこないことね」

アルエル「ありがとうございます!」

サークルに関しても少々心配な部分があったが構わないと判断した

ミカエル「アルエル、あなたも色々成長してて何よりだわ」

アルエル「そんなことないですよ…。では、失礼します」

アルエルは部屋を出た。アルエルが去ったあとミカエルは部屋にある窓を見ていた

ミカエル「ふふ、なんだかあの子大きくなったわね…」


クリスタルウィンター大学、冬美のサークル室…

相変わらずアナログなゲームを4人でしていた。なんのサークルかよくわからない

が、楽しむためのサークルなので別に何も言われていない

今日は略奪ボードゲームをしてるみたいだ

ミサゲ「あー!そこ私の買ったとこだぞ!」

ギン子「だって略奪がこのゲームの普通なとこよ!」

ミサゲ「だからと言って私ばかり狙うな!」

コーク「はい、ボクがミサゲちゃんの陣地更に奪ったよー」

ミサゲ「あ!なんでそんなことする!」

冬美「というわけでミサゲ脱落ね」

ミサゲ「クッソー!みんなして私を狙いやがって!クソゲーすぎる!」

冬美「そもそもあんたが最初から飛ばして陣地ゲットしてるからじゃない。はい、ここまでよー」

ミサゲ「飛ばしてるっていうのはそうだけどよ!てかもう終わりかよ!」

ギン子「で、優勝は私かしら?」

冬美「そのとおりね。おめでとう」

コーク「ギン子ちゃんすごいなあ。さすがだよ」

ギン子「こんなもんよ。はははー」

冬美「はい。優勝景品無糖コーヒー」

冬美はペットボトルコーヒーをずいっと出す

ギン子「私無糖コーヒー飲めないんだけど…」

冬美「牛乳と砂糖を混ぜて飲めばいいじゃない」

ギン子「…そうするわ」

渋々ギン子は無糖コーヒーをもらう

ミサゲ「お前飲めないのか?私がいただこうか?」

ギン子「いやよ。なんとか飲むわ」

ミサゲ「なんだよ。今日はついてないな」

そのとき、部屋のドアからノック音がした

冬美「ん?誰かしら?はーい」

ガチャとドアが開いた

アルエル「冬美さん、どうも」

冬美「あら?アルエルじゃない。どうしたの?」

アルエルは何か紙を持っているようだ

アルエル「実は、このサークルに入りたくて入部希望しました

さっきサークルの顧問から許可をとってたんです」

紙を冬美に手渡す

冬美「ほんとに入ってくれるの!?嬉しいわ」

ミサゲ「お!マジか。やったな!」

コーク「わあ嬉しい」

ギン子「あなたが入ってくれるなんて!」

冬美「喜んで入部許可するわ」

アルエル「ありがとうございます。でも、もう活動は終わりですよね?」

冬美「残念だけど終わりね。ただ、明日もやるからその時は来てね」

アルエル「わかりました。では明日喜んで来ます!」

冬美「色々とありがとう。よろしくね」


大学の帰り道、5人は揃って帰っている

雪が降ったせいか雪が積り道が白く染まっている

コーク「…でさー、ネットの大型掲示板に書き込みがあったんだけど

ヒダンゲのどこかの中学校で遺跡部なんていうのが作られたんだって」

冬美「へー遺跡?ユキノウエにも遺跡あるけど部活動?」

アルエル「面白いですね。私の母も遺跡には興味あるんですよ」

冬美「あなたの母は代表だから色々興味持ちそうね」

アルエル「色々と興味持って困りますけどね」

ミサゲ「それどんな感じなんだろうな?楽しいのかそれ?」

ギン子「感想を言うと遺跡に関してはその道の人が研究すればいいとは思うわね」

コーク「書き込みはそれだけだったんだけど結構話題になってたよ」

冬美「遺跡部ねえ。そういえばネトゲの仲間にヒダンゲの人いたわ」

ミサゲ「え?そいつ中学生なのか?」

冬美「いいえ。あまりリアルの話してないけどその人は普通に社会人よ」

ミサゲ「ふーん。ま、私は遺跡には興味ない」

冬美「今日ログインしていたら聞いてみましょうかね」

分かれ道になったときアルエルが言う

アルエル「私、アルバイトの面接があるのでそろそろお別れです」

冬美「そうなの。面接頑張ってね」

アルエル「はい!では、失礼します!」

コーク「アルエルちゃん明日待ってるよー」

アルエルは急ぎ足で都心部に向かった

冬美「面接ねえ…。アルエルはどこでアルバイトするのかしら」

ギン子「ああいう優しい人には接客業が向いてそうね」

コーク「接客業はあまりしたくないなー。けどアルエルちゃんにピッタリかもね」

ミサゲ「うーん。全然見当がつかないな」

冬美「ま、明日聞いてみるしかないわね」

4人は家に帰るため別れた


夜…冬美はネトゲにログインをした

今日もきっと仲間は普通にいるだろう。ログインすると見慣れた顔ぶれがあった

冬美「みんな。こんばんは」

轢沙子「あらウィン。こんばんは」

光「やっほー!」

レニ「こんばんはですわ」

冬美「あ、レンあなたヒダンゲ出身でしょ?聞きたいことがあるけど」

レニ「はい。なんでしょう?」

冬美「あなたの国で遺跡部なんて作った中学校があるけどなんか知らない?」

光「あ!それ大型掲示板の書き込みでしょ!見たよ~

なんか【爆笑】私の中学校で遺跡部なんて部活が作られたwwwwww

…とかいうスレタイトルだったけど」

轢沙子「ヒダンゲでそんな部活できたんだ。面白いわね」

レニ「はい。それは私の仲のいい子が作った部活ですね」

冬美「仲のいい子?」

レニ「そうです。その子は勢いがあって元気で…そして遺跡に興味あって…生徒会でお願いしたらすぐにできたみたいです

わたくしの親友もその遺跡部に全面協力してくださるみたいで、その子、明日も遺跡に行くみたいですわ」

光「え?その親友って遺跡に関する仕事でもしてるの?」

レニ「そのとおりですわ。わたくしの親友は遺跡案内人です」

轢沙子「遺跡案内人…。どうせなら私の国の遺跡を案内をしてほしいわね」

光「最近アマリリスにも大きい遺跡発見されてたなあ。新聞にも載ってたし

そういえばヒッサーさんの国の遺跡ってよくわかんないとこにあるんだっけ」

轢沙子「そうよ。変な場所に小さい遺跡あるし都心のど真ん中に遺跡あるし」

レニ「あら。彼女たちにそんな遺跡を見てもらいたいですわ」

轢沙子「あまり治安の良い国じゃないからオススメできないけどね…」

冬美「わかったわ。ありがとう。…でもなんでそんな書き込みあったのかしら」

レニ「さあなんでしょうね?知ってる人にしかわからないと思いますわ」

轢沙子「その生徒会関係者?の人かしらね?」

光「その可能性あるよね…。爆笑とか書いてあったからそうでしょ」

レニ「遺跡部に支障をきたすことはわたくしは嫌ですわ」

冬美「確かにそのとおりよ。部活なんだし、自由にやればいいと思うわ」

光「そうだよね!」

レニ「そうです。だから応援してるんです」

冬美「応援すればいいわ。さ、そろそろクエスト行きましょう」

轢沙子「ええ。レンさんだいぶ強くなってきたし高いクエストに行くわね」

レニ「はい。皆さんよろしくおねがいします」


そして気がつくと深夜の時間帯までプレイしてた

冬美は背筋を伸ばした。今日もまた色々とお話ができた

冬美「レンさんって職業なんなのかしら。それを聞くのを忘れてたわ

ま、いいか。そろそろ寝よっと…」

ユキノウエはまた雪が降っていた


時間を遡り、冬美がアルバイトしてる店…

店長「…なるほど。確かに君は天使だし美人だし優しそうだ」

アルエル「はい。私はもっと社会経験積みたいです」

店長「全然悪くない!明日からここに来てください。どうぞよろしくね」

アルエル「採用ですか!ありがとうございます!」

いつの間にかアルエルが冬美のアルバイト先で採用が決まっていた

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