第2話夏の国の話

人間が住むには大きすぎる館…

そこには高位悪魔がいる。その悪魔は小さくとも強大な魔力を持った悪魔である

ピットフィーンド。

今日はなんとなくアルバムを見ていた。特によく仲良くしてくれるヒューマン、塩谷光の写真を見てた

ピット「…いい笑顔だ。私なんかが数十年、いや数百年生きてもこういう笑顔にはなれない」

ピットフィーンドは微笑みながら写真を見てる。ピットフィーンドと光の写真があった

ピット「綺麗な顔だ。私なんかでいいのだろうか。もっと良い人を見つけてほしい気がする」

けど良い人を見つけてしまったらそれは嫉妬でもしかしたら殺害してしまうのでは?

そんな被害妄想も考えてしまう。そのぐらい気に入ってしまっているのは自分でもわかっている

そう。あの時助けたときから運命に導かれたのかもしれない。悪魔なのに…

ピット「私はもっと、ヒューマンらしく生きるのが一番だろうか?」

シェリル「でも、ピットフィーンド様は前よりかヒューマンになってますよ?」

突然の声にピットフィーンドは驚く

ピット「おわっ!?なんでノックもしないで入ってきてんだシェリル!」

シェリル「あ、ごめんなさい。ただ独り言言っててなにかなーって思っただけです」

ピット「はぁ…全く。で、私の独り言全部聞いてたのか?」

シェリル「いえ。ヒューマンらしく生きるのが、っていうのだけ聞いてました」

どうもピットフィーンドに伝えようと部屋に入ろうと思ってたらしい

ピット「そうか。何か用事があるんだろ?」

シェリル「今晩の晩ごはんは何にいたしますか?」

ピット「うーん。今日はいい気分だからシェリルの好きな物にすればいいんじゃないか?」

シェリル「私の好きな物ですか?トムヤムクンでいいですか?」

ピット「ああ。それで」

シェリル「かしこまりました」

シェリルが部屋を出る。その廊下でシェリルがいやっほー!と言ってた気がする

ピット「全く図々しい使用人だな…。不死になってから更に図々しくなってるぞ」

まあシェリルも大切な人だからこうして不死になったわけだが

ピットフィーンドはもう一度光の写真を見る

ピット「今日も、癒やされたよ。私の光」


夏の国、アマリリス。今日も朝から暑い日が始まる

夏の国らしくプールや海が気持ちよく泳げる気候であり、春ぐらいから海が解禁になる

また、アマリリスは暑い気候からか日焼け対策は大事とされている

首都ビスカスシティは鉄道が通ってないものの大きい道路があり車とバイクがよく走っている

夏の国なので野菜も夏野菜が多く、新鮮で美味しく観光客にも人気

バナナ。きゅうり、トマト、ナス、とうもろこし…。美味しすぎて他の国に輸出してるほどだ

大部分が占めてるアマリリスジャングルはいつもツアーがあるほど大人気である。ただし奥地に入ると二度と戻れない


光が通っているアマリリス高校はここビスカスシティにある

今日も光は自転車を漕いで高校まで走っていた

光「あー遅刻するー!」

などと言ってるが実際光が遅刻したのは指で数えるほど。つまり遅刻と言ってるのはただ急いでるだけ

そしてようやく高校に着く

光「…今日はピットちゃんとシェリルさんはいないね?」

光は校門であたりを見渡してみるが特にあの2人はいないようだ

光「じゃあ、さっさと入って教室いこっと」


自分の教室に入り、すでにいるこうみに挨拶をする

光「こうみちゃんおはよ!」

こうみ「…ええ、おはよう。相変わらず汗だくだくじゃない」

気がつくと光は顔から汗がたくさんたれていた

光「え?あーハンカチで拭かないと…」

こうみ「…今日も暑いんだから、しっかり水分補給もしないとだめよ?」

光「うん!水筒のお茶を飲まないとだめだね」

こうみ「…お茶なんかで水分補給できるのかしら」

光「できるできる!ヒューマンを舐めちゃいかんよ~」

こうみ「…いや、ヒューマンだからこそ心配なのよ」

そんなことを話してるうちに先生が来ていた。ちょうどチャイムも鳴った

先生「はーい時間だから席につけー」

光「じゃ、今日も一日がんばろ!」

こうみ「…ええ」


今日は歴史の授業があり、教室のみんなは私語はせず集中して聞いていた

喋りながら担当の先生は黒板にかく

先生「…この約1000年前に、天使と悪魔が戦争をした歴史があります

これを天魔戦争と呼びます。この天魔戦争はたくさんの種族が参加したと言われています

人間、妖怪、鬼、その他もろもろの種族です。天魔戦争はテストに出るのでしっかり覚えておきましょう」

光(天魔戦争なんて、中二病臭い戦争だなあ。けど天使と悪魔が実際いるしね)

光は心の中でつぶやいていた

一人の生徒が手をあげた

生徒「先生、天魔戦争はどっちが勝ったんですか?」

先生「天使が勝ったんだよ」

生徒「どのようにして勝ったんですか?」

先生は少し考えたのち、答えた

先生「それはね、ちょっと話しにくい内容なんだよ。各自調べてくれないかな?

あと、どっちが勝ったかなんていうのはテストには出ないから安心してくれ

それと、どのようにして勝ったか。もね」

生徒「はい、わかりました」

光(ちょっと気になるなあ。今こっそりピットちゃんに聞けばわかるかな?)

そういえばピットちゃん携帯電話持ってないんだった…と思い断念した

先生「じゃあ、次のページを開いてください」


昼ごはんの時間。あいりも教室へ行き3人で昼ごはんを食べていた

あいり「な~見ろよこの野菜たっぷりの弁当。エネルギー出るよ!」

光「わーすごいねあいりちゃん!けど私だとちょっとお腹すいてしまうね」

こうみ「…だいたい姉さんは野菜好きすぎるだけよ」

あいり「光もしっかり野菜とらないとだめだぞ」

光の好物はハンバーガーで人気チェーン店のハンバーガーが大好き

こうみ「…いや、光のようなヒューマンにいきなりそんなこと言っても」

光「うーん。私もベジタリアンにならないと」

こうみ「…ノッちゃったわ」

そんなこと言いつつ昼ごはんを食べていた

光「ところでさ、あいりちゃん」

あいり「はいはいなんだ?」

光「今日さ、歴史の授業で天魔戦争の話があったんだけど…詳細知ってる?」

あいり「あー天魔戦争か。アタシもその授業学んだわ」

光「天使が勝った理由ってわかるかな?」

あいり「勝った理由?いや、アタシ調べたことないからわからないなあ

ピットに聞けばいいんじゃないか?」

光「そうだよねー。けど今日はいるかな…」

こうみ「…ピットも忙しい日があるからね」

そして昼休みが続く


放課後、光は帰ろうとしてた

こうみ「…今日姉さん、部活があるみたいだから先に帰っていいって言ってたわ」

光「じゃあ、一緒に帰ろ!」

あいりは部活に入っておりバスケ部なんだとか

しかし3年なのでそろそろ引退でとにかく今のうちに部活に励みたいとのことで

今は一生懸命参加してる

校門を出て2人は歩いて帰る。もちろん光は自転車をひきながら歩く

夕方。アマリリスの夕方は日中より気温が下がる

帰り道はシダレカのようなアスファルト舗装の道はあまりなく地面が暖かくはない

ふと寄り道してると何やら怖そうな建物に着く

光「…ここ、悪魔協会じゃん」

こうみ「…そうね。ここは悪魔協会よね」

悪魔協会は不気味で怖そうな建物となっている。黒塗りの建物。といったとこか

正直、下手なお化け屋敷よりも怖い。ここだけ異彩を放っている

悪魔協会は基本4つの国全てにあるがここアマリリスが総本山である

総本山だからこそ、建物がでかく、怖い

光「怖いよね…。ん?悪魔協会に誰かいるね?」

悪魔協会入り口に女性二人が帰ろうとする姿が見えた

そしてその二人は見知った姿だった

ピット「今日もアークデーモンはいないか…結局ヴァンパイアロードとお喋りしちゃったよ」

シェリル「私は仲間の不死といろいろ喋れてよかったですよ」

ピット「アークデーモン、代表者だからこそ色々な国に出張へ行ってるんだな」

シェリル「留守を任されてるヴァンパイアロード様も立派な副代表者ですよ」

ピット「いや、彼女は副代表者としては軽い感じなんだよな」

ピットフィーンドとシェリルだとわかり光は嬉しそうに叫んだ

光「ピットちゃーん!シェリルさーん!」

二人はその声に気づく

ピット「お!光じゃないか!それとこうみ。どうしたこんなとこに?」

ピットとシェリルは光とこうみの側に行く

光「ちょっと寄り道してたらいつの間にかここまで来ちゃったの!」

こうみ「…寄り道というより大回りに来ちゃったって感じね」

シェリル「そうですか。でもここは関係者以外は来てはなりませんよ」

光「さすがにここは入りたいとは思わないよ」

ピット「まあ関係者以外だと罪人ぐらいしか入らないな。今日も罪人がいてしっかり説教されてたぞ」

少し笑顔になりピットフィーンドは悪魔協会を見て言う

こうみ「…こんなとこで説教されたくないわね」

光「怖すぎて何も反論できないよ…」

シェリル「犯罪に関わらないように注意してくださいね。まあ犯罪とは遠い2人だと思ってます」

笑いながらシェリルは言う

笑いながら言うのだからピットフィーンドとシェリルは慣れているのだと思う

光「ところで今日は2人とも悪魔協会のことは終わったの?」

ピット「ああ。ちょうど終わった。これから帰るとこだ」

光「一緒に帰ろう?」

ピット「それはいいな。帰ろうか」

4人で帰ることになった


帰り道、4人はゆっくりと歩く

シェリル「しかし光さんの自転車。とてもいい自転車ですね?」

光「そうだよ!高校へ行きやすいようにちょっと高めの自転車を買ってもらったんだ!」

ピット「自転車か!自転車…う、乗れない…」

光「え!?そうだったの!?」

シェリル「前に自転車に慣れようと思って訓練してたんですが、結局乗ることはできなくて…

ピットフィーンド様の乗った自転車は今は倉庫で静かに眠ってます」

光「えー!ピットちゃん自転車はできると楽だからしっかり乗れるようにしようよ」

ピット「うーん。光が言うなら…もう一度トライしてみるか…。自信はないが」

こうみ「…自転車は乗れると便利よ」

シェリル「そうですよー。諦めないでまた訓練しましょうピットフィーンド様?」

ピット「わかった。頑張ってみる」

ピットフィーンドは決心したようだ


光は3人と別れ自宅へと帰る

光「…あ!そういえば天魔戦争のことピットちゃんに話そうと思ったけど忘れてた!

いいか。ピットちゃんならいつでも会えるしね。携帯電話持ってほしいなあ…

今日も晩ごはん食べたらネトゲにログインしないと。そういえばレンさんまだレベル低いし

サポートしつつレベルを上げておかないとね。そろそろイベントのレイドボスが出るし…

おっとネトゲの前に今日出された宿題処理しておこ」

机に行き宿題をし始める


今日は夜の天気は曇りがある天気だった。それゆえ少し涼しい気候

光の夜はこれからである

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